ストライク・ザ・ブラッド―真祖の守護者―   作:光と闇

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魔族と眷獣

 声をかけてきた男達二人組を見た古城は、ぎょっと目を剥いた。彼らが手首に嵌めている、金属製の腕輪の存在に。

 生体センサや魔力感知装置、発信器などを内蔵した魔族登録証を持っているということは、彼らは普通の人間ではなく人外―――魔族(フリークス)だ。

 しかし、腕輪をつけた登録魔族が、人間に危害を加えることは余りない。何故なら、特区警備隊(アイランド・ガード)の攻魔官達が大挙して押し寄せてくるからだ。

 とはいえ、彼らを刺激させるのは良くない。万が一ということもある。だから此処は穏便に済ませて欲しいのだが、

 

「結構です。わたしはそこの彼に用があるので」

 

「そんなこと言わないでさ。少しつき合ってくれよ」

 

 黒髪少女の態度が冷ややかだった為、男の一人がうっすらと青筋を浮かべていた。

 その一方で、もう一人の男がレイに歩み寄り、

 

「お嬢ちゃんもどうだ?俺たちと一緒に遊んでかない?」

 

「ごめんなさいなのです。僕は主様の人形(ドール)なので、貴方様と一緒には遊ばないのです」

 

「そう言わずに―――って、は?」

 

 レイの言葉に、男は目を瞬かせた。目の前にいる少女が、人形?と疑いの目をレイに向ける。

 

「………はは。お兄さんをからかってるのかな?」

 

「からかってないのですよ。僕は正真正銘、主様の人形(ドール)なのです」

 

 レイはただ事実だと男に告げる。彼女の瞳には、嘘偽りがない。男はそれを悟って暫し唖然とした。

 その様子を傍で見ていた古城は、レイの方は問題ないな、と安堵した。が、

 

「―――てめェ!俺が下手に出てやりゃあ図に乗りやがって………!」

 

 黒髪少女の方は、別の男を刺激して怒らせてしまっていた。

 マジかよ、と古城は溜め息を吐きつつ止めに入ろうとした―――その時。

 

「………は?」

 

 黒髪少女のスカートを男が捲って、古城の視界にパステルカラーのチェックの布切れが映った。

 

「………ッ!?」

 

 黒髪少女は慌てて捲れ上がったスカートを押さえると、恥ずかしさで頬を赤らめた。

 そんな彼女を、男はしたり顔で見ていた。が、その余裕が命取りだった。

 

「―――若雷(わかいかずち)っ!」

 

「ガッ………!?」

 

 黒髪少女が見せていた羞恥は直ぐに怒りの表情となり呪文を叫ぶと、余裕の笑みを浮かべていた男の鳩尾に掌底を叩き込み、吹き飛ばした。

 その光景に、古城とレイだけでなく、片割れの男も驚愕の表情をした。

 魔族を掌底一つで吹き飛ばせるただの人間は聞いたことがない。吹き飛ばされた男は獣人種―――人狼だ。強力な個体………というわけではなさそうだが、それでも彼らの筋力や打たれ強さは人間の比ではない。

 だというのに、黒髪少女の一撃を喰らい、壁に叩きつけられたきり動けないでいた。

 

「あのガキ、攻魔師か―――!?」

 

 ハッと我に返った男の片割れが怒鳴った。

 攻魔師。それは魔術師や霊能力者などの、魔族に対抗する技術(スキル)を身につけた人間の総称。

 軍人や警察の特殊部隊員、民間の警備会社の社員、或いはそれ以外の組織に雇われている者―――彼らの身分は様々で、使用する技術体系も千差万別。いずれにしても彼らは魔族の天敵であり、魔族狩りを生業としている殺し屋のような攻魔師も少なくない。

 勿論、魔族特区であるこの絃神市では、攻魔師の活動も厳重に制限されている。

 

「……………っ!」

 

 男は恐怖と怒りに表情を歪ませると、真紅の瞳に牙を剥き出しにして、魔族としての本性を露にした。

 

「D種―――!」

 

 男の正体に気づいた黒髪少女が表情を険しくして呻いた。

 D種。様々な血族に分かれた吸血鬼の中でも、特に欧州に多く見られる〝忘却の戦王(ロストウォーロード)〟を真祖とする者達を指す。人々が一般的にイメージする吸血鬼に最も近い血族。

 吸血鬼には、常人を遥かに超える身体能力と、魔力への耐性、凄まじい再生能力がある。そして、魔族の王と呼ばれるに相応しい圧倒的な切り札が彼らにはあった。

 

「―――〝灼蹄(シャクテイ)〟!その女をやっちまえ!」

 

 吸血鬼の男が絶叫し、その直後、彼の左脚から何かが噴き出した。鮮血に似ているが血ではなく、陽炎のように揺らめく、どす黒い炎。

 その黒い炎は、やがて歪な馬のような形をとって現れた。甲高い(いなな)きが大気を震わせ、炎を浴びたアスファルトが焼け焦げる。

 

「こんな街中で眷獣を使うなんて―――!」

 

 吸血鬼男の非道な行為に黒髪少女が怒りの表情で叫んだ。

 吸血鬼男が左手首に嵌めていた腕輪が、攻撃的な魔力を感知してけたたましい警告を発している。すると、ショッピングモールに来場者の避難を促すサイレンが鳴り響いた。

 眷獣。そう呼ばれる使い魔を、吸血鬼は自らの血の中に従えている。

 吸血鬼は、確かに強力な力を持った魔族だが、怪力も敏捷さも、生来の特殊能力でも吸血鬼を凌ぐ魔族は幾らでも存在している。だというのに、何故吸血鬼だけが魔族の王として恐れられているのか―――その答えが眷獣だ。

 眷獣の姿や能力は様々。が、最弱の眷獣でさえ最新鋭の戦車や攻撃ヘリの戦闘力を凌駕する。〝旧き世代〟の使役する眷獣の場合だと、小さな村を消し飛ばすことが可能らしい。

 若い世代である吸血鬼男の眷獣には、〝旧き世代〟ほどの力はないが、ショッピングモール壊滅ぐらいの被害は出るだろう。

 解き放たれた妖馬の眷獣―――〝灼蹄(シャクテイ)〟は、半ば暴走状態になって、周囲の街路樹を薙ぎ払い、街灯の鉄柱を融解させている。それはまさに、意思を持つ破壊的なエネルギーの塊。人間が受ければ一瞬で消し炭になるだろう。

 しかし、その眷獣を見ても黒髪少女の表情に恐怖は刻まれていなかった。そればかりか、

 

「雪霞狼―――!」

 

 黒髪少女は背負ったままのギターケースから、楽器ではなく―――銀色の槍を抜き放った。

 槍の柄が一瞬でスライドして長く伸びる。それと同時に、格納されていた主刃が穂先から突き出した。まるで戦闘機の可変翼のように、穂先の左右にも副刃が広がる。

〝雪霞狼〟と呼んでいた銀の槍を構えた黒髪少女。それを見た古城は、あんなもので眷獣と戦う気か!?と焦っていた。

 だが時間は待ってくれない。〝灼蹄(シャクテイ)〟は黒髪少女をめがけて突進してきた。

 迫り来る眷獣を冷ややかに睨んだ黒髪少女が、銀の槍で迎え撃とうとした―――その時。

 

「………え?」

 

「なっ………!?」

 

 黒髪少女と眷獣の間に、レイが割り込んできた。驚く黒髪少女と古城。吸血鬼男の表情も同様だった。

 レイは青白い焔のように輝く瞳で〝灼蹄(シャクテイ)〟を見つめると、両手を広げた。

 その行為とほぼ同時に、〝灼蹄(シャクテイ)〟がレイと衝突した。

 

「―――レイ!?」

 

 古城がレイの名を叫び、彼女の下へと駆け寄ると、

 

 

「いい子いい子なのですよ♪」

 

 

 レイは頭を下げてきた〝灼蹄(シャクテイ)〟を撫でていた。

 

「は?」

 

 思わず素っ頓狂な声を洩らす古城。レイが眷獣の頭を呑気に撫でているのだからそうなるのも無理はない。

 その光景に、銀の槍を構えたまま唖然とする黒髪少女と、己の眷獣の様子がおかしくなっていることに愕然とする吸血鬼男。

 レイは古城に気がつくと、振り返ってニコリと笑った。

 

「この子は僕が大人しくさせておいたのですよ、主様」

 

「そ、そうか―――じゃねえ!どうやってその眷獣を鎮めたんだ!?つか平然と触ってるが熱くないのか!?」

 

「うー………いっぺんに質問しないで欲しいのですよ、主様」

 

 古城の質問攻めに困惑するレイ。たったの二つしか訊いてないが。

 レイは少しだけ古城の質問の内容を頭の中で整理して、回答した。

 

「………この子を大人しくさせた方法は単純なのです。ただ『大人しくしてください』ってお願いしただけなのですから」

 

「は?お願いした?」

 

「はいなのです。そしてこの子に触っても僕は全然熱くないのですよ。主様も触りますですか?」

 

「いや、俺は遠慮しとくよ………」

 

 絶対触りたくねえ、という本音を心の中で洩らす古城。そんな古城に残念そうな表情を浮かべるレイ。

 一方、ハッと我に返った吸血鬼男は、己が眷獣に命じた―――が、

 

「〝灼蹄(シャクテイ)〟!?くそ、なんで俺の言うことを聞かないんだ!?」

 

 吸血鬼男がそう叫ぶと、レイは彼に向き直り、

 

「無駄なのですよ。貴方様の眷獣は、僕が支配しているのですから」

 

「なに………!?」

 

 眷獣を支配している。そう口にしたレイに、吸血鬼男は驚愕し瞳を見開いた。

 人形少女のレイが、吸血鬼の眷獣を支配出来る力を有している。そんな馬鹿な話があってたまるか。

 だが彼は気づく。レイの全身から迸る濃密な魔力に。銀水晶のような輝きを放っていたことに。

 レイは吸血鬼男を細めた瞳で見つめ、訊いた。

 

「どうしますか?降参しますか?その気になれば、僕はこの子で貴方様を攻撃出来るのですよ」

 

「………!わ、わかった!降参する!降参するから、殺さないでくれ」

 

 命乞いをする吸血鬼男。それにレイは満足そうに見つめると、パチンと指を鳴らして〝灼蹄(シャクテイ)〟を消滅させた。

 それと同時に、吸血鬼男は腰を抜かしてその場で尻餅をつく。恐怖ではなく、助かったという安堵によるものだった。

 だがそんな彼を、レイは鋭く睨みつけて冷たく言った。

 

「では、()()はさっさと仲間を連れて消えてください。目障りですので」

 

「は?」

 

「は?ではないのですよ。僕は主様ごと攻撃しようとした貴方なんか大ッ嫌いなので、これ以上顔も見たくないのです」

 

「………!?」

 

 さっきまで優しかったはずのレイの豹変ぶりに、驚きを隠せない吸血鬼男。

 レイは構わず、彼にトドメを刺した。

 

「早く消えろというのが聞こえなかったのですか?それとも―――僕に消されたいのですか?」

 

「ひいっ!?」

 

 邪悪に笑うレイに吸血鬼男は怯えると、倒れていた仲間を連れて全速力で走り去っていった。

 そんな彼を見送ったレイは、嫌悪感を消して古城に振り返り、笑顔で言った。

 

「邪魔者は追っ払ったのですよ、主様♪」

 

「あ、ああ」

 

 古城は引き攣った顔で笑う。レイの恐ろしい裏の顔を知って。彼女はとんだ猫被りである。

 一方、黒髪少女は銀の槍をレイに向けて訊いた。

 

「あなたは何者なんですか?人形と名乗っていましたが、先程のは明らかに魔力によるものです」

 

「………?僕は主様の人形(ドール)に違いないのですよ?」

 

「嘘です!ただの人形が、魔力を行使できるはずがありません!本当は魔族じゃないんですか?」

 

「………………」

 

 黒髪少女の問いにレイは口を閉ざした。この無言は肯定ではない。答えない意思表示だった。

 それを察した黒髪少女は、そうですか、と目付きを鋭くしてレイを睨み、

 

「わかりました。力ずくで聞き出すほかないみたいですね」

 

 そう言って臨戦態勢に入る黒髪少女。レイも彼女を睨み返して身構えた。

 一触即発な状況の中、古城が慌てて止めに入る。

 

「待ておまえら!少しは落ち着けよ!なあ?」

 

「邪魔しないでください、暁古城!わたしはそこの彼女に用があるんです!」

 

「ならその槍はしまえよ。それから話し合いを―――って、なんでおまえは俺の名前を知ってんだ?自己紹介した覚えないんだが」

 

「え?それはあのとき言いましたけど?わたしはあなたの………第四真祖の監視役と」

 

 それを聞いて古城は、確かにそんなことを言ってたな、と思い出す。が、思わず頷きそうになった首を慌てて横に振り否定した。

 

「いや、第四真祖とか言われてもなんのことだか」

 

 惚ける古城に、黒髪少女は、はぁ、と深い溜め息を吐く。この男はあくまでもしらを切るつもりか、と。

 しかし、古城が幾ら否定しようが、もう黒髪少女を騙すことは出来ない。

 最初は彼の言葉に乗せられそうになったが、第四真祖がこの絃神島にいて、彩海学園の生徒であることを知っている。写真だって見せてもらっているのだ。見間違いなわけがない。

 そして、その第四真祖を斃し得る最強の武神具―――〝七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)〟という獅子王機関が開発した対魔族用の秘奥兵器を三聖から託されている。それがこの〝雪霞狼〟だった。

 だが、彼女にとって想定外な事態が起きている。それが古城と一緒にいる〝レイ〟という謎に包まれた少女だ。

 三聖からも彼女がいることは聞かされていない。ましてや、人形と名乗っておいて魔力を行使し、他者の眷獣を操る存在など知らない。

 彼女の正体は恐らく魔族。人形と名乗っているのは、それを隠す為だろう。魔力の行使及び他者の眷獣を操るのだから吸血鬼以外に考えられない。

 とはいえ現時点、レイという少女は正体不明の〝未知の人形〟としか言いようがない。故に、多少強引な手を使ってでも彼女の情報を入手したかった―――

 

「―――おい、なに一人でぶつぶつ言ってんだあんた?」

 

「え?………っ!」

 

 黒髪少女はハッと顔を上げると、古城が怪訝な表情で見ていた。少女は慌てて後方に跳んで彼と距離を置く。

 銀の槍を構えて古城を警戒する黒髪少女。そんな彼女に古城は、はぁ、と溜め息を吐き、

 

「おまえが第四真祖とかいう監視者だかなんだか知らないけど、レイはべつに悪くないだろ?おまえになにかしたか?」

 

「え?………いえ。特になにもされてませんけど」

 

「だろ?ならその槍はしまいなって。さっきの魔族みたいにスカートめくりされたとかじゃないんだ―――し………」

 

 其処まで言って、古城は、やばっ、と慌てて口を塞いだ。が、時既に遅し。黒髪少女の頬が紅潮していき、

 

「………見たんですか?」

 

「え?あ、いや。俺はなにも見てな―――」

 

「主様は、バッチリ見ていましたのですよ」

 

「な、レイ、おまえ!?」

 

 古城が裏切り者のレイを睨みつけて、彼女の頬を引っ張った。

 

ひた()()ひた()()ひた()()()()()()ぬひ()さは()!」

 

「知るか!そこはフォローしろよな!俺を嵌めた口はこれか!?」

 

 レイの良く伸びる柔らかい頬を目一杯引っ張る古城。レイは容赦ない古城のお仕置きに泣き叫ぶ。

 そんな、傍からみれば『幼女を虐待している悪いお兄さん』的な光景を、黒髪少女は暫しの間眺めていた。が、

 

「………もういいです」

 

 黒髪少女は醒めた口調でそう言って、構えを解く。すると展開していた刃が格納され、槍は元のサイズに戻りそれをケースの中に仕舞う。

 

「え?あ、おい………!」

 

 無言で立ち去ろうとする黒髪少女に、レイを解放した古城が声をかけ、

 

「いやらしい」

 

 それに黒髪少女は頬を赤らめながら古城を一瞥し、そう言い捨てると走り去っていった。

 古城は呆然と彼女の背を見送ると、赤く腫れた頬を半ば本気の涙を目に浮かべながら擦るレイを見下ろして訊いた。

 

「なあ、レイ」

 

「ひっ!?」

 

 古城に声をかけられてビクッと肩を震わせるレイ。ついさっき受けたお仕置きがまた来ると思って怯えているのだ。

 そんなに容赦なかったか?と古城は苦笑いを浮かべて、レイの頭に手を乗せて優しく撫でる。

 

「………俺は、悪くないよな?」

 

 古城はレイに訊くと、彼女は涙を拭って頷き、

 

「………はいなのです。あれは不幸な事故なのです」

 

 だよな、とホッと胸を撫で下ろす古城。さっきは裏切られたが、レイは古城の味方だった。さっきのもただ真実を黒髪少女に教えただけで、彼女は別に間違ったことを言ったわけではないのだ。

 だから古城はレイに八つ当たりしてしまったようなものだった。とはいえ、真実を伝えるのは構わないが、もう少しオブラートに包んだ言い方が出来ないものか、と古城は思う。

 一方、レイは古城に頭を優しく撫でられたことで、泣きそうだった表情は一転して嬉しそうな表情に変わっていた。

 そんなすっかり調子を取り戻したレイの両肩に手を乗せた古城は、フッと真剣な表情で訊いてみた。

 

「なあ、レイ。おまえっていったい―――何者なんだ?」

 

「………………」

 

 しかし、レイは答えなかった。古城を主様と慕っているはずの彼女が。

 古城は答えないレイを責めたりはしなかった。それは何故か、彼は気づいていたのだ。答えないのではなく―――答えたくないという彼女の気持ちに。

 

「言いたくないなら無理には聞かない。本当は気になるけどな」

 

「………主様。ごめんなさいなのです。そして―――ありがとう、ございます」

 

 古城の優しさに、レイは深々と頭を下げてお礼を言った。何れ知られるであろう自らの正体のことを想いながら。

 そんな彼女を古城は苦笑しながら見つめたあと、よし、と頷き、

 

「俺たちも早く帰るか」

 

「はいなのです」

 

 レイは頷き、古城の隣を歩く。が、

 

「―――ん?」

 

 ふと道路に落ちていた何かに気づいて、眉を顰めた。レイもそれに気づいて、しゃがみ込み白地に赤い縁取りの財布を手に取った。

 

「………さっきの方が落としていったお財布なのでしょうか?」

 

「さあな。………って万札が一枚入ってるだと?」

 

「主様、盗んでは駄目なのですよ」

 

「盗らねえよ!?人を犯罪者扱いするな!」

 

 レイにとんでもない誤解をされて叫ぶ古城。そんな彼にレイは慌てて謝罪した。

 古城とレイは、カードホルダーに差し込まれていたクレジットカード………ではなく、学生証に目を止める。すると其処には、

 

「「姫柊雪菜………?」」

 

 その名前とぎこちなく笑う黒髪少女の顔写真があった。


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