ガールズ&パンツァー 逸見エリカの苦労日誌   作:まもる

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 今回も短いです。


二学期と言えば文化祭です!

 

 長かった夏休みも終わり二学期に入る。二学期と言えば、体育祭や文化祭などの行事が目白押しである。戦車道にも出し物をすることが既に決まっていた。

 

 そう、コスプレ喫茶である。

 

 発案者は何を隠そう裁縫科の生徒であり、聖グロリアーナ女学院との練習試合にパンツァージャケットを急ぎ手配したエリカさんでもある。

 

 だだ、問題もある。

 

 黒森峰から短期転入を果たした、お姉ちゃんやマリアさんの他にアンツィオからもアンチョビさんやカルパッチョさんがまだいたのだ。一応、戦車道の試合ばかりで学園での単位が全く足りてない理由でもあるが・・・・・

 

 さて、お姉ちゃんとマリアさんを見た裁縫科の生徒は目を輝かせながら、数人で拉致を敢行してサイズを採寸し急ぎ衣装を造り出したり、エリカさんを私達の自宅から拉致して着せる衣装を採寸したりと、何処に裁縫科が居るのか怖い為に戦車道の訓練ではない。そして、裁縫科の生徒は何を血迷ったのか愛里寿ちゃんまでも拉致られる始末だった。

 

 要は、生徒会も私達もいや、学園全体が裁縫科に頭が上がらないのだ。

 

 採寸した衣装をお姉ちゃんが着て、マイクを持たされ歌の練習やエリカさんと一緒にエリカさんの声の代わりに声をやるといった手の込み様に、ただ、見守るしかなかった。

 

 そして、エリカさんもお姉ちゃんの声を使って接客の練習だ。そして、エリカさんのコスプレの対になるコスプレをするのはマリアさんだった。

 

 「あら、紅茶が飲みたいわね。水銀燈、入れてくれるかしら?」

 

 「紅茶が飲みたいですって!?真紅、その前にジャンクにしてあげるわ!」

 

 やっぱり、そのネタなのかと思ってしまう。猫田さんも遂に拉致され着せられた衣装は銀河鉄道999のとあるキャラクターだったり、愛里寿ちゃんは愛里寿ちゃんでお伽話の不思議な国のアリスを着せられていた。

 

 そして、遂に私にも毒牙がやって来たのだ。

 

 教室を移動するために廊下を歩いて居ると、四、五人の生徒に取り押さえられたのだ。

 

 「「「「「西住みほ、確保!」」」」」

 

 「ムッ!?ム~ム!」

 

 「そのまま、裁縫科に運ぶわよ!」

 

 簀巻きにされ裁縫科の衣装室に拉致れた私に用意された衣装はフリフリの青をベースにしたアイドルの衣装だった。そして、肩に掛けられた襷には『ヒロイン党 福岡代表 鬼丸静』と書かれており、お姉ちゃんもノリノリでピンクのロングのカツラを被り、歌とダンスを練習していたのだ。

 

 「西住みほさん、コレを着て貰います!」

 

 「えっ?拒否権は?」

 

 「無いわ」

 

 用意された衣装にカツラ・・・・

 

 まさか、アイドル事変の鬼丸静を私にやらせるのだろうか'?

 

 隣では、お姉ちゃんが

 

 「ラクス様!」

 

 「いや、ミーア・キャンベルでしょ!」

 

 と揉めてる辺り、乗りと勢いで両方らやらされるのでは?

 

 と思ってしまう。

 

 

 結局、私も衣装を着る事になり、ダンスや歌の練習をさせられる事になった。

 

 そして、裁縫科の生徒は呟いていたのだ。

 

 いけにえは揃ったと・・・・・・・

 

 

 

 

 文化祭、当日

 

 戦車倉庫は喫茶店の様に彩られて様変わりする。

 

 まさか、優花里さんまで餌食になっていたなんて私も知らない。

 

 優花里さんのコスプレ姿はバンドリのアイドルバンドグループのパステルパレットの大和麻弥のコスプレをされていたのだから・・・・・

 

 そして、私を含めたコスプレ店員はというと・・・・

 

 ネタにされたのか杏会長は碇ゲンドウだったり、澤ちゃんはキミキスのとあるキャラクターだったりと最早、いけにえ状態だった。そして、メインを勤める店員は

 

 ローゼンメイデンの水銀燈をコスプレしたエリカやマリアさんのコスプレはエリカさんのコスプレである水銀燈のライバルでもありヒロインの真紅だったり、猫田さんは眼鏡が無しの状態が銀河鉄道999のメーテルに見えたのかメーテルのコスプレにされていた。

 

 お姉ちゃんは言うまでもなく、ガンダムSEEDのラクス・クラインのコスプレでマイクを片手にライブ担当にされていた。

 

 そして、もう一人は大洗女子の制服姿で忍び込んでいた聖グロのアッサムさんも裁縫科に捕まりオチョー夫人こと竜崎麗香のコスプレにさせられていた。

 

 そして、私はアイドル事変の鬼丸静だった・・・・・・

 

 結果から言えば、コスプレ喫茶は大盛況で大変だったが楽しかったと言える。

 

 特に、私とお姉ちゃんの生ライブが大盛況で黒森峰からお姉ちゃんを見に来た生徒が凄かった。

 

 

 堅物で有名だった、お姉ちゃんだけにコスプレで生ライブは黒森峰の生徒には刺激が強すぎたのかもしれない。黄色い声を出しては気絶したり、アイドルを見ているかのように盛り上がりお姉ちゃんが歌う歌を聞いていた。そして、扉から出て来た他校の生徒だと思っていたら、魔法科高校の劣等生でお馴染みの司波深雪のコスプレをしたカルパッチョさんだった。

 

 「カルパッチョさんですよね?」

 

 「あら、西住さん?」

 

 「なぜ、カルパッチョさんも?」

 

 「気付いたら捕まってました」

 

 「同じだね・・・・・・」

 

 二人でお姉ちゃんのライブを観賞すると、やはり

 

 「ラクス様!?」

 

 「キャァァァ!?」

 

 ラクスコールで大盛況のライブ。

 

 そして、お姉ちゃんのライブが終わり、私のライブになる。

 

 やはり、最新のアニメだっただけに反応はイマイチだった。歌姫に一アイドルが勝てる訳が無い。

 

 

 文化祭の初日が終わる頃には全員がバテバテだった。

 

 

 二日目以降はライブの順番が代わり、私、カルパッチョさん、お姉ちゃんの順番でライブする事が決まった。カルパッチョさんも深雪コスプレから覆面系ノイズの有栖川仁乃に代わっていた。

 

 今日のお姉ちゃんのコスプレはラクスからミーア・キャンベルになっていて、私達のライブが終わるなり黄色い声の観客にたじろぐばかりだった。

 

 それでも、ライブ付きコスプレ喫茶は大盛況のままで終わりを迎えるのだった。

 

 売上金は戦車道の資金にしても良いと裁縫科から言われたが、裁縫科に忍び込んだ優花里さんからの情報で裁縫科主催で戦車道のコスプレ写真集を造っていたらしく、売上は私達の戦車道に遠く及ばない。

 

 久しぶりの戦車道の授業で全員が集まる。

 

 「皆さん、疲れている様ですが?」

 

 「隊長、あの写真集を回収して下さい!」

 

 どうやら、戦車道の出し物に参加できなかった生徒は裁縫科に捕まり写真集の写真にされていたのだ。

 

 「私も裁縫科には無理かな?勝てる要素が全くないです・・・・・」

 

 そして、私の勝てる要素がないと話しを聞いた生徒達は裁縫科を恐れる様になったのは言うまでもない。

 

 





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