ガールズ&パンツァー 逸見エリカの苦労日誌   作:まもる

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 話しは終わらない。

 次からは夏休みとエキシビションマッチに入ります


試合の後に

 

 目覚めの悪い朝だった。

 

 それもそうだろ。

 

 日本の役人によって汚された戦車道の試合に加えての負け戦。

 

 本国に戻ったら、私は隊長職を追われるだろう。

 

 だが、昨日の大洗女子選抜連合の選手には何故か必死さがあった。

 

 そして、糞役人から知らされた大洗女子学園を廃校から護る為の試合。

 

 必死になるのも頷ける。

 

 それも試合内容は得るものが多かった。

 

 特筆するなら、先ずは大川水門や大阪城の大手門と東門の防衛戦だろう。

 

 選抜連合は絶対に大阪城を取り、籠城する可能性があった。

 

 歴史の本にもある難攻不落の名城である大阪城。

 

 それを凝固な防衛陣地を敷かれたら攻城戦の三倍の法則により、私達が逆に苦戦するだろう。

 

 しかし、ソ連製戦車を中心にした選抜連合の中隊は電撃戦で防衛していた駆逐戦車を壊滅させて水門が破壊した。

 

 そこで、私も逆襲するために一計を投じた。

 

 籠城された際に使用する予定だった二両のカール自走砲を囮としたのだ。

 

 それを目立つ様に中学校の校庭に配置させて、本隊が防衛している様に見せ掛けて一度引いてから油断したところを突いたのだ。それは、面白い様にソ連製戦車の狩り場化したのだが四両を逃してしまった。

 

 そして、それを壊滅させる時間稼ぎの為に大手門、東門にはかのんとバイパーの中隊を送り、大阪城を取らせまいとし、カール自走砲には意地でも大阪城の天守閣を破壊させる様に仕向けたのだ。そうすれば、大阪城を諦めて違うポイントへ向かうはずだった。

 

 ここに、西住みほと言う隊長がキーワードとなる。

 

 恐ろしく大胆にして繊細な作戦だった。

 

 後で判った事だが、三方向から大阪城を取る気だった事が試合後の地図で判る。

 

 私のかのん中隊とバイパー中隊を送っていなければ、三日以上の試合にさせられた可能性が見て判ってしまった。

 

 案の定、送った事により彼女の大阪城での籠城作戦は破綻してかなりの損害を与えたが、こちらも対価として二個中隊が全滅と大損害を被ってしまった。

 

 だが、構わない。

 

 彼女に大阪城を取られるよりはマシだ。

 

 もし、取られていたら苦戦は必須で彼女の試合を向こうで何度も見て居たから、どんな作戦や奇策を仕掛けて来るか判ったものではない。

 

 私でも彼女が全く読めないのだ。

 

 歴史上の人物で例えるなら、諸葛孔明や私のお爺様であるロンメルが似合うだろう。

 

 それだけ、彼女が試合が進むに連れて恐ろしさが身には染みて判る。

 

 そして、彼女を補佐する副隊長も危険人物だった。

 

 一人は島田流の家元の娘で次女の島田愛里寿だろう。

 

 去年、バイパーが島田流との試合で破っていたが、重度の怪我から復帰した彼女は去年とは全くの別人と思える強さと頼れる仲間を手に入れていたのだった。

 

 東門ではリベンジマッチとなり、バイパーがパンターⅡからの挑発に釣られて孤立したところで救援に来た愛里寿の手によって敗れたがあれでまだ14歳だから将来が恐ろしい。

 

 もう一人は、逸見エリカだった。

 

 彼女と暮らして居るようだが、戦車道から私生活までを補佐しており、彼女の作戦にはなくてはならない猛将だろう。消えない闘志に剥き出しの牙は狂犬に相応しいだろう。

 

 それよりも問題だったのは犬猿の仲だった島田流と西住流が政府のやり方に怒り手を組んだ事だ。

 

 いや、それだけではない。

 

 かつて、日本の戦車道を支えた四大流派が大洗女子学園の為に手を組んだのだ。

 

 剛の流派の西住流と謹慎から明けた喧嘩殺法の池田流に柔の流派で忍者殺法の島田流と巧みな集団戦術と集団突撃戦法に秀でる朽木流・・・・・

 

 もたらす意味は両方を備えた選抜選手を短時間で鍛え抜いた事だ。

 

 これが判っていたら、私も違った作戦を組めたはずだ。

 

 いや、負けるべくして負けたのだ。

 

 それが、今の私に出せる答えだろう。

 

 

 

 「やっぱり、悔しいわ・・・・」

 

 と思いつつも、私の視界に昨日渡された手紙があった。

 

 ペーパーナイフで手紙を開けるとやや丸字で書かれたドイツ語の手紙だった。

 

 書いた本人は・・・・・

 

 「えっ?西住みほ?」

 

 手紙の内容は神戸の第三演習場で交流会をしたいから是非参加して欲しいとの事だった。

 

 「フッ・・・・面白い」

 

 直ぐに、選抜チーム全員に参加するように伝えて、日本戦車道連盟によりチャーターされたバスに乗り第三演習場に向かったのだ。

 

 神戸の第三演習場に着くと、私は言葉を失った。

 

 見渡す限りの調理車が立ち並び、各学園の制服を着た生徒達が調理や交流に勤しんでいたのだ。

 

 一際目立つのが、黒十字の校章の黒森峰女学院と青い大の字に洗うと入った大洗女子学園、ピザを象るアンツィオ高校の調理車だった。他にも、金に物を言わすサンダース大学附属高校など多数の学園が参加していたのだ。ある意味、大きなお祭りにすら見える。

 

 「マリア隊長、来てくれたんですね」

 

 流暢なドイツ語で声をかけられ、振り向くと制服姿の西住みほだった。

 

 「随分、賑やかだな?」

 

 「いえ、試合が終わったら皆に労を労う。それはアンツィオ高校から教わったんです」

 

 「殊勝な事だな。それにしても、学園が廃校にならずに済んで良かったな。それと、一つ聞きたいがEシリーズの最大の弱点を狙っていなかったわね?」

 

 「はい、Eシリーズを偶然にも知っていた優花里さんと猫田さんから言われて気付きました。それに、戦車道は戦争ではありません。だから、作戦会議の段階で狙わない様に砲手には厳命していました」

 

 「そう・・・・でも、ありがとう。大切な仲間を業火に焼かれて死なすところだったわ」

 

 「いえ、ちゃんとした試合だったら、もっと楽しめたかも知れませんね」

 

 「それも、そうかも知れないわね」

 

 戦車道が楽しいか・・・・

 

 なら、聞いてみよう。

 

 彼女の戦車道とは・・・・

 

 「みほ、あなたの戦車道は何なの?」

 

 「そうですね。私の戦車道は皆と一緒に歩み、皆と一緒に強くなって行く事かな?」

 

 そんな単純な理由の戦車道か・・・・

 

 私と変わらないな。

 

 まるで、私が道化師ではないか。

 

 心から込み上げてくるおかしさに私は笑ってしまった。

 

 「フッ、フフフ・・・・あっははははは!?実に君らしい戦車道だわ。だけど、これだけは覚えて置きなさい。その甘さが己を殺す嵌めになる諸刃の剣だと認識しなさい」

 

 「はい、私の戦車道を見付けた段階で覚悟しています」

 

 「そう・・・杞憂で良かったわ。なら、私は交流会を楽しむわ」

 

 「はい!是非、楽しんで下さい!」

 

 私はみほと別れ、黒森峰のブースに向かったのだ。

 

 

 黒森峰女学院は私がドイツで通うシュバルツバルト女学院と姉妹提携している学園の一つだ。

 

 確か、去年の準決勝から4月から大会終了にかけて起きた不祥事で一年間の活動休止になったと聞く。そして、今回の試合前の記者会見により、戦車道の禁止はまのがれたが陰湿な先輩の指導、いや、制裁が問題となった。本国でもやっていないか、実態調査を受けた位だ。しかし、隊長の西住まほによりほとんど解決したと聞く。ただ、一年間の戦車道の大会の出場はできないがそのほかの練習試合や一部の生徒の貸し出しは辛うじて認められたと聞いていた。

 

 調理車でドイツソーセージの盛り合わせを黙々と作る生徒に隊長を聞いてみる

 

 「隊長は何処に?」

 

 「はい、隊長なら大洗女子学園のブースに行ってます」

 

 「ありがとう。済まないが、ソーセージの盛り合わせと冷えたノンアルコールビールを頼むわ」

 

 「では、どうぞ」

 

 盛り合わせを肴にノンアルコールビールを楽しみ、大洗女子学園のブースへと向かう。

 

 途中、私のチームの選手が聖グロリアーナ女学院のブースで何かを食べたらしく、泡を吹いて気絶していたり、アンツィオ高校のブースではイタリアン料理を楽しむ生徒や選手など、皆が楽しんで居るようで良かったと思う。

 

 そして、大洗女子学園のブースでは見てはいけない物を見てしまった様に思えたのは私だけだろうか?

 

 何故なら、うちのチームの中須賀が妹のエミを着せ替え人形のように遊び愛でており、ドイツの民族衣装のまま妹を抱きしめ、妹は顔を真っ赤にしながら抵抗していたのだ。中須賀は向こうでも妹のエミには溺愛しており、シスコンクィーンと言われていた。再び、日本でもこんなやり取りを見る事になるとは思わなかったが・・・・

 

 「エミ、そのままの格好で少しはお姉ちゃんに抱かれてなさい!」

 

 「嫌よ!て、言うよりもそんな衣装は絶対に着ないわよ!これだけでも、充分恥ずかしいんだからね!」

 

 そして、中須賀はバーニーコスを手にしており、エミは姉に捕まり後から抱きしめられて、その反応を楽しむ姉の光景に

 

 「エリカぁぁぁぁ!みほばかり優しくしないで、私にも優しくしてよ」

 

 「馬鹿言わないでよ!ただでさえ、酒臭いのに嫌に決まっているでしょ!手がかかるのはみほだけで充分よ!」

 

 「嫌よ!エリカに抱き着くわ~」

 

 「酒臭いから抱き着かないでよ!」

 

 「えっ、エリカさん・・・・私、手がかかるの?」

 

 「みっ、みほ違うわ!」

 

 顔を真っ赤にしながら絡み酒をする唯一の大学からの選抜選手の逸見姉に餌食になりそうになる妹のエリカ。そして、どさくさに紛れてみほを愛でようとする西住まほ。それを阻止しようとするエリカのやり取り・・・・

 

 カオスだな。

 

 「よしよし、みほ、私が慰めてやろう」

 

 「お姉ちゃん、嫌!エリカさんに慰めて貰うから」

 

 「仕方ないわね。みほ、来なさい」

 

 「うん、エリカさん♪」

 

 「「なぜだ!」」

 

 「鼻血を出しながら真顔で言わないで下さい!」

 

 「それは、みほが可愛いからに決まっているだろ!」

 

 「そうだ!エリカも可愛いからだ!」

 

 「「尚更、嫌です!」」

 

 何故だろう。

 

 たしか、何かで見た気がする。

 

 そうだ。

 

 あれだ。

 

 確か、『駄目だ!このお姉ちゃんは何とかしないと』だったかな?

 

 だが、妹が全力で拒否するのはお約束なのだろ。

 

 哀れ、お姉ちゃん達・・・・・

 

 そして、楽しかった宴も終わり、生徒や選手達は各々の学園へと帰って行ったのだ。

 

 

 そして、帰り際に西住みほから一通の招待状を渡されたのだ。

 

 内容はエキシビションマッチへの参加依頼だった。

 

 私達は黒森峰女学院の生徒としての参加を依頼する内容だったのだ。

 

 開催予定は夏休みの中旬頃です♪♪

 

 「はぁ?」

 

 内容を見て思わず間抜けな声を上げてしまう。

 

 夏休みの中旬って、すぐじゃない!

 

 私は招待状を片手に立ち上がり、窓に向かって叫んでいた。

 

 「西住みほぉぉぉぉ!?」

 

 「隊長、どうかされましたか!?」

 

 私の叫びに反応したのは中須賀姉だった。

 

 「いや、大洗女子学園からエキシビションマッチの参加依頼だが、選抜選手の中でシュバルツバルトの生徒は何人いる?」

 

 「はい、隊長と私を含めて30人だけですが?」

 

 「そうか・・・・その30人はこれより、黒森峰女学院へ移動する。私から本国の学園には連絡を入れておくから、他のメンバーは本国への帰路に着くように言いなさい」

 

 「分かりました」

 

 西住みほ、なかなかやんちゃな悪戯をしてくれる。

 

 だが、次は負けない。

 

 新大阪駅から博多駅行きの新幹線へと乗り込んだのだった。

 

 

 

 

 一方、全ての戦車を修理の為に熊本の西住流の家元に送り、大洗女子学園の戦車道の生徒は何故か長崎へと向かっていた。列車の座席には私とみほ、会長の三人が座っている。何故、みほが長崎に向かうのか、疑問に思い会長に質問していた。

 

 「杏さん、何で長崎何ですか?」

 

 「あぁ、それはねぇ。私達が選抜連合で強化合宿中に糞役人が学園艦から全員を強制退去させて大洗女子学園の学園艦は長崎の解体ドッグに入れられちゃったんだよねぇ。」

 

 「「「「えっ、えぇぇぇぇ!?」」」」

 

 大洗女子学園の生徒達の絶叫で電車内か染まる。そして、私は会長の胸倉を掴み叫ぶ。

 

 「じゃあ、私達の戦いの意味は!?」

 

 「まぁまぁ、落ち着いてよ逸見ちゃん。でも、いち早く気付いた西住師範と島田師範、ママが門下生を連れて戦車で長崎の解体ドッグに殴り込みしちゃってさぁ、話が違うと解体作業を止めてくれたんだ。だから、学園艦は大丈夫だよ」

 

 「「ほぉ~」」

 

 学園艦が無事なことに一安心する。

 

 「だから、ママと西住師範が会場に居なかっただね」

 

 「愛里寿ちゃんもこっちに来たんだねぇ」

 

 「皆の絶叫で目が覚めた・・・・」

 

 「あっ、起こしちゃったかな?」

 

 「大丈夫。エリカの膝の上に座るから」

 

 愛里寿は私の膝の上にちょこんと座り、リラックスしている。ただ、みほが嫉妬した表情で私を軽く睨んではいたが・・・・・・

 

 「ふん!エリカさんなんか知りません」

 

 やはり、ヤキモチを妬いていたようだった。

 

 愛里寿はニヤリとしながら、私の太股の感触を楽しむ。

 

 「みほ、あまり妬いていると私がエリカを楽しむぞ?」

 

 「ダメです!エリカさんは私の・・・・・・」

 

 「いじめ過ぎたか。会長、少し席ズレて」

 

 「愛里寿ちゃんやるねぇ」

 

 愛里寿は膝から降りて会長の隣に座る。

 

 「そう言えば、マリアちゃんに招待状を渡してくれたかな?」

 

 「はい、私なりに書き直して渡しました」

 

 「まさか、みほ?」

 

 「エリカ、何かな?」

 

 「もちろん、ドイツ語よね?」

 

 「うん、もちろん」

 

 みほはかばんから手紙のコピーと開催内容の書類を私に渡す。

 

 私は内容を読みながら訳して行くと手がワナワナ震えて行くのが判る。

 

 「みほ、これ本気にやるの?」

 

 震えながら、みほに確認する。

 

 「やるよ。前例のないエキシビションマッチだよ。各校合同のエキシビションマッチでただ、連合組んでやるのは面白くないから、くじ引きで紅白に別れての紅白戦だよ。これなら、愛里寿ちゃんの夢も叶えられるからね。戦車も40対40のフラッグ戦にしようかお母さんと相談中だよ」

 

 確かに、面白いかも知れないわね。

 

 でも・・・・・・

 

 「西住ちゃん、数が多過ぎだよ」

 

 「それは、大丈夫。ママが既に大洗に許可を取ったから。それに、一度はみほやエリカと戦って見たい」

 

 「島田師範が?」

 

 「うんん、後、私のお母さんもだよ」

 

 「そうなんだねぇ。ところで、参加校は決まっているのかな?」

 

 確かに私も気になる。

 

 「まずは、黒森峰、聖グロリアーナ、アンツィオ、継続、プラウダ、知波単やサンダースなど他に参加したい学園からかな。あと、黒森峰は三年生の引退試合にするから優先的になるけど」

 

 「って、みほはいつの間にやったのよ?」

 

 「ほら、強化合宿中だよ。各学園の隊長クラスは居たからね」

 

 段々、みはがやんちゃに見えるのは何故だろう。

 

 確かに、幼少期はかなりやんちゃだったのは、この身を持って体験しているから知っている。

 

 「みほ、抜け目がない」

 

 「そうかな?」

 

 「まぁ、西住ちゃんがやるなら、学園復活祭として便乗しちゃおうかな?調理科や裁縫科、海洋資源科にお願いすれば、屋台も出せるから学園の足しになるねぇ」

 

 私は裁縫科と聞いて冷や汗が止まらなくなった。

 

 もしかすると、パンツァージャケットを作って貰った付けを支払う事になるかもれない。そして、裁縫科からも実は文化祭での出し物を指定されているのは、みほはもちろん、愛里寿にすら言っていない。

 

 因みに、指定された出し物は喫茶店だ。

 

 今のパンツァージャケットは島田流から着る様に指定されているが大洗女子学園のパンツァージャケットもあるのだが・・・・・

 

 「エリカさん、顔色悪いけどどうしたの?」

 

 「ははぁん・・・・逸見ちゃん、まさかとは思うけど裁縫科と何かあるのかな?」

 

 「かっ、会長・・・気のせいよ」

 

 「どう、思う?西住ちゃん?」

 

 お願いだからみほに振らないで!

 

 と叫びたかったが、既に遅かった。

 

 どうやら、みほと愛里寿が何かを話し合って居るようだった。

 

 「ねぇ、エリカさん?」

 

 「しゃい!?」

 

 思わず、舌を噛んでしまった。

 

 最早、ごまかせない。

 

 「エリカさんの事だからパンツァージャケットで無理を言ったかな?」

 

 はい、言いました。

 

 裁縫科に確かに無理を言った。

 

 さすがに、聖グロリアーナと連合試合でさすがに制服では格好が付かないから裁縫科にある条件で全員分のパンツァージャケットを作って貰いましたとは言えないわ」

 

 「ふ~ん、そうなんだね。エリカさん、やっぱり変わらないね。て、条件は何かな?」

 

 「声に出してたの?」

 

 頷く、会長とみほ

 

 「ハァー、白状するわよ。パンツァージャケットを作って貰う代わりに文化祭ではコスプレ喫茶をして欲しいって条件を呑んだのよ」

 

 「そうなんだね。小梅ちゃん!」

 

 みほが小梅を呼ぶ。

 

 「みほちゃん、どうしたの?」

 

 「小梅ちゃんは裁縫科の生徒と仲が良かったよね?」

 

 「えぇ、クラスメイトなので」

 

 「確か、文化祭って、9月の下旬だから、衣装作りをしてるね?」

 

 「そういえば、文化祭で戦車道が楽しみって・・・・あっ!?」

 

 「思い出した?」

 

 「はい、これかな?」

 

 「やっぱり、アニメのコスプレなんだ。って・・・・エリカさんの衣装可愛い!?」

 

 どうやら、メールで衣装を確認したらしい。

 

 「エリカちゃんの衣装があれだと、みほちゃんの衣装はこれかな?」

 

 「うっわぁぁぁ!可愛い!」

 

 「ちょっと、私にも見せなさいよ!」

 

 私は自分が着る衣装に絶句したのだ。

 

 まさかのローゼ・メイデンのあるキャラクターの衣装だなんて・・・・・ 

 

 

 だだ、誰が誰の衣装を着るかは知ってはいたのだが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 





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