ダンジョンに人形が挑むのは間違っているだろうか(仮)   作:kaikai9032

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投稿遅れてしまいすみません。
理由としてはネットの調子が悪かったのと、入学の準備が忙しかったからです。
これからまた1年ほど続くかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、ダンジョンに人形が挑むのは間違っているだろうか
お楽しみください


第5話 家族

第5話  人形が家族を持つのは間違っているだろうか

 

 

あれから半年がたった·········今シズクは17階層に来ていた。

なぜ半年で此処まで来れたかと言うと、それは心の壁のおかげだった。

心の壁で出る壁はLv2の攻撃を完全に防ぐほどだった。

 

最初のうちは、ゴブリンの攻撃を防ぐ程度だったが、その硬度は日に日に増していき、

遂には、ミノタウロスの、全力の突進すらも止めてしまったのだ。

 

さて、ここでシズクがなぜ17階層にいるかというと、それはもちろん階層主《ゴライアス》と戦う為だ。

 

階層主とは、上層、中層、下層、深層、と分けられるダンジョンの、上層を除く、全ての層の最深部に存在するいわば中ボスのようなものだ。

そしてその階層主は中ボスということもあり、その他のモンスターに比べ、圧倒的な強さを誇っている。

 

そのなかで、中層の階層主であるゴライアスは階層主の中では最も弱いモンスターだ。

しかし、それはあくまでも、()()()()()の話である。

 

ゴライアスのレベルは4、ミノタウロスのレベル3に届くか届かないかというのが中層の最高レベルだ。

これは冒険者にとって絶望的な差だ。

 

ゴライアスは本来、何十人もの冒険者が力を合わせ、数時間かけて倒すものだ。

 

それをシズクは一人で倒そうとしている。

 

シズクはこの半年で一部の感情を取り戻した。

それはロキファミリアのお陰だ。

それと同時に、ロキファミリアはシズクにとって、命より大切なものになってしまった。

元々シズクにとって自分の命は重い物のでは無かった。

そこにロキファミリアという、かけがえのないものが出来たことにより、シズクはロキファミリアの役に立ちたいと思ってしまった。

そしてその方法が、レベルアップだった。

 

 

 

「········ここが···17階層···」

 

シズクが周りを見渡していると、何かに亀裂が入る音がした。

音がした方を向くと、今にも割れそうな水晶と、その水晶の中にいる巨人が其処にあった。

そして

 

 

 

 

 

―――――バキッ!!!―――――

 

 

 

 

 

 

その音を境に水晶は砕けちり、中に居た巨人、ゴライアスはダンジョンに生まれおちた。

そしてシズクを見つけ、耳の裂ける様な咆哮を放った。

 

 

 

「ウオオオオォォォォォォ!!!!!!!!!」

 

「·····これが·····ゴライアス······」

 

そしてシズクが瞬きをした瞬間、ゴライアスの腕が直ぐ目の前に迫っていた。

 

シズクは壁を張ったが、その壁は破られ、シズクは消し飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴライアスが、シズクが死んだのを確認し、元の場所に戻ろうとしたとき、

 

シズクの体は()()した。

 

 

「······これが······レベルの差·······全く····見えなかった······でも」

 

「オオォォォォ!!!」

 

「来るとわかっていて··避けれ無いほど····弱くない····」

 

そう言いシズクは、真横に跳び、ゴライアスの腕を切りつけた。

しかし、

 

「·····硬い!!」

 

「オオォォォォ!!!」

 

「っ!?」

 

シズクは再び消し飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ···はぁ···!!」

 

 

あれから一時間、シズクは異変を感じていた。

 

(体が再生する度に、体が重くなっていく····)

 

シズクのスキル、痛みを感じず、何度でも再生するという能力、一見、最強に見えるこの能力は弱点がある。

それは、痛みを感じないというのはスキルの効果であって、実際は脳は痛みを感じているのである。

 

 

こんな話を聞いたことは無いだろうか?

会社に通っていたサラリーマンがある日、自転車から転け、おもいっきりガードレールに右足をぶつけた。

急いでいたサラリーマンはすぐに立ち上がり、またペダルをこぎ始めた。

そこでサラリーマンは右足を見るべきだった。

 

三十分ほどこいで足を着こうとしたとき、サラリーマンはバランスを崩して倒れてしまった。

不思議に思ったサラリーマンは、そこで初めて自分の右足が無いことに気がついた。

そして初めて激痛が走った。

 

この話で判ることは、人間は認識しない限り痛みを感じない、ということだ。

 

では、シズクの場合はどうだろうか?

シズクの場合、認識はしている、だが痛みは感じない。

 

痛みを感じないのに、脳は痛みを感じている。

この矛盾がシズクの弱点となる。

そして、

 

 

 

 

 

矛盾に耐えきれなくなった(本能)は遂に、

 

「っ!?体が······動かない!?」

 

――――壊れる――――

 

 

 

 

 

 

(体が動かない········ここで死ぬ?)

 

シズクが諦めかけたその時、ヘルに言ったことを思い出した。

『いろんなことを探す』

 

(そうだ、約束した······っ!?·····まだっ····死ねない!!)

 

 

 

―――――ドクン!!!―――――

 

 

その瞬間、シズクは時が止まった様な感覚になった。

 

(体が軽い·····時が止まって見える······)

 

(今なら······いける······)

 

(ゴライアスの体は·····人間と同じ········魔石は·····心臓部分·····)

 

(距離は7m······とどく······)

 

(でも······まだ··········ゴライアスが攻撃する瞬間に···········コロス)

 

そしてゴライアスが腕を振り上げた瞬間、シズクはナイフを全力で投げた。

 

そしてナイフは、一直線にゴライアスの胸に向かい、魔石へと突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから先のことは覚えていない。

気がついたらベッドに寝ていて、2日経っていた。

 

 

「···········重い········」

 

シズクは起き上がろうとしたが、体が重く、動けなかった。

 

 

「シズク?」

 

「?」

 

「っ!?シズク!?起きたのか!?」

 

「リヴェリア?」

 

「シズク、大丈夫なのか?2日も寝込むなんて、何があったんだ?」

 

「············」

 

「頼む·····教えてくれ·········」

 

「·············ゴライアス·········」

 

「?」

 

「ゴライアスと戦った·········」

 

「なっ!?本当か!!?」

 

「·······うん」

 

「冒険者になってまだ半年しか経っていないんだぞ!?なぜそんな危険なことを!?」

 

「··············みんなの役にたちたかった········」

 

「!?」

 

「·········ゴライアスと戦ったら··········レベルアップできると思って······そしたら·······だれの迷惑にもならないと思って·········」

 

「シズク·········」

 

「·······ごめんなさい·········」

 

 

怒られると思っていたシズクは驚いた、なぜならリヴェリアに抱きしめられたからだ。

 

 

「リヴェリア?」

 

「シズク·········お前を迷惑だなんて、誰も思っていない······」

 

「え?」

 

「むしろ逆だ········お前が来てから·······前よりずっと·······みんなが明るくなった········」

 

「···········」

 

「それに·······みんなお前のことを心配している·········もちろん私もだ········」

 

「え?」

 

「ん?どうした?」

 

「··············今まで心配してくれる人が······いなかったから·······」

 

「何を言ってる?私たちロキファミリアのみんなは家族だろう?」

 

「·······家族?」

 

「ああ·······兄や姉と思ってもいいぞ?」

 

「·······兄や········姉·········」

 

「ああ、そうだ·····」

 

「········なら····リヴェリアは·····お姉ちゃん?········」

 

「っ!?私が姉か·········母ではなくか?」

 

「·······うん、お母さんはロキだから········」

 

「っ!?·····そうか·······ふふふ、そうか、姉か······」

 

「?」

 

「うん?···ああ、実はな、普段私は母親等と言われていてな·····」

 

「······なんで?」

 

「さぁ、それがわかったら苦労しないんだがな·······」

 

「······そっか·····でも、僕にとってリヴェリアはお姉ちゃんだよ?······」

 

「っ!?ああ、そうだな、私はお前の姉だ!」

 

「うん!」

 

「ああ、そうだシズク、起きれるか?」

 

「うん」

 

「そうか、なら今からロキのところにいくぞ?」

 

「?」

 

「ゴライアスを倒したなら、レベルアップしているかもしれないからな」

 

「!!」

 

「さぁ、いくぞ?」

 

「うん!!」

 

 

こうして二人はロキの元へと向かった。




最後の時が止まって見えたのは、不壊の人形の効果によるステイタスの補正です

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