歌の女神たちの天使 〜天使じゃなくてマネージャーだけど!?〜 作:YURYI*
九人での初めてのオープンキャンパスでのライブは大成功だった。ただ、少しだけ問題が…
「桜みはねさんですよね!?一緒に写真撮ってください!」
「ほんとだ!私もお願いします!」
「私も!」
ーーーという具合に、私はなぜか中学生たちに名前が知られてしまっていた。
しかも、写真を求められたり質問攻めにあった。しまいには、学校の同級生、先輩たちまでもが質問攻めにしてきたり、もみくちゃにされた。
あと…何人かに告白までされてしまった。
さらに、それを見ていたμ'sのメンバーには睨まれるわ怒られるわで大変だった。
「あら、みはねちゃん人気者ねぇ」
「はぁ…はぁ…理事長…っ」
「これ、よかったら見てちょうだいね?」
学校紹介のパンフレットを渡して去っていってしまった…
不思議に思ってパンフレットを見る。何ページかめくっていくと、とある1ページが目にとまる。これ、私…?
そこに写っていたのはまぎれもなく私。制服紹介のページになっているようだ。
ご丁寧に名前まで書いてある。げ、原因は理事長か…!
いつの間にこんな写真…あ!入学式の時の…
なぜかカメラマンさんらしき人にたくさん写真を撮られた記憶がある。
むぅ、何でこんな写真使うのさ…
許可もなしに…いや、許可求められても断ってたけど!
オープンキャンパスが終わったあと、部室でこってり怒られた。私何もしてないのに!
しかも、告白のことを言ったら…
「みはねちゃんはμ'sのなんだから、誰とも付き合っちゃダメ!」
らしいです。いやいや、自分の身分はわきまえているつもりだし…
私なんかのこと好きになるなんてあるわけないじゃないか。
***
「オープンキャンパス、大成功だったね!」
「安心するのはまだ早いわよ」
「や、やっとまともなこと言ってくれる人が…!」
なんてやりとりを穂乃果先輩、絵里先輩、海未先輩がやっていた。
「あ、でも、絵里先輩が入ったことによって女性のファンも増えたみたいですよ」
何気なくそんなことを言ってみた。いや、まぁ、事実なんだけどね。
うっ、絵里先輩に睨まれてしまった。
「確かに、絵里先輩、スタイルもいいし美人だし、こう、大人の女性っていうか」
お、おぉう穂乃果先輩が語り出した。
さっきまで睨んでいた絵里先輩も、照れてるのかやめてよ…なんて顔を赤くしながら言っている。
「き、今日は用事があるから帰るねっ!みいちゃん」
そう言ってことり先輩は私に近づいてくる。…なんとなくやろうとしてることがわかる。ことり先輩は私にぎゅーっとはぐするとそそくさと帰っていった。
はぁ…それやられると、みんなの視線が痛いんですけど…
「最近ことりちゃんすぐ帰っちゃうよね〜」
「ま、まさか彼氏かにゃ!?」
彼氏…ねぇ。ことり先輩ほどかわいかったらいてもおかしくないけど…
そしたら、幼なじみの穂乃果先輩や海未先輩に報告の一つくらいはしていると思う。
「あ、そうだ!みんな、今日はにこがいいところに連れて行ってあげるわ!」
その一言で今日の練習は中止になった。
そう、にこ先輩が連れてきた場所は、秋葉原のとあるアイドルショップ。
へー、アイドルってこんなにいっぱいいるんだね。ま、μ'sのみんなのほうがかわいいけど…
「あ、見て見て、この子かよちんに似てかわいいにゃー!」
「って、それ花陽ちゃんやん!」
「あ!μ'sのグッズが売ってるよ」
「に、にこの…にこのグッズは!?」
どうやらμ'sのグッズも売られているみたいだ。うん。どれもかわいい!
「ねえねえ、これって…」
穂乃果先輩は一枚の写真を私たちに見せてくる。
みんなでそれをを覗く。
これって…
「すみません!ここに、ミナリンスキーの生ブロマイドがあるって聞いたんですけど!あれ、ダメなんです!」
メイド姿の女性が飛び込んできた。
ってことり先輩…?
「こ、ことりちゃん!」
「ぴ、ぴぃ!コトリ?ワタシチガイマス!…サラバ!!!」
あ、逃げた…
が、すぐに捕まえました。
簡単にまとめると、メイド喫茶でアルバイトをしていたらしいです。
その理由は、自分を変えたかったから。自分は穂乃果先輩や海未先輩とちがって何もないからって…
そんなことないのにね…
そして後日、絵里先輩の発案でことり先輩作詞の曲を作って秋葉原でライブをすることになりました。
必死に考えて曲を作ったことり先輩。穂乃果先輩や海未先輩、μ'sのみんなに助けられてとてもいい曲ができた。
なぜか私は一日ことり先輩のお家にお泊まりすることになった。それ以外特に何もしてないのに、ことり先輩にお礼を言われてしまった…
後日、秋葉の路上ライブをしました。衣装はロングのメイド服。結構みんなノリノリで…
ライブはもちろん…大成功!!!
***
季節は夏まっただ中、もちろんμ'sは活動中だ。ラブライブ出場狙ってるわけだし。しかし、照りつける太陽を防ぐことのできない屋上でこの暑さはとても酷な話だ。予想できる通り、みんなはその暑さにやられていまっていた。
「あっつーい!あ、そうだ!合宿しようよ!合宿!」
穂乃果先輩また、何も考えずにそんなこと…
「そんなこと言って、費用などはどうするんですか」
そう、合宿に行くのは大歓迎だが場所とか費用とかが問題なのだ。
「こ、ことりちゃ「ことり先輩のアルバイト代を使おうとしちゃダメですよ」
「うぅ…あ!真姫ちゃん!別荘とか持ってないの?」
「あ、あるけど…そんないきなり…」
「そうだよね…」
戸惑う真姫ちゃんにウルウルとした瞳でつめ寄る穂乃果先輩。
あれはずるい!なんだあの捨てられた子犬のような目は!
なんだかんだでみんなも真姫ちゃんのこと見てるし。
「わ、わかったわよ!」
あ、真姫ちゃんが折れた。
と、いうことで!合宿に行くことになりました!
あ、そうだ私…いつも制服で大丈夫だったからよかったけど…服、買わなきゃ…
***
合宿当日。
結局、私はあのあと服を買いに行った。まぁ、そこまでこだわりもなかったから、ピッタリとした7分丈パンツに上は白のブラウスというなんともシンプルな格好に…
みんな、なかなかかわいい格好してるなぁ。ま、元がいいから何着てもかわいいと思うけど。
ははは…なんか、悲しくなってきた。
「あの!ちょっと提案があるのだけど…」
そろそろ出発しようかとなった時、絵里先輩はとある提案をした。
・・・
『先輩禁止!?』
絵里先輩の提案とは、先輩を禁止するということだった。先輩後輩はもちろん大事だが、踊っている時にそういうことを気にしてわいけない、という考えのもとだ。
まぁ、私は前々から希先輩と話し合っているのを知っていたから驚きはしない。
「じゃあ、まず穂乃果から!」
「はい!いいと思います!絵里…ちゃん」
「うん♪」
おぉ、なかなかいい感じなんじゃないかな?
「凛も凛もー!ことりちゃん?」
「うん!よろしくね♪真姫ちゃん?」
ことり先輩が真姫ちゃんに呼びかけると、みんなの視線が自然と真姫ちゃんの方を向く。
みんなにじーっと見つめられて真姫ちゃん顔を横にそらしてしまった。
「べ、べつにわざわざ呼んだりするもんじゃないでしょ?」
恥ずかしいのか、はたまたそう言うことに慣れていないのか、真姫ちゃんが誰かの名前を呼ぶことはなかった。
ま、ツンデレの真姫ちゃんらしくていいけどさ。
「みいちゃんは?前みたいにことり♡って呼んでよ〜」
ことり先輩の次のターゲットが私に向く。
ギロリと絵里先輩に睨まれる。私何もしてないじゃん…
「前は、ことりちゃんだったじゃないですか…」
「ちぇ〜、じゃあことりちゃんで我慢してあげる」
「み・は・ね?私のことは?」
「絵里先輩…怖いですよ…」
「先輩禁止!それに、敬語も取ってもらうわよ!」
「む、むぅ…絵里ちゃん…これでいいでしょ?」
絵里ちゃんは笑顔になる。
「ハラショー!」
そんなやりとりしてたら、みんなも呼んで欲しいと言ってきた。はぁ…なんでこんなことに…
「絵里ちゃん、希ちゃん、穂乃果ちゃん、ことりちゃん、海未ちゃん、凛、花陽、真姫ちゃん……にこちゃん?」
みんなの目を見ながら呼んでいく。
「にこのことはにこでいいわよ」
「そうする」
「穂乃果のことも呼び捨てがいいな?」
「わ、わかった。穂乃果」
「うん♪」
一通り終わったところで
「じゃあ、合宿に行くわよ。部長の矢澤さんから一言」
絵里ちゃん、なんて無茶振り…
「しゅ、しゅっぱ〜つ!」
アドリブ弱っ!?
とまあ、こんな感じで合宿に出発になりました。
***
「うわぁ…おっきい…」
「べつに、普通でしょ」
真姫ちゃん…これ絶対普通じゃない。
めっちゃ、もう、別荘、すごい。
「さ、案内するわよ」
とにかく、荷物を置いて練習をすることになった。
「海未ちゃん…それって…」
「合宿の練習メニューです」
「う、海は!?」
すでに水着の穂乃果と凛が絶望的な顔をしている。
「私ですが…?」
わぁ…海未ちゃんがそんなボケをかますとは思っていなかった。
なんだかこう、じわじわと笑いがこみ上げてくる。
「違うよ!海水浴はないの!?」
「それなら、ほらここに」
そこに書かれているのは遠泳10キロ。
いや、おかしいでしょ…
「こうなったら、凛ちゃん!」
「任せるにゃ!海未ちゃんあれ見て!」
「な、なんですか?」
「走れ〜!!!」
うわ、穂乃果の勇気がすごいと思う。
「ま、今回はいいんじゃないかしら?先輩後輩の垣根を取るいい機会になると思うわ!」
「そうやね」
ま、そうだよね。正直、今回の合宿はみんなが仲良くなるってことの方が重要な気がする。
「絵里ちゃーん!」
大きな声で凛が絵里ちゃんを呼ぶ。
「今行くわー!」
おお、いい感じじゃないですか。凛も普通に呼べてたし。
「って、あ!水着持ってきてないや…」
泳ぐのは諦めるかな…
「それなら、こっち」
真姫ちゃん?突然腕を引っ張られる。
「みはねに水着持ってきたのよ」
「え…」
「これに着替えて」
命令よ、と言わんばかりの威圧感。逆らえるわけがない。
真姫ちゃんが渡してきたのは白のビキニの上にベージュのズボンと水色のキャミソールを着るタイプの水着だ。
最初がこれってなかなかハードルが高い。
恥ずかしいから、その上に買っておいた白の薄手のパーカーを羽織った。
着替え終わった私を見た瞬間、真姫ちゃんが顔をそらした。…やっぱり似合ってなかったのかな?
真姫ちゃんみたいにスタイル良くないし…
心に大きなダメージを受けたので、少し経ってからみんなのところに戻ることにする。
海に戻ると、みんなはすでに遊んでいた。
真姫ちゃんは…一人だけビーチパラソルの下で本を読んでいた。
「みんな、怪我しないようにね!」
とりあえずマネージャーとしてそう声をかけて、みんなの遊んでいる様子をビデオで撮っておくことにした。ことりちゃんがにこの顔面に大きめの水鉄砲で水をかけているけど平気だろう。
今度はスイカ割り。花陽が挑戦しているみたいだが、にこが邪魔をした。みんな楽しそうでよかった。
「みはねちゃんも一緒に遊ぶにゃ!」
「う、うん…?」
なんでみんなの顔が赤いんだろう…?日焼け止めはしっかり塗っていたはずだけど…
って、にこいなくない?
あ、真姫ちゃんの隣に…
どんまい…
真姫ちゃんは張り合ってくるにこを気にするそぶりはない。
「真姫ちゃんも一緒に遊ぼう!」
「私はべつに…」
素直じゃないなぁ…
ま、そんなところもかわいいんだけどね。
でも、そんな真姫ちゃんを絵里ちゃんや希ちゃんは気にかけているようだった。
結局私たちは夕方までたっぷり遊んだ。
ちょっと早いけど夜ご飯を作ることになった。が、まずは材料を買いに行かなければならない。
「私一人で行ってくるわよ。どうせ私以外みんな場所知らないし」
真姫ちゃんは一人で行こうとしてるみたいだ。はぁ…まったく…
「私はついてくから」
「み、みはね…」
「ウチもお供するよ」
「はぁ…勝手にすれば?」
ということで、真姫ちゃん、希ちゃん、私で買い出しに行くことになった。
閲覧ありがとうございます!
のぞまきめっちゃいいですよねぇ…(*^^*)
後編はまたすぐにアップできると思うのでよろしくお願いします!