アナザーワールドトリガー 3人目のすごいチビ 作:亀川ダイブ
ワールドトリガーという原作の持つパワーはすごいですね。すでに拙作をお気に入りにいれていただいている方がいるなんて。感動しております。
原作の力、そして我が女神・木虎さまのお力だと思います。
兎も角、第2話です。どうぞご覧ください!
木虎と嵐山、そして時枝は、モニタールームで訓練生たちの様子を見守っていた。ほとんどの部屋で対近界民戦闘訓練はすでに終わり、無事バムスターを討伐した新入隊員たちが、自分の記録を自慢したり悔しがったりしている。
そんな中でたった一つ。まだ訓練が終わっていないのが、ヤトが入室した五号室だ。
無機質な訓練室の中で暴れまわる、やや小型化されたバムスター。その足元に、C級隊員用の白い隊服に身を包んだ小柄な少女がいる。床面は数か所が割れ砕け、バムスターの踏みつけ攻撃が幾度も繰り出されたようだ。
訓練開始からすでに四分が経過。彼女も無傷だが、バムスターもまた無傷。つまり彼女は、一度も反撃することなく、攻撃を避け続けていたことになる――眉一つ動かさない、無表情のままに。
「大した落ち着きだ。新人とは思えないな」
嵐山の評である。時枝は特にリアクションを返さなかったが、木虎は「ええ」と短く首肯した。
クマの濃い鋭い眼光には、怯えも竦みも、微塵もない。助かったという安堵も、避けてやったぞという驕りも、その無表情からは読み取れない。まるで、自分がそこに立っているのが当然だとでも言いたげな、傲岸不遜な仏頂面。
『…………オン』
集音マイクが拾えるかどうか、ぎりぎりの小声。誇るでもなく、張り切るでもなく、ただトリガーを発動するためだけに発音した、というような起伏のない呟き。
そして発動するトリガーは、重装の大剣・レイガスト。
「大きい……!」
木虎の口から、感嘆が漏れる。
そのレイガストは、大きかった。切っ先から柄頭までの長さは、ヤトの身長とほぼ同等。刀身の変形や調整をまだ学んでいない新入隊員のトリガーだけに、その大きさは彼女のトリオン量を如実に表していると言えるだろう。
「大きいな。彼女の体格で扱いきれるか?」
「レイガストは重いのが弱点ですからね……」
訓練時間は、残り五十秒ほど。いまから一撃でバムスターを倒せたとしても、今期入隊の新人の中ではすでに最下位が決定している。
しかしそれでも、木虎はヤトにバムスターを倒してこの訓練を終えてほしかった。後輩に慕われたいと常日頃から思いながらも、なぜかその機会にあまり恵まれない木虎にとって、ヤトは少し良いカンジで接することができた貴重な後輩だ。優しいお姉さん的に見てくれていたらなあ、と思うのである。
(べ、別にだからと言ってひいきするという訳ではないのだけれど。A級隊員として、後輩の面倒をしっかり見ないと、っていう……!)
木虎が誰にともない言い訳をしている間に、状況は動いていた。
機械的にも生物的にも聞こえる、バムスターの雄叫び。重厚な足音を響かせて、バムスターは全速力でヤトに向かって突っ込んだ。
「あ、危ない……!」
「いや、これは!」
「へぇ……」
木虎たちは、目を疑った。
宙を舞う、バムスターの尻尾。ヤトは体全体を地面スレスレまで倒し、右の踵一点だけで体を支えている状態。トリオンの飛沫を血のように散らし、レイガストの刃が豪快な弧を描いていたのだ。
物理的に、常識的に、絶対に背中から倒れるしかないような体勢から、一体何をどうやったのか、ヤトはぐるりと身を翻して起き上がり、顔色一つ変えずに一跳びでバムスターの側面に回り込んだ。その遠心力をも巻き込んで、レイガストを横薙ぎに振り抜く。
《残り、三十秒》
機械的なアナウンスに、バムスターの苦悶の叫びが重なる。ヤトのレイガストは、バムスターの右前足を付け根から斬り落としていた。
「へぇ。体幹、強いね」
「い、いや時枝先輩、体幹どうこうってレベルでは……!」
驚き、戸惑う木虎。しかし戦闘は進んでいく。
バムスターは牙を剥いて首を伸ばし、ヤトを噛み砕こうとするが、その牙は二度、三度と、空を噛むばかり。レイガストを地面に突き立て、棒高跳びの要領で飛び回るヤトには追いつけないのだ。ヤトはそのまま壁や瓦礫に着地、それを足場代わりにして跳ね回り、見ている方が目を回しそうな変則空中機動を繰り返す。その間も相変わらず、ヤトは眉一筋も動かさない――いや。無表情な中にも、僅かに眼つきが鋭くなる。ヤトはバムスターを真っ直ぐに見据え、地面に降り立った。
《残り、二十秒》
いよいよ、攻勢に転じるのか。その気配を感じ取ったバムスターは、後ろ足二本で立ち上がり、巨大なボディでヤトを押し潰そうとしてきた。だがその足元に、隙があった。ヤトはバムスターの足元に文字通り転がり込み、すれ違いざまに両足首を切断。支えを失った巨体が、地響きを上げて倒れ込む。
《残り、十秒。九、八……》
カウントダウンが始まった。バムスターは尻尾と手足を失い、もはや虫の息。せめてもの抵抗に、牙を剥き出しにして唸り声を上げるばかりだ。ヤトはそんな半死半生のバムスターへと、残り僅かな制限時間もまったく気もしていない様子で、ゆっくりと歩み寄った。レイガストの切っ先がガリガリと地面をこすり、火花を散らしている。
そして、
『…………』
何の言葉もなく振り上げ、振り下ろしたレイガストが、慈悲なく「
《五号室、終了。記録、4分59秒98》
仮想戦闘モードが終了。シンと静まり返った空気の中、ヤトが訓練室から出てきた。戦いを見ていたほかの訓練生たちは、ヤトを遠巻きに眺めるばかり。4分59秒という、狙ってもできないような記録。終盤で見せた圧倒的な戦闘力。返り血のようにトリオンを浴びながらも、一切変わることのなかった鉄のような無表情。訓練生たちが一歩引いてしまうのも無理はない。
「赤城さん、合格おめでとう」
そんな冷たい雰囲気の中、モニタールームから降りてきた木虎は、努めて笑顔を作りながら声をかけた。ヤトは何事もなかったように、目の下のクマの濃い鋭い目線を木虎に向けた。木虎はその無言の迫力に多少気圧されつつも、平静を装って言葉を続ける。
「よく頑張ったわね。戦闘中、少し表情が……顔色が、優れなかったようだけど。大丈夫?」
木虎の言葉に、ヤトはぐるりと周囲を一通り眺め、つまらなそうにため息をつく。そして、
「……少し、寝不足で」
ニタリと、口の端をつり上げて。ギラリと、尖った犬歯を剥き出しにして――笑ったのだ。
「っととトリガー! うおんっ!」
……噛んだのですが。一世一代の大舞台、初めてのトリガー起動で噛んでしまったのですが!
きっとモニターしているであろう木虎お姉さまの前で、醜態を晒してしまいました。しかしヘタレな私なので、声はかなり小さかったはず。マイクがうまく声を拾ってくれなかったことを祈るのみです。
それはそれとして、はい出ましたレイガスト。重装型の名に恥じず、なかなかのサイズの刀身が私の右手に出現しております。切っ先から柄頭までの長さは、およそ私の身長と同程度。まるで身の丈ほどの大剣を担いでいるように誤解されてしまうかもしれませんが、私が身長139センチの矮躯であることをどうぞお忘れなく。通常のレイガストは1メートル少々だったはずですから、それよりちょっとばかり長くて大きい程度のものです。
しかし問題は、この重さ。そりゃあ大きい分重いのは当然なのですが、もう腕がキツイです。トリオンで作られた戦闘体である今の私のボディは、素晴らしい身体能力を持っているはずです。しかし重い。素体たる私がもやしっ子だからなのでしょうか。よく基礎体力試験通ったな、私。
そんなことを考える暇も、巨大トリオン兵・バムスター氏は与えてくれないようです。電子機器と鯨の鳴き声を足して割って若干低音にしたような咆哮を上げながら、突撃してくるではありませんか。
さあ、ここからが私の腕の見せ所です。訓練開始から四分間、正直ビビッて逃げ回るばかりだった私もついに反撃タイムスタートです。主観的には
さあ、このクソ重いレイガストを大上段に振り上げおわっふ!?
(重過ぎィっ!)
バムスターの巨体が、私の脇を走り抜けます。私のトリオン体がどうやら健在ということは、きっとレイガストは何かしらバムスターを攻撃してくれたのでしょう。訓練終了の報が聞こえないということは、倒せてもいないのでしょうけれど。
しかしこのレイガスト、か弱い私の小柄なボディを思う存分振り回してくれやがりました。今の私は、右手のレイガストを自由の女神よろしく高く掲げ、しかして体は出来損ないの太極拳のように傾き、右足一本で全体重を支えるという不思議な姿勢。いつ、このまま背中から床に倒れてもおかしくない姿勢ではありますが――私は、倒れません。
否、正確には。
私は、
(はぁ……もっとカッコいいサイドエフェクトだったら、よかったのですが)
トリオンが脳やその他の感覚器官に作用し発現する、未解明の特殊能力。
このファンキーな姿勢を易々と維持する――いいえ、無意識に維持してしまう「
ほら、時々いますよね。そこらへんの河原の石とかを無造作に積み上げて、見事にバランスを取ったタワーを作ってしまう人。もしくは、高い高い棒の上でアクロバティックなポーズをキメる曲芸師。私のサイドエフェクトは、そのようなバランス感覚を強制的に発動してしまうのです。
まあこのサイドエフェクトのせいで、ベッドが右に二度傾いているとか、ほんの少し枕の形が歪んでいるとかいったことをアレもコレも感知してしまって、気になって気になって寝不足なのですが。目を閉じるとより鋭敏になるのです、この能力。
(こんなに緊張してビビってても、ちゃんと働くんだなあ)
少し手首を捻ってレイガストの重さを斜めに逃がすと、あら不思議。重量バランスが変わった私+レイガストはくるりと回って身を起こします。傍目にはCGかワイヤーアクションのように見えるらしいのですが、私にとっては物心ついたころからできているコトなので、特に感慨もなく。私の「
……話が逸れました。とりあえず、バムスターは鈍重な獣といった外見をしているので、側面に隙があるかなあ、という程度の予測で右サイドへと回り込んでみます。重たいレイガストは低く構えてあまり動かさず、レイガストを中心に、自分の体の方を振り回すイメージですね。一跳びでサイドを取ることに成功した私は、その勢いを利用して体を一回転、レイガストを横薙ぎに振るってみました。狙ったのは、右前脚。刀身の切っ先から半分ほどまでが、意外なほど抵抗無くバムスターの甲殻を切り裂いて前足に食い込み、そして斬り抜けました。回避から攻撃まで遠心力を働かせた一連の動きは、どうやら大成功のようです。
手負いのバムスターは前足を失ってさらに鈍重になりましたが、等間隔に牙の並んだ大口で次々と噛み付きを繰り出してきます。
《残り、三十秒》
さらに私の豆腐メンタルに追い打ちをかける、冷徹なアナウンス。このままだと三十秒後には、私は訓練初日から不合格を叩き出すという素晴らしい不名誉を手にしてしまいます。嗚呼、血の気が引いていく。こんな衆人環視の中でなぜ恥をかかねばならないのか。内心ビクビク、心臓バクバクですが、酷い寝不足による目の下のクマが私を無表情に見せてくれることに、今だけは感謝です。
バムスターの牙をジャンプしまくってかわす私ですが、どうにもレイガストが重すぎて思ったように動けません。仕方がないのでレイガストは地面に突き立てて足場にし、そこからさらに大ジャンプ。噛み付きを空振りしたバムスターの顔を蹴って壁に着地、そこからさらにジャンプ。おお、まるで忍者のようだ。我ながらちょっとカッコイイ。トリオン体の身体能力と、
生身では絶対不可能な空中機動に、調子に乗った私はレイガストの柄頭に着地するつもりが足を滑らせ向う脛を強打。いわゆる、武蔵坊弁慶ですら泣き出すというあの部分です。
(いっ、だぁぁっ!)
でも泣かない。だって、木虎お姉さまが見ているんだもの。眉根にギュッと力を籠め、バムスターを睨みつけて涙をこらえます。
サイドエフェクトのおかげで尻餅をつくような無様は晒しませんでしたが、再び地面に降りました。お怒りの様子のバムスター氏は、後ろ足二本で立ち上がり、ボディプレスを仕掛けてきます。広いとはいえあくまでも室内である訓練室には、逃げ場などあるわけもなく。
《残り、二十秒》
(こここ、こーゆーときのためのシールドモード!)
ああもう、焦らせるなよアナウンス。脳内で悪態をつきながらも、私はそもそも初期装備にレイガストを選んだ理由である、シールドモードの存在に思い至ります。
……しかし、はて。どうやったら発動するんでしょうか、シールドモード。私の手元で大振りな刃を発現し続けるレイガストの持ち手に、それらしきスイッチの類は見当たらず。
そういえば私、仮入隊期間中のトリガーの使い方講習、寝不足で爆睡してました。
(……詰んだのですが)
見上げれば、蛇腹状の白き巨体。バムスターのお腹の下ってこうなってるんだー、へー。C級最下位が確定した私はがっくりと肩を落として項垂れ、そしてレイガストの重さに引っ張られて前に倒れそうになりました。
(あっ、マズ……!)
そう思っても後の祭り。私のサイドエフェクトは、私が転倒することを許しません。
無意識に右足が前に出て、レイガストの重さが左へ逸れ、左足が出て、体が反転し、握力の限界を迎えた左手が離れ、右手一本で握ったレイガストが横一線に振り抜かれます。
そして、
(なな、なんという幸運……!)
《残り、十秒。九、八……》
自らの悪運に身を震わせる私の耳に、無慈悲な宣告が響きます。時間切れどころか敗退という最悪の結果すら見えかけた私ですが、もちろん合格できるならそれに越したことはないのです。四肢のうち三本までを失ったバムスターなど、もはや恐るるに足らず。我がレイガストの錆にしてくれようぞ。
バムスターをはじめ、多くのトリオン兵が共通して持つ弱点は、口らしき部分の中にある目玉状の機関。あと7秒以内にそこにレイガストを叩き込めれば、私は不合格クソイモムシではなくなるのです。
しかしホントに、レイガストが重い。普通に構えるのすらしんどいので、ずるずると切っ先を引きずるようにしてしか歩けません。地面を引っ掻く先端から火花が散って、これはこれでカッコイイ気もするのですが、そんなことより今は時間が惜しいのです。
あと三秒。なんとか間に合いました。バムスターの「目玉」の前に立ち、私は最後の腕力と握力を振り絞って、レイガストを天高く振り上げました。そして!
「あっ……」
何かカッコイイ台詞を言おうとしましたが、私の腕力はそこまで持ちませんでした。ほとんど自由落下のような斬撃が、「目玉」を真っ二つに断ち切り、私の訓練は終了したのでした。
《五号室、終了。記録、4分59秒98》
訓練モードが終了し、私はできるだけ目立たないよう、誰とも目を合わせないようにしながら部屋から出ましたがウワォなんだこのアウェイ感MAXの冷たい空気。
私が目を逸らすまでもなく、注目されているのに誰とも目が合わないこの感じ。これでクスクス笑いなどがあれば、小学生時代にヒエラルキー上位の女子グループに目を付けられたときに経験済みですが、こうも無言だと逆に不安になります。
いや、あの、別に私の半径5メートル以内に入って来ても何の問題もないのですが? 私が一歩踏み出すたびに二歩ほど下がるの、やめていただきたいのですが?
……なんて思いつつも口に出すことなど出来るはずもなく。嗚呼、私はボーダーでもデビューに失敗してしまったようです。睡魔と戦いながら聞いた入隊時のボーダー組織についての説明によれば、B級以上の隊員はチームを組むのがボーダーの常なのだとか。しかし私は、入隊初日にしてもうすでにチームを組みたくないチビ女ランキング第一位です。私のボーダー出世街道は閉ざされました。
ゆくゆくは木虎お姉さまとチームを組んでうぇへへへとか、那須隊の那須お姉さまと熊谷お姉さまに挟まれてうぇへへへへへとか、オペレーターのきれいなお姉さまたちとうぇへへへへへへへへという純粋無垢な野望の数々もここで打ち止めです。
「赤城さん、合格おめでとう」
ぅぅおお姉さまぁぁぁぁっ!?
こんなクソ虫にも劣る私に労いの言葉をかけてくださるのは、我が女神木虎お姉さま! 慈愛に満ちた聖母のような微笑みは、暗黒面に落ちかけた私のハートを癒してくださいます。ええい、動け私の不器用な顔面表情筋。また睨んでるとか誤解されるぞ。
「よく頑張ったわね。戦闘中、少し表情が……顔色が、優れなかったようだけど。大丈夫?」
嗚呼、何という女神。一部の男子などは、おそらく嫉妬か照れ隠しでしょう、木虎お姉さまのことを高慢ちきな高飛車女などと的外れなコトをいっているようですが、この天使の微笑みを前にして同じことが言えるのでしょうか。
木虎お姉さまのやさしさに応えるべく、私はオドオドと視線を左右に泳がせながらも、取るべき対応を思案します。
やっぱり笑顔でしょう。終日終生仏頂面の目のクマちび女たる私ですが、人のやさしさには笑顔で感謝するのがコミュニケーションの最善手であろうことは知っています。できないだけで。
さあ仕事だぞ私の顔面表情筋。不器用とか言ってる場合ではないのです。笑顔なんて学校の給食にプリンがついていたとき以来久しく作っていませんが、大丈夫、木虎お姉さまのご尊顔を拝見しながらならできるハズ。
口角を上げて白い歯を見せ、目を見開いて笑顔を作る。ほら、できました!
「……少し、寝不足で」
赤城ヤト、会心の笑顔です。気遣いに感謝しつつも、慎み深い後輩の姿を演出できたかと思います。木虎お姉さまも、天使の微笑みを返してくださいました。
C級の皆さんがなぜかさらに一歩引いたのは気になりますが、兎も角。
こうして、私の対近界民戦闘訓練は、終わりを迎えたのでした。
☆アナザーワールドトリガーを百倍楽しむ講座☆
《独自設定》
サイドエフェクト「
赤城ヤトが持つ、Cランク・強化五感に属するサイドエフェクト。平衡感覚は五感のひとつとは言えないが、便宜上、そのように分類されることになった。
バランス感覚が大幅に強化され、ほんの数ミリの傾きやごくわずかな重心移動を感知できる。また、その応用で、自分自身の身体のバランスをかなり精密にコントロールできる。常時強制的に発動し続けているタイプの能力で、意識的に寝転んだり、体勢を崩そうとしたりしない限り、勝手に体が動いて体勢を整えてしまう。
本人曰く、目を閉じると感覚はさらに鋭敏になるらしい。そのため、睡眠をとる際にベッドや床面の傾き、枕の位置や形などが少しでも歪んでいるとそれを精密に感知してしまい、気になってなかなか寝付けないという
ヤトはかなり幼い頃からこのサイドエフェクトが発動していたらしく、消えない目下のクマや年齢のわりに小さな体格などは、ほぼこの反作用による睡眠不足が原因である。
次回 アナザーワールドトリガー
第三話「三雲 修」に――トリガー、
以上、アナザーワールドトリガー第2話でした。
ここまでは本作の自己紹介的な内容でしたが、いかがでしたでしょうか。
ここから先、主人公・赤城ヤトが原作のストーリーに関わっていきます。基本的には原作沿いですが、少しずつ流れが変わっていく予定。迅さんの予知からどこまで外れてしまうのか。私にもわかりません!
兎も角。感想・批評お待ちしています。今後もどうぞよろしくお願いします!