「ただいま。」
大学生になり、親父達の援助もあって晴れて一人暮らしをさせてもらってる俺は小遣いなんてものは当然のことながら無く、週3日ほとんど全く客もこないような古書店でバイトをしていた。
「おっお疲れ、おかえりー。」
何こいつコタツでゴロゴロしながら普通に出迎えてんだよ。。
「お、おう。
っていうかお前また居たのかよ。」
「え?いやーほらあたしって今日暇じゃん?
それにいつでも遊び来いって行ったの比企谷じゃん。」
「いや言ってねーし。
またなんかあったら来いとは言ったがいつでもとは言ってない。」
こいつ、ちょっと前のバイト帰りにたまたま見かけて元気無さそうだったから思わず声かけて寒そうだったから家近かったからホットミルク出してやってから居座るようになりやがって。
「でもほら、合鍵もくれたじゃん?」
「あげてねーよ。
あの次の日に俺が1限あったからこれで鍵閉めといてくれって渡しただけだから。
いい加減それ返せ。
つーかそろそろ帰れ。」
「えーいいじゃん別にー。
あたしと比企谷の仲じゃん。
まっ帰れって言われても徒歩5分であたしんちなんだけどねー。マジウケる。」
「いやお前と俺の仲って大学で昼飯一緒に食ってるだけだろうが。
っていうかお前徒歩5分で着くなら自分んち帰れよ。」
「それある!でもさーあたし達ってなんだかんだ中学からの仲じゃん?
それに、家に帰っても暇だしなんか寂しいじゃん。眠くなったら帰るからさ頼むよ比企谷!」
いや中学からの仲って俺的にはそこが1番あれなポイントなんですけどね。
「はぁ、仕方ねーな。
俺バイト帰りで腹減ってるから飯作るけどお前も食うか?」
「いいの?食べる食べるー。
一人暮らしだと中々ご飯作るの面倒だからさ、ありがたく頂戴しますっ!」
「まぁ自分の分作るついでだからな。」
今日はカレーでいいか。
「ふぅ、ごちそうさまでしたー。
っていうか比企谷って料理出来るんだねー。なんか意外。」
「まぁな。
俺は小学6年生までの家事なら一通りこなせるからな。」
逆に言ったらそれより上はまだ上手く出来ないから要勉強なんだがな。
「おい、そろそろ良い時間だろ。
送ってやるから帰れよ。俺も風呂とか入りたいし。」
「んー、それもそうだね。
じゃ帰るとしますか!」
「はぁ、じゃあまたな。」
「うん、ありがと。
じゃあまた学校のお昼にね。」
折本の家の帰り道、頭の中に蘇るあの日の折本の姿。
何故いつも明るい笑顔を振りまく折本があんな顔をしていたのか。
その理由はまだ聞き出せていない。
「まっ、そのうち話してくるか。」
あっ、また合鍵受け取るの忘れた。。
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