神魔の素質を持つ者も異世界から来るそうですよ? 作:リフェア
「ん、今なんて言いました?」
黒ウサギは覇瑠徒が言った言葉を聞き逃した訳では無く、その言葉が普通では無かったからである。
「え、魔王と一緒に居たって言ったけど。」
「本当なのか覇瑠徒?」
「本当だけど、まず俺の居た世界の事を話すべきだったか」
「ああ、そうだな覇瑠徒の居た世界について教えてくれ。」
そして覇瑠徒は話した自分が居た世界の事を、
覇瑠徒の居た世界は箱庭と同じく神や悪魔そして獣人や亜人などあらゆる世界に存在する生き物がいる。逆に言えば存在しない物がいないんじゃないかって言う程
色々な生物がいるのであった。
「へー面白そうだな覇瑠徒の世界は」
「そんな世界もあるんですね。」
「まあ、そういう事だな、てかこんな事してないでさっさと世界の果て見に行こうぜ。」
「話がそれてしまって私の話がまだ解決していないのですが」
「そうだったな、で何だっけ?」
「黒ウサギのコミュニティが魔王によって旗印と名前がないってところだな」
「けど名前も旗印も無いというには不便な話だな。何より縄張りを主張できないのは手痛いだろ。新しく作ったら駄目なのか?」
「か、可能です。ですが改名はコミュニティの完全解散を意味します。しかしそれでは駄目なのです!私達は何よりも仲間達が帰ってくる場所を守りたいのですから!」
「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ、コミュニティを再建し何時の日か、コミュニティの名と旗印を取り戻して掲げたいのです。そのためには十六夜さんや覇瑠徒さん達のような強力な力を持つプレイヤーを頼るほかありません!どうかその強力な力、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか・・・・・⁉」
「・・・・・ふぅん。魔王から誇りと仲間をねえ」
「こんな状況だからなあ」(あいつらの力を使えるようにしないとな)
深く頭を下げて懇願する。
(ここで断られたら・・・私達のコミュニティはもう・・・・!)
黒ウサギは唇を強く噛む。こんな後悔をするなら、初めから話せばよかった。
肝心の十六夜は組んだ足を気だるそうに組み直し、たっぷり三分間黙り込んだ後、
「いいな、それ」
「・・・・・は?」
「HA?じゃねえよ。協力するって言ったんだ。もっと喜べ黒ウサギ」
不機嫌そうに言う十六夜。呆然として立ち尽くす黒ウサギは二度三度と聞き直す。
「え・・・・あ、あれれ?今の流れってそんな流れでございました?」
「そんな流れだったぜ。それとも俺がいらねえのか?失礼なこと言うと本気で余所行くぞ」
「だ、駄目です駄目です、絶対に駄目です!十六夜さんは私達に必要です!」
「よし、決まりだなさっさと見に行こうぜ世界の果てを」
「え?覇瑠徒さんは」
「俺は元々黒ウサギがどう言おうと黒ウサギのコミュニティに入るつもりだからな、それと言っておく俺は今よりももっと強くなる覚悟しておけよ黒ウサギ」
「はいわかりました!」