何故、こうなった・・・・
私にも理由がもわからない。
ただ、言えるのは悪魔が降臨したとしか言えない。
そして、倉庫前でティーガーⅡから降りてきた乗組員達を見た四人の娘達はただ、顔を真っ青にするだけだった。乗組員達は娘の側に行き、反応を楽しんでいるのか呆れているかも分からない。
ただ、見聞きしたのは・・・・・
黒い笑みを浮かべながら『池田流を再教育ね♪』と言われ、顔を引き攣る生徒会長の角谷杏
一昨日に引き続き、再び現れた事に涙目になっている副隊長の島田愛里寿
仕事で居ないはずの人物が目の前に居て、お小遣の減給を言われムンクの雄叫び状態の安斎千代美
目の前に居る人物を見て、現実を受け入れられない秋山優花里
演習場では、撃破され白旗を掲げたⅣ号戦車H型シュルツェン装備のキューポラから身を乗り出したまま、何故、負けたか理解出来ずに涙目になるみほ。
整備で使えなかったはずのティーガーⅡのキューポラから身を乗り出し、私達を睨むパンツァージャケット姿の飛騨茜・・・・・
そして、演習場には白煙を上げ白旗のオブジェクト化した大洗の戦車隊・・・・・
私はティーガーⅡから飛び降り、煤で汚れながらも叔母さんに叫ぶが小梅に宥められ取り押さえられながらも何故こうなったか理解できなかった。
だが、現実はたった一両の隊長用のティーガーⅡに十一両の戦車が成す統べなくして全滅したのだ。
事は遡ること一日前・・・・・
学園艦は未だに熊本港で補給の真っ最中だった。
九州新幹線の高架下には博多から来ている移動屋台の『駆逐戦車おでん』には、実に15年ぶりの再会が行われていたのだ。
「なんで、私まで呼び出すかなぁ?娘はアンツィオ高校だし関係ねぇだろ」
関東の宇都宮駐屯地から呼び出され仏頂面の和子。
「まぁまぁ、和子が居ないと始まらないわ。私だって、旦那と優花里の目を盗んで外泊で来たのよ。たまには、良いじゃない」
宥めながらも、その場の空気を和まそうとする好子。
「そうよ。私だって、学園の仕事を生徒会に丸投げして来たのよ。危うく、杏に気付かれる所だったわよ」
いつも、生徒会に仕事を全部丸投げしているが、それを気にしない弘子。
「あら、皆さん集まった様ですね」
「久しぶりね」
酒瓶を片手におでん屋に入る千代とほろ酔いで出来上がっている私。
「「「呼び出しておいて遅い!」」」
「ゴメンゴメン。ちよきちが学園で訓練を見て来たついでに、様子を聞いたらアンツィオ戦の勝利に浮かれてるからお仕置きしようって、ちよきちと決めてたのよ」
「って、また、てめぇかよ!まぁ、隊長の頼みだから行くけどさぁ。でも、その前に好子と千代に言いたい事があるけど良いか?」
和子は相変わらず口が悪いが、私の頼みはいつも聞いてくれた。だが、ちよきちと好子の喋り方に違和感を感じていたのだ。
「えッ?何かしら?」
「そうね?」
首を傾げる、ちよきちと好子の二人。
「あのさ、その口調きめぇよ!いくら、歳を食ったからって丸くなり過ぎだろ!」
「ああん!何か言ったかぁ?和子さんよぅ」
和子にガンを飛ばし、キレる好子に
「今は家元だからキレないわよ」
涼しい顔で、日本酒を飲むちよきち
「でもよ、元ダージリンって言ったら?」
挑発を辞めない和子。とうとう、言ってしまった。
ちよきちへの禁句いや聖グロリアーナに転校した時の黒歴史を・・・・
「ぶっ殺す!」
「上等だぁ!」
三人がギャアギャア騒いでいると、隣の移動屋台『重戦車おでん』では眼鏡を掛けた男性が飲んで居たのだ。
「全く、五月蝿いですねぇ!何処の馬鹿ですか?顔が見てみたい!」
火に油だけは辞めてくれ・・・・
この、三馬鹿トリオを押さえる私の身にもなって欲しい。
「あっ、てめぇは!」
和子が誰だか気付き
「あっ、お前は!」
好子も気付き
「あら、奇遇ね。死にに来たのかしら?『何処の馬鹿ですか?』は私達ですが何か?」
そいつを見て凄まじい形相のちよきち
「げぇ!?しっ、島田師範に安斎参謀長・・・・って、この面子は・・・元大洗の問題児集団!」
嫌な予感しかしない。
「げぇとは何でしょうね?元大洗の問題児集団?やっぱり、ぶち殺しましょうかね?」
「奇遇だな。千代とは珍しく気が合うねぇ!ぶっ殺す!」
「私が押さえるから二人共任せたわよ!」
あの役人だと判った瞬間に好子が自慢の怪力で取り押さえると、どう料理をしようかと話し合うノリノリの三馬鹿トリオ。ちよきちが何かを思い付いたように店主に最後の晩餐と言わんばかりの一番高い日本酒を一升瓶で頼んで居たのだ。
「おじさん、一番高い大吟醸を一本頂戴!」
「あいよ」
「しっ、島田師範!ちょっとしか飲めないから辞めてくれ!」
「い・や・だ!えっい!」
やっぱり、こうなるのね・・・・
「んっ、ゴォ!?ごくごく・・・・」
役人風の男性は口に瓶の飲み口を押し込まれて無理矢理飲まされて居たのだ。
毎回、私は一緒に飲んでいて思う。しぽりんとちよきちが居るなら避ければ良いのにと・・・・・
前回はしぽりんを酔った勢いで挑発して殴り飛ばされ、今度はちよきちを・・・・・
懲りない人だなぁと私は正直に思う。
だけども、私達はこの男には恨みはある。
20年前に、私達を騙したのだから・・・・
物理的に消すのは簡単だが、戦車道で晴らすと決めたのだ。
それが、私達五人が決めた事だった。
そして、三馬鹿トリオは・・・・
「あら、良い飲みっぷりねぇ」
片手で瓶の底を押さえて役人にグイグイ飲まして、日本酒の入ったコップを片手に悪い笑みを浮かべる千代に
「んじゃあ、もう一本行っとくか?」
空になった一升瓶を抱きながら店主にお代わりの酒瓶を頼み、悪酔いしてノリノリの和子
「ダメじゃん!これ、もう酔い潰れてるじゃん・・・・」
コップを片手に酔いながらも、空いた片手でフェンスの方に酔い潰れた役人を投げ捨てる好子
ある意味、このトリオだけは敵にしたなくないと思ったのだ。
「茜、私達を集めたのはお仕置きだけじゃないでしょ?」
「おっ、さすがは古狸の弘子だね。宙ぶらりんでいる三人にはそろそろ決めて貰わないとね。確実に黒森峰の一連の事件で一番の被害が出るのは紛れも無く西住流だよ。私はしほが嫌いな訳じゃない。でも、西住流が復興するまではちよきちが率いる島田流が日本の戦車道を引っ張れば構わないし、だからと言っても西住流まで潰れてしまうと日本の戦車道の未来が困る。それで、お灸を据えるついでに今の大洗をみんなに見て貰おうって事よ。それに、来年からは私の娘の楓も大洗に入学させるし」
「けっ、めんどくせぇな。だが、確かに大洗が廃校になるのは困るしな。いろいろな意味でな。そうだった。千代、ドイツのプロリーグの隊長の話を聞いたか?」
「えッ?何がよ?」
「うちの諜報部からの情報だか、愛里寿のお嬢をこてんぱんにした隊長は確かパイパーだっけ?あれが文科相の学園艦担当の役人の要請で九州大学に留学したぞ。後、パイパーの使っているティーガーの乗組員とチームの若い連中も一緒にな」
「えッ?本当なの?」
「九州大学までしか情報が掴めてない。でもよ、千代は大学の戦車道の理事長だろ?そっちで掴めるんじゃないか?」
「大丈夫よ。文科省の息の掛かった九州の大学選抜がかなりきな臭いから。そのうちにぼろが出るわ」
「それを含めてよ。嫌な予感がするの。だから、今のうちに彼女達を育てたいのよ。私達の時間が許される限りにね。私達も40近いし、英雄である時代は終わりよ。彼女達にはかなりの重荷かも知れない。でも、西住みほちゃんなら大きな可能性が見えるのよ。だから、お願い!ちよきちからは島田流を、弘子からは池田流を教えてやって欲しいの」
私はエリカから戦車道の指導をして欲しいと言われた時は正直に言えば悩んだ。エリカにはまだ隠しているが、各流派の書物を読み漁りもしていた。だけど、実際に物に出来たのはしぽりんの西住流、ちよきちの忍者殺法の島田流、弘子の単機早駆けによる喧嘩殺法の池田流の他に、旦那の実家でもあり、隠蔽し相手を欺き立体的に攻め立てるが極意の飛騨流・・・・・
だけど、弘子の池田流も旦那の実家の飛騨流もすでに存在していない。
一応、弘子は娘の杏には教えていたようだったが、杏の臆病な性格が祟り極意を習得するまでには至っていないし、私も旦那の実家から運び出した極意を書き記した書物と幼なじみでもあり旦那から、少しだけ教わったに過ぎないのだ。何故、私達がチームを組む事になったかは、大洗女子に入学してからだが、全員は車長は出来るが組める人と車両が無かったのも事実だ。そして、余った私達は丁度良く得意な席があったから、そこに座ったにすぎなかった。それが私達のチームの始まりだった。
話が逸れた・・・・
「別に構わないわ。私の門下生だし・・・ヒックゥ・・・・」
と酔いながら答える、ちよきち
「私は逸見エリカに興味が在るわね。学園で娘に噛み付いた血の気の多さは池田流に相応しいし、杏より鍛えがいがあるわね。」
とエリカに興味津々の弘子
「じゃあ、私は装填手を鍛えてあげるわね。せめて、4秒に一発は装填出来るレベルに・・・」
大洗の装填手達に合掌したくなるような感じだがノリノリの好子
「仕方ないなぁ、私は無線手にアマチュア無線二級または三級が取れるレベルに教育すれば良いんだろ!私は休みが取れて二週間だけだからな!」
私は・・・・
「弘子、私ならみほちゃんのチームとエリカと小梅コンビのチームには教えられるだけ教えてみたらどうかな?でも、その前にやることが有るよ?」
「「「「「お仕置きだな」」」」」
おでん屋の店主が震え上がるような黒い笑みを浮かべた私達だった。
弘子にはティーガーⅡの隊長用かセンチュリオンを確保する任務を与えて飲み会が終了したのだ。
今日の訓練では、基礎訓練に加え新たに入った整備班と風紀委員会の三人組にアンツィオから来たメンバーを含めた全体訓練の予定だった。しかし、戦車倉庫にはみほが乗るティーガーⅡが使えなくなっていたのだ。
ティーガーⅡには使用禁止と学園長の判が押された張り紙がされていたのだ。
「みほ、何か聞いてる?」
「あっ、エリカさん。何も聞いてないよ?」
「じゃあ、愛里寿は?」
「えッ?知らないよ」
杏さんが学園長に電話をしてくれたが電源が切れてるらしく謎が深まるばかりだった。
「隊長、ならⅣ号戦車を使って貰っても良いですか?」
整備班の班長の板野だった。
「板野さんどうして?」
「昨日、生徒会が注文していたH型改造キットが届いたのでF2型から改造したんです。整備班と風紀委員会のチームに使わせる前に不具合を出しておきたいです。そっちにはアンチョビさんに許可とったのでアンツィオのⅣ号戦車G型を使わせるので・・・・・・」
「分かりました。あんこうチームはⅣ号戦車H型を使います」
こうして、訓練が始まったのだ。
ただ、この時に板野の提案を押し退けてまで、みほにティーガーⅡを使わせていればと後悔する事になるが知るよしも無かった。
訓練が始まり、基礎訓練が終わり全体訓練に移ってから30分ほど経つと悪夢が起きたのだ。
『こちら、カモさんチーム!何者かに砲撃を受けて、走行不能!』
Ⅳ号戦車G型が何者かによってやられたのだ。
やられたのは組んで間もない風紀委員会と整備班のチームだったのだ。
みほから全体に下した命令を出すが・・・・
『全車、散開!相手を見極める必要があります』
『こちら、レオポンチーム。車種判明、隊長用のティーガーⅡ』
愛里寿のチームからの情報で隊長用のティーガーⅡだと判る。
『こちら、かめさんチーム!うっわぁ!こっち来るな!すいません、やられました!』
今度はパンターF型を使う内法のチームが食われたのだ。
『同じく、ウサギさんチームもやられました!』
『こちら、アヒルさんチーム!やられました!』
パンターの小隊が壊滅した事になる。
「ねぇ、エリカちゃん。何か、装填速度が早くない?」
「小梅もそう思う?」
あのティーガーⅡに自動装填装置はないが装填速度が約2秒から3秒だとすれば化け物だ。
だけど、先程から被害報告が止まらないのだ。
既に、へびさんチームのヘッツァーもカバさんチームのⅢ号突撃砲が喰われ白旗を掲げていた。そして、ティーガーⅡが見え始めた頃には最高速度の38㎞を維持したまま、慣性ドリフトをしながらキリンさんチームのシュトルムティーガーを左側面に一撃を入れて喰い散らかし、マングースチームのアンチョビが駆るティーガーⅡには後ろのマフラーの所に主砲を撃ち込んでいたのだ。
最初の報告から換算して10分にも満たない時間で八両が喰われたのだ。
残るのはみほのあんこうチーム、愛里寿のレオポンチーム、私のワニさんチームの三両だけだったのだ。
最早、悪夢でしかなかった。
キューポラから身を乗り出し、双眼鏡でティーガーⅡを見ると見覚えのある人物が身を乗り出したまま指揮をしていたのだ。だが、その前に嫌な予感がしたのだ。
「小山さん!信地旋回!前面をティーガーⅡに向けなさい!喰われるわよ!」
しかし、正面に向けても無駄だったのだ。
「小梅、射撃準備!川嶋さん、装填を早くしなさい!」
ガッン
「くっ、大丈夫よ!ティーガーⅡの主砲でも正面装甲は・・・・」
「エリカちゃん!エンジンが止まったよ!」
「なっ、なんですって!?」
車内に響く音に命中した衝撃にエンジンが止まったのだ。キューポラから身を乗り出すと、私のティーガーⅡは白旗を掲げていたのだ。
「えッ・・・・・・嘘でしょ?」
私が見たのは操縦手ハッチの砲塔寄りの場所に砲弾が刺さっていたのだ。
まさかのショットトラップだったのだ。
弾痕は主砲の防楯脇にある丸みがある辺りに当たっており、そこからショットトラップが起きたのだ。その構造的欠陥が在るために黒森峰ではヘンシェル砲塔を使用している。
それが、起こる様に狙ってやったと思うと砲手の腕前に背筋がゾッとしたのだ。
だけど、ティーガーⅡの蹂躙劇は終わらなかったのだ。
最後まで残っていた、みほと愛里寿の二両がコンビを組んでティーガーⅡに振り回されながらも食らい付いていた。
愛里寿が砲撃をドリフトしながら交わした一瞬の隙を突いて、みほが一気に仕掛けたがⅣ号戦車が後部を狙っての慣性ドリフトしたのだが、ティーガーⅡによってⅣ号戦車の後部を狙う様にバックで体当たりをやられた上に弾かれ、止まった所に主砲をⅣ号戦車に撃とうとしたが、隙を突いてきた愛里寿のセンチュリオンが側面を狙っている事に真っ先に気付き、超信地旋回で砲弾を前面装甲で受けると同時に射撃してセンチュリオンを撃破。そして、みほのⅣ号戦車が体制を整えて逆襲しようとしたが、再び、ティーガーⅡの体当たりを受けて弾かれて木にぶつかった所で止まり主砲を撃たれてしまい、みほも撃破されたのだった。
瞬きを一切許さない三両の動きだったがみほも愛里寿も簡単にやられたのだ。
私からしたら天才と呼べる二人が弄ばれるようにやられたのだ。
ショックを受ける前に悔しくなる。
そして、撃破されたみほは何故やられたかも分からず、キューポラから身を乗り出したまま涙目になっていたのだ。
だけど、私達には泣くことすら許しては貰えなかったのだ。
ティーガーⅡの操縦手ハッチから顔を出したのは知っている人物だった。
そう、操縦手ハッチから顔を出したのは島田師範だったのだ。
そして、島田師範が私達に叫んだのだ。
「大洗女子戦車道の生徒はその場から走って倉庫前に整列!」
全員、倉庫まで走って戻ると、島田流家元に所属する多数の整備関係者と所有する戦車回収車が来ており順次に演習場へとやられた戦車を回収するために走って行ったのだ。私達は息を切らしながらも戦車倉庫前に整列した。
倉庫前にティーガーⅡが止まり、乗組員が全員降りて来たのだ。真っ先に反応したのは生徒会長の杏さんにアンツィオのアンチョビ、副隊長の愛里寿、あんこうチームの装填手の優花里だった。四人とも顔が真っ青であり口をパクパクしながら一斉に叫んだのだ。
「「「「何故!」」」」
「「ママ」」
「「お母さん」」
「「「「がいるの!」」」」
まず、口を開いたのは学園長だった。
「杏、戦車道の試合に勝ったのは学園としては嬉しいわね。でもね。嬉しいのは判るけど、私からしたら浮かれたまま訓練をしているに様にしか見えないわよ!いい、池田流を再教育だから覚悟しなさい!」
「あちゃぁ・・・・」
どうやら、学園長が杏さんの母親だったらしい。再教育と言われ、更に顔が青くなる杏さんだった。そして、次に口を開いたのはアンチョビの母親だった。
「千代美!来年から大学だろがぁ!大洗に負けたからって腑抜けた訓練してんじゃねぇぞ!小遣い減らすぞ!」
「ヒッィィィ!?」
既に、ムンクの雄叫び状態のアンチョビ・・・・
「愛里寿ちゃん、あれは何かな?茜ちゃんに言われなくても反応が出来る温い砲撃だったわよ?」
「ヒッィ・・・・」
ガッタァ、ガタガタ・・・・・
愛里寿は自分を抱きしめる様に脅えており、母親の本気の操縦技術にさらに震え出して顔が真っ青だった。最後は優花里だった。
「何故、お母さんがいるのですか?私に戦車道をしていた事を隠していたのです?」
「・・・・」
「お母さん!」
「落ち着いてから話そうってしてたのによ、全くめんどくせぇな。パンツァー・ハイになるとこんな口調になるから隠したんだよ。優花里の装填速度には文句はない。だけど・・・」
優花里は母親が戦車道をしていた事に加え、お母さんの話す口調の違いに現実を受け入れる事が出来ないでいたのだ。
最後に口を開いたの茜叔母さんだった。
「注目!」
茜叔母さんに注目するとやはり、叱咤だった。
「勝利して浮かれるのは構わない!だけど、訓練まで浮かれたままでは事故が起きるわよ!それに、そんな状態のままで黒森峰に勝てるほど甘くないわよ!よって、生徒全員には黒森峰戦まで強化合宿を行うわ。千代、あれで締めて」
「えッ!あれをやるの?」
「うん、当たり前だね」
「ハァ・・・仕方ないわね・・・・」
何処から出したか分からないがティーカップ持ち、中身には紅茶が入っていた。
そして・・・・
「皆さん、この言葉知ってる?」
「「はい?」」
何故かダージリンに見えてしまうのは何故だろう。
「滅びる原因は、自らの内にある。徳川家康の言葉よ」
こうして、私達は島田師範の監修の下で強化合宿をやる事になったのだ。
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