実況パワフルサッカー ~聖ライカ―学園 全国までの日々~   作:希望の光

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第10話:VS.征佳第一高校

夏の大会もいよいよ準決勝に差し掛かろうとしていた。本日の第一試合はパワフル高校が3―1で決勝への駒を進めた。

 

鞍「泉、この間の試合はどうだった?」

 

泉「えっ!鞍馬監督もいたんですか?」

 

鞍「お前らとは違って私は特等席にいたからな。お前らがいたのくらいわかる。」

 

特等席なんてあるんだ...

 

鞍「それで、どうなんだ?」

 

泉「僕的にはディフェンスからカウンタ―をすれば勝てるかと。」

 

鞍「私もそれを考えていた所だ。」

 

それくらいしか勝てる方法が無いよな...

 

小「俺達も昨日対策を練っていたんだが、それくらいしか思い付かなかったな。」

 

んじゃ全員一致か。

 

鞍「よし、作戦は分かったな。二年生!お前らが中心に行くんだぞ!決して消極的にはなるなよ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

泉「....木下(キノシタ)さん...キ―パ頼みますよ!」

 

木「おう!任しとけ!」

 

鞍「スタメンだ!

GK:木下

LSB:伊場野

CB:花散院

CB:片岡

RSB:矢部坂

DMF:吉川

LMF:二宮

OMF:小林

RMF:本郷

ST:泉

CF:北野

以上!」

 

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」

 

小「よし!気合い入れて行くぞ!」

 

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」

 

審「両高校は入場してください。」

 

皆ワクワクしていて緊張している。そんな顔だった。

北野は意気込んでいる感じがするけど。

 

 

 

 

 

ア「...ふう、そろそろだね。松本君。」

 

松「まあ勝てるんじゃないの♪この高校なら。」

 

ア「...あの吉成息子が征佳第一に要るんだ。彼に勝つのは大変だろう。」

 

松「吉成か...懐かしいな...」

 

そう...俺達は全国の決勝で吉成率いる高校と戦った。かなりの実力だったな...

 

吉「俺の息子が何だって?」

 

「「吉成⁉」」

 

吉「よう、...久しぶりだな。」

 

坂口吉成(サカグチ ヨシナリ)弱小高校を全国レベルに一人で率いた男。

その高校が現在の海皇山高校なのだ。

 

松「久しぶりだねぇ、まさかこんな所で会うなんて。」

 

吉「それはこっちの台詞だ...正直、今日の試合はどちらが勝ってもおかしくないよ。」

 

ア「俺達は見守るだけだな♪」

 

吉「バカ言え。お前はスカウトだろ。」

 

松「そうだそうだ―仕事しろ―」

 

松本...お前は子供か!

 

ア「おっ、始まるぜ。」

 

 

 

 

 

審「それでは征佳第一高校の先攻で試合を始めます!」

 

 

ピ―!

 

坂「田口さん!」トン!

 

田「任せとけ!」

 

花「させるかぁぁ!」ズザッ!

 

田「あらよっと。」クルッ!

 

花「っ...」

 

伊「任せろ!」

 

田「何っ⁉」

 

伊「よし!小林先輩!」トン!

 

小林先輩...よい位置に居たな...

 

小「よっしゃ!上がれ!」

 

本「へい!」

 

小「おう!」

 

ズザッ!

 

何だって⁉今のを奪取かよ...

 

泉「吉川!ディフェンスだ!」

 

吉「うん!」

 

トン!

 

坂「ナイスパス」

 

花「今度こそは!」

 

坂「ふっ!」

 

片「まだまだ―!」ズザッ!

 

坂「そらっ!」

 

くっ...動きが良すぎる...

 

坂「いっけぇ―!」トン!

 

木「ここまでは想定内だ。だから...」ビュバッ!

 

坂「何っ⁉」

 

木「...俺達をあまり舐めるなよ...泉!」バン!

 

うわぁ...相変わらずスゲ―脚力だな...

 

泉「ナイスパ―ス」

 

これは四人抜いてクロスだな。

 

 

 

 

ア「いや―この地区実は強いんじゃない?あんなハイレベルな戦いなんて全国であるかな?」

 

松「そりゃ最近は海皇山が最強過ぎるからな...」

 

あの強さは異常だ...全員がトップクラスの選手で一番努力している高校だ。それに勝つなんてかなりの実力が無いと無理だろう。それにうちの高校は同点だった...訳では実際はない。あれは海皇山の育成チ―ムに過ぎない。まあ桜羽、郷田、安芸山は違うだろうけれど。

 

吉「この地区の奴は海皇山の真の実力を知らない奴がほとんどだ。まあ泉君位は気づいているらしいけれど。」

 

昔はこんなに強くは無かったのになあ...

 

 

 

泉「矢部坂君!へい!」

 

矢「りょ―かいでやんす!」トン!

 

おっ、良いロングパスだ...どこに攻めるかな...

 

坂「よっ」ズザザザザ

 

泉「⁉くっ!」クルッ!

 

あ...危ねぇ...全く隙がないな。

 

泉「小林さん!」トン!

 

田「させるかいな!」ズザッ!

 

...あのパスが取られるなんて...

 

田「うぉぉぉ―!」バン!

 

木「良いシュートだ...だけど!」パン!

 

田「っ...」

 

あのシュートが取られた⁉

 

木「こっちは三年生抜きだからって負けるわけには行かないんだ!」

 

ピ―!

 

花「前半終わっちゃったね。」

 

矢「どっちも良い動きをしているでやんす...」

 

鞍「そうだな。ディフェンスからカウンタ―をすることは想定しているのかも知れないな...」

 

どうすれば良いんだ...このままだと下手すりゃPK戦になっちまう...

 

北「一点取れば問題ないんでしょ?」

 

泉「そりゃそうだけど...取れるのか?」

 

北「問題無いね、一点なら。」

 

スゲェ自信だな。今回は本当みたいだ。

 

鞍「消極的には行くなと言ったがこれは一点取った方が勝つだろうな。」

....でもそれもおそらく高橋なら想像済なんだろうな...ここは北野を信用するしかないか...

 

小「じゃ、出来るだけ北野にパスをするよ。」

 

北「わかりました!頼みますよ。」

 

何か作戦があるのかは誰もわからない...だがここは北野を信じるしか方法が無いと理解したのだろう。

 

泉「それで、作戦は?」

 

北「当たり前の事ですが...無回転シュートを使おうかと。」

 

あ、忘れてたわ...

 

「「「「「「「「「「「最初からそうしろ!」」」」」」」」」」

 

北「ひぃっ...」

 

流石に北野がかわいそうになるな...

 

藍「まあ頑張ってね!」

 

ナイスフォローだ藍原。流石マネージャ―だ。

 

 

鞍「よし、そろそろだから行ってこい。」

 

小「はい。」

 

 

ピ―!

 

後半開始の笛が鳴る。後半は俺達からのボ―ルから始まる。

 

泉「小林先輩!」トン

 

小「おう!」

 

小(さて...ここは...)「二宮!」トン!

 

二「おう!小林ナイスパス!」

 

二(んじゃセオリー通りに行きますか。)「北野!」バン!

 

二宮は考えていた...北野にはあらかじめマ―クが入ることを予想していて北野と話していた...

 

『前に突っ込む』と...

 

北「くっ」ダダダダダダダダ

 

泉(上手い!)

 

北「よっ!」ザシュッ!

 

高(今のシュートは少なくともうちのキ―パは捕れないな...前に突っ込むシュートは体重移動が難しい筈なのに...)

 

クルクルクル スパ-ン

 

北「よっしゃ!」

 

泉「ナイスプレー!」

 

花「試合はまだ終わってないよ!喜ぶのは終わってから。」

 

ごもっともです...

 

 

 

 

 

ア「どうやら勝負は決まったようだな...」

 

吉「ああ...残念だか息子のいる高校の負けだ。あのCFのシュート、あれは努力の塊だな。」

 

無回転シュートは定着するのにはかなりのセンスと努力が必要だ...

 

 

 

 

 

小「残りわずかだ!全力でディフェンス!」

 

矢「了解でやんす!」

 

北「へい!カウンタ―!」

 

矢「やんす!」バン!

 

ピ―ッピ―ッピ―....

 

 

北「やったぞ―!」

 

花「やったね!これで決勝進出だ!」

 

藍「皆前に比べて動きが良くなってますね♪」

 

 

 

鞍「良い試合だった。ありがとう高橋。」

 

高「流石に聖ライカ―には勝てなかったか...だがこれで俺達の地区の見られ方も変わったかもな。」 

 

鞍「まあ今の二年生と一年生、中学三年生はサッカーの黄金世代らしいからな。来年は更に良くなるのではないか?」

 

高「そうだな...来年はリベンジするからな!覚悟しとけ!」

 

鞍「そうだな...また来年だ。」

 

 

 

 

 

泉「よう坂口!久しぶりだな!」

 

坂「おう...泉か...」

 

泉「どうした?」

 

坂「いや...お前達は相変わらず強いなと思ってな。」

 

泉「それを言うならこっちの台詞だっつ―の。全くお前には驚かされるぜ。ついこの間まで怪我をしてたとは思えないな。」

 

坂「ありがとう...やっぱ悔しいがそれがサッカーの良いところだよな。....海皇山からの推薦、貰ったんだろ?」

 

泉「お前もだろうが。」

 

坂「まあな...海皇山には良い選手がたくさんいるからな。楽しみだったんだが...」

 

泉「...怪我か?」

 

坂「まあ、それもあるんだけれどよ。なんというか、自分の力で勝ちたくなっちまってよ。」

 

泉「それなら俺と一緒だな。やっぱ自分の力で勝たないとな♪」

 

坂「ああ、次の試合...見に行くぞ。」

 

泉「おう!ありがとうな♪」

 

次はパワフル高校か...全国が掛かっているんだ、一つのミスも許されないな...

 


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