IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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今回も短いです。

では本編をどうぞ↓


第37話 少女達の休日part3

「あ~スッキリした。やっぱ種籾扱いされるのは嫌なものよね~。」

 

ソフトモヒカンのジャギをフルボッコにした鈴はにこやかにそう言う。

その一方で、店内は騒然と化している。

凰鈴音、RNファリィというサウザー使いの登場によってモヒカン勢に動揺が走る中、その原因である彼女は自覚していない。

 

─ざわ… ざわ…

 

「お、おい鈴…。なんだかすげぇ注目浴びてるぞ…。」

 

「ん~、それよりも南美を探しましょ。見たとこ女の客はそんないないっぽいし、直ぐに見っかるでしょ。」

 

周囲の好奇の視線を全く気にしていない様子の鈴はそのまま店の奥へと足を進める。

一夏達もそれに倣って奥へと向かう。

 

 

 

「はい、小足が刺さってコンボに繋げていく。そしてバニからの壁コン、からの羅漢撃ぃ!! 勝ったのはQMJジャギ。」

 

流れるように試合の実況をするのはTRF‐Rの修羅TAKUMAである。実況席とその周りにいる数名は鈴という乱入者の存在に気付けてないようである。

もちろんそれは試合風景をじっと見つめていた南美も同様だった。

 

「さぁ、次はノーサシン対えぐれサウザーの試合です。何回目の対戦か分からないくらいによく見る組み合わせ、さぁ勝つのはどちらでしょうか…。」

 

ジョインジョインジョインジョインシィン サウザァ

デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー

 

 

 

「ん? あの後ろ姿…、あれじゃないか? ほら、あの台に座ってる人。」

 

店内の中程で辺りを見回していた一夏が足を止め、ある場所を指差す。そこには北斗の筐体があり、一人の少女、北星南美が座っていた。

 

「ホントだ。…あの動き、それにさっきのアナウンス…。」

 

南美の操るシンを見た瞬間、鈴の纏う空気が一変する。

 

「まさか南美がノーサだったなんてね…。」

 

誰にも聞こえない小さな声でポツリと呟いた鈴の顔は笑っている。

 

 

 

「ノーサシンのコンボは途切れない‼ えぐれが、泣くまで、コンボを、止めない!」

 

ノーサの操るシンの動きに合わせてTAKUMAの流れるような実況が響く。

そして鈴は足を止め、その試合の行方を見守っている。

 

「はいっ! 南斗孤鷲拳奥義の南斗翔鷲屠脚ぅ! 勝ったのはノーサシンでしたぁ~。」

 

(モヒ・ω・)<ハラショォォオオオ!!

 

(モヒ・Д・)<カッコいいよ!ノーサちゃん!!

 

(モヒ・∀・)<ヒューッ!

 

南美の勝利と同時に南美の側にいたモヒカン勢が一斉に騒ぎ立てる。

これも北斗勢にとってはいつものこと、チャメシ・インシデントなのだが、モヒカン勢初体験の一夏達は困惑の色が隠せないでいた。

 

「な、なんですの、この方達は?」

 

「わ、分からんねぇけど、多分あのノーサって人のファンなんだろ?」

 

「…そのノーサとやらの後ろ姿に見覚えがあるのだが…。」

 

「「「……、あっ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 








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