IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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ハーメルンよ!私は帰って来た!

どうも皆様お久しぶりです、地雷一等兵です。
大変長らくお待たせいたしまして申し訳ありません。

どうもこちらの執筆の手が進まず、気分転換に他の作品を書いていたらいつのまにやら中間考査、レポート、プレゼンと重なりまして、このように…。
大変申し訳ありません。

これからはまたいつも通りに投稿できると思いますので、よろしくお願いします。

では本編をどうぞ↓


第86話 二人の少女

「白式の信号がロスト…?」

 

藤原の言葉を聞き、モニターを確認した千冬が膝から崩れ落ちる様を見た束はそう小さく呟いた。

 

「嘘…だよね、藤原…。」

 

「…オレはこんな時にそんな嘘が言える人間じゃあないよ。…白式の信号はロストした、これは紛れもない事実だ。」

 

「そんな…。…いっくん…。」

 

淡々と告げられた藤原の言葉に、束の視界は真っ暗に染まった。

 

 

 

 

 

 

side 一夏

 

「……、ここは…?」

 

不意に目が覚めて視界が明るくなる。

そこに広がる光景はオレの意識が途切れる前に見えた光景と全く同じだった。

 

木漏れ日の暖かな日射しと、程よい木陰の涼しさ。

近くを流れる小川の音。

平和そのものを表しているようにも思える。

 

けど、オレはさっきまで海の上にいたはずだ。周りにこんな自然の広がる島はなかったし、もし島に流れ着いていたとしても音が聞こえてもおかしくない。

 

それに何より、白式が、待機状態のガントレットが着いてないのだ。

 

これは夢、なのか?

 

それにしては妙にリアルな感じがする。

 

周りの散策を続けていると、川の水音とは違う音と、歌うような声が聞こえてきた。

ブンッブンッと何かが空気を割く音と、鈴のような透き通った歌声。

気になってその音と声がする方に進めば、開けた場所に二人の女の子がいた。

 

 

side out...

 

 

 

一夏が辿り着いた場所は開けた場所で、柔らかな日射しが心地よく、聞こえてくる川のせせらぎやその場の雰囲気も相まって眠気を誘う。

 

そしてそこには二人の少女。

一人は白く長い髪をそのまま下ろしたワンピース姿で、もう一人は同じように白い髪を1本にまとめ、白い戦装束を身に纏い、手には身の丈ほどの刀を握っている。

 

ワンピースの少女は歌い、その歌に合わせて戦装束の少女は舞う。

その様はとても美しく、舞や歌に詳しくないはずの一夏の目や耳さえも釘付けにする。

そして歌が止まると、戦装束の少女が大きく飛び跳ね、着地と同時に刀を鞘に納める。

 

それを見た一夏は何をするでもなく、思わず拍手を送っていた。

それを見たワンピースの少女は一夏に優しく微笑みかけ、戦装束の少女がゆっくりと一夏に歩み寄る。

 

「なぜ、力を求める?」

 

静かで、それでいて力のある声で戦装束の少女が問う。

その問いに一夏はすっと答えた。

 

「友達を、仲間を守りたいからかな。」

 

その一夏の言葉に戦装束の少女は小さく頷き、ワンピースの少女は嬉しそうに目を細める。

一夏は自分の答えに付け足すように言葉を続けた。

 

「ほら、その世の中ってさ色々理不尽なことがあって、戦わなきゃいけないこととかあるじゃん? 単純な腕力だけじゃなくて。」

 

一夏は思い浮かんだ事をそのまま話す。

自分でもここまで言葉が出てくるとは思ってなかったのか、多少顔色に戸惑いが現れていたが、それでも彼は言葉を続ける。

 

「道理のない暴力とか、そう言うのから皆を守りたいって思うんだ。肩を並べて歩く皆をさ。」

 

「そうか…。」

 

戦装束の少女は隣にいるワンピース姿の少女を見ると、彼女は大きく頷いた。

それを見た戦装束の少女はまた一夏の方を向く。

 

「ならば力を…。」

 

「あげるね!」

 

ワンピース姿の少女が明るくそう言うと戦装束の少女は持っていた刀の柄を一夏に向ける。

その意図を察した一夏はその刀に手を伸ばして掴んだ。

 

「我が身は空、我が身は鋼、我が身は刃。我は一振りの剣にて全ての『罪』を刈り取り『悪』を滅する者なり。」

 

「その力を君に…。さぁ名前を呼んで、この力の名前は──」

 

 

そこで一夏の意識は薄れていく。いや、戻されていく。

その中ではっきりと少女達の声を聞いた。

今から自分が手にする力の名前を。

最初に与えられていた力の真の名前を。

 

 

 

 





短いなぁ…。
というか、口上のせいでもうバレバレっていうね。

本作のタグに「MUGENでやれ」を追加しました。
もう薄々ね、感じていた人もいると思います。
クロスオーバータグついた瞬間に悟りました。これはMUGENでやれタグをつけるしかねぇと。

一応のね、言い訳としましてはこの作品は2つのパートから作られています。
IS学園のなんやかんやで話が行われる「ISパート」とその枠組みから出て話が行われる「夢弦パート」の2つですね。
前者はISの世界観に南美という存在が殴り込みを掛ける感じに仕上げられ、後者の方はISのキャラ達がMUGEN世界に放り込まれるという感じですね。

うん、ただのMUGENストーリーです。


そんなこんなでMUGENストーリー作品紹介↓

「特別課外活動部事件簿」(作:師走雨 氏)

ペルソナ3主人公(通称キタロー)が主役のMUGENストーリーで、メインキャラは多いです。
メルブラのキャラの登場率も高めです。
シリアス、シリアル、ギャグ、カオスがほどよいバランスで組み込まれ、時々ぶちこまれる砂糖分や2828もあり、それらが好きだと言う方にオススメ。
他にもペルソナやメガテン、メルブラが好きだと言う方にもオススメの作品です。
《完結済み》




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