一夏ちゃんを無双させたいが為のインフィニット・ストラトス   作:銭湯妖精 島風

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こうかい の さき

 

 

尋問から更に1週間程が経ち、私が此方に来て約ひと月経った今日この頃、私は束さんから茶の間に呼び出された

 

「待っていたよ いっちゃん」

 

「なんでしょう?」

 

いつもの様に卓袱台を挟んで座り束さんへ尋ねる

 

「実は目的地に着いたんだ、だからボレアリオスから本拠地での生活に移行する事になるんだ」

 

「分かりました、そもそも私物も殆ど有りませんし寝床が変わるのは慣れてます」

 

そんなこんな話をしていると、艦内放送が流れる

 

「束様、間も無く辰宮島へ入港いたします」

 

それを聞いた束さんは立ち上がり

 

「さ、降りる準備をしよう?束さんは研究成果と積荷を下ろす準備してくるから、また後で」

 

「はい、分かりました」

 

とりあえず茶の間で束さんと別れ、自分の寝床に行き束さんから貰った服や日用品を何故かベッドの上にあったボストンバッグに詰め込み部屋を出る

 

が、私はボレアリオスの昇降口を知らない事に気付いてしまった

 

「この(ふね)には案内板なんてないですし・・・とりあえず甲板に出てみるしかない、か」

 

自分の迂闊さに軽く絶望しつつ甲板に上がると、私の武御雷と束さん謹製の無人兵器や新しく開発したらしいISが甲板の上に並んでいた

 

「これは・・・なんでしょう?」

 

試作機なのか、飛行機の様な形状をしてはいるが、明らかに足が付いている機体を眺めていると

 

「あれ?いっちゃん、それに興味がある?」

 

束さんがエレベーターに乗って積荷と共に現れ訪ねてくる

 

「はい、ISはマルチフォームスーツで基本的には身に纏う物の筈です。ですが、これは明らかに戦闘機のソレに近い形状をしています」

 

これが無人機なら人型である必要は無いのだろうが、見るからに有人機なのが見て分かる

 

「これはISに対抗する為に、現行技術だけで量産性、整備性、性能を追求して作った物、名前はモビル・スーツ。大気圏内での運用を前提としているから大気圏外での性能は期待しない方がいいかな?」

 

私はモビル・スーツに触れながら束さんの話を聞き

 

「無人戦闘機では無さそうですね」

 

「うん、可変型なんだ。行動半径を広げられるしね」

 

 

つまり戦闘機の形態から人型に可変する、という事の様だ

 

「面白いですね」

 

そう言うと束さんの表情が見るからに明るくなる

 

「流石いっちゃん、分かってるね!!」

 

それから束さんのスイッチが入り私に目の前にあるモビル・スーツの説明を始める

 

名前はムラサメ、可変型試作機第1号でテストをして問題が無かったら量産を始めるらしい

 

そしてモビル・スーツの特徴として性別関係無く扱える事が最大の特徴で、ISの様に搭乗者を選び過ぎない様に設計開発している

 

武装面は現在試作中で、機首がシールドとして使え両翼下のハードポイントにミサイル等を装備できるらしい

 

「完成、量産されれば私が指揮する訳になるのですね」

 

「その時はよろしくね?なんなら、いっちゃん専用機を作ってあげようか?」

 

「確かに、その方が都合が良い事もあるかも知れませんね」

 

恐らく武御雷の航続距離ではムラサメの足を引っ張ってしまう可能性が高い

 

そもそも戦術機はISと飛び続けて戦闘をするには不向きだ

 

地上にいるBETAとの近接戦を主眼に作られている武御雷なら尚更だと思う

 

 

ムラサメと足並みを揃えるなら私もムラサメに乗るのが1番だろうし

 

 

まぁ唯一不安なのは束さんのテンションが異常に高い事だけ

 

トンデモナイ物に仕上げて来ないと良いのだけど

 

 

 

そんな私の不安を他所にボレアリオスは辰宮島に入港したのだった

 

 






とりあえず本拠地に辿り着きました


束さんがやり過ぎない事を祈りましょうw

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