輸送船員が鎮守府に着任し(誘拐され)ました!これより(深海棲艦の)艦隊の指揮を始めます!   作:風月 雪桜

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始めません!!

「と、とりあえず、どいてくれませんか?」

 

「分かったっぽい~」

夕立は直ぐ退いてくれる

 

本当、心臓が破裂するかと思ったよ

だって、美少女が起きたら目の前にいるんだぜ?

 

服は輸送船に乗っていた時と同じで、大切なロケットも無くしていなかった...良かった良かった

それにしても、姫級に襲われたのによく生きていたな俺

 

「時雨に起きたら執務室に連れてきてって言われていたっぽい!」

 

「あ、そうなのですか

なら行きましょうか」

 

断る理由もないし、見た感じ鎮守府や泊地っぽいから提督に挨拶とお礼したいし

 

夕立の後を付いていく

本棟は一階建てみたいだな...

 

途中春雨とすれ違い執務室につく

 

コンコン

 

「どうぞ」

 

「失礼するっぽい」

「失礼します」

 

中では時雨が一人執務机で書類を処理していた

 

「あ、起きたんだね

僕は時雨

これからよろしくね?」

 

よろしくという言葉に引っ掛かるが、とりあえず挨拶する

 

「私は橋本 公太です

よろしくお願いいたします

 

所で、提督はどちらに?」

 

時雨は、不思議そうに首を傾げる

「提督はいないよ?」

 

「え!?」

 

提督がいない鎮守府や泊地なんて聞いたことがない

まだ着任していない?いや、だったら俺がいるのは可笑しいし、ちゃんと鎮守府として働いてないはず

 

時雨は訝しげに夕立に質問する

 

「もしかして、夕立説明してない?」

 

「ぽ、っぽい?」

夕立はそっぽをむく、可愛い

 

「僕説明してから来てって言ったよね?

はぁ...まあいいけど...」

 

そう言って、時雨は艤装を展開する

それを見た夕立も艤装を展開する

 

艦娘の艤装...ではなく禍々しい深海棲艦の艤装を

 

え...まさか...俺助かったんじゃなくて、誘拐されたのか...!?

 

「見て分かると思うけど、僕達は深海棲艦なんだ」

どうやら俺を襲ったのは夕立(?)みたいだ

というか、俺深海棲艦の姿だったとはいえ嫁艦だと見抜けなかったのか...一生の不覚...

 

「君を拐ったのは、君に僕達の提督になって指揮して欲しいからなんだ」

あー、俺どうなるんだろ?

同僚は深海棲艦が溺れる人間を食べているのを見たことあるらしいから、喰われるのかも...

あ、でも夕立(?)に喰われるのだったらいいかもしれない

 

「僕の話ちゃんと聞いているかい?」

 

「ん...

あ、ごめんなさい、少し現実逃避していました」

 

「結論から言えば、僕達の提督になって欲しいんだ」

 

......ゑ?

今時雨(?)がとんでもない事を言ったように聞こえたぞ!?

 

「すみません、聞き間違えてしまったようなのでもう一度言って貰えませんか?」

 

「僕達の提督になって欲しいんだ」

 

聞き間違えてなかったー!?

深海棲艦の提督だなんて聞いたことがないよ、ふざけるな!

 

「済まない、理解が追い付かないからいくつか質問させてくれ」

 

「分かったよ」

 

一呼吸おいて俺は質問する

 

「まず、ここは何処ですか?」

 

「ショートランド泊地だよ」

 

ショートランド泊地...確か俺が輸送船員になった頃壊滅した泊地...だったはず

奪還したという話は聞かないし(というか本土もちょくちょく攻撃されてるし)

思いっきり敵の勢力圏じゃないですか、やだー

 

「...分かりました

次の質問は......貴女達は何者ですか?

深海棲艦なのですか?

なら、何故艦娘と同じ姿をしているのですか?」

 

「......僕達は元艦娘なんだよ

ニンゲンの指揮で轟沈してしまって、深海棲艦になったんだ」

 

「......だったら、何故人間の私に提督になって欲しいと言うのですか?」

 

「それは君自身がよく分かっているんじゃないかな?

後、敬語に慣れないなら止めなよ?」

 

思い当たる節がない...と言いたい所だが、正直いくつかある

どれが理由なのかは分からないが...

 

「そもそも、深海棲艦に提督は必要あるのか?」

 

「僕達は短期的な作戦を考えることは出来ても、長期的な作戦を考えることは慣れてないんだ...

だから、君が提督になって長期的な作戦を考えてくれないかな?」

 

黙って俺と時雨の話を聞いていた夕立もコクコク頷いている

 

なるほど...

だが、俺は深海棲艦の提督なんかなる気はない

彼女達は虐げられ、辛い思いをしたのかもしれない

でも、俺は只の輸送船員だし

同僚や艦娘を殺すために指揮をするなんて考えられない

 

「残念だけど、俺は深海棲艦なんかの提督にはならない

不服なら、煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

 

夕立が驚いたように話す

「なんで!

提督さんなら、優しいからきっと提督になってくれるって時雨が──フグモグ」

 

夕立の口が時雨によって塞がれる

代わりにニコリと笑って時雨が話す

 

「直ぐに提督になって貰えると思ってないよ

どんなに時間がかかっても、()()提督になって貰うから、大切な提督に...ね?」




最後まで読んでくださりありがとうございます

朝潮が改二になって歓喜してます!
今は潮と皐月とサラトガと川内を練成しています
まだまだ、練成したい娘が多くて誰から練成するか迷っています!(笑)

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