問題児扱いなら問題児らしく好き勝手しようじゃないか   作:きりがる

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ストレスなんだよ…ストレスなんですよ。現実逃避のために書きました。だから一話一話が遅いかもしれません。


プロローグ

 

 

 思えば生まれた時から親からの扱いが酷いものだった。さすがに生まれて直ぐはそんなことはわからないけど、物心ついた時もそれが日常のように虐待を受けていた気がする。何で気がするかって? いや、さすがにそんなに昔のことは詳しく覚えてないって。学校とかでは別に僕は健全な男子生徒で通ってたからね、虐めとかはなかったよ。ただ、皆恥ずかしがり屋さんなのか、僕に話しかけてこなかったけど。ま、そんなことはいいや。それでさ、今なんだけど…

 

「あうあうあー(死ねこのやろー)」

「煩いよ、喋るんじゃない!」

「うあー(やるじゃない)」ニコッ

「ちッ…気味の悪いガキだね」

 

 絶賛、赤ん坊虐待プレイを受けてる真っ最中なのさ!

 

 いやぁ、これを知って僕は驚いたね。なんたって、高校の帰りに事故って死んだと思ったら赤ちゃんになってたんだぜ? 信じられるか? しかも赤ん坊の頃から虐待とか酷いじゃないですかやだー。

 取り敢えず死んだことは受け入れて今生きてるってことを実感した。幼児プレイだけど。誰得だよ、親にも嫌われてんじゃねえか。しかも前世と同じ境遇って…濡れるッ! じゃなくて、泣ける! でも泣いたら殴られるからね、それに死なないように絶妙に手加減されてる。

 

 なんなの、ある意味すごくない? 僕の今の親。それにしてもこれは転生なのだろうか……でも神様とか言うものにあってないし、憑依じゃないかな? 前世ではこういう二次創作は大好物だった。二回目の人生、楽しんでみようか。

 まず、どう楽しむか? 最初はアレだ、ご飯時間に楽しむんだよ! これでも死なないようにしてるのか、ちゃんと母乳は飲ませてもらっている。だから合法的に合理的におっぱいに触って吸えるんだ…何時楽しむの? 今でしょ!

 

 ん? 幼児プレイ? ナニソレ美味しいの? お母様のおっぱいは美味しいけど。さすが幼児の味覚だ。ていうか変態とか言わないで欲しいんだけど。いいじゃん、男は皆変態なのさ! さて、お腹も膨れたし、寝ようかな? 寝る子は育つってね。

 

「ああ、気持ち悪い。今晩は旦那に吸って貰おう」

「あうー(リア充は爆発しやがれー)」

 

 二人はラブラブなのに僕は除け者、いいもん、寂しくなんかないんだからね!

 

 

◇◇◇

 

 

 さて、僕が歩けなかった頃から結構の年月が経った。細かいことは数えてないから知らないし興味もない。ただ、身体が出来上がってくるとともに虐待の激しさも増してきた。お父様まで加わっての殴る蹴る。あんたそれでも父親か。それより、僕の容姿を紹介しよう。自分で言うのも何だけど、髪すら切らせてもらえなかった黒くて長い髪は、烏の濡羽色をしていて綺麗だと思う。ま、殴られてたりしていたから今は汚いけど。あと、親に全然似ていなくて更に虐待への拍車を上げた。虐待は受け入れて無視してるけど。

 

 じゃあ前世の話をしようか。僕は前世でも虐待を受けていたけど、祖父母がそれに気づいて代わりに育ててくれたんだよね。で、そのお祖父様の親友の糞爺が古武術をしていたんだけど、それを僕が習うことになった。なんでも糞爺が考えたものらしくて、これで沖縄での戦争を生き抜いたんだと。武器無くなって拳と脚で戦うって化け物なの? 意味分かんないんだけど。

 

 死ぬまで弟子は取らん! とか言ってたから、いいよ、勝手に見て盗むからなんて言ったのが最後、僕は何故か弟子になった。

 もうちょっと意思を強く持てよ糞爺。お前は耄碌爺か。ご飯はさっき食べたでしょう? あ、嘘です2日ぐらい食べてませんでした。

 

 じゃなくって、その古武術についてはまたいずれね。

 

 虐待はあれども友達からの虐めなんてものはないので平和なものだ。虐待も飽きてきたのか、親は数年前から僕を無視するだけになってきた。学校に通えるだけマシというものだろう。両者浮気してるから僕のことなんてどうでもいいだけだろうけどねぇ…。

 

 家に居ても知らない男か女がいてどちらかとズッコンバッコンしてるだけだからできるだけ帰りたくないものだ。年頃の男の子がいるんだよ? ちょっとは自重してくんない? 帰る度に嬌声が聞こえるのはマジで嫌だぜ。しかもくそったれな親のもの……どうかしてるよ。

 

 そんなわけで僕は当てもなくフラフラと毎日何処かに歩いていき、いい所があればそこで一眠りして帰る生活を送っている。今日も今日とていい感じの河原があったのでそこで寝ることにした。

 

 お供は枕代わりになってくれる鞄君であり、財布などを入れておけば誰かに取られることもないのさ。なんて便利なんでしょう。

 

「…………あれ? なにこれ」

 

 珍百景というわけではないが、ついそんな言葉が出てきちゃった僕は、そんなことを言うことになった原因を鞄の中から取り出した。

 中に入っていたのは宛先が僕であり、差出人がわからない手紙。おっとー? もしかしてこれはもしかしちゃうのかい? ラブレターなんてものは初めてかもしれない。期待しちゃうよ? だって男の子だもん。

 

 ちょっとワクワクしながら手紙を開けてみると、中には一枚の手紙が入っていた。ふむふむ、これは……。

 

 

“悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを投げ捨て、我ら“箱庭”に来られたし”

 

 

 そんな文章を読み終わると同時に視界が急変する。夕焼けに照らされる河原ではなく、大空へ……4000mも上空へと、僕の体は投げ出された。

 他にも三人が同じように落ちている中、僕は体を震わせる。そう、あんまりだ…あんまりじゃないか。これは一体何の仕打ちなのさ。僕、なにか悪いことしたかい? ありえねぇぜ。

 

「ら……ラブレターじゃないじゃんッッ!!!」

 

 僕の渾身の叫びは虚しく大空へと消えていく。この悲しさは大空へと溶けていき、着水したこの湖の水にでも流しておこう。期待させやがって……こんちくしょう!

 

 

 

 




短いね。知ってる。
次はもう書けているので…直ぐにでも。

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