戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~   作:高性能脂肪

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今回はひみつ道具の名前すら出ません

何故なら「マリア・カデンツァヴナ・イヴ…………カデンツァヴナ・イヴ……ハッ!」と思って書いたものなので


マリア・クリスマス・イヴ

 今日はクリスマス・イヴ、雪が夜空から落ちてきて幻想的な景色を作り出している。まわりには家族連れで、カップルで、部活かサークルの集まりで、様々な人が楽しそうに歩いている

 

『はぁ…………今年も一人なのね』

 

 

 S.O.N.G.のみんなは用事があるらしく私は一人で歩いている。ここにいると何だか切なさと悔しさと寂しさが湧いてくる、速く家に戻ってワインでも飲んだほうがいいわね

 

 

『あっマリア! さっきぶりデス』

『ジーーーーマリア一人?』

 

 

『切歌に調! 二人で買い物なら私も行って…………!』

 

 

 目の前に現れた切歌と調…………だけじゃなくて見知らぬ男が二人寄り添うように立っていた。う、ウソよ…そんな事があるわけがないじゃない!

 

 

『マリア紹介するデス、私の彼氏デース!』

『この人が私の彼氏、いつかマリアに紹介したかった』 

 

『なん…………ですって!』

 

 

 私には男友達すらいないのに二人には彼氏がいるなんて……大丈夫、大丈夫よマリア、切歌達の年齢ならいてもおかしくないのよ。そうおかしくないのよ

 

 

『あっもうこんな時間デス。マリアまた明日デ~ス』

『これから四人で食事だから、マリアまた明日』

 

『えっうん、また明日ね』

 

 

 

 切歌達は人混みの中に入っていって見えなくなった。マリア、これは喜ぶべきことなのよ……あの二人が幸せになっているんだから喜ぶべきなの

 

 

『あっマリアさん』

『おいバカ走り出すな! はぐれるだろうが』

『そうだよ響、こんなに人がいるんだから』

『そうだぞ立花、会えたから喜ぶのはいいがはぐれるのは駄目だぞ』

 

『あら? あなた達は買い…………ハッ!』

 

 

 少し歩いていたら翼達に会った……見慣れない男4人と一緒に

 

『マリアさん、この人は私の彼氏です! 私と一緒に走ってくれたり、ご飯を作ってくれるんですよ』

『こいつはアタシのか、彼氏なんだ。少しこのバカに似ているところがあるけど、そこが良いんだよな』

『この人は響の彼氏と親友でその縁で付き合う事になったんです』

『マリア、つい最近緒川さんに家事を認められて付き合う事が出来たんだ…………私の彼氏だ』

 

 

 

『…………そ、そうなのね。し、幸せそうで何より』

 

 

 

 

『マリア君、俺もついに身を固める決心がついてな…………この人が俺の伴侶だ』

 

『アハハ、ばれちゃいましたか……実はあおいと付き合ってるんですよ』

『本当はもう少ししてから朔也と付き合っていること、みんなに話そうと思ったんだけどね』

 

『おっマリア! いやぁテレビでニュースになっていたから知ってるとは思うけど、こいつがアタシの彼氏なんだ。よろしくな!』

 

 

 

 

 

 気がつくと周りにはポツンと街灯がある場所に座っていた。何よ、みんな……楽しそうにしちゃって、私だけじゃない! 一人ぼっちなの私だけじゃない‼ 何よ彼氏って、私に見せつけてるの、男友達すらいない私に見せつけてるのね!

 

 

『あれ? マリア姉さんどうしたのこんな所で』

 

『せ、せれな? セレナ、セレナ、ゼレナァァア!』

 

『もう姉さんたらっ……大丈夫、私はここにいるよ』

 

 

 

 一人ぼっちだと思って自暴自棄になりかけた私の前にセレナが立っていた。そうよ私にはセレナがいる、あの過酷な日々を一緒に過ごして、死んだと思っていたけど弘によって助けられていた私の妹のセレナがいる! だけど…

 

 

『あら?そういえばセレナ、何でここにいるの?』

 

『実はね…その…………ね』

 

『ねぇセレナ何でそんなにモジモジしているの?何で後ろをチラチラと見ている…………ハッ!』

 

 

 セレナが見ていた暗闇から誰かが出てきた……待って何であなたが出てくるの!

 

『マリアさん、さっきぶりですね』

 

『弘、何であなたが………何でセレナの肩を抱いてるの! 答えなさい‼』

 

『姉さん…………私たち今からあそこに行くの』

 

『あそこって、あそこには何もないじゃな……ハッ!』

 

 

 さっきまで暗闇で何も見えなかった場所に怪しい光を放つ建物が現れた。それは行ったことはないから詳しくは分からないけど、写真は見たことがあるからこれが何かは分かるけど………この建物は!

 

 

『セレナ行っちゃ駄目よ! そのピンクなホテルに行っちゃダメ‼』

 

『マリアさん……いやお義姉さん。セレナとハイッテキマス、行こうセレナ』

 

『はい弘さん……姉さん大人になってきます』

 

 

『駄目よ、セレ……足が雪に埋まって動けない! 待ってセレナ行っちゃ駄目よ‼ 待ちなさい弘、私の目が黒いうちはそんな事はさせないわよ! 待ちな……待って、待っ』

 

 

 

「セレナーーーーー‼‼ ハッ夢、なのね」

 

 

 

 朝日が私の顔に降り注ぎ、気持ちいい風が身体を通り抜けていく…………さっきまでのは悪夢だったようね。はぁ身体は汗でベトベトで嫌な感じね、シャワーを浴びてスッキリしないと

 

 

「あら? 弘からのメール…何かしら。こ、これは!」

 

 弘からのメールにはこう書かれていた

 

マリアさん、少し話したい事があるのでそちらに行ってもいいですか?

 

 

「…………来なさい弘。何があってもセレナは渡さないわよ」

 

 

 

 この後弘が来て話した事は切歌の間違った常識について、調の包丁がボロボロになってきているからプレゼントしたいがメインで、後は最近の翼達の奇行についてだった…………クリスマス・イヴの悪夢に引きずられて敵意を持つなんて、セレナに見せられないわ

 

 

 

 


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