じゃあ俺、IS触らないで帰るから   作:Izayoisigu

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あんまり展開はないよ


12話

この日が遂に来た。

俺達の戦場が、遂に来たのだ。

 

「束とクロエ、俺は戦場に出るから家を変わりに守ってくれ」

「りゅーちゃん戦場に行っちゃ駄目だよ!」

「そうですよ田中さん」

「黙らっしゃい俺は戦場に行くんだ」

 

彼が言ってるのはコミックマーケットと言う場所でオタク達がサークル活動とか自分達で作った作品を売ったり、コスプレした人達をカメラで取ったりとかそんな感じで覚えてくれればいい。

略してコミケ。

詳しく知りたければWikipediaか大百科を見てくれ。

 

「じゃあ、頼んだぞ」

「あ.....」

 

そう言って家を出て行く田中を二人は見送ったが、その田中が言っていた戦場が気になりこっそり付いて行く束とクロエ。

 

 

「よっす」

「すまんな遅れたわ」

「気にしなさんな、俺達の戦場が待ってるんだからゆっくり行こうや」

「それもそうだな」

 

駅で待ち合わせしていた岳斗と一緒にコミケへと向かう、後を付けていた束達は岳斗も戦場に行くの!?と驚く二人。

二人は知らないと思うが岳斗の戦闘技術は無駄に高い。

岳斗達は電車に乗り慌てて彼女達も乗る。

ガタンガタンと揺られて座ってる二人は音楽を聴いて黙って目的地まで待つのみで、微動だにしない彼らを見てるが暇である、正直な話。

 

「ねぇくーちゃん束さん暇だよ」

「暇なのは分かりますけどバレちゃいますよ」

「でもねぇ.....」

 

次の駅は○○ですとアナウンスが流れて岳斗達は立ち上がり棒に掴まる。

次の駅が目的地らしい、そして到着し自動ドアがシューっと開き降りて行く。

 

「追うよくーちゃん」

「はい」

 

後を付けてるが二人は何も喋らず、ただただ音楽を聴きながら歩いて目的地まで向かって行く。

追っている束達は2時間くらい歩き疲れて少し休憩をし、携帯をハッキングしてまた追うという作業になりようやく到着したようだ。

 

「お、着いたぞ」

「今年も人居るねぇ」

 

人が大勢居てザッと適当に数えて言ったら、10万人以上居ると思う。

着ていた上着を脱ぎリュックに詰め込みTシャツ一枚になる。

田中は上着を脱がないでパーカーを羽織って、岳斗だけが脱いだ。

こうでもしないと熱中症とかになるからだ。

ちゃんと、リュックにペットボトル4本入っており水分補給は何時でも大丈夫にしてる。

ここまでしないと本当に倒れるから気を付けましょう。

 

「行くか」

「ああ、俺達の戦いに勝利を」

 

そういいドームへリュックサックとボストンバックを持ってゆっくりと歩いて行く。

 

 

 

 

 

「これ二つ下さい」

「ありがとうございます!」

 

財布から千円を出してCDを次々と買って周る田中。

岳斗とは別行動をし、自分の欲しい物または興味がある物を買う為に別行動をしてる。

 

「後これどうぞ」

「すみません買って貰って食べ物まで貰ってしまい」

「いえいえ気にしないで下さい、完売まで頑張って下さいね」

「はい!」

 

サークルの人達から離れて、最後の所へ向かう。

その中で何故か軍人の格好をした女性と髪の毛が水色の子発見し、オロオロして何か困ってる様に見えた。

もしかして始めて来た人だろうか?あーあ人混みに流されて行ってしまった。

また発見したら声をかけてみるか。

 

「どもっす」

「龍ちゃんさんお久しぶりです」

 

ニコ生でよく放送を観に行ったり、自分の放送を観に来たりと仲が良い知り合いの所に来た。

 

「お久しぶりです、結構売れましたね」

「龍ちゃんさんが広告してくれたお陰ですよ」

「そうですかねぇ本当に良い曲なので広告しなくても完売すると思いますけどね」

「お世辞はいいですよ」

「お世辞じゃないですけどね、2枚お願いします」

「二つで千円」

 

また千円を渡しCDを買う。

 

「毎度有り」

「そんじゃまた今度」

「またねー」

 

手を振り、別れる。

買うもん買ったし後は適当に周るか。

やっぱりクソ暑い、歩いてる途中でパーカー脱いだらマズイから座れる場所か人が止まってる場所に行くか、じゃないと俺がぶっ倒れてしまう。

片手に冷凍庫に入れて凍らせたお茶を持ちながら、探す。

 

周りを見渡すと先程見かけた軍人と少女が座って居て疲れた表情をしていた。

丁度一人座れるから座っていいか聞こう。

 

「あの、此処に座っていいですか?」

「ああ、好きにしてくれ......」

「.......どうぞ」

 

OK貰えたから座るか。

それにしても凄い疲れてんな、軍人の方へ目線を向けるが肘をテーブルに置き手を顔に当ててバランスをとってる状態でもう一人は遠い目をしていた。

リュックから凍らせたお茶二本取りテーブルに置く。

 

「良かったら入ります?」

「すまない、有難く貰う」

「......ありがとう」

 

礼を言い彼女達は凍らせたお茶を飲む。

凍らせたお茶は半分まで溶けており丁度いい感じで溶けてない部分が氷の代わりになって緩くならないで冷たく飲めるが、お腹を壊しやすいくなるので注意だ腹が弱い人は。

 

「お二人はコミケに何を買いに来たんですか?」

「私は買いに来たというより観に来ただけだ、国がドイツで日本が好きで一度は此処に来て見たくてな」

「ヒーロー物のや......ロボットの作品を買いに」

「遠いい国からご苦労様です。ヒーロー物とロボ作品なら良いサークル紹介しようか?」

 

俺がそう言ったら少女の眼鏡が一瞬光った様に見えたのは気のせいだろうか、多分見間違いだろう。

野獣のあれじゃないんだから。

 

「お願いします......」

「了解、貴女はどうします?」

「そうだな、私も付いて行っていいか?」

「大丈夫ですよ」

 

そんじゃ行くか。

人混みの中を通れそうな隙間を見付けてスラスラと抜けて行く。

目的のサークルを見つけたがマズイな、もう少しで完売する。

急がないとな。

 

「少し早く歩くからちゃんと付いて来てね、逸れても真っ直ぐに進めば着くから」

「はい....って、歩くの早い....」

「あ、青年」

 

彼女達を置いて、先に列に並ぶ。

置いてくのは酷いと思うがこうでもしないと買えないのだ、如何に周るルートを決めないと下手したら殆ど買えない。

何処に何があるか覚えないとほぼ無理ゲーだ人気のサークルなど真っ先に行かないと数分で完売何てよくあることなのだから。

 

「よお」

「ちっす」

「これ三つ下さい」

「珍しいなロボとヒーロー物買うの、三千円だ」

「お前のサークルで買いたい人が居たんだけど完売しそうだったから俺が代わりに来た、ほい三千円」

「それは有難いな、毎度」

「その少女こっちに来るからちょっと話してやってくれないか?完売したら」

「別にいいぞ」

 

あざっすと返し、椅子に座っていいか?と聞き、許可が降りたから座る。

すると彼女達が来た。

 

「結構早かったな」

「はぁはぁ.....死ぬかと思いました」

「先の行動が読めなくて時間かかってしまった」

「まぁ、お疲れ様。んでこの子が紹介したかった子」

 

眼鏡をかけた子を手の平を向けてサークル主に言う。

 

「可愛いじゃねぇか、売り子お願いしていいっすか?」

「え、あ、はい」

「貴女もお願いしていいですか?」

「大丈夫だぞ!面白そうだからな」

「じゃあ俺、ギャラ貰って帰るから」

 

眼鏡の子に買った物を渡し帰ろうとするが呼び止められる。

 

「あの私更識簪って言います。後お金」

「何かの縁だ、私はクラリッサ・ハルフォーフだ」

「田中龍です、そんでは」

 

簪から買った物のお金を受け取り、適当に周りながら岳斗に連絡する。

 

帰るぞ

『了解、駅の近くの自販機な』

あいよ

 

携帯をブラックアウトさせて音楽聴きながら自販機に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「欲しいの買えたか?」

「今回は完全勝利」

「おーええやん」

「お前は?」

「俺も完全勝利だよ」

「あ^〜いいっすねぇ^〜」

 

そんな事を話しながらまた長い長い道を歩きながら帰る。

ここ最近知り合いが増えたな、ISの人だったり、ブリュンヒルデだったりその弟と知り合ったりと何か増え過ぎじゃね?

 

 

「ただいま」

 

玄関を開けるが返事が返ってこない。

何時もならおかえりと返ってくるんだが寝てるのか?

靴を脱ぎリビングの扉を開けたら。

 

「おか......えり」

「おかえり、なさ....い」

 

何故かぐったりしてる束とクロエ。

お前らに一体何があったんだよ、何で虫の息みたいな呼吸してんの。

 

「どうしたお前ら」

「何でもない、よ」

 

まぁいいかと思い放置して冷蔵庫に入ってるデカビタを取り、豪快に飲む。

 

「はぁ^〜生き返るわ^〜」

 

束とクロエはあの田中が言っていた戦場の意味が分かり、今度はちゃんと装備してから行く事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クラリッサの口調を忘れて大体こんな感じだろって書いたが、何か違うような。

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