一夏ちゃんを無双させたいが為のインフィニット・ストラトス 作:銭湯妖精 島風
私達がアリーナへ飛び込むと、敵機を中心に強化シールドを装備した警備部隊12機が包囲していた
勿論、ラビットハウス謹製の軽くて異常に頑丈なシールドだ
そんな訳で私達は上空を塞ぐ様に
「貴様等は完全に包囲され最早援軍も無い、勿論逃すつもりもない、大人しく投降するならば命まで取らんと約束しよう」
薄青にペイントされたイーグルの中で唯一白にペイントされたイーグルから降伏勧告が告げられる
口振りと声からして姉さんだろう
「今直ぐに武装解除し投降しろ、応じない場合は命の保証はない」
姉さんは追い討ちを掛ける様に言い、敵機にプレッシャーを掛ける
だが、容易く任務遂行の為に死ぬ事が出来る奴らが投降するとは思えないので、密かに通信を開き
「ブレア、エイダ、貴女達はバズーカの狙撃をお願いします。ライザ、貴女には私と共に突貫し敵機を落して貰います、良いですね?」
「了解っす」
「了解です」
「わかったぜ相棒」
戦友の返事を聞き、私はシグレを懸架しサミダレを抜き合図をして加速し、エイダとブレアがバズーカを狙撃し誘爆した瞬間に明らかに怪しい出っ張った背部にシールドを突き刺す
すると、ひしゃげた装甲の隙間から紅い液体が漏れてきた
隣ではライザが敵機を私同様、シールドを胴体に突き刺し敵機を落していた
やはりアリーナとは言え誘爆の規模が未知である為、誘爆の危険が少ない方を選択して良かった
「此方オペレーター、敵増援は認められません、状況終了です」
「ワルキューレ・リーダー了解、敵の沈黙を確認しました。状況終了です」
「了解だ、全員後片付けだ、解析班は準備急げ」
私の言葉に頷き、指示を出している姉さんを横目にシールドを引き抜くと、ベッタリ紅い液体が着いていたが気にせずにバトロイドからガウォークにし、コクピットから降り、シールドに着いた紅い液体を触る
「血、ですね。つまりは此処がコクピットだった訳ですね」
多少欠損しているが、原型を留めているのは此の2機のみ
他は爆発四散してしまっている
「隊長〜やっぱソレ人乗ってたんすか?」
ムラサメから降りてきたブレアが私の横で敵機を見ながら訪ねて来たので
「その様ですね、シールドでコクピットを潰した様ですから中身はミンチでしょう、中は覗かない方が良いですよ?」
「分かったっす」
そう言うとブレアはオドオドと此方を伺っていたエイダの方へ行く様子を目で追っていると
「おい相棒、コッチの奴まだ生きてるぜ?まぁ辛うじて、な?」
ライザに呼ばれ其方を見ると、無理矢理コクピットを開けた様で、大小様々な破片が刺さり血塗れで虫の息の敵機パイロットがコクピットのシートにもたれ掛かっていた
「これでは碌に話せないでしょうし、助かりませんね」
敵とは言え助かる見込みも無いのに苦痛を味あわせるのは可哀想なので、護身用に携帯しているハンドガンを抜き、敵機パイロットの少年兵へ銃口を向け、楽に死ねる様に急所へ引き金を三度引き介錯を施す
「来世では良き人生が待っている事を願います」
次は恐らくミンチになっているであろう可能性が高い私が殺った方だ
自分でした事ではあるが、少し気が滅入る
これで大丈夫なはず、うん