戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~ 作:高性能脂肪
「切歌ちゃんに常識を教えてほしい?」
「そう…きりちゃん、最近だんだん非常識になってきて」
「調ちゃん、それは言いすぎじゃない?確かに切ちゃんは自称常識人だけど、非常識はないでしょ」
「…………最近男子トイレのマークを見ながら私に「トイレ行ってくるデース!」って言いながら男子トイレに行きそうになって、何とかきりちゃん止めれたから良かったけど」
切ちゃん、とうとうそこまでなってしまったのか……仲間になった当初はこんな子じゃなかったのに。しかしそこまでの状態になってから常識を教えるというのは無理じゃないか?でもあんまり人に頼らない調ちゃんの頼みだし、どうにかしてあげたい…………
「調ちゃん、一か八か………このアベコンベ、試してみる?」
「アベコンベ……その道具できりちゃんが常識が分かるなら! だけどそのアベコンベってどんな道具なんですか」
「このハート形の先端にふれると……そのふれた物の性質をあべこべにするんだけど…………どうなるかはやってみないことには…分から…ない」
「それでもきりちゃんが自称常識人から常識人になるなら!」
というわけで、切ちゃんに実験…じゃなく試してみようアベコンベ! 上手くいけば常識的に、それ以外だと…………どうなることやら
「きりちゃん、頼みがあるの」
「どうしたんデスか調?私に頼みな…………あれ藤本さん、その手に持っているそれは何デスか?」
「これかい?これは面白い棒だよ~気にしないでいいんだよ切ちゃん。ほら調ちゃん、頼みな」
「きりちゃん、この面白い棒に当たってほしいの……一回だけ、一回だけでいいから」
「デ、デース! 調の頼みデスし………分かったデス、当たって挫けろデス‼」
砕けろ、だけどな。まぁ切ちゃんの了承も得られたことだし遠慮なくいかせてもらうけどね……さて当てたは良いもののどうなるかは分からない、けど?
「変化なし? いやそんな無いはずだけど…………切ちゃん、切ちゃんって常識人なんだよね?」
「藤本さん何を言ってるデスか? 手皿はしちゃいけないとか探り箸はいけない、外でトイレに行くときはお手洗いに行ってくると言うくらいの常識は持ってるデス」
「ちょっと切ちゃん待っててね~ちょっと震えてる調ちゃんは此方に来てね~」
スマホのバイブレーションのように震えてる調を連れて扉の向こう…からちょっと遠くに来て話を聞いてみよう、うん
「調ちゃ「気持ち悪いですーー‼ きりちゃんを元の自称常識人に戻してください、お願いします!」そんなにキャラ崩壊するほどの事か! でも調ちゃん、戻したらあれになっちゃうけど良いの?」
「良い! きりちゃんの私が常識教えるから、元に戻してください!」
後日談を話すとしよう。元に戻った切ちゃんに抱きついた調ちゃんに「およ~およよ~」と言語を忘れたように言った切ちゃん……元の自称常識人に戻って良かったと思った。それから調ちゃんがマリアさん、奏さん…そして時々セレナちゃんを巻き込んで常識について教えている
常識的になってきてはいるんだけど……その代わりかなんなのか、何かあったら「デス」とか「およ~」とかで済ませるようになってきたのはどうにかならないのか?そのうち「デス、デス、デース!およ~およよ~デデス!」とかで言葉を忘れたりしないか……心配で仕方ないデス