ガールズ&パンツァー 逸見エリカの苦労日誌   作:まもる

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 結構難産だった事と戦車道大作戦のイベントの報酬、金のチケットやっとヤークトティーガーの装甲Aランクをゲット出来ました。ただ、CACは流石に酷い・・・・

 でも、AABのヤークトティーガーが作れたかな・・・・・


奉納試合の後に・・・・ 動きだす歯車

 

 大洗女子学園に戻りながら愛里寿ちゃんと話ながら、エリカさんが指揮を取る試合を見た私は罪悪感に駆られていた。

 

 そして、偶然にもボコミュージアム近辺の土地が売り地である事を奉納試合の最中に知ったのだ。直ぐに、愛里寿ちゃんと相談してボコミュージアムと近辺の土地を押さえられないか、私のお母さんと島田師範に相談していたのだ。

 

 「少し、悪い事しちゃったかな?」

 

 「みほ、だけどエリカにはもっと強くなって欲しい。じゃないと、みほが立ち上げようとしている流派の師範代にはなれない」

 

 「うん、そうだけどね。愛里寿ちゃん、ボコミュージアムの件はどうなった?」

 

 「それなら、島田流家元と西住流家元から資金提供をして共同経営する話にまとまった」

 

 「なら、良かった」

 

 あの近辺の広大な土地は流派を開くにはちょうど良かった。

 

 そして、あの近辺を演習場にするよりも、ボコミュージアムを残しつつカフェテリアを作って観戦席を設けた方が収入源にもなる。それに、島田流を離れる事にした愛里寿ちゃんと新たな流派を立ち上げる様に言われた私にはピッタリな場所だった。

 

 だけど、調べなくてはいけない事もある。

 

 『ガノッサの屈辱』

 

 『飛騨流の終焉』

 

 これが、お母さんから出された課題だった。

 

 だけど、調べてもどの資料にも黒く塗り潰されていたり、閲覧制限を掛けられたりと調べるのが難しかったりする。いや、予想以上に難航しているのが現実だった。

 

 だけど、これは生徒会会長を決める選挙後に大きく動く事になる。

 

 「みほ、エリカの所に・・・・」

 

 「うん、そうだね。でも、エリカさんは強いから大丈夫だよ。だから、学園で交流会の準備をしようかな?」

 

 愛里寿ちゃんに言われて私はアンチョビさんとペパロニさんにカルパッチョさんが旅館から観戦していたのを大洗ホテルから見えていた。ここはアンチョビさんとペパロニさんにカルパッチョさんに交流会の料理を頼もうと思っていたし、あとは今後の開く予定だったカフェテリアの相談もしたかったのだ。以前、自分の店を持ちたいと聞いていたからかも知れないが・・・・・

 

 

 

 

 試合も終わり、私は車内で泣いたままでいた。

 

 試合は引き分けだったが負けに等しい位の敗北だった。

 

 「エリカちゃん、挨拶が残っているよ」

 

 小梅の一言に我に返る。

 

 「そうね。挨拶が終わるまでが試合だったわね・・・・・」

 

 私は握り潰したベレー帽を被り直し、小梅から渡されたハンカチで顔を拭いて車外にでる。そして、小梅に支えられながら迎えに来ていた商店街のトラックの荷台に乗り込み文化センター前に移動したのだった。

 

 

 文化センター前には気がついた楓達が私を見ていた。先にやられてしまった申し訳無さと相手を舐めていた事による反省から楓も時雨も今にも泣き出しそうな表情だった。

 

 そして、私の前に来ると

 

 「エリカさん、ごめんなさい・・・」

 

 「気にして無いわよ」

 

 パッァァァン

 

 「ヒャァ!?」

 

 楓のお尻を軽く叩き、檄を飛ばす。

 

 「ほら、行くわよ。挨拶が終わるまでら試合よ!」

 

 「はい!」

 

 私は彼女達を見ながら挨拶をする。

 

 「「「「ありがとうございました!」」」」

 

 観客達が私達の試合を讃える様に拍手で迎えてくれる。

 

 悔しかったけど、楽しい事には変わりはない。

 

 だって、彼女達はみほの様に楽しんでいたのだから・・・・

 

 そんな時、私の携帯にメールが入る。

 

 相手はみほからだ。

 

 内容は三人と大洗女子学園で交流会を開くから連れて来てとの内容だった。

 

 仕方なく、彼女達を大洗女子学園に誘導する事になったのだ。

 

 「試合が終わって、申し訳無いけど付き合いなさい」

 

 「しかし、私達は帰る予定ですが?」

 

 ここで、私は嘘を付く事にしたのだ。

 

 「あなた達の戦車は修理するから整備班が持って行ったわよ?」

 

 「「えっ?」」

 

 だが、嘘も誠で実際にはみほに頼まれた板野が既に運んでおり、自動車部の面々が瞳を輝かせながら整備したらしい。特にレオポンチームの面々が魔改造させろと騒いだらしいが、板野が交流会に間に合わなくなるから止めたらしい。

 

 試合をした相手も私達もみほのメールに言われるままに誘導された先は大洗女子学園の戦車倉庫の前だった。

 

 倉庫内の戦車は倉庫前の校庭に並べられ、倉庫内は簡単なパーティー会場に様変わりしていたのだ。

 

 戦った二人と一緒にいる生徒は校庭に並べられた戦車を見ていたのだ。

 

 見ていた戦車はみほのティーガーⅡあんこうチーム専用カスタムだった。

 

 「あんこうチームのマーク・・・・これが、西住みほ殿の戦車か・・・・・」

 

 「姫、これは凄いよ・・・・軽量化された装甲に強化されたサスペンションに幻と言われたエンジンまで積まれてる・・・・こんな戦車、一度は操縦して見たい・・・・・」

 

 「あなた、鈴って言ったかしら?」

 

 私は彼女達に声を掛ける。

 

 「はい、ごめんなさい!乗ろうとだなんて・・・・」

 

 「良く、見た目で解るわね。もしかしたら、乗れるわよ」

 

 「えっ!そうなんですか!」

 

 「パーティーが終われば片付けの時に乗れるかもしれないわ」

 

 「御主はエリカ殿・・・・」

 

 「今日の試合は見事だったわよ」

 

 「否、引き分けだった」

 

 「いいえ、これは完全に私の敗北よ。砲手の小梅が砲弾に撃ってなかったから負けたのは私よ」

 

 「エリカさん!」

 

 後ろから走って来たのはみほだった。

 

 「えっ!昨日の御仁!?」

 

 「エッヘヘ・・・また、会いましたね」

 

 「みほ、三人に会って居たの?」

 

 「うん、どんな人達だったか気になっていたから」

 

 「そうだったのね・・・・」

 

 「ところで、二、三程聴きたいが?」

 

 確かに、私も気になる事だった。何故、この娘達とタンカスロンの試合が組まれたのか知りたかったりする。

 

 「はい、お答え出来る範囲なら構いません。でも、そろそろ打ち上げと反省会が始まりますので食事をしながら話しませんか?」

 

 「そうしよう」

 

 「そうね。反省会!?」

 

 「エリカさん、反省会はやるよ。今の大洗女子にはレベルアップか必要だからね」

 

 「お手柔らかに頼むわね・・・・」

 

 倉庫内に移動して、打ち上げが始まる。

 

 料理はアンツィオ高校のペパロニやアンチョビ達が既に用意していた。

 

 そして、観戦していたのはみほ達だけではなかった。

 

 「エリカ、元気にしてる様だな」

 

 「まほさん?」

 

 「大洗女子がどんな戦いをするか気になって見に来た」

 

 「あら、わたくし達も居ますのよ?」

 

 「エリカさん、お疲れ様です」

 

 「ダージリンにオレンジペコ、あんた達まで居たの!?」

 

 「みほ、エリカ見に来たぞ」

 

 「エリカ、今回も砲手に救われたな」

 

 「カツコフにジェーコフ!?」

 

 黒森峰からはまほさんが来ており、聖グロリアーナからはダージリンにオレンジペコ、プラウダからは白百合戦車旅団の隊長であるカツコフに副隊長のジェーコフが来ていたのだ。

 

 そして、みほの所にはサンダースからケイもいたのだ。

 

 そして、私が気になるのはみほの服装だった。

 

 黒森峰の時なら私服は許されないが、みほが自ら私服だったのだ。

 

 そして、他の人達も私服でパンツァージャケットのままだったのは奉納試合に出た私達だけだった。そして、チームメイトも好みの食事を取りアンチョビ達が作った料理に舌を鳴らしていた。

 

 「皆さん、今日の奉納試合はお疲れ様でした!特に、ワニさんチーム、付属中の皆さんは良い試合でした。さて、来年に向けてですが、新しい試みを導入したいと思います。このように、打ち上げをやりながら反省会もやりたいと思います。どうでしょうか?」

 

 みほの発言に皆は頷く。

 

 「では、食べたり飲んだりしていて構いません。反省会に移ろうと思います」

 

 みほはホワイトボードに地図を張り、四両の戦車の動きを赤ペンと青ペンで地図に書き込んで行く。それを興味深そうに見ていく他校の生徒。まほさんは見慣れているのか平然と見ている。

 

 「まずは、双方の作戦を聴きたいと思います。先にエリカさん!」

 

 「そうね。私達の取った作戦は地元の地理を活かした包囲殲滅を狙ったわ」

 

 「次はしずかさんはどんな作戦でしたか?」

 

 「私の作戦はたった一つ、逸見エリカから冷静さを奪う事だった」

 

 「「「「「えっ!?」」」」」

 

 周りからどよめきが上がる。

 

 無理もない。

 

 確かに、冷静さは欠けたが終始熱くはならかったと思う。

 

 「しかしながら、逸見エリカからは冷静さを奪えなかった。それが私の敗北ね。」

 

 「では、次は反省点を上げて行きたいと思います。まずは、大洗女子の動きから説明して行きます」

 

 ルートを書かれた地図を指しながら説明を始める。

 

 「はい、確かに動きでも解る様に付属中の38(t)は消防署から偵察行動をしています。しかし、ここで反省点があります。エリカさん、何故消防署を選びましたか?」

 

 「私なら、神社からの偵察でも充分だったかも知れません。しかし、包囲殲滅の作戦を取った作戦ではいち早く、合流出来る観点から消防署の鐘突き櫓からの偵察にしました」

 

 「合流は必要かも知れませんが、この後にしずかさんのムカデさんチームに策を講じられて、工事現場に在ったパワーショベルを身替わりに使われています。もし、消防署での偵察及び見張りに徹して居れば防げました」

 

 みほの看破にぐうの音も出ない。

 

 確かに地理の利を活かしてはいた。

 

 だけど、しずかは手を挙げて発言する。

 

 「確かに工事現場のパワーショベルを使いました。ですが、赤星殿の冷静な射撃にカードを切る事になりました」

 

 「小梅ちゃんやるね」

 

 「でも、タイミングはエリカちゃんの指示だよ。それに私もここで撃てば足止めにもなるから」

 

 結局、楓と時雨のフレンドリーファイヤーの件も反省点として上げられ、詳しい事は報告書でまとめる事になる。

 

 「さて、反省会も終わりにして、皆さん最後まで楽しんで行って下さい!」

 

 交流会へと移る。

 

 だけど、気になるのはしずかと鈴の所に会長とみほが居たのだ。

 

 私は少しだけだけど、聞いてしまった。

 

 「やあ、鶴姫ちゃん」

 

 「御主は?」

 

 「あたしは大洗女子学園の生徒会長の角谷杏だよ。よろしくー」

 

 「杏さん、やめときましょう」

 

 「西住ちゃん、彼女の力があればタンカスロンでの資金調達が楽になるんだよ?有力な選手は今のうちに囲わないとねぇ。実直に言うけど、うちの学園に来ないかなぁ?」

 

 「何故、私を?」

 

 「そうだねぇ、うちの学園もタンカスロンに力を入れる為だよ。鶴姫ちゃん達にはタンカスロン専門で来てほしいのさ。勿論、ただでじゃない。鶴姫ちゃん達専用に戦車の用意するし整備もこちらで負担するよ」

 

 それを聞いた他校の生徒の驚きは隠せないで動揺している。

 

 これは、大洗女子学園が正式にタンカスロンへの参入する意味を持つ。

 

 それに、既に強豪校までもが参入を明確にしている事は、うちの学園もタンカスロンと言う大鍋に入り込む事になるのだ。だけど、今の大洗女子学園にはタンカスロンまで割ける人材までは余裕がない。そして、生徒会長が付属中から38(t)Cカスタムを返還させたのは、これを読んでいたのではないだろうか?

 

 「良かろう。私と鈴は大洗女子学園の傘下に参加しよう。ただし、条件がある」

 

 「何かな?」

 

 「西住殿との一戦を望む」

 

 「それなら、構いません」

 

 だけど、結果から言えば瞬殺だった。

 

 他の生徒と強豪校の隊長が見ている中、みほ専用にカスタムした38(t)C型には操縦手に麻子、砲手に華、装填手に優花里がチームを組んでいた。

 

 二人の試合は大洗女子学園の演習場で行い、開始三分でテケ車を発見して正面から高速で接近してしずかが主砲を放つ瞬間だけを狙い、木の葉がヒラリと落ちる様にドリフトしながら交わして裏を取るなり37ミリ機関砲を斉射したのだった。機関砲の弾丸は無慈悲にもテケ車のエンジンルームを撃ち抜き、間抜けな音を出して白い旗を靡かせたのだ。

 

 「えっ?」

 

 「嘘・・・・動きが全く見えなかった・・・・」

 

 しずかと鈴の呟きを余所に、愛里寿が私に呟く。

 

 「木葉返し・・・・・」

 

 そして、私がみほに置いて行かれている現実を目の当たりしたのだった。

 

 

 

 

 場所が変わり、ボンプル学園の学園艦では知波単、楯琴高校連合チームをタンカスロンで破り、私は隊長室で調理に勤しんでいた。作る料理は勿論、ポーランド料理のジュレックだ。

 

 「ブシュナ!」

 

 くり抜いた、ライ麦パンにスープを注ぎ込み会議室に運ばせる。

 

 会議室には車長達が集まり、私が席に着くのを待っている。

 

 「諸君!祝おう!復讐の時来たれり!」

 

 「「「「オォォ!」」」」

 

 「隊長、大洗の奉納試合の報告です」

 

 さて、大洗女子はどうしたものだろうか?

 

 「聴こう」

 

 「お祭りのイベントとしてはうまくやったようですが、大洗女子学園の38(t)二両を撃破して浜辺で一騎討ちになりましたが時間切れで引き分けに終わったようです」

 

 「引き分け?あら、たいした事がないのね」

 

 拍子抜けだった。

 

 「ですが、この後に続報があります。強豪校がタンカスロンに参加する流れになっています。それが、大洗女子学園を筆頭に黒森峰、聖グロリアーナ、プラウダ、サンダースが参加するようです。それと、テケ車の二人組は大洗女子学園に転校するようです」

 

 「なっ、何ですって!?」

 

 思わず、叫ぶ私。

 

 そして、もう一人が私に報告に来る。

 

 「それと、もう一件報告があります。我が校にタンカスロンでの試合を承諾した学園ですが、プラウダ高校です・・・・・・」

 

 「まさか、白百合戦車旅団?」

 

 「言いにくいのですが、プラウダとも黒森峰と違うのです。白百合、シュバルツバルト連合です」

 

 私は大洗女子学園の西住みほの逆鱗に触れたことに未だに気付かずに居たのだ。

 

 そして、仲の悪かった黒森峰女学院とプラウダ高校の白百合カチューシャ連合の連合チームと試合になるとは思わなかったのだ。

 

 そう、マリアの短期転入で戦車道改革が黒森峰で成功して居たとは知らなかったのだ。

 

 

 

 

 熊本にある港ではエキシビションマッチとシュバルツバルト戦闘団で使う戦車が貨物列車に載せている真っ最中だった。Ⅱ号戦車が二十五両、ティーガーⅡ二両、ティーガーⅠ二両、ヤークトパンター二両が積み込まれ、マリアは一人喜びを感じていた。

 

 「キャハァ!まさか、みほちゃんと同じチームだなんて最高!どんな、戦いや作戦を見せてくれるか楽しみだよ!それにしても、私が使う217号車のティーガーⅠはみほちゃんが黒森峰に居たときの戦車だったなんて運命を感じるなぁ・・・」

 

 「あれが、マリアさんなの?」

 

 黒森峰の生徒が私を見て絶句している。

 

 皆は私をお堅い人と勘違いしているが、実はおちゃらけだったりする。

 

 つまり、楽しい事が大好きな女子高生なのだ。

 

 それを分かって欲しい。

 

 そして、残念な結果だったけど、大阪決戦は正直楽しかった。

 

 もう一つ、良い話を西住師範から聞いていた。

 

 来年は、大洗から三人ほど強化選手として選ばれるらしく、二ヶ月程みほちゃんとドイツで一緒に過ごせるらしい。

 

 「楽しみだなぁ・・・・」

 

 恋焦がれる乙女の様に私はみほちゃんとの再開を楽しみにしたのだ。

 

 

 

 同じ頃、瀬戸内海に一隻の二等輸送艦が航行していた。

 

 二等輸送艦には二両の戦車が載っており、一両は知波単の隊長車でお馴染みの五式中戦車とヤークトティーガーに似ているが、五式中戦車を砲戦車にした五式砲戦車ホリⅡだった。

 

 そして、甲板には長い黒髪を靡かせた松山女子学園の戦車道隊長である橘銀千代が居たのだった。

 

 そもそも、松山西女子学園は戦車道大会には出場していない。

 

 彼女達はエキシビションマッチに参加すべく大洗に向かっていたのだ。

 

 だけど、彼女達学園である松山西女子学園は大洗女子学園とはかつて深い絆を結んだ姉妹提携校であったが、とある事件を境に戦車道大会には参加出来なくなった学園の一つだった。

 

 今でも、稼動出来る戦車は五式中戦車と五式砲戦車の二両だけである。

 

 隊長の橘銀千代は大洗女子学園の真意を確認したく、エキシビションマッチへの参加へと踏み切った経緯がある。

 

 「噂なら良いんだけど・・・・」

 

 「隊長、ここにいらしていましたか」

 

 「あら、源田さん」

 

 「気になる事でも?」

 

 「源田さん、惚けないでくれる?大洗女子学園が聖グロリアーナ女学院と姉妹提携を結ぶと聞いて、私が落ち着いて居られると思うの?それに、大洗女子学園の学園長と生徒会長は池田様の一族なのよ?私達が池田流を絶やさずに居たのに、今は大洗女子学園は島田流の保護下なのよ?それでも、落ち着けと?」

 

 「それに、杏お姉ちゃんに会えるもんね?」

 

 「まぁ、杏ちゃんに会えるのは嬉しいけど・・・・」

 

 確かに、杏ちゃんに会えるのは嬉しい。

 

 それでも、姉妹提携するなら私達の学園を選んで欲しかったのだ。

 

 一応、生徒会長を脅して・・・・じゃなかった。お願いして転入届けすら用意してある。

 

 先輩達が果たせなかった大洗女子学園への数々の恩義を晴らす為でもある。そして、私達も大洗女子学園の大阪決戦に間に合わなかった後ろめたさがあり、駄目元で居座る積もりで行くのだ。

 

 そのために、私達は切磋琢磨して野良試合でも単独で勝利をするだけの技量と高い練度を維持して来たのだ。

 

 今の私なら断言出来る。

 

 黒森峰の西住まほにもタイマン勝負でも勝てると・・・・・・・

 

 松山女子学園に残された池田流の訓練内容は毎年30人が入っても、訓練がきつくて辞めてしまい、残るのは二両分の人材が残れば御の字だった。

 

 それだけに、昔は大洗女子学園のフラッグ車を守り、時には阻む戦車を駆逐したのだ。

 

 そして、私達には嬉しかったのだ。

 

 大洗女子学園の戦車道が復活して優勝した事が堪らなく嬉しかったのだ。

 

 「西住隊長、待っていて下さい。松山女子学園、今馳せ参じます・・・・」

 

 彼女が握る手紙にはエキシビションマッチ参加を許可する内容と赤組を知らせる通知書だった。

 

 

 

 

 





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