歌の女神たちの天使 〜天使じゃなくてマネージャーだけど!?〜   作:YURYI*

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14.想い 〜Part3 小泉花陽〜

 

 

 

 

 

 

 

〜花陽〜

 

 

 

 

今日はいつもより少し早い時間にアルパカさんのところへ来た。

 

凛ちゃん、ちゃんと伝えられたかな?

 

 

「メェー」

 

「ふふっ今日ももふもふ。かわいいね」

 

なんだかアルパカさんに頑張れって言われてる気になってくる。

 

「メェェェエエ!」

 

「うん!頑張るね」

 

白いアルパカさんの頭をなでる。はぁ…おちつく。

 

「何を頑張るのー?」

 

「それは…ってふぇぇぇぇえええ!?」

 

「ご、ごめん。びっくりさせちゃった…?」

 

振り返るとみはねちゃんがいて、少し、いや、かなりびっくりしました。

 

「そ、その…凛ちゃんは?」

 

「あぁ、もう話したよ?それで、花陽がアルパカ小屋にいるって言ってたから」

 

少しだけ目線をそらされる。ってことは、凛ちゃんはちゃんと伝えられたってことだよね!

 

どうしよう…私も伝えないと。

 

 

みはねちゃんは、二匹のアルパカをなでていた。

実は、このアルパカさんたちは慣れるとすごく懐いてくれるけど、慣れていない人だとすぐ唾を飛ばしたりするの。

でも、みはねちゃんには一回もそんなそぶり見せなかった。今となっては何回も手伝いをしてもらっているから慣れてるって思うかもしれないけど、本当に初対面の時から懐いていた。

 

動物には優しい人がわかるっていうけど、ほんとなんだね。

 

 

「この子たち、ほんと花陽に懐いてるよね」

 

「え、そうかなぁ?そうだったら嬉しいな」

 

みはねちゃんにも懐いてると思うけどな。

って、そうじゃなくて。伝えないと。

 

 

「あ、あのね。みはねちゃんに、お、おおお話があるのっ!」

 

「なぁに?」

 

ちょっとびっくりしていたけど、にこりと微笑んでくれた。

 

「わ、私。μ'sの中では全然目立つほうじゃなくて…」

 

「そんなことないよ」

 

まっすぐに見つめてすぐに否定してくれる。

か、顔が熱い…

 

みはねちゃんは否定してくれるけど、μ'sのみんなはキラキラしててかわいくて、本当に私の憧れだ。

一員となった今では、みんなに追いつきたくて必死なのだ。

 

「でも…」

 

そう。この性格も直したい。恥ずかしがり屋で引っ込み思案で…人前だと全然喋れない弱虫な自分を。

 

「花陽。自分のペースでいいんだよ。今でもとっても魅力的だし、無理することないよ?花陽は花陽でいいの」

 

いつもみはねちゃんは私の欲しい言葉をくれる。

あの時も、私がμ'sに入りたいけど自信がなかった時も。

 

「ありがとう。でもね、そう言ってくれるみはねちゃんのためにも…頑張りたいの!」

 

「そ、そんなこと言われたら、応援するしかないじゃん…」

 

みはねちゃんは隠すように赤くなった顔をアルパカさんにうずめている。アルパカさんたちはよくわかってないのか不思議そうな顔をしている。でも、喜んでいるみたいだ。

ふふっみはねちゃん、意外と照れ屋さんだよね。

 

「みはねちゃん、照れてる?」

 

「あたりまえ。嬉しいんだもん」

 

少しだけこっちを見て、私の制服の裾を掴む。

あぁ、なんでこんなにかわいいんだろう。

なんでこんなに大好きなんだろう。

 

「あのね。ちゃんと、言いたいの」

 

「う、うん」

 

みはねちゃんはアルパカさんから離れると、まっすぐにこっちを向く。顔はまだ少し赤いみたいだけど、真剣な顔でこっちを見てくれていた。

 

ダメ…言いたいのに言葉が出ない。自然に顔は下を向いてしまう。

恥ずかしい…でも、伝えなきゃ…

 

「そ、その…」

 

「うん」

 

うぅ。どうしよう、みはねちゃんのこと困らせちゃってるよね。

がんばって顔を上げて彼女のほうを見ると、さっきと変わらず真剣な顔で私を見ていた。

きっと、私がちゃんと言えるように、自分の力で言えるように待っててくれてるんだよね。

ほんとに、優しいみはねちゃんが大好き。

 

「わ、私は!みはねちゃんのことが、す、すす好きです!」

 

言い終わってからチラッとみはねちゃんのことを見ると、耳まで真っ赤にして固まっていた。

 

「あの、みはねちゃん?」

 

「うぇっ!?あ、ごめん。その、わかっていてもやっぱり照れると言いますか。はい」

 

「えへへ。なんだか嬉しいな」

 

「もう、ほんとこういうの慣れてないんだから」

 

慣れてない…?あれ?私の記憶によると、今までいろいろな人から告白されてたきがするけど…

しかも、にこちゃんや凛ちゃんからももう言われてるんだよね?

 

「慣れてるんじゃないの!?」

 

「へっ?慣れないよ、だって」

 

気持ちってみんなそれぞれ違うじゃん、ってぼそぼそと呟くみはねちゃん。

 

「そうなの?」

 

「そうだよ。好きにもたくさんあるからね。だって、花陽の好きは花陽にしか言えないでしょ?それと一緒」

 

はぁ…素敵な考え方をするんだなぁ…

そんなこと、考えたことなかったかもしれない。そっか、私には私にしか言えない好きがあるんだ。

 

「好き…だなぁ…」

 

「ん?」

 

「ううん!そろそろ教室に行こっか?凛ちゃんも待ってるよね」

 

「そうだね。行こう」

 

そう言って手を差し出してくる。

これって…手を繋いでもいいってこと?恥ずかしい、けど、繋ぎたい。

 

ゆっくりと手を伸ばすと、みはねちゃんは優しく掴んでくれた。

 

「嫌だったら言ってね?」

 

「ううん。嫌じゃないよ。うれしい」

 

 

 

小さい頃からいつも凛ちゃんに手を引かれていたことを思い出す。

あの頃は、凛ちゃんに無理に引っ張ってもらっていたような気がする。

でも今は、自分から手を差し出すことができたんだよね。

 

みはねちゃんとなら成長できる。

 

 

 

 

 

 

みはねちゃんがもっと私のこと見てくれたらいいのに…なんてわがままが、心の中に浮かんですぅっと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!閲覧ありがとうございました!

果たしてちゃんと全員分書けるのだろうか…と、心配になってきています。
なにも考えずに書いてちゃダメですね…笑

次回は真姫ちゃんです♪

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