神魔の素質を持つ者も異世界から来るそうですよ?   作:リフェア

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予定より遅れてしまいましたが中編の下です。

はいごめんなさい、なんやかんやで中編の下が出来てしまいました。

ではどうぞ。


13話 ギフトネーム 中編 下

「その”決闘”乗った!!……って言いたいけど生憎今、

   俺神格とか使えないんだよ、エネルギー切れって感じで」

 

「ふむ?神格を使えない。容量があるのか覇瑠徒の神格は?」

「まあ、今はそんな感じ、しかも もし今使えたとしても全力は出せないからボコボコにされると思う、だから今は試練で頼む。でも もう少し経って俺が持つギフトをすべてを出し切れるようになったら、その時は”決闘”を頼む白夜叉」

「分かったその時まで楽しみに待っておるぞ覇瑠徒」

 

 白夜叉は久々に楽しみが出来たと心の中で思った。

 また、覇瑠徒も結局自分が全力を出しても、白夜叉に勝てるのかと今更ことを思い少しばかり後悔ができた。

 

 そんな、やり取りを見ていた十六夜は諦めたように笑い、ゆっくりと挙手し、

「参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」

「ふむ?それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」

「ああ。これだけのゲーム盤を用意出来るんだからな。アンタには資格がある。―――いいぜ。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」

 

 苦笑と共に吐き捨てるような物言いをした十六夜を、白夜叉は堪え切れず高らかと笑い飛ばした。

 白夜叉が笑ってる中、覇瑠徒は十六夜に向かって言った、

 

「十六夜そんな事、言ってたら俺が先に白夜叉を倒しちゃうぞ」

「なんだと、そういう事ならまずは俺と覇瑠徒どっちが強いか決める決闘をするか」

「それはいいな、そして勝った方が先に白夜叉と決闘をするってことで、まあでも今すぐは無理だからな」

「ああそりゃ勿論、ましてや今は全力を出せないんだろ、それはつまらないからな覇瑠徒いつかが全力を出せるときまで待ってやるよ」

「それは有り難い」

 

 覇瑠徒と十六夜どっちが強いか決めるために決闘をするという、覇瑠徒と十六夜以外どうでもいい約束をしていたら、

 一頻り笑った白夜叉は笑いを噛み殺して他の二人にも問う。

 

「く、くく………して、他の童達も同じか?」

「………ええ。私も、試されてあげてもいいわ」

「右に同じ」

 

 苦虫を嚙み潰したような表情で返事をする二人。満足そうに声を上げる白夜叉。

 一連の流れをヒヤヒヤしながら見ていた黒ウサギは、ホッと胸をなでおろす。

 

「も、もう!お互いにもう少し相手を選んでください!”階級支配者”に喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う”階級支配者”なんて、冗談にしても寒すぎます!それに白夜叉様が魔王だったのは、もう何千年も前の話じゃないですか!!」

「何? じゃあ元・魔王様ってことか?」

「えっ、元魔王なの」

「はてさて、どうだったかな?」

 

 ケラケラと悪戯っぽく笑う白夜叉。ガクリと肩を落とす黒ウサギと四人。

 その時、彼方にある山脈から甲高い叫び声が聞こえた。獣とも、野鳥とも思えるその叫び声に逸早く反応したのは、春日部耀だった。

 

「何、今の鳴き声。初めて聞いた」

「ふむ………あやつか。おんしら四人を試すには打って付けかもしれんの」

 

 湖畔を挟んだ向こう岸にある山脈に、チョイチョイと手招きをする白夜叉。すると体長5mはあろうかという巨大な獣が翼を広げて空を滑空し、風の如く四人の元に現れた。

 鷲の翼と獅子の下半身を持つ獣を見て、春日部耀は驚愕と歓喜の籠った声を上げた。

 

「グリフォン………嘘、本物!?」

「フフン、如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王。”力””知恵””勇気”の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」

「へえ、グリフォンか」

 

 白夜叉が手招きする。グリフォンは彼女の元に降り立ち、深く頭を下げて礼を示した。

 

「さて、肝心の試練だがの。おんしら四人とこのグリフォンで”力””知恵””勇気”の何れかを比べ合い、背に跨って湖畔を舞う事が出来ればクリア、という事にしようか」

 

 白夜叉が双女神の紋が入ったカードを取り出す。すると虚空から”主催者権限”にのみ許された輝く羊皮紙が現れる。白夜叉は白い指を奔らせて羊皮紙に記述する。

 

 

『ギフトゲーム名 ”鷹獅子の手綱”

 

 ・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

          星導 覇瑠徒

          久遠 飛鳥

          春日部 耀

 

 ・クリア条件 グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。

 ・クリア方法 ”力””知恵””勇気”の何れかでグリフォンに認められる。

 ・敗北条件  降参か、プレイヤ―が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                             ”サウザンドアイズ”印』

 

「私がやる」

 読み終わるや否やピシ!と指先まで綺麗に挙手をしたのは耀だった。彼女の瞳はグリフォンを羨望の眼差しで見つめてる。比較的に大人しい彼女にしては珍しく熱い視線だ。 

「ふむ。自信があるようだが、コレは結構な難物だぞ?失敗すれば大怪我では済まんが」

「大丈夫、問題ない」

 耀の瞳は真っ直ぐにグリフォンに向いている。キラキラと光るその瞳は、探し続けていた宝物を見つけた子供のように輝いていた。隣で呆れたように苦笑いを漏らす十六夜と覇瑠徒と飛鳥。

 

「OK、先手は譲ってやる。失敗するなよ」

「頑張れよ、耀」

「気を付けてね、春日部さん」

「うん頑張る」

 

 その時だった、覇瑠徒の足元に魔法陣が現れて、十六夜の隣にいた覇瑠徒が消えたのは、

 

 




こんな感じで続きます、次回は土曜か日曜日です。

追記

投稿日が来週になりました。
すいません。

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