IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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今回は平均的な長さです。

※注意※
この作品はフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切の関係はなく、また、中野TRFや、そこに通うプレイヤーの方々を誹謗・中傷する目的は一切ありません。

いつもの前置きが済んだところで本編をどうぞ↓


第11話 梅雨でもモヒカン達は元気です

 

 

6月、長く続く雨で湿気が増える時期のTRF‐R

 

 

「梅雨に負けるな!TRF‐R北斗の拳土曜大会の始まりです。」

 

外では雨が降り、肌寒くとも、ここTRF‐Rはいつも熱気に包まれている。

 

今日もまた、修羅による熱い戦いが記録に残る。

 

「1回戦第1試合はノーサシン対えぐれサウザー!」

 

(モヒ・ω・)<ノーサちゃぁああん!!

 

(モヒ・Д・)<クイーン、今日も素敵です!!

 

(モヒ・∀・)<ヒャッハー!

 

 

「さぁモヒカンが盛り上がっています。1P側に座るはノーサシン、2P側がえぐれサウザー。さぁまたしてもえぐれがビクンビクンしてしまうのか、注目の一戦です。」

 

ジョインジョインジョインジョインシン サウザァ

デデデデ ザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー

ナントゴクトケンッ

 

「さぁ開幕獄屠拳、歪みねぇなぁ。ペースを掴んで行くのはノーサシン、クイーンの名は伊達ではない。」

 

ジゴクニツキオトシテヤルッ

 

「はい、起き攻めはコマ投げ。はいはいはいはい壁コンそして肘鉄連打。こんなコンボはお前しかやらないぞ。」

 

ペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシナントゴクトケンッ

 

「80ヒットを越えた辺りで獄屠拳を当てて浮かせるが死んだぁ、さすが聖帝、柔らかい。」

 

バトートゥ デッサイダデステニー

ナントバクセイハッココマデダッ

 

「開幕はお互いにバクステ、慎重な立ち回りを見せている。えぐれは牽制にショウハとバクセイを撒いて行く。」

 

ヒカヌッコビヌッカエリミヌッ

 

「おおっと、先に刺したのはえぐれサウザー、起き攻めにバクセイとショウハを重ねて、が刺さらない。ガーキャンで切り返して今度はノーサのターン。」

 

シズメ

 

「ブースラから、コンボを繋いで行く。バニからの壁コン、さぁすでに大幅に体力が減っているぞ。」

 

ナントコシュウケンオウギナントショウシュウトキャク

 

「一撃決まったぁ、勝ったのはノーサシン。コレがクイーンの実力、さすがのコンボ精度です。素晴らしい。さぁ第2試合は─」

 

 

 

次の出番が来るまで、ベンチに座って休んでいたノーサにカセンが近寄る。

 

「調子良さそうじゃないか、ノーサ。ハイこれ、差し入れ。」

 

「あ、カセンさん。どうも…。」

 

ノーサはカセンが差し出したスポーツドリンクを受け取る。買ったばかりなのか表面はまだひんやりと冷たい。

 

カセンはノーサの横に腰かけるとタバコを携帯灰皿に押し付けて、火を揉み消した。

 

「それで?格ゲーとリアルファイトは良いとして、どうなのさ、うちのバカとは…。」

 

「ふぇ、あ、そのほんわ君さんとはまだ、えと…。」

 

顔を薄く紅潮させながら煮え切らない態度を取るノーサを見てカセンはハァと盛大に溜め息をつき、自身の頭をワシャワシャと掻いた。

 

「あのバカの鈍感ぶりにゃ呆れるよ。こんな可愛い子がアプローチしてるってのにさ。」

 

「良いんですよ。まだ時間はありますし、これからゆっくりと時間を掛けていきますよ。」

 

儚げな表情を浮かべるノーサを見て、カセンは思わず彼女を抱き寄せた。

ちょうどノーサの顔がカセンの胸に埋もれる形である。

 

「良い子だねぇあんたは、ホントに…。アタシはそんなあんたが大好きさ。だから、なんか困ったらいつでも言いな。アタシに出来ることなら力になってやるからさぁ。」

 

「はい、ありがとうございます、カセンさん…。」

 

抱き寄せられたままの姿勢で礼を言うノーサ、その頭をカセンは優しく撫でる。

カセンの顔は慈愛溢れる顔をしていた。

 

「はい、次はぁ珍しい人物の登場だ‼ カセンユダ対DEEPシンの対戦です。」

 

「どうやらアタシの出番みたいだねぇ。行ってくるよ。」

 

「はい、頑張ってください。」

 

「ありがとね。まぁなんとかなるだろうけどさ。」

 

振り返らず手だけ振り返したカセンはそのまま1P側に座る。

 

 

 

ペシペシペシペシペシペシペシペシコノドクデイチコロトイウワケヨォペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシ

 

「バニィからのコンボを繋いでイチコロ入ってまたコンボ。今度は逆サイドに輸送してコンボ。」

 

ペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシペシコノドクデイチコロトイウワケヨォペシペシペシペシペシペシペシペシ

 

「はい、また逆サイドに輸送して行く。そしてまたコンボォ。ダガールを全く使わない! これは今ごろダガールがオレを利用しないのか~と叫んでいるに違いない。」

 

ペシペシペシペシペシペシペシペシ

 

「はい、浮かせてバスケに移行した。はい、殴って浮かせて殴って浮かせてぇ、はい、死んだぁ。ユダ様は本当に力業の得意なお方。」

 

バトートゥ デッサイダデステニー

 

「さぁ2ラウンド目、開幕バニで星取って、はいはいはい星を溶かして南斗紅鶴拳奥義が決まって勝ったのはカセンユダ。」

 

(DP・Д・)<え、マジで…? オレ何にもしてない…。

 

「相手が悪かったねぇDEEP。一応これでも昔はユダ使いじゃ関東屈指の人間だったんだ、悪く思わないでおくれよ?」

 

スッと立ち上がったカセンがタバコをくわえ火を着ける。

色気漂うその佇まいに何人ものモヒカンの視線が釘付けになった。

 

 

 

「久々に対人でやっても案外上手くいくもんだねぇ。」

 

カセンは遠くのベンチに座っていたノーサの元をまた訪れる。

その際にはちゃんとタバコの火を灰皿で揉み消している。

 

「1回戦突破おめでとうございます。」

 

「ありがとうよ…。さてと2回戦は誰が相手かねぇ。」

 

ん…と息を吐いてカセンは体を反らせた。ピキキッと小さく背骨が鳴る。

だがそれよりもノーサの目にはカセンの胸部にある2つの巨大な山に釘付けとなった。

 

──圧倒的敗北

 

比べるまでもない圧倒的な彼我の差をこの場で再認識する。

ゲーマーとしてではなく、女性としての魅力、その一点に置いてはノーサとカセンには天と地程の差があるように彼女には思えた。

 

敗北を認識したノーサは暗い表情のまま、その顔を見られないようにうなだれる。

ブツブツと周囲に聞こえないような声で何かを唱え始めた。

 

「はい、では続きまして2回戦第1試合、ノーサシン対こあらレイ。」

 

(モヒ゜Д゜)<ノーサ!ノーサ!ノーサ!

 

(モヒ・Д・)<クイーン!ガンバです!!

 

モヒカンからの声援もどこ吹く風か、ノーサはゆっくりと歩き、2P側に座った。

 

(巨乳は死すべし、慈悲はない。待ってなさいカセン、この大会で私はアナタを倒す…。)

 

暗く濁った目で画面を見つめるノーサがそこにいた。

 

(モヒ・∀・)<な、なんかノーサちゃん、殺気立ってないか?

 

(モヒ・ω・)<こあらさんなんかやらかしたのか?

 

(モヒ・Д・)<ヤバいぞ。ああなったノーサさんはマジでパネェんだ。

 

(こ・ω・)<(オレは何にもやってないんですけどォォおおお!!?? え、何で? 何でノーサはキレてんの?)

 

 

 

デデデデ ザタイムオブレトビューション バトーワン デッサイダデステニー

 

 

「出たぁ!! ノーサシン名物の世紀末陸上! 右に左に上に下にとシンが飛び回っている‼」

 

ウィーンシン パーフェクト

 

「勝ったのはノーサシン、こあらレイに何もさせずに完封勝利を迎えた。修羅を相手にクイーンは怒涛の快進撃だぁ!!」

 

 

 

ナントコウカクケンオウギケッショオシ

 

「勝ったのはカセンユダ、さぁ自重していたユダ使いが本性を現した、これは荒れる予感がするぞ‼」

 

 

 

 

「カセンさん、アナタの快進撃もここまでだ‼」

 

「あらあら、勇ましい。」

 

「さぁ決勝戦に残ったのはクイーンことノーサ、そして自重していた店員カセンのこの二人。シン対ユダの勝負となります。」

 

ジョインジョインジョインジョインシン ジョインジョインジョインジョインジョインユダァ

デデデデ ザタイムオブレトビューション バトーワン デッサイダデステニー

シネェッ

 

「開幕グレイブでノーサシンが仕掛けて行く。はい空中コンボから締めは獄屠拳。さぁ起き攻めから星取りに行ってコンボ、バニを絡めて星を溶かして行くぅ。」

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!! シャアッ!」

 

「1ラウンド目を取るのはノーサシン、今日はいつもより気合いが入っています。気迫が違う。」

 

 

バトートゥ デッサイダデステニー

デエェヤアァッ

 

「開幕バニィ、コンボ、そして南斗弧鷲拳奥義が決まったぁ!! 優勝はノーサシン、女性対決を制しクイーンの座を見事に死守した!!」

 

「あれまぁ…、負けちまったねぇ。これが執念の違いってやつかい…。」

 

 

 

 

「優勝おめでとうさん、ノーサ。ホントに強いねぇあんたは。」

 

「カセンさんには格ゲーでは負けたくありません、というよりも格ゲーで負けたら他に勝てるところがありません‼」

 

「ちょいとお待ちよ、何の話をしてるんだか私にゃさっぱり分からないんだけど…。」

 

「うぅ、秘密です! でもでもカセンさんには絶対格ゲーでは負けません!」

 

カセンの問いにノーサは顔を真っ赤にしてお茶を濁した。

 

(モヒ・Д・)<ノーサちゃぁああん、かわいぃいいよぉお!!

 

(モヒ・∀・)<マジでプリティでチャーミングです、クイーン!!

 

(モヒ゜Д゜)<フウウゥゥウッ!!

 

 

「うっさい、黙れモヒカン!!」

 

(モヒ・ω・)<怒った顔も可愛いよ!!

 

 

 

今日もTRF‐Rは平和である。

 

 

 






ノーサちゃぁああん!!

ノーサちゃぁああん!!

可愛いよぉお!



そして、この作品、もうIS出なくて良いんじゃね?と思ってる皆様、あくまでこの作品はインフィニット・ストラトスの二次創作です。

あと数話で原作にたどり着けるんです。
ですので、IS原作に突入するのを楽しみにされている方はもう少し待っててください。



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