魔法少女リリカルなのは 黒い鳥、星光とともに   作:如月シュウ

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ここしばらく更新できていませんでした。すみません……!
言い訳をさせてもらうと、体調崩してダウンしてました。


六話 休日

新人たちとの模擬戦から数日、最初の仕事以降何故か緊急出動はなく、平和な日々を過ごしていた。

そんなにしょっちゅう出動があっても手が回らないのでありがたいと言えばありがたいが。

そんなこんなで、本日は休みなのだ。といっても俺は管理局に勤めてる訳でもなく、基本的に戦闘に駆り出される位なので、普段から似たようなものなのだ。

 

 

空いた時間を利用して、久々に帰ってきた我が家。いつもは機動六課の部屋にお世話になっているため、家に帰ることはない。その為時折帰っておかないと手紙などが来ていても分からないのだ。まぁ今時、手紙を寄越すやつなんて彼女しか知らないのだが。

そんなわけで、久々に帰ってきたマイホーム。お掃除ロボットが、毎日掃除してくれているので清潔に保たれている。ありがたや。

 

「さてと、通知は……っと」

 

メールボックスを確認してみると、4件程着信があった。全員、見知った人物からの連絡だった。

 

『拝啓、アレックス・オーンスタイン様

世界が違うので、そちらの季節はわかりませんが、いかがお過ごしでしょうか。エルトリアは、冬に差し掛かってきました。王もレヴィも、もちろん私も元気です。

さて、話題は変わりますが、近々そちらにお伺いすることになるかもしれません。現在、エルトリアでは長距離転送装置の開発に精を出しています。最初に向かうのはミッドチルダにしようと考えているので、そちらにも挨拶にうかがおうと思っています。

それでは、また会える日を楽しみにしています。

理のマテリアル、シュテル・ザ・デストラクター改め、シュテル・スタークスより』

 

十年近く前の話だ。管理局を辞めて当てもなく放浪していた俺は、三人の少女に出会った。その頃有名になっていた管理局の若手エースとそっくりな彼女たちは、闇の書のプログラムの一種なのだとか。星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)雷光の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)闇統べる王(ロード・ディアーチェ)

今では人外魔境と名高い、第97管理外世界《地球》で彼女たちに様々なサポートをしていた。デバイスのメンテナンスやら、隠れ家の提供やら、色々やっていた。あの頃の記憶は今となっては曖昧だが、彼女たちとの出会いは、随分と覚えている。彼女たちが何をしていたのかは聞いているし、管理局を憎んでいた俺としては意趣返しとして丁度いいと、彼女たちを利用していた。

あの出来事が俺の傭兵家業の始まりでもあった。俺が、彼女たちを利用していたことを、シュテル、ディアーチェは明らかに気づいていたし、レヴィも薄々感づいていた。正直、彼女たちの誰かに―もしくは、全員に―殺されようと構わないと思っていたが、事が済んだ後、謝罪の意を込めて打ち明けたのだが、

 

『貴方が、私達を利用していたことは気づいていました。ですが、私達をサポートしてくれたのは確かですし、その事を感謝こそすれ、恨むことなんてありません。

私個人としては、貴方の今後の方が心配です。世界に……いや、信じていたものに裏切られて絶望したかのような……。まるで抜け殻です。抜けてしまった中身には、何が入っていたのですか?そして、何を入れていくのですか?

また会えたときに、答えを教えてくださいね』

 

シュテルは、俺に生きる意味をくれた。

 

『貴様は、子鴉共とは違う。信念に満ちているわけでもなく、私怨に突き動かされているわけでもない。貴様は一体何がしたいのだ?

まぁ、すぐには答えが出ぬかもしれんが……。

何?恨んではいないのか、だと?戯けが、貴様は今までの働きが我らに恨みを買うようなものだったか?否、貴様の考えがなんであれ、我らに害は無かったのだ。そら、恨む要素など、ありはしないであろう?』

 

ディアーチェは、俺が気に病んでいたことを打ち砕いてくれた。

 

『ボクは、王様やシュテるんみたいに気の利いたことは言えないけどさ、それでも言えることがあるよ。君は、何が楽しみを見つけた方がいいってね。

君が何を悩んでいるのかはわからないけど、もしもう一回会えたときに、まだ悩んでるなら、その悩みボクがぶっ壊してあげるよ!

なんてったって、強くて凄くてカッコいい!そう、それがボクだからね!』

 

レヴィは、笑顔をくれた。

 

短い間とはいえ、マテリアルズの三人には大切な事を教えられた。そんな彼女たちにまた会えるとなると、自然と口元が弛んでくるが、疑問も残る。彼女たちの住んでいるエルトリアは、俺のいるミッドチルダと離れている処か、時差すらあるほど遠いのだが……。それこそ、高速次元船を全速力で飛ばして、一年ぐらいかかるほどだ。だからこその転送装置なのだろうが、それだとエネルギーに不安が残る。

色々疑問が残るが、あれやこれやはやって来た時にでも聞けばいいだろう。

 

 

残りの三件は、主に仕事絡みの事だった。馴染みの情報屋からの調査結果やら、なんやらを開いて重要な部分をピックアップして、メモを取っていく。

依頼していたのは、ここしばらくの次元犯罪者の同行だ。殆どの輩は今までとかわりなく、と言った感じだが、一人、気になる動きをしている男がいた。

 

 

 

ジェイル・スカリエッティ―――。

 

 




ちょろっとだけ、マテリアルズが出ました。
……回想という形ですが。

次回辺りに出せたらいいな。

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