真夏のホラーであります
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とっとこ爆走
ハグヤロー
すみっこ爆走
ハグヤロー
大好きなのは
鞠莉を鯖折り
─────なんでありますか、このヤバい歌は。どこからともなく聴こえてくるであります!心当たりはありますけどね!
「やっぱりー、ハグるよハグヤロー………おはよう曜ちゃん」
「やっぱり果南ちゃんだ!やっぱり果南ちゃんだ!」
「二回言うとは」
「大事なことだからね!」
「まあいいや、聞いてよ」
「なにかあるの?」
「最近、プロレス鑑賞にハマってねー、素晴らしい技だなって思って」
まさか
「そ、それは何かな」
「──────
「─────そうか………それは良かったね」
「それでね、私もあんなハグができる様になったら楽しいなって………
─────だから
今、実験台を見つけて、安心したよ」
っぎゃあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?ヤバいっ、やっぱり悪い予感は当たったであります!!
「来るなあーーーー!!?」
「ハグしよ」
「殺されるっ!!!」
「ハグさせろコラ」
「ひいいいい!!!」
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛全速逃走ヨーーーーソロオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
ハグれものゾと 内浦騒ぐ 超々ハッグ (超々ハッグ) ハグハグハッグ (ハグハグハッグ) 私の噂で しいたけサンバ それにつけても曜ちゃんなんなの ハグのひとつで キリキリ舞いじゃん ダッシュ ダッシュ ハグ ホールド・エンド・ハグ いつかキメるぜ 鯖折り曜ちゃん そんとき私ゃ スーパー・ヒーローさ ダッシュ ダッシュ ハグ ホールド・エンド・ハグ 燃えて青春 駆けハグる
変な歌を歌うんじゃねえでありますーーー!!
ん、あ!!ちょうどいいところに鞠莉さんがいたーーー!!めっちゃヤバい関わりたくないって目でこっち見てるーーー!!
「果南ちゃん諦めて!!あそこに鞠莉さんがいるでしょ!」
「鞠莉、ハグしよ」
「オーーーッマイガーーーー!!?」
そして、私と鞠莉さんは共にダッシュであります!!
「曜ォォォオオ!?私を売るのデェェスカァ!!!?」
「鞠莉さんはハグ慣れしてるでしょうが!!」
「ダメでーーーす!!果南のベアハッグをもう一度受けたら私は死にマーーース!!!」
「ハグを……ハグをくれ………!渇きが、死ぬ、渇いて!ううう゛う゛う゛!!!」
「ノォォオ!!!ハグを渇望するあまり狂化したデェェス!!!」
「ハグ、しよおおおおおお!!!!!」
「「ぎゃあーーーーー!!?」」
人間業とは思えぬ跳躍で私たちは捕らえられ、そして、ハグを………
─────と思ったところで、私は跳ね起きました。恐怖で震えが止まらないであります。
真夏の怪談に、千歌ちゃんに話そうと思います。