戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~ 作:高性能脂肪
「調に何かしてあげたいのデスよ!」
「切ちゃん唐突だけど、どうしたの?」
S.O.N.G.本部の休憩室で急に切ちゃんが大声を出したから何事かと思った……詳しく聞いてみると、何時も調ちゃんが料理を作ったりしてくれているのに自分は何も出来ていない、だから何かしてあげたい!という事らしい
「無理しちゃうと調ちゃんが気を使う、だけど喜んでもらうためには何時も自分がしない事をしないといけない……と切ちゃんは思っているわけだ」
「そうなんデス。だけど何をしたらいいか分からなくってデスね」
「簡単なのは料理を作って待っててあげる……なんだけど?」
「何時も手の込んだ物を作ってもらってるから出しにくいデスよ」
調ちゃんにしてあげたいなら手料理の方が良いと思うんだけどな~調ちゃんもそうしたら一緒に料理を作れると思うから嬉しいだろうし…………ここはちょっと回りくどいけど
「それならこのグルメテーブルかけを使うといいよ」
「これは何をする道具なのデスか?ただのテーブルかけに見えるのデスが」
「これはね、テーブルかけだからテーブルにかけた方が良いんだけどかけなくても使えてね。ほら何か食べたい物を言ってみてごらん」
「えっと~デスね…ハンバーグ、ハンバーグが食べたいデス!」
そう切ちゃんが言うとあら不思議‼何も無かった所に皿に乗った美味しそうなハンバーグが現れる
これがグルメテーブルかけ、無から有を生み出すひみつ道具……ドラえもんのひみつ道具の中でもおかしいと俺が思う物の一つ。これなら料理を作れない切ちゃんだって料理を出せる
「おいしいデス!これなら調に出してあげられるのデス」
「調ちゃんの料理とどっちが美味しかった?」
「えっと…………これもおいしいのデスが、やっぱり調の料理の方がおいしいデス!」
「それは調ちゃんが切ちゃんの事を思って作ってるからだよ。気持ちを込めて作った料理はプロの料理より美味しく感じる時があるのはそれが理由…………ここまで言えば切ちゃんなら分かるよね?」
「…………間違いかけたデス。でも料理を作れて時間が空いてる人なんて今はいないデス」
あれ?切ちゃん知らない…………あっそうか見せたことが無かったか、それなら仕方ない、教えてあげよう
「俺料理できるよ切ちゃん」
「デ、デェェェェエス‼嘘デス、料理してるイメージなん「教えるの止めようかな」えぇっと嘘デス、嘘デスよ!でも見た事がなくってデスね」
「それはまぁ仕方ないね。じゃあ時間もあれだから早速作っていこうか……ほら行くよ」
後日談を話そう。あの日俺が教えたのはオムライス、それも一見難しそうだけど思ったより簡単なふわトロ卵のオムライス。切ちゃんが料理っぽいものって言ったから何個かあげてこれを選んだから決まった
何回か卵を失敗するたび俺が食べ、また挑戦する。そうして完成したふわトロ卵のオムライスを調ちゃんと一緒に食べたらしい(材料は全部俺持ち、可愛い妹分の挑戦だから出してあげた)
その翌日から調ちゃんと切ちゃんは一緒に料理をしているらしい、上手くいって良かった…………因みにこの話を料理という物を何処かに投げ捨てた装者達に話した所、みんな四つん這いになり血涙吐血、いわゆる絶唱顔になるという面白い事がおきたのでちょっと大爆笑してあげた
そのあと未来ちゃんが来たのだが…………いつの間にか集中治療室にいたから何かあったのは間違いない