「ねぇねぇ比企谷ー。」
「あん?」
「今日ってバイト?
っていうか今年バイトいつまで?」
「あー今日はバイトだな。
んー、確か28日くらいだ確か。
店長ももう歳だしな。年末年始はゆっくりしたいらしい。
っていうか今日の予定は何故聞いた?」
「そっかバイトなんだー。
今日あたしもちょっとサークルの子達遊ぶんだけどさ、晩御飯一緒に食べないかなーっと思ってさ。ダメかな?」
そんな顔で見られたらダメとは言いづらいんだよなぁ…。
「まぁいいけど…。
どこで食べるんだ?俺帰り21時くらいになっちまうけど。」
「その時間くらいならさ、比企谷んちでもいい?遅くなっても家近いしさ!」
「は?そんなほいほい男の家上がっていいのかよお前。」
こいつどんだけ無防備なんだ。。
俺だからいいものの。
「なに、比企谷もしかして嫉妬ー?
なんつって。えへへ。
大丈夫だよ、他の男友達とは2人で遊んだことなんてないもんあたし」
そんなちょっと照れた表情されるとこっちまで照れてしまうから勘弁してほしい。
「ばっ、嫉妬とかじゃなくて心配してやってんだよ。」
「おっ心配してくれるんだ。
比企谷ってなんか他人に興味持ってないかと思ってた。」
「そのへんの奴らには欠片も興味はないけどな。
まぁ、お前は一応、と、友達だしな…。」
「そ、そっか…なんか照れるねこういうの…
でさ!今日何食べたい?あたしが作ってあげるよ。」
「え?お前料理とか出来んのな。意外だわ。
いやこれといって食べたいものないから任せるわ。」
いやほんと意外だ。
料理とか家事めんどくさがって全然やらなそうだけどやっぱりこいつもちゃんと女の子なんだな。
「こう見えてあたし実家にいた頃はお母さんの手伝いとかずっとしてたしねー。
あー比企谷、それ1番困るやつだわ…。
まっいっか!まぁ適当に作っとくよ。」
「あーじゃあよろしく頼むわ。
あれだったら勝手に家入ってくれてていいから。」
「オッケー!
こっちも何時くらいになるかわかんないけどあれだったら入らせてもらうね。
じゃ、とりあえずバイト終わったら連絡よろしく!」
「お、おうじゃあな。」
なんつーかこれカップルの会話みたいじゃねーか…(今更)
やばいな意識しはじめると顔が熱くて敵わん。
少し、時間置いてから行くか…。
あー終わったー。
今日も大体、バックヤードで本読んで終わったな。
まぁ、楽に越したことはないんだがこれでお金貰っていいんだろうかと不安になってくるな。
さて、連絡するか。
「もしもし、俺だが。」
「もしもーしおつかれ!
っていうか俺だがとかウケる!
あっ今どのへん?」
「あーもう少しで家らへんだが。」
「あっほんと?あたしももう少しだしちょっと食材買おうよ。」
「おう、わかった。」
「さて、今日は何作ってくれるんだ?」
「んー今日寒いからシチューとかどうかなーとか思ってるんだよね。もしくはビーフシチュー!」
「なんでシチュー縛りなんだよ…。
あーそれで異論はないからいいんだが。」
「ん。じゃあ行こっか」
「まて、会計は俺が出す。カゴよこせ。」
「いいよいいよ全然!比企谷にはいつもお世話になってるし!」
「いやそういうわけにもいかん。こういう時には必ず出すように妹からしつこく言われてるんでな。
そのうちマッカンでも奢ってくれたらそれでいいから。」
「ごめん、じゃあよろしくね…。」
「ほら、後つっかえてるから行くぞ。」
「ありがとうございましたー」
「ほれ。」
「え?あっ…」
「ちげーよ手じゃねーよ。袋だ袋!」
このくだり既視感があるぞ…。
「比企谷…。それ普通に勘違いするから絶対他の人にやらない方がいいよ…。」
もう遅いんだよなぁ。
「あー食った食った。ごちそうさん。」
「ど、どうだった?」
「あ?いや普通に美味かったわ。
っていうか不味かったら食わねぇつーの。」
なんだか、普通に褒めるが照れくさく思わず捻くれてしまう。
もはや捻くれるのは条件反射の域だから仕方ない。
「よかったー。比企谷結構遠慮なしにズケズケ言うから酷評されたらどうしようかと思った。
っていうか一言多すぎだからウケる。」
一言なのか多すぎなのかどっちだよ。
それと、別にウケないから。
「ねぇ、比企谷ってさ年末年始はどうするの?地元の方帰ったりするの?」
「いや別にまだ何も考えてないが、もしあれなら新年明けたら小町の顔見に行こうかなってくらいだな。」
「それある!
もし年末年始暇だったらさ、近くの神社に一緒に年越して初詣行こうよ。
あたしこの辺に住んでる友達比企谷以外いないからさー」
「えー…初詣とか絶対人いっぱいいるじゃねーか。」
「あっ嫌なら別にいいんだけどさ…。」
だからそんなしおらしい態度でこられると…以下略。
「はぁ。いや別に嫌じゃねーよ。行こうぜ。」
「ほんと?やったー!!約束だかんね!?」
「お、おう。」
なにこの子、そんなに行きたかったの?
年明けたらすぐ参拝しなきゃいけないくらいのお願い事でもあるの?
「よし、じゃあ約束もしたことだし帰るね!
今日は送ってくれなくても平気だから!」
「おう、そうか。気をつけてな。詳細はまた連絡してくれ。」
そうして彼女は暖かい笑みを浮かべ帰って行った。
なんだかんだと言いつつ不思議と結構楽しみになってきた自分もいて自分に戸惑いを覚える。
だが、決して嫌な感情ではなかった。
証拠に、少しだけにやけてしまっている自分の口元。
この感情をなんと呼ぶのか彼はまだ知らない。
まだ書き始めたばかりだからかブレブレの作風。。