今回は短いです。
では本編をどうぞ↓
4月になり、南美も中学三年生になって最初の土曜日、彼女はいつものようにTRF‐Rに来ていた。
(モヒ・ω・)<ノーサちゃん、進級おめでとう~。
(モヒ・Д・)<おめでとうございます‼ クイーン!!
南美が店内に入ると、手持ち無沙汰にしていたモヒカンが揃って祝いの言葉を彼女に掛ける。
その言葉に南美は「ありがとうございます」と笑顔で返した。
(Ki・д・)<ドーモ、ノーサ=サン。進級おめでとうございマス。
(眉゜Д゜)<来たな、JCクイーン。中学最後の1年間を楽しめよ?
(TA・Д・)<南斗実況拳の継承も忘れるなよ?
(こ・ω・)<超!エキサイティン!!
(*´ω`*)<今度リベンジマッチを企画してるんだけど、受けてくれない?
「どもども、今後ともよろしくお願いします。」
(TA・Д・)<それじゃあ、土曜大会新年度スペシャルを始めまーす。
(モヒ・Д・)<ヒャッハー、大会だぁ‼
「はい、え~と実況のTAKUMAさんが1回戦で心をへし折られたので、南斗実況拳伝承者候補のノーサがお送りします。」
マイク越しから通る声にモヒカン連中はイエーイと声をあげる。
「え~それでは2回戦第1試合が、Kaiさんが野試合で無理なので飛ばして、第2試合が鋼さんが野試合なので飛ばして、第3試合は眉毛さんとこあらさんが野試合なので飛ばして、第4試合ができるので第4試合からやります。第4試合はベニケンケンシロウ対えぐれサウザーです。」
オマエノコウシンモココデイキドマリダ フッデカイクチヲキクヨウニナッタナコゾウ
「壁際に追い詰めてコンボォ、締めに天破活殺。はい、死んだぁ。ねえ何でサウザーすぐ死んでしまうん?」
(*´ω`*)<あ、愛ゆえに…。
「さぁ続きまして、Kaiレイ対ミソノジャギ。1P側がKaiレイ、2P側がミソノジャギです。」
オマエガナナツノキズノオトコカ
「投ーげーたー! はい、そこからコンボを繋いで画面端、今度は逆サイドに運ぶぅ! はい、ブーンブーンブーンブーンブーン、キリサケでフィニッシュからの小足連打。」
その後も順調に大会は進み、予定より早く終るという異例な事態となった。
修羅達が大会後の野試合をしている時、店長のモミー店長がノーサに話しかけた。
「やぁノーサちゃん、進級おめでとう。」
「ありがとうございます、店長。」
ノーサからの礼に「それでなんだけど…。」と何か言いにくそうな顔でモミー店長が話を切り出し始めた。
「お願いなんだけどさぁ、ほんわ君のお見舞いに行ってきてくれないかなぁ?」
「はい?」
ノーサは思わず聞き返した。
その反応に「まぁ、そうだよねぇ。」と店長はこぼす。
「実はさぁほんわ君が熱出して倒れてさ。これ今朝に本人から連絡があってね、心配で様子見に行きたいけど私とカセンはまだ店があるし、ほんわ君独り暮らしだから看病してくれる人もいないっぽいからさ、頼めないかな?」
「そ、そうなんですか…。分かりました、お引き受けします。」
「そう言ってくれると助かるよ。じゃあこれ、お見舞いの品と看病用品買うための代金ね。で、はい。ほんわ君の家の住所と地図ね。あ、後は交通費だね、はい。じゃあよろしくね。」
モミー店長は地図の書かれた紙切れと往復分の交通費、そして一万円札をノーサに渡すと、そのまま店の奥に行ってしまった。
─ノーサ移動中
「こ、ここがほんわ君さんの家…。」
モミー店長から渡されたお金でおでこに貼る用の冷却シートや給水用のスポーツドリンクなどを買ったノーサはボロアパートの1階、ほんわ君の部屋の前で立ち止まっていた。