戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~   作:高性能脂肪

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風鳴翼とからだねん土

「…………それで翼ちゃんは巨乳になってみたいと」

 

「確かに防人である私にはそんな胸部装甲など必要はいりません。ですが歌女としての私の事をネットでは前に肩甲骨がついてるだの、子供が作った砂山みたいな胸だと言われて気にしないほど女を捨ててはいません!」

 

 

 珍しく翼ちゃんから電話がかかってきたと思ったら、こんな用件だった。どうやらエゴサーチをしたらしくその結果翼ちゃんの胸について色々言われていることを知ってしまったらしい。別に小さいなら調ちゃんや未来ちゃんがいるから気に……何か嫌な気配がしたから止めておこう

 

 

「だけどね翼ちゃん、いきなり胸が大きくなったらおかしいだろうに」

 

「そこを何とかする道具はありませんか、体験する道具でもいいので無いのですか」

 

「まぁあるけれど……今部屋に、いや掃除しないと「安心してください、緒川さんが掃除してくださった後なので部屋は綺麗です!」……あ、そう。分かった今からお邪魔するからね」

 

 

 

 翼ちゃん、胸の事より気にしないといけない所があるじゃないか。何時までも緒川さんが生きている訳じゃないんだから、部屋の簡単な掃除くらいできるようになろうよ

 

 

「それで藤本さん……体験できる道具はどこに、どこにあるんですか!」

 

「翼ちゃんこれが体験するためのひみつ道具、からだねん土だよ。これを体にはり付けると体型や相貌を変える事が出来るから使ってみてね……ちょっと戻るから終わったら電話してね」

 

「ありがとうございます、これでマリアや雪音の感じている世界が分かります!」

 

 

 

 何か悲しい物を見てしまった気分だ。だけど翼ちゃん本人がそれを望んでいるからそれでいいんだ……そうこれでいいんだ

 

 

 少ししたら電話がかかってきたから戻ってみるとそこには見たことのない女の子、いや翼ちゃんがいた

 

「藤本さん、これが…これがマリア達の感じている世界なのですね」

 

「いきなりそこまでつけるか。ボインボインじゃないか」

 

 

 翼ちゃんの年々無くなっていく胸はそこにはなく、そこにあるのは服がパッツンパッンになるほど大きな胸があった。見慣れない光景である以前に何故か虚しさを感じる……何故だろうか?

 

 

「…………それでシンフォギア纏って戦えるのか? 流石に盛りすぎじゃあ」

 

「何を一体言っているんですか。この身は防人、胸部装甲が厚くなったくらいで戦えなくなる私ではありません!」

 

「へぇ~じゃあやってみたらどうだ?多分無理だけど」

 

「なっ! 良いでしょう防人の力を見せますのでついてきてください」

 

 

 

 いやいや無理だろう、体のバランスが変わっているのに戦える訳はない。トレーニング場に来て変身して貰ったが

 

 

「な、く…おわぁっ‼」

 

「やっぱり倒れた……戦う以前の問題だな」

 

「な、何を言っているんですか! このくらいどうということはありません…ただバランスが変わって驚いただけです」

 

 

 

 結果だけ言おう…………駄目だった。普通に刀(翼ちゃん曰く剣)を振るうと胸が揺れて転んだ。逆羅刹は胸の重さで支えきれなくなって頭を打った

 

 

「こ、このような状態でマリア達は戦っていたとは……私は知らなかった、このような不利な状態マリア達が戦っていた事を私は理解していなかった!」

 

「…………翼ちゃん」

 

 

 翼ちゃんも理解して何よりだ、これで一件落着…………?あれ翼ちゃんの眼がおかしいぞ、真っ黒グルグルおめめになってるぞ

 

 

「救わねば、このようないらない物をつけていてはマリア達も戦いにくいだろうに…………削ぎおとして楽にさせてやらねば!これも防人の役目なのだから‼」

 

「おいー‼ 何言ってんのこの子、落ち着け! とりあえず落ち着いてからだねん土を外すんだ!」

 

「離してください藤本さん! 救わねばいけないのです……マリアも雪音も立花も暁も‼ 私より胸の大きな者達を救わねばいけないのです」

 

 

 

 

 このあと緒川さんに動きを止められ、さっきの翼ちゃんよりヤバイ目をした未来ちゃんと調ちゃんに何かを耳元で囁き続けられて、翼ちゃんは正気に戻った。少しの間翼ちゃんは二人に近づかなくなった

 

 

 後日談だが未来ちゃんと調ちゃんも、響ちゃんと切歌ちゃんがどんな感じか確かめるために使いにきたり。響ちゃんや切歌ちゃん、セレナさんもクリスちゃんやマリアさんがどんな感じか確かめるために使いにきたりしたことは内緒である

 

 

 

 

「そういえばエルフナインちゃんも女の子なんだし使ってみないの?」

 

「藤本さん、僕に性別はありませんよ?」

 

「…………その体キャロルちゃんのなんだろ? だったら女の子なんじゃないの、キャロルちゃんが成長した姿女性だったわけだし」

 

「‼……いえ、でも…その…………そうですね。じゃあ少しだけ」


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