IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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最近筆が遅いです。
全盛期の頃が懐かしい。

では本編をどうぞ↓


第134話 クリスマスの日を誰と part2

 

 

なんやかんやあって一夏が二股を成立させたのと時を同じくして、今度は師匠たちの出番である。

 

 

夢弦市のある一角、とある広場の時計塔の下で真耶が一人佇んでいた。

いつもより大人びた雰囲気を帯びた彼女はその豊満な肉体も合わせて周囲の目を惹き付けている。

そんな彼女に声をかける者がでるのもトウゼント言えるだろう。

 

「あ、あのお嬢さん…?」

 

「一人?」

 

「え、え?」

 

やや軽そうな雰囲気の二人組、俗に言うところのチャラい男たちだ。二人は慣れているのか真耶を左右から囲むように立ち話しかける。

しかしそんな事態に慣れていない真耶は混乱した様子で男二人の顔を交互に見る。

緊張した面持ちの男二人であったが、相手が慣れていないと分かるとイケイケで話し始める。が、その内の片割れ、ニット帽を被った男の腕が突然捻り上げられる。

 

「い、いでで! いでででで!?!」

 

「……。」

 

腕を捻られ逃れるように上半身を前に倒したニット帽男の後ろには無表情で男の腕を掴む狗飼がいた。

 

「て、テメェ! 何を───」

 

「あ?」

 

文句を言おうとしたスキンヘッドの男をたった一睨みで黙らせた狗飼はニット帽男の腕を離すとずずいとスキンヘッド男に詰め寄る。

その有無を言わさない鋭い眼光にスキンヘッド男は縮み上がって次の言葉を発せなくなった。

そして狗飼から離れたニット帽男が狗飼の全身を見て思い出したように口をパクパクと動かし、スキンヘッド男もそれに遅れて何かに気が付いた。

 

「あ、あぁ…その目付き! その威圧感!! ま、まさか……──」

 

「伝説の総番…、狗飼瑛護さんッ!?」

 

「おぅ…。」

 

低く、短く、威圧するような声を出した狗飼はジロリと二人を睨み付ける。

すると男二人は萎縮し、チラチラと目を逸らすことしか出来なくなった。

そして沈黙。男二人は狗飼の威圧を前にして目を逸らして口を閉じる機械と化したのだ。しかしそれもいつまでも続くはずもなく、暫くの沈黙に堪えきれなくなった男たちは体を二つに折り畳む勢いで頭を下げた。

 

「「す、すいませんッしたー!」」

 

二人は大声で謝罪の言葉を口にすると一目散に脇目も振らず逃げていった。

その後ろ姿を見えなくなるまで見ていた狗飼はチッと舌打ちする。

 

「…あの…?」

 

「え、あっ!」

 

しかし真耶に呼び掛けられた瞬間に其れまでの目付きの悪さは鳴りを潜め、いつもの狗飼に戻った。

 

 

「お待たせしました。」

 

「いえ、私も今来たところですので。」

 

いつものスーツ姿で待ち合わせ場所に現れた狗飼に、いつもよりお洒落な服装の真耶が笑顔を輝かせて出迎える。

……信じられるか? こいつらまだ付き合ってないんだぜ?

 

さてそんな二人は連れだって街を歩き出す。

行き先は夢弦のお食事処が集まる商店街の一角、その名も“美食通り”。

『お食事処“衛宮”』、『中華料理 凰』、『五反田食堂』、『ラーメン葉隠』、『甘味処「六文銭」』、『居酒屋 夜雀』、『バー「イリュージョン」』、『愛屋』など、数々の店が軒を連ねている。

その中で二人が入っていったのは中華料理屋の『中華料理 凰』である。

ここはIS学園の凰鈴音の実家であり、母親の凰美鈴が一人で切り盛りしている店だ。

多くのKGDO社員達が常連として通う店でもあり、それは狗飼も例外ではない。

狗飼と真耶はこの店に入ると、店主の美鈴が笑顔で出迎える。

 

「いらっしゃい狗飼くん。」

 

「はい、美鈴さん。奥の座席は空いてますか?」

 

「空いてるよ、お水持っていくから座ってて。」

 

慣れたように店の奥の座席に真耶を案内した狗飼は彼女を座らせると彼もまた彼女の対面に座る。

その後二人は“中華料理 凰”で楽しく食事を楽しんだと言う。

 

 

 

 

一方その頃、修羅の集うTRF-Rではと言うと……。

 

 

 

(TA・Д・)<はい、それではこれで「えぐれシジミのガチ撮り100番(?)勝負、QMJリターンズSP」は終わりになりまーす! はい、拍手ーッ!!

 

(モヒ・∀・)<ypaaaaaaaa!!

 

(モヒ・ω・)<ハラショーッ!!

 

モヒカン達の歓声が響き渡り盛り上がる店内、そんな時に人の波を掻き分けて長身の男が2P側に回り込んだ。

 

 

(眉・Д・)<あ? Kai…?

 

(ki・Д・)<イヤ,ボクニカタナキャトシコセナイデショ?

 

(こ・ω・)<これは年越しさせる気ないわー。

 

(ら・∀・)<えぐれさんNDK?NDK?

 

Kaiはなんの躊躇いもなくスタートボタンを押し、乱入の画面を表示させる。

TAKUMAの言葉に既に事態は完結しているものだと思っていたモヒカン達はそんな覇者の行動に一瞬だけ呆気に取られてしまったが、すぐさま事態を把握し、また歓声を上げた。

 

(*´ω`*)<かかってこいよKai!!

 

 

 

こうしてTRF-Rはまた大きな盛り上がりを見せるのであった。

 

 

 

 





次回もたぶん遅くなります。

ではまた次回でお会いしましょうノシ


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