戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~ 作:高性能脂肪
今回はひみつ道具は出ませんのでご了承ください、後少し早いですがクリスマスネタです
「クリスマスにはサンタさんが来るデスよ!」
「そうだねきりちゃん、そしてプレゼントが貰えるのが楽しみ!」
「おいおいサンタなんているわけねぇだろ」
明日はクリスマス、アタシはF.I.S. に所属していた暁と月詠の様子を見に行ったんだが……この二人がアタシの後輩になるなんて何だか楽しみだ。あのバカはアタシより後輩なのにちゃん付けで呼んできやがるから、この二人にはきっちり先輩って呼ばせるようにしないとな‼
……そうじゃねぇっ! それは関係なくて今思っているのは、この二人が未だにサンタを信じてるなんて学校で知ったらどうなるか分からねぇ。ここは先輩としてアタシが教えてやらねぇとな!
「何を言うデスか! サンタさんはいるデスよ」
「そうです、サンタさんはプレゼントを持って枕元に置いてくれます!」
「いやだからな、そのサンタは「い゛る゛デズよ゛! ザン゛ダざんばい゛る゛デズ‼」いや泣くほどじゃ「大丈夫だよきりちゃん……サンタさんはいるから、ちょっとこっちに行こうね」いや、アタシが泣かしたみたいになってるじゃねぇか!」
後輩達が泣いて帰っちまったが……あそこまで泣くこたぁねぇだろ? 怒るなら分かるけどよ、泣くなんておかしいじゃねぇかよ…………はぁ泣かすなんて先輩失格じゃねぇか
「あらどうしたの? 落ち込んでるようだけど」
「あっ……いや暁と月詠にサンタはいないって伝えたら泣かれちまってよ」
「なるほど……それを言ったのね」
歩いてたらフィーネを名乗っていたマリアと会った……あっ! アタシじゃなくてマリアが言ったら流石にアイツらでも信じるんじゃねぇか?
「…………私も昔、よくサンタさんからプレゼントを貰ったわ。大人になったからサンタさんは私の所に来なくなったけどね」
「…………ん? えっいや…………そ、そりゃ大人になったら来ねぇよな、子供にプレゼントするんだから」
「そうよね……だから調達が羨ましいわ、まだサンタさんが来てくれるからね。あっそろそろ昼食の時間だから行くわね」
去っていくマリアの背中を見ながらアタシは思った…………アンタも信じてんのかよ! 上がこれならアイツらもああなっても仕方ねぇじゃねぇか‼‼ はぁはぁ…落ち着けアタシ、何時かはアイツらも知るんだから別に今知らなくてもいいじゃねぇか…そうだ、そうだよな! 大丈夫だよな!
「どうしたのだ雪音? そんなところで色々な顔になっているが…」
「あっ先輩じゃねぇか! いや~マリア達が未だにサンタを信じててよ」
「そうなのか……サンタなどいるわけがないだろう?」
嘘だろ! あの先輩がマトモな事言うなんて……いや普通はそうだよな、このくらいの年になりゃサンタがいない事くらい知ってて当然だよな!
「そうだよな、サンタはいねぇのは当然だよな!」
「そうだぞ雪音…………いるのは福置き三太だろうに」
「……………………へ?」
「マリア達もおかしい事を言うのだな……いるのは赤備えの鎧甲冑を着て、白色の風呂敷にプレゼントを包み、栗毛の馬に跨がって……馬の嘶きと共にやってきて子供の枕元にプレゼントを置き、馬の嘶きと共に去っていく……福置き三太がいるのにな」
「いやいやいや! そんなのもいねぇだろうに先輩」
「何を言うのだ雪音、私は福置き三太を見たのだぞ! 馬の嘶きが聞こえたからバレないように寝た振りをして、帰るために背中を向けた瞬間に私は見たのだ……赤備えの鎧甲冑を着て白色の風呂敷を手に掴んでいる福置き三太の姿を!」
……良かった~やっぱり先輩はマトモじゃなかった。つーか福置き三太って何だよ! そんなの聞いたことねぇからなアタシは! ……つっても先輩に伝えた所でとんちんかんな答えが返ってくるだけだしな、言うのはやめとくか
「……そっか~先輩はそうだよな~じゃあアタシは帰るからな」
「うむ……私はマリア達に福置き三太の事を伝えにいこう。学校でサンタの話をしたら暁達に友達が出来ないかもしれないからな」