サンシャイン渡辺   作:とすけ

4 / 6
第九感の使い手ちかっち

 明日は千歌ちゃんの誕生日、ワクワクしながら眠ったのでありました。

 

 ***

 

 千歌ちゃんの部屋で私たちは、グダグダしていました。

 

 

「曜ちゃん、第六感って分かる?」

「霊感?」

「せいかーい、じゃあ、第七感!」

「そんなのあるの?」

「知らないなんて、ダメだなあ曜ちゃん。小宇宙(コスモ)だよ小宇宙(コスモ)

 

 千歌ちゃんが、ぶーっとほおを膨らまして私を非難するであります。小宇宙(コスモ)ってなんじゃ。いや、知ってるけども。聖闘士の力の源って知ってるけども。なに、何言ってんの千歌ちゃん。

 

「曜ちゃん、第七感っていうくらいだから、感じるんだよ。君の心の小宇宙を。抱きしめて、熱く燃やして、奇跡を起こすんだよ」

 

 マジで何言ってるんだこのミカソ。

 

「じゃあ千歌ちゃんは、小宇宙(コスモ)を感じたことがあるの?」

「当然。第八感を見るがいい!はあああああ!!」

「七って言わなかった!?」

 

「むっ!?何っ……!この第八感……ッ…深い!!?ズボボボボボォッ!ッッボボボォオッ!!」

 

「突然どうした!」

 

「曜ちゃッ……助けズボボボボボォッ!!私は………ボボボォッ!私はまだ、死にたくない゛!!!」

 

「千歌ちゃーーん!?」

 

 

 

 

 千歌ちゃんがなんか一人で楽しそうに盛り上がって、地上で溺れ死んだであります。

 

 

「千歌ちゃん!それは冗談キツイよ、千歌ちゃーーん!!」

 

「ただいま曜ちゃん!」

 

「ぎゃーっ生きてた!?」

 

 突然目を見開いて起きる千歌ちゃん。ぐぬぬ、心配させやがって、こちとら半泣きであります!

 ヘラヘラしてるし、ムカつくであります!!

 

 

「聖闘士的に第八感は冥界への扉だからね、ちょっくら死んで行ってきたよー」

 

 死んで冥界に行くなよ!

 

 

 

 

「あとね、曜ちゃん。第九感って知ってる?」

 

 なんでありますかそれは。

 

「み感」

「今度こそふざけてる!」

「マジだよ曜ちゃん!」

 

 ぷーっ、とほおを膨らませてミカンみたいになる呑気な千歌ちゃん。超常現象が連続しているので、私はかなりパニックでありますが。

 

「じゃあやって!み感やってみろやぁ!」

「疑ってるね曜ちゃん」

「疑うわそりゃ!」

「じゃあ見せてあげよう……み感の力を!」

 

 ふっと、トロンとした目になる千歌ちゃん。側にある小石を拾って、なんかかじり始めたであります!ええええ、何をしている!?

 

「うわぁい、この世界がみかんに見えるぞぉ、ガリガリ」

「バカチカってレベルじゃねええええ!?」

「そんなことより五千兆みかん欲しい」

「そんなのないんですけど!?」

「仕方ないなあ、じゃあ、デカみかんランド開園」

「いやいやいや待てええお前え!!おっぱいダメ、ゼッタイ!閉園どうぞどうぞ、それ閉園どうぞおおおお!!」

「デカみかんランド閉園!」

「よし!よくやった開閉どうz………いや、間違えた!開閉はない、無し!無し!開閉無しで頼む千歌ちy」

「オープンエンクローズ、オープンエンクローズ」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」

 

 ああああ千歌ちゃんのアイドルとしての貞操が危うい!!!

 

「デカみかんカーニb」「いやいや!ちょ待ておまくぁwせdrftgyふじこlpそれ以上の狼藉はこの私が許さな」「曜ちゃんもすっげえヨーソロー」「あ゛あ゛あ゛あ゛やめろおおお!!」

 

 ついに、我慢の限界に達した私は、ドロップキックで千歌ちゃんをぶっ飛ばしたであります!

 む、どうやら正気に戻ったであります

 

「どうだった?み感の味は」

「最悪」

 

 

 ***

 

 誕生日の土産話には、少々過激すぎるので、この夢の話は私の中で封印しておきましょう。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。