一夏ちゃんを無双させたいが為のインフィニット・ストラトス   作:銭湯妖精 島風

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専用機

 

 

セシリア・オルコットの発言に対し、極々普通の反応を返した彼の言葉を聞きながら、セシリア・オルコットに対して少し頭痛がしたのは気のせいでは無いと思う

 

現に姉さんも頭が痛そうにしているし

 

この手の人間は一度痛い目を見せなければ治らない

 

しかも、見下した相手からでは無いと効果が薄い

 

それに今、彼女をクラス代表にしてしまうのは後々問題が起こる可能性が高い

 

ならば、選択肢は1つ。彼に1週間で戦う術を授けるしかない

 

一度姉さんをチラ見すると、私と同じ考えに至った様で僅かに頷いていたので

 

「しのごの言い争っても埒が開きません、織斑君には申し訳ないですが、オルコットさんと闘って貰います。ただしそれに際して準備も必要ですから、1週間後の月曜日の放課後に試合を行います。構いませんね?オルコットさん」

 

軽く殺気を当てながら言うと軽く青ざめ頷く

 

「織斑君も構いませんね?」

 

「・・・分かりました」

 

少し不満そうだが彼からも了承を貰うと姉さんが口を開く

 

「では、授業を始める。テキストを開け」

 

何とか時間を得る事が出来たが1週間で出来る事は限られている

 

だが、彼には頑張って貰わないといけない、今後の事を考えて私達が救援に来るまで持たせるぐらいの自衛能力が欲しいからだ

 

それに今彼女を矯正しておかないと彼女が将来困る結果になるだろうし

 

そんな訳で色々と計画を練って迎えた放課後の事

 

「真壁先生、俺に渡す物が有るってなんですか?」

 

「もう直ぐ分かりますよ織斑君」

 

私は彼を連れ資材搬入用の埠頭へ来ている

 

本当は箒も連れてくる予定だったのだけども彼女用の専用機の完成がズレ込んでしまったので箒はお預けになった

 

そんなこんなで丁度貨物船から降ろした積荷の1つに近寄り見知った作業員に話し掛ける

 

「お疲れ様です、これですか?彼の専用機は」

 

「おー、お嬢待ってたぜ?今回の積荷はソレだな、そっちの坊主が織斑一夏か?話には聞いてたが、ソックリだな?」

 

ガハハと笑う、束さんが作った表向き総合企業ラビットハウス運送部門の作業員 高木さんに彼は軽く困惑している様だがスルーし、コンテナの制御パネルを操作しコンテナを解放し、中身を晒す

 

「これが貴方の専用機、白式です」

 

「これがIS、俺の専用機」

 

彼は呟き、白式に触れて直ぐに驚いた表情をして手を離す

 

「どうかしましたか?」

 

「い、いえ。大丈夫です」

 

もう一度彼は白式に触れ、目を閉じて動かなくなり数秒後、微かに微笑む

 

「先生、俺オルコットに勝ちたい。やっぱバカにされっぱなしは何か千冬姉までバカにされた様な気がして嫌だ」

 

白式から手を離し私の目を真っ直ぐ見て彼は言う

 

その目に迷いは無い、私が見て来た衛士の中でも五指に入る程の迷いの無さだと思う

 

「分かりました、貴方が勝てる様に私が貴方に戦う術を教えましょう。ですが専用機が有るからと言って高々1週間では貴方と彼女の間に有る実力の差は埋まり切らないでしょう、それでも貴方が勝てる可能性は零ではありません。貴方には期待しています、織斑一夏君」

 

「はい、真壁先生」

 

とりあえず、白式のファーストシフトをさせて彼が生身でどの程度動けるか確認しなければ

 

あとは姉さん及びIS学園警備部用に搬入された機体も届けなければいけない・・・いや、届けるのはライザに任せよう、そうしよう

 

とにかく約六日で彼を最低限戦える様にしなければ

 

 






白式の到着を大きく繰り上げてみましたw


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