戦姫絶唱しないシンフォギア~転生者と不思議な道具~ 作:高性能脂肪
響ちゃんと未来ちゃんが暮らしている部屋に俺と響ちゃんが二人っきりでいる。未来ちゃんは少し出掛けていていない……響ちゃんは目を潤ませながら俺に話しかけてきた
「弘さんお願いします! あれを、あれを食べさせてください!」
「駄目だ。そんなに欲しがってもあげないから諦めて」
「そこをお願いします! あれが無いと駄目なんです、あれが無いと私‼」
「響ちゃんは欲しがるねぇ……はぁ仕方ないな、ほらどうぞ」
「ありがとうございます! このアンキパンがあれば歴史のテストを乗り越えられます」
響ちゃんはシンフォギア装者になってから忙しくなり、まともに勉強ができていないと未来ちゃんが言っていた……なる前から人助けとかで出来ていなかったとも言っていたけど。そんな時にあるひみつ道具のことを話してしまった、それがアンキパン。
アンキパンとはスライスされた食パンの形、というか食パンのひみつ道具。本などに押し付けると食パンに内容が移り、それを食べると暗記することができるひみつ道具だが問題点は大量に覚えたいときは、大量に食べないといけないという所だけ
「しかし響ちゃん……ちゃんと覚えようとは思わないのか?」
「いやぁこれだとお腹もふくれるから節約にもなるので、えへへへ」
「まぁ確かに響ちゃんは沢山食べるから暗記できて節約できるけれども」
響ちゃんはシンフォギア装者としての活動か訓練で一日がつぶれているから、確かに勉強する時間は無いかもそれない。しかし、しかしだ!
「クリスちゃんは勉強についていってるみたいだけど?」
「うぐっ! あははは~そ、その事は言わないで欲しいかなぁって思います」
「…………はぁ、まっ今回だけだよ。次からは自分で頑張ってね」
「分かりました! それじゃ、うぉりぁぁあ‼」
やっぱり響ちゃんってよく食べるよなぁ……よく動くとしてもあんなには食べられない、やっぱり元から食べられる体質なのか…それともシンフォギアと融合しているからなのか
「うぉぉお! イチゴジャム、マーマレード、バター……」
「まぁ楽しそうでなにより、か。じゃあ帰るからね」
後から聞いた話だと響ちゃんは何とかなったらしい。何とかなったというのはアンキパンで暗記はできた、できたんだが何処に書けばいいのかというのは分からないもので何とか書けて、赤点は取らなかったということだ……ちなみに後日談だが
「弘さんお願いします! アンキパン食べさせてください」
「駄目……俺も食べないといけないからあげる分はない! それに前に言った通りだから頑張れ」
「そんな~」