やはり、ゆるくてもゆりなのはまちがっている。 作:U.G.N
ほんと、こいつら喋ってばっかで全然進もうとしない!
前回の後書きでごらく部と八幡、小町がご対面とか言ってたけど、いや、嘘じゃない。最後にちょっとだけ出るから、ギリセーフ!
まぁ、とにかく、始まります。皆さんご一緒に
京結ち「アッカリーン!」
あかり「はーい!ゆるガイル。はーじまーるよー!」
あかり「あれ?今回は何もないの?」
京子「いや、あかりが前回、早く始めろって言ったんだろ?」
あかり「あっ、そうだったね。あかりってばすっかり忘れてたよ」
京子「しっかりしてくれよ。そんなんだから、あかりはいつまでたってもあかりのままなんだよ」
あかり「あかりはいつまでたってもあかりだよ!?ねぇ!京子ちゃん!」
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売り切れ ピッ
八幡「あ」
結衣「え?」
売り切れの文字を見てつい声が漏れてしまい、4本目のマッカンを取ろうとしていた少女が俺の方を見る。
結衣「あ、すみません。すぐ退きますね?」
どうやら、少女はマッカンが売り切れたことには気付いた様子はなく、俺に早く場所を譲ろうとしてくれているようだ。
マッカンを取りだし、すぐに横に移動してそこで財布を鞄にしまっている。
さて、場所を譲ってもらったはいいが、マッカンがなくなってしまった。何にしようか迷っていると、あっ、と横から声がする。
結衣「すみません。もしかしてコレでしたか?」
俺が迷っているのを見てマッカンが売り切れになっているのに気付いたのか、自分の持っているマッカンを1本差し出してくる。
結衣「よかったら、これどうぞ」
八幡「え?いや、あー……」
結衣「大丈夫ですよ。友達に頼まれて買っただけなので」
なんだ、友達の分だったのか。マッカン大好きっ娘かと思っちゃったじゃないか。
八幡「いや、それなら尚更マズイだろ。友達の分がなくなっちまう」
結衣「1本は私のなので、ご心配なく」
八幡「そうか、じゃあありがたくもらっておくよ。悪いな」
結衣「いえ、4本も買ってしまったのはこっちですので」
八幡「それで?どれがいい?」
結衣「?何がですか?」
少女は頭の上に?を浮かべ首を傾げる。可愛いなおい。
八幡「いや、さっき友達と自分の分って言ってたじゃねーか。このままじゃ自分の分なくなっちまうだろ?」
結衣「いや、いいですよ。気にしないでください」
八幡「そういうわけにもいかねーよ。今初めて会ったばかりの女の子におごってもらった形になっちまうし。さすがの俺もそこまで人間腐ってねーよ」
結衣「いや、でも」
八幡「それに俺は、将来専業主夫として養ってもらう気はあっても、施しを受ける気はないからな」
結衣「……プフッ、なんですかそれ」
おお、生まれて初めて女子から笑いがとれた(嘲笑の経験はあり)。まぁ、特に受けは狙ってないんだけど。
結衣「それじゃあ、緑茶で」
八幡「はいよ、緑茶な。そういえば、小町も緑茶って言ってたな」
結衣「小町?彼女さんかなんかですか?」
八幡「へ?あ、いや、妹だよ妹」
びっくりした。独り言のつもりだったのにわざわざ返事してくれるなんて、なんていい娘なんだ。
俺が自販機に200円入れ、緑茶のボタンを押すと、緑茶が落ちてくる。
売り切れ ピッ
八結「「あ」」
えっと、いやさすがにここは渡した方がいいだろう。
俺はそれが当たり前の如く、クールに緑茶を彼女に渡す。
八幡「ほ、ほらよ。緑茶だ」
結衣「いやいや、大丈夫ですよ!妹さんも緑茶なんですよね、私は大丈夫ですから!」
八幡「いや、さすがにそれは……」
結衣「あー!やっぱりコーラ!コーラが飲みたくなってきました!コーラお願いしていいですか?」
八幡「お、おう」
俺にここまで気を使ってくれる女子、いや人間初めてだな。うっかり惚れて、告白して、振られるとこだった。振られちゃうのかよ。
俺はコーラを買って、彼女に渡す。
八幡「ほら。本当にいいのか?小町ならココアとかでもいいと思うぞ?」
結衣「いえ、正直緑茶は何となくでしたので大丈夫です」
八幡「そ、そうか」
しかし、第1希望だけでなく第2希望まで俺たち兄妹にもっていかれるとは、申し訳ないな。
そんなことを思っていたらプシュッっと、コーラの開く音がする。あれ、ここで飲み始めちゃうの?これは、俺はまだ行っちゃダメなのん?
結衣「ていうか、コーラは売り切れてないのにMAXコーヒーと緑茶は売り切れなんて、もしかしてMAXコーヒーってコーラより人気なんですかね?」
これは、俺に聞いてるのかな?聞いてるでいいんだよね?答えたら、「は?聞いてねーんだけど?」とか言われないよね。
しかし、この口振りから言ってきっと彼女は千葉県民ではないのだろう。大体千葉県民なら、コーラよりMAXコーヒーの方が人気なんて誰も言わないだろうし。
八幡「いや、それは多分逆だな」
結衣「逆?」
八幡「コーラやいろはすなんかは、人気だから毎日補充してんだろ。でも、緑茶は置いといて、MAXコーヒーなんかはそこまで人気でもないから毎日補充する必要がないんじゃないか?だから、2日とか3日とかかけて売り切れたんだと俺は思うぞ。多分。知らんけど」
結衣「ああ。なるほど。いや、納得はしたんで、最後のはいらなくないですか?」
八幡「いや、あくまで俺の予想でしかないからな。無責任なことは言えん」
結衣「でも、それ当たってると思いますよ」
八幡「まぁ、マッカンはかなりの甘党か、コーヒーを飲んでみたいと思ってる子供ぐらいしか好んで飲まないだろうしな」
結衣「さすがにそれは言い過ぎなんじゃ……、いやでも、コーヒーは大人の飲み物って思ってそうな奴、友達にいました(あかり)」
マッカン談義に花が咲きそうになるが、いつまでもここにいるわけにもいかない。
俺にも帰りを待っている人がいるのだから。
(※小町です)
八幡「それはそうと、友達が待ってるんじゃなかったか?」
俺の言葉にハッとなる彼女。
結衣「そうでした。では、私はこのへんで。コーラ、ありがとうございました」
八幡「いや、お礼を言うのはこっちだ。マッカンと緑茶、助かった」
お互いにお礼を言っているとき、俺の来た方から天使が歩いてくるのが見える。
小町「お兄ちゃん、遅ーい。こんなに待たせるなんて、小町的にポイント低、い……よ?」
小町が、そんなことを言いながら歩いてくる。何で疑問形なんだよ。すると、小町とは反対の方からも声がする。
京子「結衣ー。なにやってんの?遅いから、迎えに来ちゃった、じゃ……ん?」
小町と同じような、何か信じられないものを見るような顔をした金髪少女がそんなことを言う。だから、何で疑問形なんだよ。ついでに、後ろにいる赤髪とピンク髪の少女も同じ表情だ。
京子「…なん……だと」
小町「お兄ちゃんが……」
京子「結衣が……」
小京「「知らない女の子(男の子)と喋ってるぅぅぅ!!!!!」」
本当の初めに思い付いた1話目がここまでです。
でも、さすがに長いなと思い、2話に分けようと思って書き始めて、3話になりました。
なんでやねん!
とにかく、まだ、互いの名前も知らない状態で3話が終わってしまいましたが、次回は自己紹介もすると思います。多分。
あと、作品のあらすじのところでゆきのんとガハマは出ないって書いてありますが、もし、八幡が高2になるまで続けられたら出ます。続けられたらね。
とにかく、次回もお楽しみに。
ご感想お待ちしております。