神魔の素質を持つ者も異世界から来るそうですよ? 作:リフェア
覇瑠徒が自分の力を使って蛇神を倒そうとした時、十六夜と出てきた森から黒ウサギが出てきた。
「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」
「イメチェンか?そうだとすれば、似合っているぞ」
黒ウサギの髪の色が最初に見た艶のある黒い髪とは違い淡い緋色になっていた。そして黒ウサギは散々振り回されたが故、怒りが頂点に達していた。
「もう、一体何処まで来ているんですか⁉」
「”世界の果て”まで来ているんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」
「俺と十六夜がいなくなった事にきずかなかった黒ウサギもどうかと思うけどな」
「覇瑠徒さんが私に言ってくれれば私が怒る事なんて無かったんですよ」
世界の果てに行くとき黒ウサギには何も言わなかったが物音を立てず行ったわけでは無く、多少は騒がしかったのにそれにきずかなかった黒ウサギも黒ウサギであると思った覇瑠徒であった。
「しかしいい脚だな。遊んでたとはいえこんな短時間で俺達に追いつけるとは思わなかった」
「むっ、当然です。黒ウサギは”箱庭の貴族”と謳われる優秀な貴種です。」
「へーそうなんだ、凄そうには見えないけどな」
「それは覇瑠徒さんの見る目がないだけデスヨ」
「ま、まあ、それはともかく!十六夜さんと覇瑠徒さんが無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」
「水神?・・・ああ、あのでかい蛇のことかやっぱり神様だったか」
え?と黒ウサギは硬直する。覇瑠徒は十六夜が戦っているのを見ていなかったため今水神が何処にいるのか知らなかったため十六夜に聞いた。
「今何処にいるんだ?」と聞いたら十六夜が指した川面にうっすらと浮かぶ白くて長いモノがあった。
そして黒ウサギが理解する前にその巨体が鎌首を起こし、
『まだ・・・・まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ‼』
「蛇神・・・!ってどうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」
ケラケラと笑う十六夜は事の顛末を話す。
「なんか偉そうに『試練を』とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるのかどうか試させてもらったのさ。結果はまあ残念な奴だったが。」
「十六夜だけを悪く言うのはやめてくれそれと十六夜は話をカットしすぎだ、俺の立場から話すと森を抜けた後あのデカい蛇が現れたから戦ってみたいなーって思って挑発したんだよそしたら『試練をくれてやる』とかだったかな?で今ココ」
『貴様・・・付け上がるな人間!我がこの程度の事で倒れるか‼』
蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱を上げ立ち昇る。
「十六夜さん、下がって!」
黒ウサギが庇おうとするが、十六夜の鋭い視線はそれを阻む。
「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺らが売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」
本気の殺気が籠った声音だった。十六夜の言葉に蛇神は息を荒くして応える。
『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』
「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」
求めるまでも無く、勝者は既に決まっている。
その傲慢極まりない台詞に黒ウサギも蛇神も覇瑠徒も呆れて閉口した。
『フンーーーその戯言が貴様の最期だ!』
蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。竜巻のように渦を巻いた水柱は蛇神の丈よりも遥かに高く舞い上がり、何百トンの水が吸い上がった。
その時だった覇瑠徒が動いたのは
「貴様ら俺を忘れてないか?」
覇瑠徒の声には覇気があったその声で周りの人の動きが止まったそれには蛇神も含まれていた。
「どうした覇瑠徒?急にそんな事言って」
「十六夜が言ったじゃねーか、俺の力見たいって」
「そうだったなでも今は俺があいつをかっこよく倒す所じゃねえか」
『貴様らまた我を除けるのか‼』
「面倒だなまとめてぶっ飛ばしてやる」
そして覇瑠徒は禍々しさと神々しさが混ざったオーラをまとい、蛇神が作り出した水柱よりも高く跳躍して真下に向かって強烈な一撃を放った
「