魔法少女リリカルなのは 黒い鳥、星光とともに   作:如月シュウ

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スマホで打つのって大変です。

余談ですが、FGOのデータを間違えて消してしまい、初めからやり直してます。課金とかしてなかったのでショックは小さいですが……。

私のオルタアニキがぁ(泣)


五話 新人の才能

いつもの日課である、早朝に訓練施設を貸し切って自主トレーニングをするという行為を、今回は長くやっていた。つい先日まで、安静状態だったのだから、体が鈍ってないか確認していた。

そのせいだろうか。

 

何故か俺の目の前には、デバイスを調整している少女が二人、ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマである。

 

「「よろしくお願いします!」」

 

「あ、あぁ。よろしく頼む……」

 

事の発端は少し前に遡る……

 

 

 

 

 

 

「は?新人の訓練の成果を見てほしい?」

 

訓練の一休みということで、立体映像の筈なのに何故か触った感触のある、ビルの壁にもたれ掛かっていたところに、高町がやって来た。そして開口一番に、あんなことを言ったのだ。

 

「うん。いつも私が相手だとつまらないと思って。最初はフェイトちゃんに頼もうと思ったんだけど、忙しい見たいで。どうしようかな~って思ってたら、君が訓練施設に居るのが見えて」

 

それで俺に頼もうと思ったらしい。

 

 

 

 

そして今に至る。

 

「じゃあ、ルールを確認するよ。フィールドは訓練施設の中だけ、防御を抜けてダメージを通したら撃墜。アレックス君も大丈夫?」

 

高町の問に、首肯することで返す。ブラック・ホークをいつも通りにライフルにしておき、正常に動作することを確認する。

ランスター達も準備は整ったようで、各々のデバイスを構えている。

 

「準備は出来たみたいだね。それじゃ、レディー……ゴー!」

 

高町の合図と共に距離を取る。相手にクロスレンジタイプがいるのだ。こちとらミドルレンジとロングレンジが得意間合いだ。

後ろに下がると共に、飛行魔法を発動。空へと逃げるが、相手も簡単には逃がす気は無いようだ。

 

「ウィングロードッ!」

 

ナカジマが、ナックル型のデバイスで地面を殴り付けると同時に、青い魔力で作り上げられた『道』ができる。それは地上だけでなく、空中へと伸びていきこちらへと真っ直ぐ進んでくる。

なるほど、あんな魔法もあるのかと感心するが、そう易々と接近される訳にもいかない。ライフルに魔力を込めて発射する。ナカジマは、俺の放った弾丸をプロテクションで防御する。だが、この弾丸はただの弾丸ではなく、特殊な物だ。

多重弾角射撃と呼ばれるそれは、対AMF対策として知られるそれの最も目立つ点は『防御を抜けてダメージを与える』と言うところだ。最初に外角が衝突し、相手の防御が脆くなったところで、本命の一弾が脆くなった防御を抜けて命中するということだ。

この弾丸に防御は悪手、ナカジマの防御を砕くことは出来なかったが、ウィングロードから叩き落とすことが出来た。

そして、ビルより少し高いくらいの位置で上昇を止める。空で飛び回るには十分な広さだ。

今度は側面からウィングロードを伸ばし、接近するナカジマ。ライフルを構え迎撃しようとするも、中断させられる。何故なら、今まで姿を隠してきたランスターが、ナカジマの接近する方向とは逆の方向から弾丸を発射してきていた。

しかし、危険な動きだ。何せ俺が上に逃げたら突っ込んでくるナカジマが、ランスターの放った弾丸に衝突しかねない。だが、そこまで計算されていると考えると上空に回避するのは危険かもしれない。

俺はあえてナカジマに接近し、ブレードを振るう。俺を基点に円を描くように展開されていたウィングロードに着地する形でブレードを回避した。

そしてランスターの放った弾丸を左右に旋回することでかわそうとするが、速度こそ遅いものの追尾性能は中々でキッチリと俺の動きについてくる。回避は困難と判断し、ライフルですべてうちおとす。

 

「なかなかやるな。面白い」

 

正直なところ、新人と甘く見ていた節がある。手を抜いていたのは否めないが、油断していい相手ではない。新人たちへの意識を改める。

今回は相手を倒すことが目的でないため、作戦を立てる必要はない。

再度接近するナカジマに対して、ライフルをバリアジャケットのベルトに装着し、ブレードで近接戦闘を、挑む。

繰り出される左右の拳をブレードで逸らしつつ、その軌道に慣れる。

格闘戦相手に至近距離で戦ったことが少ないため、こちらとしても学習させてもらっている。

近距離で戦っているうちに、視界の端にオレンジ色の光が見えた。そこには、拳銃型のデバイスをしっかり構えて、射撃体制に入っているランスターの姿があった。

 

「マズッ……」

 

あれは、砲撃魔法だ。紙装甲の俺としては、絶対に当たりたくない一撃。

体を捻ってブレードで刺突を繰り出す。刺突は、狭い場所では非常に避けにくい。ウィングロードの広さからして、横に大きくは動けない。必然的に防御をするしかないのだが、俺の狙い通りナカジマは突きを防御する。

空いた左手でライフルを変形させ、レーザーライフルにしたあと大したチャージもせず、ランスターに向けて放つ。威力はポンコツだが、無視する訳にもいくまい。

てっきり回避すると思っていたが、あろうことか俺の弾丸がすり抜けて、ランスターの姿が消えたのだ。

そこから察せられることはひとつ。幻影だ。

では、本物は何処へ?

 

「スバル!」

 

声がしたのは後方、ちらりと見てみると、ほぼ垂直に伸ばされたウィングロードを駆け上がってこちらへと跳躍してくるランスターの姿が。その手には魔力刃の伸びた拳銃を握りしめている。

呆気に取られていた俺のブレードをナカジマが弾きあげ、蹴りつける。かろうじて右腕で防いだものの、衝撃までは殺しきれず後ろへ大きく押される。

 

「リボルバーシュート‼」

 

カートリッジを使用して、凄まじい速度で接近してくるナカジマと、上空より急襲してくるランスター。回避は不可能、ならば俺の取るべき行動は一つ。

 

「ダブルブレード」

 

薄紫の刀身は二つに別れ、方や通常のムーンライト同様、薄紫色。もう片方は、赤みがかった刀身のブレード。

ナカジマの拳とランスターの刃を受け止める。

 

「嘘ッ、防がれた⁉」

 

彼女たちにとっては必勝の作戦だったのだろう。正直、肝が冷えた。

 

「ブレードは、弾き飛ばしておくんだったな」

 

あの攻撃が入ったら、俺は間違いなく撃墜されていただろう。

だからこそ、簡単には終わらせない。

俺はその場で一回転し、二人を弾き飛ばす。同時に、二刀流にするときに落としたライフルを蹴りあげて手元に。そして、ランスターに向かって走り出す。それと同時にライフルをショットガンにしておき、背後に発射して、ナカジマを牽制する。

拳銃の魔力刃を消したランスターは、魔力弾を連射してくるが、展開したままのブレードで弾き落とす。そのまま、魔力放出で一瞬でランスターに接近し、ブレードで一閃。威力は、軽いスタンガン程度に抑えているから、精々気絶する程度だ。

 

 

「パイロシューター」

 

 

ショットガンをライフルに戻し、魔力をチャージする。

銃口に集められた魔力弾を同時に12発ほど放つ。

直線的に接近してくる6発の弾丸は防御するが、側面、背後から襲ってくるものは防げず、仰け反る。

その隙を見逃さず、接近してブレードを振るう。

 

それで終わり。

試合終了の知らせが鳴り、結果は二人とも撃墜されて終わりとなった―――。




この小説、ヒロイン出ませんね……。

おおよそ、後三話分くらいなのですが。

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