神魔の素質を持つ者も異世界から来るそうですよ? 作:リフェア
区切りを良くしてる積もりなんですがそうすると文字数が少なくなってしまいます。
でもその方が早く読めていいのでしょうか?
では中編をどうぞ。
「おんしらが望むのは”挑戦”か――――もしくは、”決闘”か?」
刹那、四人の視界に爆発的な変化が起きた。
四人の視覚は意味を無くし、様々な情景が脳裏で回転し始める。
脳裏を掠めたのは、黄金色の穂波が揺れる草原。白い地平線を覗く丘。森林の湖畔。 記憶にない場所が流転を繰り返し、足元から四人を吞みこんでいく。
四人が投げ出されたのは、白い草原と凍る湖畔―――そして、水平に太陽が廻る世界だった。
「……なっ…………!?」
余りの異常さに、覇瑠徒達は同時に息を呑んだ、そして覇瑠徒は思った。
(これが箱庭、いや違うこれはまだ箱庭の一つでしか無い、他にもこれと同等もしくはそれ以上の事がある)のだと。
箱庭に招待された時とはまるで違うその感覚は、もはや言葉で表現出来る御技ではない。
遠く薄明の空にある星は只一つ。緩やかに世界を水平に廻る、白い太陽のみ。
まるで星を一つ、世界を一つ創り出したかのような奇跡の顕現。
唖然と立ち竦む三人、そして笑みを浮かべた覇瑠徒に今一度、白夜叉は問いかける。
「今一度名乗り直し、問おうかの。私は”白き夜の魔王”―――太陽と白夜の星霊・白夜叉。
おんしらが望むのは、試練への”挑戦”か?それとも対等な”決闘”か?」
魔王・白夜叉。少女の笑みとは思えぬ凄味に、再度息を呑む三人そして続けて思う覇瑠徒。
(これくらいでどうこう思っていたら限がない)
覇瑠徒こんな事を思うのは覇瑠徒が飛鳥・耀そして十六夜よりも特殊な環境の世界に居たからであろう。
”星霊”とは、惑星級以上の星に存在する主精霊を指す。妖精や鬼・悪魔などの概念の最上級種であり、同時にギフトを”与える側”の存在でもある。
十六夜は背中に心地いい冷や汗を感じ取りながら、白夜叉を睨んで笑う。
「水平に廻る太陽と………そうか、白夜と夜叉。あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことか」
「如何にも。この白夜と湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤の一つだ」
白夜叉が両手を広げると、地平線の彼方の雲海が瞬く間に裂け、薄明の太陽が晒される。
”白夜”の星霊。十六夜の指す白夜とは、フィンランドやノルウェーといった特定の経緯に位置する北欧諸国などで見られる、太陽が沈まない現象である。
そして”夜叉”とは、水と大地の神霊を指し示すと同時に、悪神としての側面を持つ鬼神。
数多の修羅神仏が集うこの箱庭で、最強種と名高い”星霊”にして”神霊”。
彼女はまさに、箱庭の代表ともいえるほど―――強大な”魔王”だった。
「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤………!?」
「如何にも。して、おんしらの返答は?”挑戦”であるならば、手慰み程度に遊んでやる。―――だがしかし”決闘”を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」
「…………っ」
飛鳥と耀、そして自信家の十六夜でさえ即答できずに返事を躊躇った、だが覇瑠徒だけは違った。
白夜叉が如何なるギフトを持つかは定かではない。だが覇瑠徒はだからこそ、お互いがお互い全く知らないからこそ、相手の力を自分の強さを知りたかった。
そして言い放った。
「その”決闘”乗った!!…………」
やっとオリジナルな要素を多く入れられそうです。
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次回は今週の土曜か日曜に上げるかもです。