今回は短いです。
それと、誤字を指摘してくださる方、ありがとうございます。
では本編をどうぞ↓
─放課後
side 南美
「さて、一夏くんや。来週の決闘だけど、勝算はあるの?」
今までISに関わらずに、入学決定から始業までの間でしか学んでこなかった一夏くんと、ISエリートのセシリアちゃん、テストパイロットをしてた私の間には大きな経験の差があるのだ。
「正直に言うと無い。…けど、それで逃げるのは違うと思う。どういう理由であれ、推薦されたってことは誰かの期待を背負ってるってことだから…。」
…やっぱり真面目な人だね。不意の事故で通うことになったのに、それをしっかり受け止めて、自分に出来ることを少しでもこなそうとしてる。
激流にただ身を任せるんじゃなくて、その激流に乗ろうとしてる。なかなか出来ることじゃないよ。
「…残念だけど私はキミのライバルなんだ。だから協力は出来ないよ。」
「あぁ、仕方ないよ。そこまで甘える気はないし。むしろ情けは無用だぜ?」
「もちろんだよ。戦う以上手加減はしない、全力を出すよ。」
そう言うと一夏くんは不敵に笑った。
side out...
side 一夏
「勝算はあるの?」
痛いところを突かれたな…。
「正直に言うと無い。」
そう、今のオレはIS素人。この学園だと下の方だろう。
だとしても、
「それで逃げるのは違うと思う。どういう理由であれ、推薦されたってことは誰かの期待を背負ってるってことだから…。」
大半の人は押し付けやすいからだろうけど、中には本当にオレに期待してくれている人がいるかもしれない。
その“かもしれない”がオレにとっては足掻くには充分な理由だ。
「…残念だけど私はキミのライバルなんだ。だから協力は出来ないよ。」
南美は口の端に微かな笑みを浮かべている。
この状況を楽しんでいるのか?
「あぁ、仕方ないよ。そこまで甘える気はないし。むしろ情けは無用だぜ?」
要らない情けを掛けられるなんて、男にとっては一番の恥だ。少なくともオレはそう思ってる。
「もちろんだよ。戦う以上手加減はしない。全力を出すよ。」
ふん、そう来なくっちゃな。燃えてきたぜ。
side out...
「織斑くん、よかったぁ~、まだ教室にいたんですね。」
談笑し合う二人の前に山田真耶が現れた。
肩で息をしており、額には玉の汗が浮かんでいる。
「ありゃ?どうしたの山田先生?」
「あは、あはは、その、さっき織斑くんに渡そうと思ってた物をですね…。」
「渡し忘れた…と。」
真耶は“あはは…。”と苦笑いを浮かべる。
そしてポケットをごそごそと漁り、一本の鍵を取り出した。
「コレが織斑くんの部屋の鍵です…。で、荷物とか生活必需品とかは織斑先生がもう部屋に入れてくれてるらしいです。」
「そうなんですか、分かりました…。」
鍵を受け取った一夏は鞄を持ってそのまま教室を後にした。
南美もやることはもう残ってない為に、そそくさと寮に帰って行った。
──学生寮 1年棟
side 南美
ホントに無駄なくらい広いよね。いや、世界各国からエリートが集まるからそれほど無駄じゃないのか…?
まぁ良いや、え~と1022号室は…と、あったあった、ここだね。鍵は開いてるみたいだし、ルームメイトはもういるっぽいね。
「お邪魔しまーす。この部屋に住む北星南美です。よろしくね。」
「お~、ミナミナだ~。」
「本音じゃーん! この部屋なのか~。」
まさか同室になるとは。癒し成分を毎朝摂取出来るのは良いね。
さてと、本音とじゃれつつ部屋に届いている荷物を開けますか。私の段ボールはあれか。
「ミナミナの荷物の中身は~?」
「にひひ、これだよ。」
段ボールを開けて中からゲーム機と北斗(家庭用)を取り出す。他にも色々入れてるけど、まだ良いだろう。
「格ゲーかぁ、私はあまり得意じゃないなぁ~。」
…言っちゃなんだけどトロそうだもんね。コマ入力とか間に合わなさそう。
「まぁ見てるだけでも楽しいっしょ。たぶん…。」
さーてやり込みを始めましょう。
なにやら近くの部屋でドアをぶち破った強者がいるらしいけど無視だ無視。
ジョインジョインジョインジョインシィン
キャラ対は重要だからね。
side out...
この後南美はノーサモードになり、小一時間ほどバスケをし続けたという。
基本はやり込みですよ。
ノーサ曰く「やり込みは嘘を吐かない」です。