一夏ちゃんを無双させたいが為のインフィニット・ストラトス 作:銭湯妖精 島風
丸2日掛けて日本への移動を完遂し、漸くIS学園へ到着する事が出来た
私とライザは職員、ブレアとエイダは生徒として潜入する為に校門で分かれ、私とライザは職員室へ向かう
「心の準備は大丈夫ですか?ライザ」
「問題ねー。大丈夫だぜ、相棒」
相変わらず気怠そうなライザの返事を聞き、職員室の扉をノックして扉を開け中に入り
「本日よりIS学園に赴任いたします、真壁一夏です」
「同じく、ライザ・フォルク」
いつもの癖で敬礼しそうになるのを我慢し、名乗ると1人の教員が立ち上がり
「長旅ご苦労、私がIS学園警備責任者の織斑千冬だ。すまないが幾つか話しておきたい事がある、付いてきてくれ」
そう言い織斑先生は私達の横を通り過ぎて職員室を出て行ったので私達も彼女の後を追い、職員室を後にする
そして然程離れていない一室に入り、椅子を勧められたので椅子に座り彼女と向き合う
「では改めて、ようこそIS学園へ」
「ありがとうございます、頑張らせて頂きます」
「うっす、よろしくっす」
とりあえず社交辞令を交え挨拶もそこそこに織斑先生の眼光が光る
「あまり私は口が上手くないので単刀直入に、貴様達は何者だ?」
「この様な部屋へ連れてきた理由は、それですか?何者か、それは簡単に名乗れますが証明は難しいですね。私は真壁一夏、彼女はライザ・フォルクです」
正直、この手の質問が来る事は予想済みだった
明らかに不自然なタイミングで赴任して来ているからだ
そして、自分にソックリと来たら疑うに決まっている
実際は私と彼女は姉妹で、生き写しまでは言わないまでも兄弟姉妹と分かるぐらい似ているのだ
そんな訳で彼女と無言で向き合って数秒が経ち、再び彼女が口を開く
「名前は分かった、だがお前が何故 私に其れ程迄に似ているかが分からん、よもや偶然とは言わないよな?」
鋭く此方を見つめ、彼女が言う
間違いなく彼女には嘘が通じない、姉さんが そうであったから間違いないだろう
故に正直に真実を述べるしかない
信じるか否かは別として、だ
「・・・仕方有りませんね、素直に話しましょう・・・織斑千冬さん、私は貴女の実妹です。旧姓は織斑、織斑一夏」
真っ直ぐ彼女を見据え、私は真実のみを口にする
混ぜ物なしの真実、これは彼女も分かっているのか見るからに表情が驚愕へと変わる
「・・・そんな筈は無い、私には妹も居たが10年以上前に両親と共に事故で死んでいる、それに名前は一夏では無い。一夏は弟だ」
動揺はしているが、あまり隙も無い様子で彼女は私に言う
「ですが、私は織斑一夏で貴女の実妹です。平行世界は知っていますか?この世界と似て非なる数多存在するifの世界です。私は その平行世界の1つから迷い込んだ織斑一夏です、と言っても結婚しているので旧姓ですが」
これも紛れも無い事実、嘘を付いていない
「平行世界、いつだったか束が話していた様な気がするが・・・まさか実在したのか。俄かには信じ難いな・・・」
そう言い彼女は考え込む表情をし始める
「私の出自に関して信じるか否かはお任せします、我々がIS学園に来た目的ですが、貴女の弟 織斑一夏と篠ノ之箒を魔の手から守る為です」
「魔の手?やはり一夏や箒を狙う輩が居る訳か、それは予想の範疇だが・・・何故お前が守る必要がある?」
それはもっともな疑問だろう、平行世界の話を鑑みても あくまで向こうでは幼馴染だとしても此方では会ったこともない他人なのだ
彼女は そう予想したのだろう、それ故の疑問
だが私には理由が有る
「束さんから頼まれました、世界的VIPな束さんが口添えしたら何処の国でもIS学園への編入や派遣は比較的容易ですから。我々は篠ノ之束の夢に共感し同調した同志です、私は命じられた事は必ず遂行します。命に代えてでも必ず」
そう、私は必ず守る
織斑一夏と篠ノ之箒の2人を、そして束さんの夢を
必ず
お待たせしました
多忙過ぎて少し心が折れそうでしたが、何とか書けました
次に関しては未定ですが、頑張って書きますので、気長に待っていて下さると幸いです