輸送船員が鎮守府に着任し(誘拐され)ました!これより(深海棲艦の)艦隊の指揮を始めます!   作:風月 雪桜

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すみません、投稿遅れました!
SAN値の減りそうなTRPGのシナリオ考えたり、イベント攻略したりと忙しくて...


企み

その後、俺は薄暗い牢屋に放り込まれ、毎日のように繰り返される拷問を受け、身も心も奴等に洗脳され...

なんて、ベタ(?)な展開になると覚悟したのだが、そんなことはなく時雨と不貞腐れた夕立に泊地を案内して貰っている

 

「ここはドックだよ

そして、あそこは工廠」

 

へぇ、本当人類側の泊地と全然変わらないな

資料室も食堂も売店もあるし

 

そして、何よりも妖精さんまでいる

時雨によると妖精さんがいないと開発や建造、出撃にも影響を及ぼすとか

つまりこの戦争は妖精さんの妖精さんによる妖精さんのための戦争だったのか...(錯乱)

 

時雨が工廠のドアを開ける

中にも工廠妖精さんがうろちょろしていた

 

一人...一匹?まあいいや、とにかく妖精さんが俺達に気がつく

 

「あ、時雨さん

頼まれていた建造全部完了しました

あれ?なんで人間が?」

 

時雨は妖精さんにお菓子を手渡しながら、時雨は話す

 

「この前話した作戦が成功したんだ」

 

「なるほど、提督になる人ですね

 

提督これからよろしくお願いいたします」

 

「ちょっと待て

俺は提督になんかならないからな!」

 

「時雨さん

本人はそう言っていますが?」

 

「ふふ、彼は仲間思いだからね

きっと同僚や艦娘達を傷つけたくないんだよ」

 

時雨は俺の心を見透かすような目で見つめる

 

一体、なんの根拠があってそんなことを言うんだろう?

まあ、事実なんだが

 

「所で時雨、夕立はいつまで不貞腐れるんだ?」

 

不貞腐れてなんかないっぽい!という発言はスルーする

 

「さあ?

君が提督になるまでじゃないかな?

少なくとも三日は不機嫌なままだと思うよ」

 

なん...だと...

不機嫌な夕立を三日も見れるだと...

なんと俺n...ゲフンゲフン紳士達にメシウマなんだ

 

「なるほど、それは実に困るな」

 

時雨はジト目で見つめてきたが溜め息をつくと

 

「だったら、早く提督になればいいよ

なんだったら、今すぐにでも」

 

「遠慮しておく」

 

その時ドアが開き、二人が...いや、一人と一隻というべきか?

そこには、春雨とタ級が立っていた

 

「......」

 

《......》

 

俺とタ級は偶然目が合いお互いに固まる

 

「......」

 

《...あ、あの...?》

 

しゃ、しゃべったぁー!?

か、片言っぽいけど、タ級とかも話すのか...

 

「わ、私は橋本 公太です

よろしくお願いいたします」

 

「私は春雨です、はい

輸送作戦はお任せください...です」

 

《私はタ級です

一応違う名前もありますが、タ級と呼んでください》

 

「あ、はい

分かりました...」

 

俺と春雨とタ級の自己紹介が終わった時、ぐぅーという音が工廠に鳴り響く

 

『......』

 

「夕立...お腹空いたなら俺がなんか作ってやろうか?」

 

夕立は顔を真っ赤にし、手を振り回して反論する

 

「夕立じゃないっぽい!!」

 

「じゃあ、夕立は要らないか

他の奴は食べるか?」

 

「食べようかな」

「あ、はい、ありがとうございます」

「私は用事があるので...」

《私も用事がありますから...》

 

妖精さんとタ級は無理みたい...仕方ないね

特に妖精さんとは仲良くなって、脱出手段を聞き出したり作って欲しかったんだがな

まあ、いい

時雨達と仲良くなって油断した所を隙見て逃走しよう

折角だから、資料室の資料を漁って情報を仕入れておこう

人類側に有利になりそうな情報を手に入れられればいいが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督さんはトゥーロー・ルディ、スコーン、シュークリームを作りテーブルに並べる

 

おいしそうっぽい...

あ、夕立もお皿とか出すの手伝おっと

 

棚から小皿を出す

えっと?

私と...提督さんと...時雨と...白露と...村雨と...春雨と...三日月ちゃんの分だから...8枚っぽい!

 

慎重に小皿をテーブルに運ぶ

 

カチャ

小皿をテーブルに置くと提督さんが頭を撫で撫でしてくる

とても、安心できる不思議な手...でも、提督さんの顔をチラリと見たら何故か少し淋しそうな顔だったっぽい...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがトゥーロー・ルディだ

ハンガリーの国民的スイーツで、独特な風味が特徴なんだ

 

これは言わずも知れたスコーンな

これはシュークリーム」

 

「トゥーロー・ルディは聞いたことがないね

ちょっと楽しみだ

 

それにしても、上手だね

僕もたまにシュークリーム作るけど、失敗することが多くて...」

 

「コツさえ掴めれば案外簡単に作れるもんだぜ

ってあれ小皿が一枚多いな...」

 

俺は小皿を一枚棚に戻す

 

その間に元艦娘達は食べ始めていた、少しは人を待とうか?

 

「うまひ...

提督がこんなに美味しいお菓子を作れるなんて...」

 

「提督じゃないけどな」

 

「提督、今度村雨のちょっといいお菓子、作って上げますね」

 

「だから、提督じゃない」

 

全く一々反論するのも面倒だが、こうしないと提督だと認めてしまうことになるからな

 

「ふふふ、司令官大変そうですね

あ、おいしい!」

 

「三日月も司令官って呼ぶな!

ったく、いっそ日本で深海棲艦の提督を募集すりゃいいじゃないか?

美少女や美女の部下がいますって付けといたらバカみたいに集まるよ、多分」

 

「あはは、面白い冗談だね

まあ、ミンチにならず、無事に泊地まで辿り着ければ提督になれるんじゃないかな?」

 

時雨は微笑みながら、物騒なことを言う

いくらか部屋の温度が下がった気がする

 

やっぱり、人間は嫌いなのか

下手に詮索すると殺されかねないし、あまり詮索するのはやめるか

 

時雨がスイーツを口にする

何処か取り繕ったような笑みが自然な笑みに変わる

 

見てると普通の艦娘と変わらないんだけどね...

あ、そうだ

スマホで写真を取ろう

あくまでも、情報収集だからね、うんうん

 

俺はスマホをポケットから取り出す

 

その時、手をガシッと掴まれる

 

「時雨くん、手を離してくれないかな?」

 

「提督...?

何を取り出すつもりなのかな?

 

夕立は大事な妹なんだ

変なことはしないでよ?」

 

「変なことってなんだよ?

俺がするわけないだろ」

 

「へぇ...?」

 

「なんだ、その目は!」

 

夕立は水面下で起こる戦いに気が付かないのか、俺と時雨の会話を不思議そうに聞いていた




最後まで読んで下さりありがとうございます!

余談ですが、夕立は改二になる前の姿で時雨は改二の姿です
伏線?がいくつか張られていますが、回収するのは後の方になりそうです

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