番外編:旅行
「ねぇねぇりゅーちゃんさんや」
「なんだい?」
「海外行ってリアルカートようぜい」
「もうやってる人が居るから却下」
海外とか行った事ねぇから怖くて行けねぇよ、てかどうやって海外に行くんだよ。
「それならご安心を束さん特性人参ロケット使うから大丈夫だよ」
「さらっと心読んで来るな、で海外行ってなにすんの?」
「うーん逃走中?」
お前は賞金とか要らないだろ、バイト代酒しか買ってないから結構貯まってるから大丈夫だろ金は。
「クロエはどうよ」
「別にいいんじゃないでしょうか」
「くーちゃんもこう言ってるし海外行って逃亡しようぜい」
「一ヶ月だけな」
テーブルに座ってた束がクロエの所に行きハイタッチしてた。
そんなに楽しい物なのかね、旅行って修学旅行とか全部休んでるから分からんが一回だけならまぁいいか。
「くーちゃんとりゅーちゃんは何処か行きたい?」
「俺は何処でもいいよ、国に何あるか分からんし」
「私はそうですね、フランスでエッフェル塔とノートルダム大聖堂が見たいです」
お、良いねぇと束は言い束さん頑張っちゃうよー!と、片腕をブンブンと回していた。
明日に備えて色々準備しとくか。
「あ、坂本さんに有休貰わないと」
「大事な事忘れんなよ」
翌朝
「さー出発!」
「出発!」
「おはy此処何処だよ」
いつの間にかロケットに居た田中、寝てる間に連れて来られたのだろう。
音も無く静かにロケットは発射された、束にはお手の物なんだろう流石天災。
「いやー楽しみだね!」
「そうですね束様!」
二人はワクワクしながらフランスに着くのを待つ。
田中は布団から出て、窓を見る。
窓から見た景色は海で綺麗だったが海と近すぎる。
ちょっと待て、どんだけ低空飛行で飛んでるんだよこのロケット水面ギリギリ付くか付かないかで飛んでるよもうこれロケットちゃうボートや。
「なんかこう、ロケットって大空に飛ぶもんちゃう?」
俺の呟きには誰も答えてくれなかったがまぁいいよでもね、一度でもいいから大空見たかったな。
「所で束様、このロケット何処に着地するのですか?」
「人が居ない適当な場所かな」
「それ大丈夫なの?」
「束さんが作った物は完璧なのだ!」
「完璧と言ってそれは故障と言う、ほら街中に着地しようとしてるぞこのロケット」
あっれーっと束が言いロケットを自動操縦からマニュアルに変えて操作するが間に合わなかったようだ。
ドーンと大きい音が鳴り窓を見る。
通行人は尻餅を付き、車はクラッシュしていた。
「これマズくね?」
「エッフェル塔と大聖堂が......」
「ごめんねくーちゃん!一先ず逃げようか」
携帯とリュックサックを持ち、束から受け取った機会を腕に装着して起動したらステルス迷彩だった。
束がロケットの入口を蹴り飛ばしスモークを投げ、逃走が始まった。
「リアル逃走じゃねぇか!」
「あははは、やっちゃったぜ!」
「束様そこを右に」
クロエに指示されて、家と家の間を走って通って行く。次は何処に移動すればいいんだ。
「次は上りましょう」
「りょーかい」
そう束達はワイヤーを屋根に引っ掛け上がって行く。
一人残された田中は俺そんなの持ってないぞと愚痴る。
「別行動だー畜生」
はぁ....岳斗からフリーランニングとロッククライミング今度教えて貰おう。
取り敢えず電話かけながら集合場所決めるか。
「腕に付いてる奴で通信出来るから大丈夫だよ」
「なんともまぁ都合が良い事で」
「気にしたら負けですよ田中さん」
「それもそうだなっと」
裏道を適当に走ってるがどのタイミングで出ていいか分からんな。
段々走るスピードが落ちて行き何故逃げるかと考える。
そもそもステルス迷彩で出てきたのに何で逃げる必要があったんだ、地図持って観光してる人に見せれば違和感無いだろ。馬鹿だなぁ俺。
「束変装でもしたらどうよ」
「えぇ〜髪まとめるの面倒臭いからいいかな」
「てか何処に居るの?」
「エッフェル塔でフランスパン食べながら観光してます」
「はぁ.......(クソデカ溜息)俺もそっちに行くから待ってて」
俺も観光しながら向かうか。
日本円だから何も買えないのがとても残念だな、リュックに弁当箱あるからいいけどさ何か食いたいわ流石に。
手に持ってる地図を開きエッフェル塔までの目印を適当に探すが中々見つからない、フランス語何て読めないから地図に書いてある店の文字を探すしか無いのだ。
携帯はさっき電話かけようとした時充電切れ、最悪だよ。
「あ、束」
「ちょーっとごめんねりゅーちゃん!IS相手してるからまた後でね」
通信は途切れて、適当に座れそうな所に座り、リュックからハーモニカを出し吹く。
疲れた時は何かで癒そう。
一方IS学園では夜飯を食っていた一夏達。
「田中さんにメールしても返ってこないなぁ」
「そんなすぐに返ってくるわけないでしょ」
「そうだぞ一夏、早くIS方面の知識を付ける勉強をしないと赤点になるぞ」
「分かってるよ二人共、でもなぁ田中さんとメールしてると面白い話ばっかりで気になるんだよ。一昨日何か授業中に水風船回してる動画送られて来て一人で笑ってたよ」
一夏は食堂にあるテレビを見て何処か見に覚えがある人物を見て吹き出した。口に何も含んで無くて良かったと心の中で安心した。
「田中さん何やってんですか!」
「うぇ!?吃驚させないでよ!もう」
「の、喉に詰まった......」
鈴が箒の背中を叩き、吐き出させる。
詰まった物が口の中まで戻り、また飲み込んだ。
「ありがとう鈴」
「気にしなくていいわよ、で、一夏は何で驚いてるのよ」
「テレビ見てみろよ!」
一夏が騒いでるせいで食堂に居る皆が目線を此方に向けて来るが一夏が言ったとうり皆もテレビに注目した。
「何で田中さんフランスに居るのよ.....」
鈴が見たのは田中と一緒に
吟遊詩人は明らかにエヤで弾いてるフリをして音が出て無い。
「あれって篠ノ之博士じゃない?」
食堂に居た誰かが呟いた。
カウボーイの格好をした束が現れ、真っ先に反応したのは箒だった。
「姉さん.......もう変な迷惑かけるのは辞めて下さい.....」
マグナムの様な何かを指でクルクルと回しながらホルスターに入れる。
テレビ越しだが束が喋る。
「束さんから箒ちゃんへ一言あります」
「.......」
「脱ニートしたぜい!昔と今は違う事を見せてあげよう!今度だけど」
「束さん働いてたのか」
「姉さんが、普通に話せて、働いてるだと!?何かの夢だ!私は寝るぞ!」
「あ、おい箒!」
「私的に田中さんと篠ノ之博士が知り合いで何も言葉が出ないわね」
「じゃあねーテレビを観てる皆!サラバダー!」
その言葉がきっかけでテレビは終わり、ニュース番組に変わった。
「今日は、大人しく寝るか」
「後セシリアのお見舞いに行かないと」
「そうだな、風邪引いちまったしな」
そんな会話をしながら寮を歩いて行く二人だった。
「なぁ束」
「なんだい?」
「海外って怖いな」
「そうだね、くーちゃんは楽しかった?」
「楽しかったんですが、スリルが足りませんでした」
「スリルかー今からアメリカ行って何かして、ハンバーガー食べようか」
「これがまだ一日だぜ?信じられるか?」
ガタン、ガタンと電車に乗って適当に旅をしてる3人。まだまだ旅というなの旅行はまだまだ終わらない。
彼、彼女達の旅は終わらない。
「あ、単位大丈夫かな俺」
大事な事を忘れてた田中、学校にも連絡せず、旅行に来た見たいだった様だ。
続きません。