アナザーワールドトリガー 3人目のすごいチビ   作:亀川ダイブ

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 みなさんこんばんは。亀川です。
 アナザーワールドトリガー第7話、美しくも凛々しい我が女神・木虎さまのシャッターチャンス満載でお送りいたします。
 どうぞ妄想力を全開にしてご覧ください。きっと見えるハズ。遊真に言いくるめられる木虎さまの「ぐぬぬ」顔が。


第7話 「木虎 藍②」

 放課後。

 いつもなら、青春に時間を費やす部活生たちを横目にそそくさと退散する私ですが、今日ばかりはそういう訳にも行きません。

 

「すまない、待たせたなヤト」

「お待たせしてもうしわけない」

 

 小走りで下足室から出てくる三雲先輩と空閑先輩。

 昼間に近界民の襲撃があったというのに、さすがは高校受験を控えた三年生、授業や終礼はきっちり最後まで行われたようです。まあ私も、瓦礫撤去作業のお手伝いが終わってから、二年生の授業に合流したわけですが。……眠かった。寝不足からのバトルからの肉体労働からの日本史はきつかった。歴史ファン垂涎、激動の幕末期の授業はずなのに、睡魔が黒船の如く、なのです。

 兎も角。そんなこんなで下校のチャイムがBGMを奏でる中、私は二人の先輩方と合流したのでした。

 

「いえ。私も今来たトコ、です……が……く、空閑先輩も……ですか」

「おう? どうしたヤト。おれがなにか?」

「い、いえ……なな、何でも……」

 

 うう、やっぱり三雲先輩以外とはうまくしゃべれない……空閑先輩から目を逸らしてしまう私なのでした。

 空閑先輩、何か当たり前みたいな顔をして現れましたが、まさかボーダー本部までついてくるつもりでしょうか。隠しているとはいえ、近界民(ネイバー)がボーダー本部へ。今の空閑先輩は中三にしては幼い顔に、人畜無害そうなゆるい表情を浮かべていますが、正体がバレればどうなるかわかりません。

 

 なにせボーダーは基本的に、近界民(ネイバー)を殺して、この世界を守っているのですから。

 

「木虎は? 本部まで連行するって言っていたけど」

 

 三雲先輩はそんな危うい立場にいる空閑先輩をどうするつもりなのか、さして気にした様子もなくきょろきょろと辺りを見回しています。

 

「ええ。あそこ……ですが」

 

 私は、何やら人だかりの出来ている校門付近を指さします。

 三雲先輩が衝突して砕け散った門柱は、黄色いテープでぐるりと囲まれ、刑事ドラマの事件現場のよう。しかして、下校する中学生たちが注目しているのは規制線の内側ではありません。校則違反の携帯電話を鞄やポケットから平然と取り出してカメラを向けるのは、正門前通路のど真ん中に凛として立つ美の化身にして高貴なるA級エリート、木虎藍お姉さまです。

 

「あ、あのっ。ししし、写真っ、撮ってもいいですかっ!?」

「あー、悪いけどそういうのはやめてくれる? 写真なんて。正直迷惑なの、芸能人じゃあるまいし……」

 

 クールです。軽く手をかざしてクールに断りつつ、ちょっとしたポーズをとってシャッターチャンスを作ってくださる木虎お姉さま、最高にクールです。さすがはボーダーの顔、広報(アイドル)部隊の紅一点。数秒おきにポーズを変えて、自分を取り囲むカメラの一台一台に最適な角度で映るよう気を遣っています。しかしながら超ローアングルを狙って足元に滑り込んできた不逞の輩は、木虎お姉さまが通うお嬢さま学校指定のローファーで、微笑みながら踏みつけます。踏まれた相手がなぜか満足そうなのですが、私も激しく同意です。

 私も撮影会に参加したいのは山々なのですが、今の私は三雲先輩と共にボーダー本部まで連行される身。あまり調子に乗ったことしていては、お迎えに来てくださった木虎お姉さまの立場が悪くなってしまうかもしれません。私は二人の先輩と共に、てちてちと木虎お姉さまに歩み寄ります。

 

「……なにやってんだこいつ?」

「はっ!?」

 

 空閑先輩の何気ない一言に、木虎お姉さまの頬が朱に染まります。テレビでのツンと気高い姿とのギャップのせいでしょうか、三雲先輩はぽかーんと口を開けて立ち尽くしています。

 

「ご、ごほん。……待っていたわ。三雲くん。赤城さん」

 

 木虎お姉さまは咳ばらいを一つ、不機嫌そうに眉をしかめた表情を作り直して、私たちに相対しました。

 

「あらためて、名乗らせてもらうわ。私はボーダー本部所属、嵐山隊の木虎藍。あなたたちを本部基地まで連行するわ」

 

 

 

 

 

 

 十二月の風が冷たい河川敷を、私たちは徒歩でボーダー本部まで向かいます。

 私と三雲・空閑両先輩は普通の冬用制服ブレザーですが、木虎お姉さまは、これもはやりお嬢さま学校の指定なのでしょう、上品で暖かそうなコートに身を包んでいます。厚手のコートに、きっちりひざ丈の制服スカート。そして黒のハイソックス。

 お姉さま、完璧です。生粋の黒タイツ派の私、赤城ヤトですが、黒ハイソ派に心変わりしてしまいそうです。

 

「勘違いしないでほしいのだけど」

 

 はひぃすみませんごめんなさいっ!

 医務室で聞いた時よりも数段硬くて冷たい声色に、私の極小チキンハートはびくりと跳ね上がります。思考を読まれてしまったのでしょうか。まさか木虎お姉さま、〝読心術〟のサイドエフェクトを……!?

 

「私はあなたたちをエスコートしに来たわけじゃないわ。連行、という言葉の意味をよく考えることね」

 

 どうやら心を読まれた訳ではなさそうです。ほっと胸を撫で下ろす私。いや、木虎お姉さまと違って撫でるほどの胸はありませんが。比喩的表現というヤツです。

 

「見張られなくたって、逃げたりなんかしないよ」

 

 三雲先輩は、軽い感じで言います。医務室で私を介抱してくれた女神モード木虎さまであれば、慈愛に満ちた微笑みを返すところだったのでしょうが、今日の木虎お姉さまは、なにやらお疲れのご様子です。つっけんどんな口ぶりで三雲先輩に言い返します。

 

「簡単にルールを破る人間の言うことが信用できるほど、今のボーダーに余裕はないわ。ここ数日、〝イレギュラー(ゲート)〟の対応だけでどれだけ人手と時間を取られているか……挙句、C級隊員の隊務規定違反。頭が痛くなる一方よ」

「イレギュラー門って、そんなに開いているのか?」

「本当に何も知らないのね。C級なら仕方ないけど……昨日から、もう十一件よ。どれも非番の隊員が近くにいたから、今のところ犠牲者は出ていない。でもボーダーの情報管制もそろそろ限界、いつ一般市民にパニックが広がるか……もう時間の問題ね」

 

 青いため息をつき、軽く額に手をあてる木虎お姉さま。防衛任務にランク戦、後方任務に加えてイレギュラー門の対応も重なるとなれば、ただでさえ多忙なA級5位嵐山隊、お疲れになるのも無理はありません。もしパニックが起きれば、その鎮圧の最前線に向かわされるのも市民人気の高い嵐山隊なのでしょう。そんな中、規則違反のC級隊員の連行まで押し付けられては溜息の一つだってつきたくなるというものです。

 私は気の利いた労わりの言葉の一つも言おうとするのですが、

 

「ほう。大変なんだな、おまえ。それなら遅れたのも仕方ない」

 

 私の固有スキル〝コミュ障〟が発動。唇がもごもごしている間に、なぜかついて来た空閑先輩が会話に入ってしまいます。

 

「なっ、なんなのあなたいきなり!? なんでついて来てるわけ!?」

「いや、木虎。空閑は最初からいたぞ」

「ふっふっふ……おれはクガ・ユーマ。オサムのお目付け役だ」

 

 空閑先輩、ノリノリでレプリカ氏のモノマネをしていますが木虎お姉さまにそれ通じないじゃないですか。バカにされたと思ったのでしょう、木虎お姉さまの眉間に、明らかに不機嫌そうなしわが寄ります。

 

「お目付け……? ねえ赤城さん、この子、一体何なのかしら」

「え、えっと、その……三雲先輩の……あー……」

「友人だ。トリオン兵が出たとき一緒にいたから、ある程度事情は知ってるんだ」

「要救助者だった、ってことね。自分に有利な証言でもしてもらうつもりかしら、三雲くん」

 

 面倒ごとが増えた、と木虎お姉さまの顔に書いてあります。いくら生粋の天使かつ女神たる木虎お姉さまといえども、多忙が過ぎれば心の余裕もなくなるというモノ。今日のちょっと不機嫌な木虎お姉さまも、まあそれはそれでぐへへへへ。

 

「トリオン兵を撃破したっていう赤城さんは、違反と功績とで相殺されるかも知れないけれど……三雲くんはどうかしらね。避難誘導をしたというだけでは、相殺まではされないかもしれないわね。まあ、そもそも」

 

 木虎お姉さまは刃物のような眼つきをさらに鋭くして、三雲先輩に詰め寄りました。……いいなあ、三雲先輩。私もあの距離でお姉さまに睨まれたい。ぐへへ。

 

「はっきり言って、あなたがやらなくても私たちの隊が事態を収拾してたわ。あなたはたまたま私より現場の近くにいただけよ。あまり調子に乗らないことね」

「いや、別に……乗ってないよ、全然」

 

 人差し指を突きつける木虎お姉さまに、どう対応していいかわからないといった様子の三雲先輩。見かねた空閑先輩が「はぁ」とため息を一つ、三雲先輩と木虎お姉さまの間に、にゅっと割って入ります。

 

「なんだおまえ。自分が校舎にめりこんでる間に、オサムがアラシヤマに褒められたのがそんなに悔しいのか?」

「んなっ……!?」

 

 赤面です。耳まで真っ赤です。空閑先輩の遠慮の欠片もない急所一点突きは、見事にクリティカルヒットを叩き出した模様です。

 

「べ、別に私は悔しくなんて! C級隊員が褒められても、A級の私には関係ないわよ!」

「ほほう。おまえ、わかりやすいウソつくね」

 

 ドヤ顔でニヤつく空閑先輩に、木虎お姉さま、たじたじです。超絶可愛いのですが。

 

「それにな。別に責めるつもりは全然ないけど、おまえ全然間に合ってなかったから。オサムとヤトがいなかったら、確実に何人か死んでたぞ? おまえ、もっと二人に感謝したほうがいいんじゃないか。ルール違反だってちゃんとわかってて、トリガー使って人助けしたんだぞ」

「そ、そうよ! ルール違反よ!」

 

 反撃の糸口をつかみ、木虎お姉さまは少し落ち着きを取り戻します。腕組みをして仁王立ちし、背の低い空閑先輩を見下ろすようにして言葉を続けます。

 

「部外者が口出しすることじゃないわ。彼らのやったことは、ボーダーのルール違反なの。きちんと評価されたいなら、ルールを守ることね」

「ヤトがトリガー使ったのは、そうしなきゃ殺されてたからだ。オサムだって、褒められるどころか怒られるってわかってて、それでもやっぱり逃げ遅れを助けに行ったんだから、逆にエラいんじゃないの?」

「それとこれとは……!」

「なんかおまえ、ヤトはともかく、オサムに対抗心燃やしてるな。だけどさ、おまえとオサムじゃ勝負になんないよ」

「ばっ……バカ言わないで! 私がC級に対抗心なんて……!」

 

 図星を突かれる、という言葉がこれほどピッタリな状況もそうないでしょう。コミュ障の私にすら、木虎お姉さまの動揺が見て取れます。お姉さま、一般隊員たちからは「高飛車優等生」だの「生真面目風紀委員」だのと言われていますが、意外と隙だらけなんですね。そんなところがまた素晴らしく魅力的でございます。

 木虎お姉さまと空閑先輩の口喧嘩はまだ続きそうでしたが、

 

『……ユーマ。敵襲だ』

 

 空閑先輩の襟元からこっそり顔を出したレプリカ氏の言葉と、

 

「ん? なんだ?」

「あら、緊急通信」

「……私にも、ですが」 

 

 ボーダー隊員三人の携帯端末に同時に届いた緊急通信、そして、

 

《ウゥゥゥゥ――――――――――――――――ッッ!》

 

 一秒差で鳴り響いたサイレンにより、状況は一変しました。

 

《緊急警報! 緊急警報! 〝(ゲート)〟が市街地に発生します。市民の皆様は、直ちに避難してください。繰り返します……》

 

 ボーダー管理下の屋外放送設備から響き渡る大音響。しかしその音よりもはるかに強く激しく耳朶を打つのは、空間を抉じ開ける黒い稲妻の炸裂音。私たちが歩く河川敷から水平距離で数百メートル、そして河の上空数十メートルの地点に〝門〟は開かれました。

 

「おいおい、忙しい日だな」

 

 呟く空閑先輩の顔から、ゆるい微笑は消え去っていました。

 真っ黒な空間の裂け目から、太く長い胴体を引きずり出すトリオン兵。全長は軽く数十メートルはあるでしょう。その巨躯はまるでクジラ。それも昆虫の様な半透明の羽根と、甲殻類の様な装甲を身に纏った、一ツ目の白鯨(モビー・ディック)です。

 

 それが、二体(・・)。お互いの尻尾を追いかけ合うようにして、悠々と旋回しています。

 

「あの近界民(ネイバー)……確か、資料映像で……!」

 

 驚きに目を見開きながらも、記憶を辿ろうとする木虎お姉さま。私と三雲先輩は、木虎お姉さまに気づかれないように空閑先輩に近寄ります。

 

「空閑、レプリカ、あれは……!?」

「イルガーだ。珍しいな、こっちに投入してくるなんて。意図が読めん」

『大型トリオン兵、イルガー。主に敵拠点や市街地への爆撃に用いられる』

「ば、爆撃……だって……!?」

 

 三雲先輩の頬に、冷や汗が垂れます。私も顔にこそ出ませんが、先輩の危惧は理解できました。

 市街地への、爆撃。

 良くも悪くも緊急警報のサイレンに慣れてしまった三門市の住人たちは、空を泳ぐイルガーの巨体を、放心したように眺めています。目の前の光景を、避難命令を、まだ現実として受け止め切れていない様子です。

 このままでは――死人が、出ます。

 

「トリガー、起動(オン)ッ!!」

 

 木虎お姉さまの声が、凛と響きました。

 真紅のジャージ姿のトリオン体が瞬時に構築され、実体と換装されます。専用拳銃を吊るしたガンベルト、脛部装甲板付きのブーツ。A級5位嵐山隊のエース、木虎お姉さまの戦闘形態です。

 

「他の部隊は待っていられない。私が行くわ」

「ぼくも行く!」

 

 即座に反応する三雲先輩ですが、木虎お姉さまは冷たい視線で三雲先輩を睨みつけます。

 

「あなた、C級でしょう。訓練用トリガー一本で、空の相手に何ができるの」

「それは行ってから考える! トリガー、起動(オン)ッ!」

 

 しかし三雲先輩は、木虎お姉さまの視線などものともせず、トリガーを起動してしまいました。C級訓練生用の白いジャージに身を包み、換装完了。続いてレイガストを構築しようとしますが、三雲先輩の右手には、僅かにトリオンの粒子が集まっただけで、一向に刀身が形作られません。

 

武器(レイガスト)が、出ない……!?」

『トリオンが足りていない。学校での戦いで消耗しすぎだ』

 

 レプリカ氏の小声の解説に、私も納得です。三雲先輩は元々、トリオン能力にはまったく恵まれていません。何度かトリオン量有限の設定で模擬戦をしたことがありますが……結果は、私の個人ポイントが結構な勢いで増えることとなりました。

 また新たな冷や汗を垂らす三雲先輩に、木虎お姉さまは冷たく言い捨てます。

 

「やっぱりC級ね。戦闘はムリよ。せっかく戦闘体に換装したんだし、せめて赤城さんをシェルターに送るぐらいはしておきなさい。基地施設外でのトリガー使用は、今だけ特別に目をつぶってあげるわ」

 

 嗚呼、お姉さまの優しさ。あまりにもセリフがなさ過ぎて、ただの視点キャラ化していた私にもちゃんと目を向けてくださる木虎お姉さま、マジ女神。

 

 ではその優しさ(・・・・・)に、私も甘えることといたしましょう。

 

「……トリガー、起動(オン)

「ちょ、ちょっと赤城さんっ!?」

 

 おお、噛まずに言えました。赤城ヤト、実体を戦闘体に換装。私のトリオン量にはまだ余裕があったようで、右手にはシールドモードのレイガストが無事構築されています。木虎お姉さまを驚かせてしまいましたが、恐らく爆撃が降り注ぐことになるであろう市街地に、トリオン不足の三雲先輩が一人で乗り込むなど愚の骨頂。私のレイガストシールドがあれば、文字通りの意味で弾除けにはなるはずです。

 

「わかっているの、赤城さん。一日に二度も違反行為をしたら……!」

「したら、マズい……の、ですが。目を、つぶってくださる……の、ですよね」

「そ、それは……っ! もう、しょうがないわね。今回だけよ!」

 

 嗚呼、神様女神様木虎さま。私は何て悪い子なのでしょう。あの憧れの木虎お姉さまに、違反を見逃すとの言質を取ってしまうなんて。とても生真面目な木虎お姉さまですから、一度自分が口にした言葉を覆すわけにもいかず、とても悔しそうに「ぐぬぬ」しています。

 背徳的……! 嗚呼、背徳的です。「ぐぬぬ」しながらぷいっと顔を逸らす木虎さまの、なんと可愛らしいことか……!

 などと私が一人で悦に入っている間に、上空のイルガーたちは周回軌道を外れ、それぞれ河の両岸へと移動を始めました。あのデカブツどもがひとたび攻撃を始めれば、その被害は甚大なものとなるでしょう。

 

「……なあオサム。ヤトって、けっこう良い根性してるな」

「……ぼくも、あの子の性格は時々読めないんだ」

 

 先輩二人のひそひそ話も、あーあー、何も聞こえない聞こえない。

 

「と、とにかく! あなたたちC級は、避難誘導に専念しなさい。戦いは私の仕事よ」

 

 何とかいつもの凛とした表情を取り戻した木虎お姉さまは、右手に薄く鋭い光の刃――〝スコーピオン〟を出現させます。自由自在に変形する、軽量にして鋭利な刃。手数で勝負する高速機動型の攻撃手(アタッカー)に人気の高い、近接戦闘用トリガーです。

 

「キトラ、おまえ一人で大丈夫なのか?」

「愚問ね。私はA級隊員よ」

 

 空閑先輩に言葉を返す木虎お姉さまの表情は、どこか誇らしげです。専用拳銃をホルスターから引き抜きながら、木虎お姉さまは断言しました。

 

「あの近界民(ネイバー)は、私が始末するわ」




☆アナザーワールドトリガーを百倍楽しむ講座☆

《独自設定》
・原作との差異(トリガーの呼称)
 ヤトは劇中で、レイガストのシールドモードを〝レイガストシールド〟と呼んでいる。これはヤトのオリジナルではなく、ボーダーが正式に名付けているもの、と本作では設定している。原作マンガでは、レイガストがブレードモードなのかシールドモードなのかは絵を見ればすぐにわかるが、文字媒体ではそうもいかない。そのため、本作ではトリガーの呼称を原作とは多少変更している。今後もストーリーの展開に応じて、独自のトリガーの呼称は増えていく予定である。


次回 アナザーワールドトリガー
第8話「木虎 藍③」に――トリガー、起動(オン)






 AWT第7話、お楽しみいただけましたでしょうか。
 今回で拙作も、原作時間軸で言うところのコミックス一巻ラストの時点までやってきました。次回は対イルガー戦。ただし、二体。さらに敵戦力は増強予定です。この世界線、どんだけ侵攻受けてんだってなモンですが、木虎さまならきっと街を守ってくださるハズです。
 次回もお付き合いいただければ幸いです。感想・批評もお待ちしています。

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