アナザーワールドトリガー 3人目のすごいチビ   作:亀川ダイブ

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みなさま、おはようございます。亀川です。
 毎度恒例となりつつある予告詐欺、今回の主人公は我が女神木虎さまでございます。さすがは女神かつ天使たる木虎さま、新キャラやオリ主、原作主人公を押し退けて早くもサブタイトル四回目。これはもう運命としか言いようがありません。世界が木虎さまを求めているのです。世に木虎さまのあらんことを。

……兎も角。第十話です、どうぞご覧ください。


第10話 「木虎 藍④」

「よう、オサム。調子はどうだ」

『イルガーを撃った人と合流した。砂井さん……ボーダーの特別軍事顧問……だった、と名乗っているけど』

「ほう。とくべつぐんじこもん。レプリカ?」

『ボーダーのデータベースにハッキ……アクセス。旧ボーダー時代の特別軍事顧問・砂井応司。44歳、男性。既婚。旧ボーダーにおいて、銃型トリガーの研究・開発とその実用試験、および隊員への銃器・爆発物等の取り扱い訓練を指揮・統括』

 

 修たちのいる公園から少し離れた、アパートの上。遊真は黒仮面をつけたままの姿で屋根の上に座り込んでいた。遊真の顔と同じ高さにふよふよと浮かんでいるレプリカが、検索結果をさらに告げる。

 

『自身も銃手(ガンナー)狙撃手(スナイパー)として戦闘に参加。四年半前の第一次大規模侵攻では、特級戦功を受賞。その後の戦闘記録は無し。現在もボーダーに籍はあるが、役職は無し。ボーダー入隊前は、陸上自衛隊中央即応集団特殊作戦群に所属』

「昔からボーダーにいるなら、親父とも知り合いかな」

『ユーゴとの会話中に該当人物の名が出たことはあるが、親しい印象は受けなかった』

「ふーん、そっか。さんきゅー、レプリカ」

 

 遊真はレプリカの頭を軽く撫で、左腕のアームカバーに同化させた。父親とのつながりが薄いのであれば、わざわざ会いに行く必要もなさそうだ。遊真は黒仮面を外し、戦闘体への換装も解除する。生身の――実は、生身ではないのだが――状態でアパートの屋上からひょいと飛び降り、ちらほらとシェルターから出てき始めた市民たちの中に、何食わぬ顔で紛れ込む。

 

「オサム、お前とヤトはどうするんだ。おれは面倒ごとにならないうちに逃げるけど」

『子供を二人、病院に運ぶ……って、そうだ! 木虎はどうなった!?』

「川に落ちた」

『川っ!?』

「ふっふっふー……謎のヒーロー・仮面トリガーが自爆するイルガーを空中に打ち上げ、見事街を守ったのだ。そのとき運悪く、高慢ちきなツンツン優等生はイルガーの背中から弾き飛ばされ……」

 

 「三」の目に「3」の口、顔の横にきらりんと星を出しながら得意げに語る遊真。しかし、調子よさげな語り口が、突如、止まった。

 

「……あれは」

『どうした、空閑?』

「いや、なんでもない。またな、オサム」

 

 遊真はそういうと一方的に修との通信を切り、小走りに駆け出した。向かう先は、川に架かる鉄橋。先ほどのイルガーとの戦闘時に見えた、事故車が横転している現場。

 

「……ただのツンツン女じゃなかったんだな」

 

 遊真はほんの少しの後悔を込めて、一人呟いた。

 横転した車と、それに追突する大型トラック――全身びしょ濡れになった木虎の姿も、そこにあった。

 

 

 

 

 ボーダーの戦闘体には、基本スペックにおいて個人差はない。誰の戦闘体でも軽量刀剣(スコーピオン)で斬れるし、炸裂弾(メテオラ)で吹き飛ぶ。民家の屋根ぐらいなら軽々と飛び越え、瓦礫が落下してきた程度ならほぼノーダメージだ。肉体疲労はほぼ感じず、重い荷物も軽々と持ち上げる。しかしなぜ、ボーダー隊員が生身での筋力トレーニングやランニングに勤しみ、それが実際に戦闘能力に影響を与えるのか。

 それは、〝体を動かすイメージ〟が、実際の動きに影響を与えるからだ。戦闘体が平等なのはあくまでも基本(・・)スペックであり、それ以上の部分は各個人の鍛錬や、生身での筋力・運動能力によるものが大きい。つまり――

 

「んっ……ぐぐ……!」

 

 ――鍛えているとはいえ、まだ15才の女子中学生。木虎藍の細腕に、総重量15tはくだらない大型トラックを持ちあげることは、不可能と言えた。

 川に架かる鉄橋のほぼ中央、横転した乗用車の中に閉じ込められた父親と娘。大型トラックに敷き潰された乗用車は大きくひしゃげ、歪んだフレームがドアの開閉を妨げている。木虎は大型トラックの車体下に手を突っ込み、歯を食いしばって持ち上げようとするのだが……

 

(私……一人じゃ……!)

 

 乗用車の圧潰を防ぐのが、精一杯。もう少しだけでもトラックを持ちあげることができれば、割れ砕けたフロントガラスから親子を引っ張り出せそうなのだが。

 イルガーの背から弾き飛ばされ、川に落ちた木虎。宙に浮かんだ謎の紋章、イルガーへの正体不明の攻撃。気になることは山ほどもあったが、上空から見た逃げ遅れの親子のことが、木虎には放っておけなかった。木虎は岸に上がると同時、濡れた髪も泥だらけになったジャージもそのままに、この鉄橋に駆け付けていたのだ。

 幼い女の子は、気丈にも涙をこらえている。父親は、何とか娘を逃がそうと潰れた車内でもがいているのだが、その肩口から少なくない血が流れている。顔色も悪い。どちらかといえば、父親の方が状況は悪そうだ。

 

「ぼ、ボーダーの人! もう少し、もう少し持ちあげてくれ! 頼む、娘だけでも……!」

 

 その状況でも、なんとか動く片腕で、娘を外に押し出そうとする父親。娘はその父親の腕にしがみつき……いや、違う。出血の止まらない傷口を、小さな掌で押さえているのだ。

 

「だいじょうぶだよ、パパ。ボーダーのおねえちゃん、あらしやまたいのきとらさんだよ。かっこいいんだよ。だ、だから、だいじょうぶなんだよ……っ!」

 

 ――そうだ、私は木虎藍だ。A級五位嵐山隊の万能手(オールラウンダー)だ。ボーダーの顔の一員だ。近界民の脅威から市民を守る、総数一千のボーダー隊員の代表だ。

 

(諦めない……諦めないっ! 諦めるっ、もんかああああっ!)

 

 腕が千切れても構わない。木虎は満身の力を籠めて、大型トラックを持ちあげた。

 しかし、その時。

 

「きゃああっ!」

「ぐああっ!」

「な、何っ!?」

 

 突然の、激震。鉄橋が波打つように揺れる。何とか手を離さずに耐えたものの、大型トラックはより深く倒れ込み、木虎の両腕に先ほどまでの倍ほども重量がかかる。乗用車のフレームが音を立てて軋み、親子の脱出スペースはほぼなくなってしまった。

 

「あ、あれは……もう一体のイルガーっ!? タイミングの悪い……っ!」

 

 木虎の視界の端に、頭部に風穴を開けられて河川敷に墜落した、二体目のイルガーの姿が見えた。爆撃の心配がなくなったのはいいのだが――このままでは、もうトラックを支えきれない。

 

「おねえちゃん! おねえちゃん! パパが、パパがぁぁっ!」

「た、のむ……嵐山、隊の、ひと……娘、だけ……でも……たのむ……」

 

 女の子の悲痛な叫びが、途切れ途切れの父親の声が、木虎の胸を掻きむしる。生身だったら血が出ているほどに歯を食いしばり、力の限りを尽くすのだが、トラックの車体は1ミリ、5ミリ、1センチと沈み込んでいく。もはや木虎の腕力では、時間稼ぎしかできない。その時間稼ぎも、もう長くはもたない。

 

「くっ、うぐっ……もう、一人……誰か……!」

「大変そうだな、キトラ」

 

 何の気配もなく、突然に。背の低い、白髪頭の少年が木虎の側に立っていた。

 

「あ、なたは……三雲修の、友達……?」

「あらためまして、空閑遊真だ。よろしく」

 

 遊真は気の抜けたような「三」と「3」の目と口でしゅばっと片手を上げて挨拶。しかしその表情は一瞬で引き締まり、真剣そのものの眼差しで木虎を見据えた。

 

「もう少しでいい、トラックを持ちあげろ。おれが中の人を引きずり出す。いいな?」

「い、一般人に、こんな危険な作業をさせるわけには! ここは、私ひとりでもなんとかなるわ!」

「キトラ。つまんないウソをつくな。一人じゃ限界だ、そうだろ?」

 

 こんな小さな少年のどこにそんな迫力があったのか、有無を言わせぬ調子で言い切り、遊真は乗用車の近くにしゃがみ込んだ。

 

「よう、聞こえるか中の人。えーきゅーたーいんのキトラが、作戦を思いついたぞ。あとちょっとのガマンだぞ」

「ちょ、ちょっとあなた勝手に」

「三つ数えたらいくぞ。3、2……」

 

 遊真は勝手にカウントダウンを初め、木虎は仕方なく、しかし内心では遊真に感謝しながら、覚悟を決めた。この一動作で、戦闘体が壊れてしまっても構わない。すでに限界を迎えつつある両腕に、最後の力を籠める――

 

「……『強』印(ブースト)二重(ダブル)

 

 ――遊真が何か、呟いた気がした――

 

「……1、今っ!」

「やああああああああああああっ!」

 

 木虎らしからぬ、全力の絶叫。トリオンが木虎の気合いに応えたのか、それとも奇跡的な何かか。先ほどまでの苦戦が嘘のように、トラックはぽーんと吹き飛ばされ、数十メートルも先に落下した。荷台から積荷が散乱し、漏れていたらしいガソリンに火が付き、爆発する。

 

「ほい、救出」

 

 押さえつけるもののなくなった乗用車から、遊真は手際よく父親と娘を引っ張り出していた。父親の腕に縋りついて泣く女の子を無造作にぽんと脇によけ、父親のジャケットの袖を引き千切り、即席の包帯にして手際よく傷口を縛る。

 木虎はその光景を、ぺたんと尻餅をついて、呆気にとられたように眺めていた。

 

「……キトラ。おい、キトラ」

「……えっ? はっ!?」

 

 遊真にぺしぺしと頬を叩かれて、木虎ははっと目を覚ました。その次の瞬間、お腹にどーんと突っ込んでくる小さな女の子。意識と理解が追いつかず、木虎は目を白黒させた。

 

「おねえちゃん、ありがとう! ありがとう! こわかったよぅ! ありがとう!」

「え、あ、はい……いや、私は……」

「キトラ、父親の方は血を流し過ぎだ。早く医者に診せた方がいい」

「あ、うん……そ、そんなこと言われなくてもわかってるわよ!」

 

 木虎はふんと鼻を鳴らして立ち上がり、ボーダー本部への通信を開こうとした。ちょうどその時、避難していたシェルターから出てきたのか、数人の市民たちが鉄橋をこちらへかけてくるのが見えた。

 

「おーい、大丈夫かあーっ!」

「見ろ、ボーダーの人だ! 事故のやつも助け出されてるぞ!」

「担架だ、担架もってこーい! 三門市民病院、近くだったよな! 運び込むぞ!」

 

 続々と現れた市民たちが、状況を見て動き始めた。体格のいい男たちが担架にケガをした父親を乗せて運び出し、エプロン姿の中年女性が、女の子を優しく抱きあげてそれについていく。その去り際に、父親がまだ動く右手を必死に伸ばし、木虎の手を強く、強く握った。

 

「あり、がとう……ありがとう……っ!」

「ありがとうよ。俺らも逃げるのに必死で……どうしようもなくて。後味、悪かったんだ。助けてくれて、ありがとう」

 

 担架を担いでいた金髪の若者が、バツの悪そうな顔をしながら木虎に頭を下げた。

 

「い、いえ、私は……」

 

 木虎は遊真の方をちらりと見て、言い淀んだ。当の遊真はどこ吹く風でピヨピヨと口笛など吹いている。結局、木虎が何と言っていいか迷っているうちに、担架は病院へと向かってしまった。小さくなっていく担架を見送る木虎の顔に、何とも形容しがたい、温かみのある微笑みが浮かぶ。

 

「どうしたんだよ、キトラ。『当然の結果です。私はA級隊員ですから。えっへん』ぐらい言うのかと思ってたぞ」

「べ、別に私は」

「こんな顔で」

「なっ……ちょ、ちょっと空閑君っ!」

 

 木虎のドヤ顔でも真似したつもりなのか、遊真はコミカルな表情で偉そうに胸を張って見せた。木虎はわずかに頬を赤くして大声を出したが、それも一瞬だけ。すっと真剣な面持ちに変わって、遊真をじっと見つめた。

 

「ねえ、あなた何者……」

「ああああああああっ! 我が社の商品がああああっ!」

 

 頭を抱えて絶叫する、上等なスーツ姿の男性。木虎と遊真、そして市民たちの目が、一斉にその男の方を向く。男はばりばりと頭を掻きむしりながら血走った眼で周囲を見回し、ボーダーの隊服を着た木虎を発見すると、ずかずかと足を踏み鳴らしながら詰め寄ってきた。

 

「おいボーダーッ! どうしてくれるんだ、あのトラックは! 億単位の! 我が社の! 商品を! 輸送中だったんだぞおおおおっ! 一体いくらの損失になると思っているッ! 我が社がボーダーにいくら出資してるかわかってるのかアアァァンッ!? 市民の財産を守るのがボーダーの仕事じゃあないんですかねぇぇぇぇッ!?」

 

 唾を飛ばし、恫喝するように木虎に迫るスーツの男。遊真の表情が、一瞬にして変わった。周りにいた市民たちの視線も、その温度が急速に下がっていく。しかし男は周囲の視線など気にも留めていないのか、神経質そうな色白の顔に青筋を浮かべ、一方的に木虎を怒鳴りつける。

 

「億だぞ、億ぅ! おまえらのようなガキのお小遣いとはわけが違うんだ! 商品がダメになったらよォッ! 我が社の社員が路頭に迷っちまうんだよぉぉ! 寄付金でお小遣いもらってるボーダーのお子ちゃまには大人の苦労はわからねぇだろうけどなぁッ、社会人は金稼ぐのに命張ってるんだよぉぉぉぉっ!」

「……おまえな」

「いいわ、空閑君」

 

 拳を握って一歩踏み出した遊真を、木虎は片手で制した。遊真はちらりと木虎の顔を見上げ、そして黙って引き下がった。木虎は無言で頷き、なおも高圧的に迫るスーツの男に、毅然とした態度で相対した。一歩も引かず、むしろ一歩前に踏み込んで。スーツの男は木虎の予想外の行動に、一瞬、たじろぐ。

 

「なな、なんだよガキぃ! 言いたいことでもあんのかッ! 何億って損失なんだぞ、こっちは! どうしてくれるんだよボーダーはぁぁぁぁッ!! 補償だっ! 賠償だぁぁっ! 正式に謝罪しろぉぉっ!」

「ボーダーA級隊員、木虎藍です。イレギュラー(ゲート)の発生に伴う、予測不能の戦闘でした。防衛活動が後手に回ったこと、申し訳なく思います」

「そんな口先なんてどうでもいいんだよ! 金だよ、金ぇッ! 損失をどう埋め合わ」

「詳しくはッ! ……近々ボーダーから正式に発表があります。損害の補償に関する話はその時に。今はまだ非常時です。特にケガ等の無い市民の方には、救助活動にご協力いただくが、おとなしくシェルターに引っ込んでいただきたいのですが」

「アァんッ!? てめぇ、何言ってやがる! 今すぐ上の人間呼んで来い、金の話を……はなし、を……」

 

 ――いつの間にか。木虎とスーツの男の周りには、近くにいた市民たちが十重に二十重に集まっていた。大声を上げるでもない。威嚇するでもない。だた、男性も女性も老人も若者も、小さな子供まで。皆一様に音もなく、冷たく鋭い、しかし強く熱の籠った視線で、スーツの男を睨みつけている。

 木虎は腕組みをして男を真っ直ぐに見つめ、特に強い調子でもなく、ただ淡々と繰り返した。

 

「救助活動にご協力いただくか、おとなしくシェルターに引っ込んでいただくか。お好きな方をお選びください」

 

 

 

 

 ――その日の夜。

 

「ボーダーA級隊員、か……」

 

 半壊し、立ち入り禁止になった校舎。その瓦礫の山の上に寝転がり、遊真は三門市の夜空を眺めていた。それなりの規模の地方都市である三門市だが、それにしては空気は澄んでいるらしい。都会には珍しいほどの星空が、キラキラと輝いていた。

 

『ユーマ。夕方のことを思い出しているのか』

「ああ。キトラ、ただのツンツン女じゃなかったんだな、と思って」

 

 今、オサムとヤトは、トリガーの無断使用やその他もろもろの件について、ボーダー本部で呼び出しを受けている。もしボーダーが組織の体面を保つことを最優先にするような組織だったら、二人はクビになってオシマイだろう。だが、あの親父が「ボーダーを頼れ」と言っていたのだ、そんな狭量な組織ではないはずだ。とはいえ、組織というものは中々面倒で、人を罰するのに理由がいるのと同様に、人を許すのにも一々理由がいる。

 その点、キトラがオサムやヤトの人命救助活動をちゃんと報告してくれれば、プラスの判断材料になるのだが……あのキトラならきっと、オサムへの嫉妬などには左右されずに動いてくれるはずだ。

 

「オサムとヤト、ボーダー辞めさせられなきゃいいけどな」

『……この世界の映像ネットワークにアクセス。該当人物の映像を検索……ヒット。ニュース映像等にオサム、ヤト両名を確認。〝メガネのボーダー隊員が助けてくれた〟〝目の怖い小学生隊員が頑張ってくれた〟他、感謝の声を確認。同様にキトラの映像も多数。好意的な反応が圧倒的多数を占めているようだ』

「そのあたりをうまく使えばなんとかなりそうだけどなぁ。オサムもヤトも、そのあたりの駆け引きというか、裏工作というか……〝暗躍〟みたいなの、下手そうだもんなあ」

『駆け引きや交渉を得手とする人物が、オサムとヤトを支援してくれればよいのだが』

「時々いるよな、そーゆー〝暗躍〟とかが趣味みたいなヤツ。それか、オサムが頭脳派キャラになるかだな。せっかくメガネなんだし、それもありかもな~」

 

 遊真はぷいっと口をとがらせながら軽く言い、ごろりと寝返りを打つのだった。

 

 




《独自設定》
 戦闘体の身体能力

 なぜ、〝賢い筋肉〟こと木崎レイジは、ああも筋肉なのか。筋トレに勤しみ、筋トレを愛し、筋トレに愛された筋肉の化身。その筋肉の躍動はトリオン製の戦闘体においても変わることはなく、鍛え抜かれた筋肉から繰り出されるレイガストパンチは敵のなまっちょろい筋肉など易々と撃ち抜く。入隊直後の初心者・アマトリチャーナに足回りの筋肉を鍛えるべくランニングを課した賢い筋肉の真意は一体どこに。
 拙作では〝動けるイメージ〟が戦闘体の身体能力に影響するという原作設定を拡大解釈し、筋力の補正にも個人で差があるとしています。補正の基準は生身での身体能力。筋トレはそのために有効。
 戦闘体の木虎さまにお尻を思いっきり蹴られても一命はとりとめるというかむしろ我々の業界ではご褒美ですが、賢い筋肉さんにお尻を狙われたら即終了ということですね。(意味深)




次回 アナザーワールドトリガー
第11話「ボーダー上層部」に――トリガー、起動(オン)




 ……以上、アナザーワールドトリガー第十話でした~。木虎さま大活躍。作者、満足。
 進行の遅い拙作ですが、ようやく原作コミックス二巻冒頭部分が終わり、話数で言うと一話遅れで「ボーダー上層部」に突入です。原作では実力派エリートによる沢村女史への華麗なるセクハラから幕を開ける話ですが、このあたりから拙作では展開を大幅に巻く予定です。早くヤトをバトルさせたいので。
 兎も角。次回以降もお付き合いいただければ幸いです。感想・批評もお持ちしております。どうぞよろしくお願いします!

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