ガールズ&パンツァー 逸見エリカの苦労日誌   作:まもる

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 結構、難産だった・・・・


それぞれの戦い

 

 砲撃に晒されながらも全力で逃げるパンターⅡのキューポラには拡声器を片手に叫ぶ少女に言われた事に激怒し、それを追うツインテールの少女。東門の外では中隊長車の引き離しに成功し、三両のパンターFが煙幕を展開して煙幕の中を一両のセンチュリオンを先頭に一両のパンターと三両のパーシングが突入していた。

 

 隊形を崩されたE-50の群は一人のリベンジを果たそうとするセンチュリオンを駆る少女と同門でパーシングを駆る三人の先輩の独壇場だった。

 

 それでも、煙幕を使い果たした三両のパンターもE-50の側面を狙い再突入を果たすが相手がドイツU20選抜選手だったために二両のパンターF型が逆にE-50に主砲を叩き込まれ、白い旗を上げるオブジェクトに早変わりしていた。そして、同門の二人の先輩にも言えたのだ。

 

 そんな、状況を私は観戦席のモニターを見ているのではなく、何故、愛里寿お嬢様の操縦手として居ない事に悔しくて堪らない。

 

 お嬢様には心配されると思い言ってなかったが、私はあの試合で右足を煎餅の様に潰された事で二度と右足は動かない。そして、私は一生杖がなくては歩く事もままならない。

 

 「悔しい・・・・」

 

 それ以上にお嬢様の無理難題な指示を応える操縦手の腕に私は舌を巻くばかりだ。

 

 あれは、天才の分類に入るのだろう。

 

 確か、インターネットの紹介にはツチヤと大洗女子学園戦車道のプロフィールにはある。

 

 「内海、来てたのね」

 

 脇から声を掛けられ振り向くと、私と同じくお嬢様の専属砲手だった高橋だった。

 

 彼女も顔に一生残る傷を作り、今は島田流で経理を任されている。

 

 「高橋、久しぶりね。戦車には乗れなくなると、こんなにも悔しく感じるんだね」

 

 「そうね。私もあの恐怖からは立ち直れてないの。でも、戦車が好きだから経理として家元に雇って貰ったわ。それにしても、お嬢様は変わったわね。以前より、強くなられた。そして、私達ではできなかった笑顔も増えたわね」

 

 「認めたくないけど、そのようね。この試合は出来るならお嬢様の為に出たかった・・・・・・」

 

 「そうね。私もお嬢様の為に出たかった。だけど、この傷を鏡で見ると怖い。堪らなく怖いの」

 

 高橋は自分を抱きしめる様に怯えていた。

 

 「それより、この試合・・・・」

 

 「長くなるわね」

 

 確か、大洗女子選抜連合チームの隊長は大洗女子学園の戦車道の隊長をしている西住みほだったはずだ。最初から持久戦に持ち込む算段でもしているのかは本人でなくては分からないだろう。

 

 

 

 少し遡る事・・・・・

 

 ウサギさんチーム、カバさんチーム、アヒルさんチームが煙幕を展開しながら撹乱していく。

 

 「レオポンチームより各車へ。これより、相手中隊に対して撹乱させながら突入する」

 

 『メグミ、了解』

 

 『アズミ、了解』

 

 『ルミ、了解』

 

 『伊藤、了解』

 

 私のセンチュリオンは甲高いエンジン音を上げて、煙幕の中に突入していく。私はキュポーラから半身を乗りだし、周囲を見渡して行く。

 

 「レオポンチームより、メグミ、アズミ、ルミへ。これより、島田流突撃術を始める。最低でも、二両は撃破しろ」

 

 『『『了解』』』

 

 「伊藤車は私のレオポンチームの撃ちもらしを撃破しろ」

 

 『了解』

 

 『全車、突撃!』

 

 メグミ、アズミ、ルミの三両のパーシングが先に突撃して煙の外を横滑りしながら主砲を放って行く。私の車両も中央を全速力で突入し、メグミ、アズミ、ルミの三人のタイミングを合わせながら超信地旋回をしながら主砲を放ちE-50を屠る。中には、砲弾を弾く車両には後ろから来ている伊藤車が側面に主砲を叩き込み撃破していたが履帯を切られ動けなくなっていた。

 

 煙幕から抜けた、私のセンチュリオン。

 

 『メグミ、一両を撃破』

 

 『アズミ、同じく一両』

 

 『ルミ、すいませんやられました』

 

 『伊藤、履帯を切られたところをやられました』

 

 私が一両を撃破し、メグミ、アヅミが一両づつの計三両を撃破するだけなのに二両がやられた。さすがはドイツの選抜選手だと、私は思う。

 

 そして、煙幕の中で混乱したドイツ選抜選手が主砲を撃っているが、撃っている相手は仲間だと気付いて居ないだろう。

 

 だが、戦車道の試合では想定外がある。

 

 煙幕を使い果たした、カバさんチーム、ウサギさんチーム、アヒルさんチームが戻って来たのだ。そして、煙幕から抜けたE-50によりカバさんチームとウサギさんチームが二両のE-50によって撃破されたのだ。アヒルさんチームは気づき、急停車して回避して逆に主砲を叩き込み撃破していた。

 

 そして、煙幕の中で唯一残されたE-50もラッキーストライクをしたのだ。

 

 煙幕で周りが見えないからあてずっぽで主砲を乱射したのだろうか?

 

 『キャァ!?』

 

 「アズミ、どうした?」

 

 『すいません、やられました』

 

 「!?」

 

 アズミのパーシングは混乱したE-50が乱射する主砲の流れ弾に側面を叩かれ、白旗を掲げて居たのだ。直ぐに、私とメグミで残りの二両を撃破したのだ。前哨戦になる戦いで既にウサギさんチーム、カバさんチーム、アズミ、ルミ、伊藤の半数を失った事になる。

 

 私の失策だ。

 

 せめて、大阪城に篭るまでは減らしたくなかった。

 

 私のチューリップ中隊はメグミのパーシング、アヒルさんチームのパンターF型、楓のパンターⅡ、選抜選手の内藤のM-24の五両だけ。ならば、一番近いひまわり中隊にメグミ、アヒルさんチーム、内藤を送ろう。

 

 みほ、エリカ・・・・・ごめんなさい・・・・

 

 「メグミを指揮代行としてアヒルさんチーム、内藤はひまわり中隊へ合流し、あんこうチームに指示を仰げ。私はバイパーを倒しに行く」

 

 私は東門を潜り、楓が引き付けているだろうバイパーの元へとセンチュリオンと共に駆け抜けたのだ。

 

 

 

 同じ頃、外堀内では挑発に成功はしたが逆上したバイパーに追いかけられていた。

 

 「待ちなさい!その、牛乳(うしぢち)揉んでやるわ!」

 

 「ふん!貧乳に揉ませる胸はないわよ!やぁーい!チビ!貧乳!合法ロリ!」

 

 私は戦車の備品である拡声器で叫ぶ。

 

 バイパーは更に青筋を増やし、主砲を乱射して来る。

 

 「ムッカァァァァ!?また、言ったわね!」

 

 「何度でも言ってやるわよ!チビ!貧乳!見た目、小学生!」

 

 「ぶっ殺す!」

 

 バイパーが乗るE-50の主砲の砲弾が私のキューポラを掠める。

 

 「うっわぁ!?危ない!何すんのよ!この変態痴女!」

 

 バイパーの反応がおかしい。

 

 手をワナワナして私を涙目で睨んでいた。

 

 「そんな話、誰から聞いたのよ!それ、私の黒歴史よ!昔、かのんに野良試合で負けて、操縦手の竹内マリコに賭けの罰ゲームでM字開脚させられてシーシーポーズさせられた話よ!」

 

 彼女の完全な自爆だった。

 

 彼女は懐かしむ様にその操縦手にやられた事を顔を真っ赤にしながら話していく。

 

 どうやら、野良試合で負けたらしく賭けをしなければ良かったのにと私は引いていた。

 

 「うっわぁ・・・・マジだったんだ。マジ引くわ・・・」

 

 「なっ!?まさか、あてずっぽなの?」

 

 私は軽く頷くとバイパーは顔を真っ赤にしていた。

 

 「楓ちゃん、昔から人の黒歴史当てるの得意だよね・・・」

 

 詩織からも軽く引かれる私。

 

 それより、バイパーの様子がおかしい。

 

 「絶対、ぶっ殺す!お前を戦車から引き擦り出して戦車で引いてやる!そして、私も死んでやる!」

 

 まさかの心中宣言。

 

 私をミンチにしてバイパーも死ぬらしい。

 

 それだけ、恥ずかしい記憶だったらしい。

 

 これは非常に危険だ。

 

 「霞、全速力で逃げるわよ!」

 

 「楓、何処に逃げるのよ!」

 

 東門側に逃げるしかない。

 

 「東門よ!」

 

 「了解!」

 

 パンターⅡは更にエンジンを全開にして走り出す。

 

 「待ちなさい!絶対、ぶっ殺す!」

 

 逃げながら外堀内のスロープを駆け上がる。

 

 咄嗟に在ることを思い出し、村雨に指示を出す。

 

 「村雨、榴弾をタイマー信管に替えて私に頂戴!タイマーは10秒にセットよ!」

 

 「楓ちゃん、まさか、あれをやるの?」

 

 「時間が無いわよ!早く!」

 

 村雨は素早く榴弾をラックから抜き取り、工具片手に信管をタイマー信管に取り替える。砲弾の先にはピンが刺して私に渡した。

 

 「ピンを抜いたら、スタートだよ!」

 

 渡された榴弾のピンを抜くと石垣の隙間に投げ込んだのだ。

 

 「セットポジションから第一球振りかぶって、投げた!おりゃぁぁぁぁ!」

 

 力任せに榴弾を石垣に投げたのだ。

 

 「砲弾を捨てた!?」

 

 バイパーが驚くよりも早く離脱しないといけない。

 

 そんなことより、全速力でスロープを登り切り詩織が確認した愛里寿の場所へと逃げる。

 

 ドッゴォォォン

 

 タイマーが零を指し榴弾が爆発する。

 

 石垣は崩れバイパーのE-50を襲ったのだ。

 

 幸いだったのはバイパーはキューポラから半身を出していたが、崩れた石垣は起動輪を直撃し挟み込んだ事だろうか。しかし、起動輪の爪先は潰れており彼女の不幸を呼ぶ事になる。

 

 『待たせた』

 

 私にしたら天使でバイパーにしたら悪魔にでも見えたかも知れない。

 

 「丁度よ」

 

 『そう。楓が無事で良かった。バイパーは私がやる。楓は周囲警戒をお願い』

 

 気迫に満ちた、愛里寿を見ると手出ししてはいけない気がした。ただ、彼女はいつも以上に試合を楽しんでいるかの様にも見えた。なぜなら・・・・・

 

 『やってやる、やってやる、やってやるぞ!嫌なあいつをぼこぼこに 喧嘩は売るもの堂々と・・・・』

 

 最近、ボコの良さに気付き始めた私だから判る。

 

 歌を口ずさみ、何時も以上にエンジンが快調な音を奏でていたのだから・・・・

 

 スロープを登り切り、センチュリオンの前に止まるE-50

 

 「流石に、去年とは大違いね」

 

 「お前だけには負けない」

 

 「いえ、また、ぼこぼこにしてやるわよ!」

 

 「私はボコだから、負けない!」

 

 二人の戦車が動き出す。バイパーは先読みして予測射撃をするが、愛里寿はそれすらも先読みしてドリフト、超信地旋回で交わしていく。しかし、センチュリオンには不利だった。

 

 「くっ、早い・・・・」

 

 「最高速度は60㎞は出るのよ!センチュリオンなんて亀同然よ!」

 

 「なら、これはどう?」

 

 すれ違うと見せ掛けて、グリップを効かせて真横に体当たりをする。

 

 私はE-50の起動輪に異変が起きたのが判った。

 

 ギッギギィィィ

 

 潰れた爪先が履帯を噛み、履帯の穴から抜けなくなっていたのだ。履帯は起動輪が回る様に中へと食い込んでいった。張りすぎた履帯はどうなるか、戦車道をしている生徒なら当たり前に答えられるだろう。

 

 バッツン・・・・ジャラジャラ・・・・

 

 履帯が切れたのだ。

 

 切れた履帯は外れ、右回転するだけになった。

 

 「くっ!?履帯が切れたですって!?」

 

 「今!」

 

 センチュリオンの17ポンド砲が火を噴き、E-50はパーツをばらまき黒煙を上げる。

 

 「くそっ!負けた!」

 

 白旗を上げるE-50を尻目に愛里寿はリベンジを果たしたのだ。

 

 勝利を手にして・・・・

 

 「楓、これよりひまわり中隊へ合流する。私に続け」

 

 「了解」

 

 嬉しそうな声色に私も嬉しくなる。

 

 私は愛里寿のセンチュリオンを護衛しながらひまわり中隊がいる大手門へと向かったのだ。

 

 それと、同時に大阪城の外堀は水に満たされていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 大手門の外は未だに激戦の最中にあった。

 

 火を噴く、E-75にE-50、E-50駆逐戦車率いるドイツ選抜チーム。

 

 黒煙を上げる大洗女子選抜連合チームの戦車。

 

 一騎討ちで四両が抜けた穴は大きいのは正直わかる。だが、向こうも三両が抜けている。

 

 しかし、これでも六対七の不利な状況なのは変わらない。

 

 向こうにはバランス良く配備されていているのだ。

 

 向こうはE-75を指揮代行としてE-50、E-50駆逐戦車、E-25が配置されていて、既に装甲の薄いレオパルド二両は白旗を掲げたオブジェクトに代わっている。ただ、こちらもE-50を一両、E-25は意地で撃破したが、不利なのは変わらない。

 

 何か、手だては無いのか。

 

 何時もの角谷杏では駄目だ。

 

 あの頃の池田杏ではなくては・・・・

 

 私が座るのは砲手席だ。

 

 私が車長をすれば打開策はある。

 

 謹慎から解けたのだ。

 

 奴らにも、教えてやろう。

 

 戦車道の流派は西住流や島田流だけでは無い事を・・・・

 

 「ツェスカちゃんは車長の前は何してた?」

 

 「砲手よ」

 

 「そう。なら、あたしと交代」

 

 「はぁあ!?」

 

 ツェスカは驚いた表情であたしを見つめる。

 

 「千代美、柚子、桃あれやるよ」

 

 「杏、本気か?」

 

 千代美が冷汗を垂らしながらあたしを睨む。

 

 「池田流、突貫術『殴り込み』をやるしか無いみたいだねぇ」

 

 「判りました。私は頭をぶつけても良いようにヘルメット着用だね」

 

 柚子は何も疑いもなくヘルメットを被る。

 

 「ツェスカも被りなよ。かなり荒く行くから」

 

 ツェスカも驚きながらも、ヘルメットを被る。

 

 「ヘルメットを被るって、異常よ!」

 

 「ツェスカちゃん、気持ちも判るかけど、今は池田杏だから」

 

 あの頃の目付きでツェスカを軽く睨む。

 

 顔を真っ青にしながら渋々砲手席に座る。

 

 「カメさんチームからヘビさんチームと選抜選手へ。これから、カメさんチームが突撃を敢行するから援護射撃をよろしく」

 

 「了解」

 

 「了解」

 

 「千代美、榴弾装填。ツェスカ、目標は大手門の構造物ね。派手に壊しても構わないよ」

 

 「「了解」」

 

 「柚子ちゃん、最初から飛ばして行くよ」

 

 「任せて」

 

 「じゃあ、行くよ!先ずは、あのE-50に体当たり!そのまま、盾にして押して行くよ!」

 

 ティーガーⅡは主砲で大手門を破壊して相手が怯んだ隙に全速力で大手門の石橋を渡り、E-50に体当たりをしたのだ。それを押しながら更に奥に行き、手当たり次第に主砲を放つ。

 

 見た目は喧嘩をするかのように殴り込んで他の相手も殴ったり蹴るかの様に荒々しく・・・・

 

 それにより、E-50駆逐戦車とE-75を撃破する。

 

 後ろに控えるヤークトパンターからの援護射撃で側面を晒したE-50二両を撃破して行くが元々、エンジンの調子が良くなかった事もあり、不調になって次第に押せなくなり押していたE-50に止めを刺した後に二両のE-50とE-50駆逐戦車の集中砲火で私のティーガーⅡは沈黙したのだった。

 

 しかし、残り三両はチューリップ中隊から合流の命令を受け、救援に来たパーシングに乗るメグミ、パンターF型に乗るアヒルさんチーム、M-24に包囲され撃破するがM-24も撃破されたのだった。

 

 

 

 大手門と東門では激戦をしている最中、私とエミはそれぞれの姉と対峙していた。

 

 私はもちろん、姉さんのE-50に体当たりしたままキュポーラから身を乗り出してお互い言い合いをしていた。

 

 「いい加減、目を覚ましなさい!」

 

 「うるさいわよ!あんただって、何故、大洗女子学園が連合組んでまで試合してるかも分からないくせに!」

 

 「てか、横から押さないでよ!履帯が切れるでしょが!」

 

 「ごまかすんじゃ無いわよ!」

 

 主砲をE-50側に旋回させ、主砲の付け根に照準を合わせる。 

 

 「愚妹、何する気よ!」

 

 「こうすんのよ!」

 

 主砲を放ち、E-50の主砲を叩き折る。

 

 「あんた、主砲を折るなんて聞いた事無いわよ!」

 

 姉さんが叫ぶが言ってやった。

 

 「狂犬ほど牙を折られたら不様よ。どうかしら、姉さん不様でしょ?」

 

 「エッ、エリカ覚えておきなさいよ!」

 

 苦虫を口の中で潰した様な表情で姉さんは手動で白旗を掲げたのだ。

 

 

 エミ姉妹の戦いは手を出さないで見ることにしたのだ。

 

 流石はエミの姉でもあり、まほさんと戦っただけはある。

 

 双方一歩も引かなかったが、装甲に分があるエミが勝ったのだ。

   

 ただ、エミの姉もまほさん同様に重度のシスコンだと判り、試合に勝ってからが少し不安だったりする。

 

 そして、島田かのんと戦うみほとまほさんはティーガーⅠがティーガーⅡを支援し、操縦手の天才同士の戦いから始まり、砲手は砲手で砲弾を迎撃し合う状況だった。それでも、やはり性能ではE-75が優るのだろう。みほもかのんもキュポーラから半身を乗り出したまま戦いは続く。

 

 三人の天才同士の戦い。

 

 私とエミは中に入れない悔しさが込み上げて来る。

 

 それでも、やることは一つ。

 

 邪魔されない様に周囲警戒だ。

 

 そして、みほとまほさんの姉妹のコンビネーションに次第に押されて行く島田かのん。

 

 まほさんが体当たりを決め、みほがE-75に主砲を放ち撃破するが、みほと同時にE-75もティーガーⅠに主砲を放っていたが、砲塔の前面装甲に弾かれたのだった。しかし、試合はまだ終わらない。

 

 みほがひまわり中隊とチューリップ中隊に合流命令を出して、集まったのはひまわり中隊は途中、大学選抜が乗るヤークトパンターがエンジン不調を起こしてリタイヤして残り五両、チューリップ中隊も残り五両の合計が十両だった。

 

 しかし、ひまわり中隊とチューリップ中隊が大手門内で集結した時、落下音がしたのだ。

 

 ヒュルルルルルル・・・・・・・・ズッガァァァァァァァァァン

 

 「「「「「「なっ!?」」」」」」

 

 崩れ落ちる大阪城の天守閣は爆発と共に炎上したのだ。

 

 『ひまわり中隊、チューリップ中隊は急ぎ、大阪城から待避して下さい!』

 

 「みほ、何処に逃げるのよ!」

 

 『エリカさん待って下さい!』

 

 無線からスズラン中隊のカツコフからだった。

 

 『みほ、こちらはスズラン中隊指揮代行のカツコフよ。城陽中にカール自走砲を二両を発見した。スズラン中隊は急ぎ奇襲、城陽中のカール自走砲を破壊しようとしたが、一度だけ砲撃を許してしまったが二両とも撃破した。だが、スズラン中隊は私とカチューシャ、ミカとⅢ号戦車の内山さんを残して壊滅した。済まない』

 

 『大丈夫です。それよりも、ドイツ選抜の本隊は見つかりましたか?』

 

 『今はミカが探している』

 

 『判りました。では、全車両はUSJへ待避します。スズラン中隊の内山さんもⅢ号戦車での偵察をお願いします』

 

 

 見つからないドイツ選抜の本隊に焦るみほだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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