ストライク・ザ・ブラッド―真祖の守護者― 作:光と闇
今回はレイ登場しません。話題には出ますが。
其処で雪菜は復刻版クラシックテリヤキバーガーとオニオンリング、グレープフルーツジュースのセットを頼み、古城と向かい合わせでテーブル席につく。
行儀良く両手でテリヤキバーガーを掴み、幸せそうに齧り付く雪菜をぼんやりと古城が眺めていた。
すると、雪菜が怪訝そうに古城を睨み、
「なにを見てるんですか?これはわたしのなのであげませんよ」
「いや、べつに狙ってないから。俺はただ、姫柊も普通にハンバーガーなんか食べるんだな、と思っただけだ」
「どういう意味です?」
ムッと眉を顰めて訊き返す雪菜。それに古城は氷だらけの薄いアイスコーヒーを啜りながら答えた。
「いや、なんとなく、こういう店とは縁がなさそうな印象があったから。ナイフとフォークはどこですか、とか言い出しそうなイメージが………」
「よくわかりませんけど、もしかして馬鹿にしてますか?」
「え?いや、べつに馬鹿にしてるわけではないんだが………ただ俺は姫柊にそういうイメージがあるだけで」
言い訳を始める古城に、雪菜は、はぁ、と溜め息を吐いた。
「たしかに高神の杜がある街は都会じゃないですけど、ハンバーガーくらいは売ってますよ」
「………高神の杜?姫柊が前にいた学校のことか?」
「はい。表向きは神道系の女子校ということになっています」
「表向き?ってことは、裏があるのか?」
「………獅子王機関の養成所です。獅子王機関のことは知ってますよね?」
「いや、知らんが」
古城が首を横に振ると、雪菜が、は?と目を瞬かせた。
「どうして知らないんですか」
「そんな知ってて当然みたいに言われても………初めて聞いたぞ、そんな名前」
古城が渋い表情で言うと、雪菜は、え?と困ったように呟いた。
「獅子王機関は、国家公安委員会に設置されている特務機関です」
「特務機関?公務員ってことか?」
「はい。大規模な魔導災害や魔導テロを阻止するための、情報収集や謀略工作を行う機関です。もともとは平安時代に宮中を怨霊や妖から護っていた滝口武者が
「
そう言って古城は一応納得する。
「で、養成所から来たってことは、姫柊もその獅子王機関の関係者なわけだ」
「はい………
雪菜がそう答えると、成る程、と再び納得する古城。
「だったら姫柊が俺たちを尾けてたのはどうしてだ?その特務機関ってのは、魔導災害やテロの対策が仕事なんだろ?俺やレイとは関係なくないか?」
「え?」
「尾行してただろ、昨日」
「まさか気づいてたんですか………!?」
「え?いや、気づかれてないと思ってたのか、あれで」
雪菜が驚いたことを古城が逆に驚くと、彼女は、う、と弱々しく呻いた。
「それもありますけど………あの、暁………先輩?ひょっとしてご存じないんですか?」
「なにをだ?」
「………レイさんはともかく、先輩は、存在自体が戦争やテロと同じ扱いなんですよ」
「は?」
「
「軍隊と同じ扱いって………なんだそれ………?いったい誰がそんなことを………」
流石に古城は動揺を隠せない。戦争やテロと同じ扱い。つまり存在しているだけで国家的な非常事態。人間扱いどころか、生物扱いすらしてもらえないとかあんまりだ。
「先輩、本当に知らなかったんですね………」
雪菜が呆れたように溜め息を吐いた。彼女の浮かべた憐れみの表情を見た古城はカチンと来たが、心を落ち着かせる為に自棄食いのような勢いでフライドポテトを口に突っ込みながら言った。
「ほかの真祖のことはともかく、俺はそんな扱いされる覚えはねーぞ。俺はなにもしてないし、支配する帝国なんかどこにもねーし」
「そうですね」
雪菜が静かに頷くと、古城に冷たく攻撃的な眼差しを向けて訊いた。
「わたしもそれを訊きたいと思ってました。先輩は、ここでなにをするつもりなんですか?」
「なにをする………って、なんだ?」
「昨日、先輩の妹さんに会って話を聞きました」
「ああ………らしいな」
「あなたは、自分が吸血鬼であることを妹さんにも隠してますよね」
「まあ、そうだけど………」
「家族にも正体を隠して魔族特区に潜伏しているのは、なにか目的があるんじゃないですか?たとえば、絃神島を陰から支配して、登録魔族たちを自分の軍勢に加えようとしているとか。あるいは自分の快楽のために彼らを虐殺しようとしているとか………なんて恐ろしい!」
何処か思い詰めたような、或いは妄想しているような口調で雪菜が呟くと、古城は、なんでそうなる、と低く唸った。
「いや、だから待ってくれ。姫柊はなにか誤解してないか?」
「誤解?」
「潜伏するもなにも、俺は吸血鬼になる前からこの街に住んでたわけなんだが」
「………吸血鬼になる前から………ですか?」
「ああ。記録でもなんでも好きに調べてくれ。俺がこういう体質になったのは今年の春だし、この島に引っ越してきたのは中学のときだから、もう四年近く前の話だぞ」
古城が苦々しげな口調で説明する。
古城は生まれついての吸血鬼ではなく、ほんの三カ月と少し前まで彼は魔族ではなく普通の人間だった。が、今年の春、とある事件に巻き込まれたことで彼の運命は変わった。彼は其処で第四真祖と名乗る人物に出会い、その能力と命を奪った。
しかし雪菜は信じられないという風に首を横に振る。
「そんなはずはありません。第四真祖が人間だったなんて」
「え?いや、そんなことを言われても実際そうなんだし」
「普通の人間が、途中で吸血鬼に変わることなどあり得ません。たとえ吸血鬼に血を吸われて感染したとしても、それは単なる〝血の従者〟―――疑似吸血鬼です」
「ああ。そうらしいな」
「だったら、どうしてそんなすぐバレる嘘をつくんですか?」
「べつに嘘をついてるわけじゃねーよ」
「というより、レイさんが先輩の〝血の従者〟だったりするんじゃないんですか?あの子は先輩を慕っていましたし」
「いや、べつにレイは俺の………〝血の従者〟なのか?」
ふと疑問に思った古城は首を傾げる。たしかレイは古城の血を飲んで起動したんだっけか。ならある意味、彼女は古城の〝血の従者〟と言えるのかもしれない。それなら彼女が古城を慕うのも納得がいく。
「先輩………?どうかしましたか?」
「え?あ、いや、なんでもない。続けてくれ」
古城は思考を中断して促す。雪菜は、はぁ、と溜め息を吐きながらも頷いて続けた。
「レイさんが何者かはいったん置いときましょう。ですがね、先輩。真祖というのは、今は亡き神々に不死の呪いを受けた、もっとも旧き原初の吸血鬼のことですよ」
「いちおうそれくらいは俺も知ってるが………」
「普通の人間が真祖になるためには、失われた神々の秘呪で自ら不死者になるしかないんです。先輩にそんなことができるとでも?」
「いや、まさか。さすがに神様の知り合いはいねーよ」
「だったらどうやって吸血鬼になったというんですか。真祖になる手段なんてあとはもう―――」
其処まで言って不意に雪菜は何かに気づいたように言葉を切った。その顔色が微かに青ざめる。融合捕食。即ち真祖喰いを思い出して。
「先輩………まさか、あなたは………真祖を喰らって、その能力を自らに取りこんだとでも………!?だけど、そんなことが………」
雪菜の表情から少し前までの柔らかさが消えて、代わりに畏怖の感情が浮かんでいた。
真祖の存在を喰らってその能力と呪いを自らの内部に取り込み真祖になる。
だが、魔力の劣る者が神々に近い力を持つ真祖を取り込むことなど出来るはずもなく、下手に手を出せば逆に自分自身の存在を吸い尽くされて消滅するだけ。ただの人間なら尚更あり得ないことだ。
「真祖を喰った………って、そんな人をゲテモノ喰いの変人みたいに言わないでくれ」
古城はだらしなく頬杖を突いてアイスコーヒーを啜った。雪菜は険しい表情のまま、
「だったら、ほかにどうやって真祖の力を手に入れたと言うんですか」
「悪いけど、詳しいことは俺にも説明できないんだ。俺はただこの厄介な体質を、あの馬鹿に押しつけられただけだからさ」
「押しつけられた………?」
驚いたように目を瞬かせる雪菜。
「先輩は、自分の意志で吸血鬼になったわけではないんですか?」
「誰が好きこのんでそんなもんになりたがるか」
古城が投げ遣りな口調で言うと、雪菜は疑惑の眼差しで彼を睨み、
「あの馬鹿というのは誰ですか?」
「第四真祖だよ。先代の」
「先代の第四真祖………!?」
雪菜が愕然として息を呑む。
「まさか、本物の〝
「いや、それは………っ!?」
言いかけた古城の顔が突然、激しい苦痛に襲われたように歪み、飲みかけのコーヒーカップを倒して中身を零してしまう。
しかし古城はそれにも気づかずにテーブルの上に顔を伏せ、頭を抱えた。噛み締めた唇から苦悶するような吐息が洩れる。失われた記憶が古城の全身を呪いのように苛んでいる。
「せ、先輩?」
古城が見せた全く予想外の反応に狼狽えるような声を出す雪菜。
「悪い、姫柊………その話は今は勘弁してくれ」
しかし古城は顔を上げられず、見えない杭に貫かれたような激しく疼く心臓を押さえてただ苦しげに息を吐き、弱々しい口調で返した。
古城の脳裏に浮かんだのは一人の少女の姿。もう顔すら思い出せない彼女が、炎の中で笑っている。今朝、夢で見た時に出てきた少女と良く似ていた。
そんな古城に雪菜が小さく首を傾げた。
「え?」
「俺には、その日の記憶がないんだ。無理に思い出そうとするとこのザマだ」
「そう………なんですか?わかりました………それじゃあ、仕方ないですね」
ようやく顔を上げた古城を見て、ホッとしたような表情を浮かべる雪菜。そんな彼女に古城の方が拍子抜けして、
「信じてくれるのか?」
「はい。先輩が嘘をついてるかそうでないかくらいは、だいたいわかりますから」
雪菜が当然のような口調で言うと、立ち上がり紙ナプキンでテーブルに零れたコーヒーを拭き取る。
それから彼女はハンカチを取り出して古城の隣に屈み込んで言った。
「こっちを向いてください。ズボン、拭きますから」
「あ、いや。いいよ、そこは」
「染みになっちゃいますよ。ほら」
そう言って雪菜が古城のズボンに手を伸ばす。彼女の細い指先で太腿やもっと上のデリケートな部分などを触られて古城は呼吸も身動きも出来ない。
そんな彼に雪菜はお構いなしに作業を続ける。そして古城の両脚の間に屈み込んでいた彼女は、無防備に白いうなじを晒したまま話し始めた。
「わたし、獅子王機関から先輩のことを監視するように命令されてたんですけど………それから、先輩がもし危険な存在なら抹殺するようにとも」
「ま………抹殺?」
平然と告げられた不穏な言葉に古城は硬直する。が、雪菜は穏やかな口調で、
「その理由がわかったような気がします。先輩は少し自覚が足りません。とても危うい感じがします」
「いや、姫柊もそうとう危なっかしいと思うが。財布も落とすし」
「なにか、言いましたか先輩?」
「………いや、なんでもないです」
良い笑顔とは裏腹に冷たすぎる声音の雪菜に、古城は冷や汗を掻く。
「とにかく、今日から先輩のことはわたしが監視しますから、くれぐれも変なことはしないでくださいね。まだ先輩のことを全面的に信用したわけではないですから」
「監視………ね」
まあいいか、と古城は肩の力を抜く。監視くらいならレイも目を瞑ってくれるだろう。
「そうだ、姫柊。凪沙のことなんだけど」
古城はふと不安に駆られて雪菜を見るが、彼女は少し悪戯っぽい笑顔で頷いて言った。
「わかってます。先輩が吸血鬼だってことは内緒にしておきます。ですから、わたしのことも」
「ああ。普通の転校生ってことにしとけばいいんだろ」
「ありがとうございます」
肩を竦めて答える古城に、雪菜はお礼を言って立ち上がった。
だが、あ、と古城は思い出したように雪菜に告げた。
「レイにも、姫柊の正体を隠しとかねえとな」
「え?レイさんに………ですか?」
古城の言葉に不思議そうな表情で訊き返す雪菜。それに古城は、ああ、と頷き、
「あいつは俺のことを第一に考えて行動してくれるいい子だけど………その反面、俺の敵には容赦ないからさ」
「ああ………たしかにそんな素振りを見せてましたね」
魔族二人組の件を思い出して苦笑いを浮かべる雪菜。彼女もレイの豹変っぷりに驚愕していたのだ。
「だろ?だからさ、監視っていうキーワードならまだセーフかもしれないからいいけど」
「『抹殺しにきた』という言葉は口にするな、ってことですね」
「ああ。姫柊が俺を殺しにきた刺客………なんてことがバレたら、あいつは最悪、返り討ちにするかもしれないしな」
古城が真剣な表情で言うと、雪菜は、大丈夫です、と返し、
「逆にわたしが、彼女を返り討ちにしますから」
「いや、それだけはやめてくれよな!そういうのは本当にどうしようもなくなったときの最終手段にしてくれ。頼むから」
「はい。もちろん冗談ですよ。その最悪な結末を迎えないように、先輩が彼女を説得してくれるんですよね?」
「え?あ、おう。任せろ。レイの説得ならたぶんなんとかなると思う。『姫柊を殺すな』って一言告げれば、レイなら守ってくれるだろ」
うんうん、と頷く古城。そんな彼を雪菜がクスッと笑い、
「先輩は、レイさんのことを信用しているんですね」
「そうだな。あいつは俺のことを信用してくれてるんだ。だから俺もあいつのことを信用してやらなきゃ駄目だろ。………まあ、俺にも教えてくれない秘密があいつにはあるけど」
「秘密、ですか?」
雪菜が真剣な表情で古城を見つめてくる。それに彼は、ああ、と頷き、
「悪いが俺もレイの正体を詳しくは知らないんだ。わかるのは、俺の〝血〟で動く―――ってことくらいだな」
「先輩の〝血〟で………ですか?」
雪菜はきょとんとした表情で固まった。
古城の〝血〟がレイの動力源。ならば、その魔力の拠り所である〝血〟は、古城の〝血〟には第四真祖の魔力が含まれているはずだ。
ならばレイが魔力を行使出来たのも納得がいく。但しそれはレイが古城の〝血の従者〟であるならの話だが。
〝血の従者〟。それは吸血鬼が自らの肉体の一部を与えて創り出す疑似吸血鬼。血を与えることで従者を創り出すことが出来るとされるが、更に強力な従者を創り出す為により重要な臓器を与えることがあるともいわれている。
………いや、臓器の話は今は関係ない。問題はレイが古城の〝血〟を取り込んで〝血の従者〟になっているか否かだ。
そもそも、レイは人間ではなく人形だという。人形を〝血の従者〟にすることは可能なのだろうか?それとも〝血〟ではなく、第四真祖の魔力が与えられることで起動する術式がレイには組み込まれているのか?
その疑問はさておき、レイの使用した魔力の正体がわかった。それは古城の―――第四真祖の魔力だったのだ。
だとしたら、レイが行使した他者の眷獣を支配する銀水晶の魔力。あれは第四真祖の眷獣の能力だったのではないか。
精神支配の能力を持つ眷獣………それが世界最強の吸血鬼・第四真祖の十二体の眷獣の中に含まれているのならば恐ろしいことこの上ない。
雪菜がそんなことを考えていると、
「―――おい、姫柊?どうしたんだ、ぼうっとして」
「………え!?あ、すみません先輩。少し考えごとをしてました」
古城が雪菜の眼前で手を振りながら声をかけることで、ようやく彼女が反応を示した。
雪菜はハッと我に帰って古城に謝罪する。
考え事ってレイについてか?と古城が思っていると、
「………!?やばっ………また口を滑らしちまった。レイの情報、姫柊に喋ったことがバレたら、怒るだろうなあ………」
そう言って、はぁ、と古城が深い溜め息を吐いていると、雪菜が、大丈夫ですよ、と笑い、
「レイさんは先輩のことを慕っているんですよね?」
「え?あ、ああ………そうだな」
「でしたら彼女が先輩を怒ることはないと思いますよ。いえ、怒れないと表現した方が正しいかもしれませんね。先輩を傷つけたくない彼女ならばなおさら」
雪菜がそう言うと、成る程、それはあり得るな、と古城も納得した。確かにレイが古城を怒る光景は浮かんでこない。
「そうだな。レイなら笑って許してくれる気がするよ」
「はい」
笑みで返す雪菜は、ふと思い出したように古城に訊いた。
「それはそうと、先輩は変なヒトですよね」
「は?そりゃどういう意味だ、姫柊?」
変なヒト扱いされてムッと眉を顰める古城。そんな彼に雪菜は頷いて言った。
「だって先輩、自分の命を狙う人の心配をしてるんですよ?普通なら、逆に消してやろうとか思いませんか?」
「え?………ああ、俺が姫柊を心配した理由か?」
「はい。どうしてレイさんに狙われるかもしれないと、わたしに忠告してくれたんですか?」
雪菜が真剣な表情で訊いてくると、古城はポリポリと頭を掻きながら答えた。
「いや、だってさ。姫柊は俺を今すぐに始末しにきたわけじゃないんだろ?」
「え?あ、はい。獅子王機関から先輩を監視するように言われてますので。抹殺は万が一の場合のみです」
「だろ?なら俺が姫柊を見殺しにするわけにはいかねえよ。姫柊だって中等部でまだまだ若いんだし、人生まだまだこれからだろ?若くして死ぬのはごめんじゃねえのか?」
「は、はぁ………」
「だったらもっと自分の命を大切にしなって。レイに殺人鬼になってほしくないのももちろんあるが、姫柊にも死んでもらいたくないかな。べつに悪いやつには見えないんだし」
古城が理由を述べると、雪菜は何故か頬を赤らめて、
「わたしに死んでほしくない、ですか………そうですか」
「ん?おい、どうした姫柊?顔が赤いみたいだが………熱でもあるのか?」
古城に指摘されて、雪菜は首を振り、
「わたしは平気です。それよりも先輩。このあとはどうするつもりなんですか?」
「え?あ、ああ………図書館にでも行って夏休みの宿題をやるつもりだったんだけど………」
そう言いかけて古城は不意に嫌な予感を覚えて、雪菜に訊いた。
「姫柊、まさかついてくるつもりなのか?」
「はい。いけませんか?」
機嫌を良くした雪菜がそう言ってくる。
「いや、いけないってことはないけど………もしかして、この先ずっと?」
「もちろんです。監視役ですから」
ニコリと微笑みながら答える雪菜。そして雪菜は槍を詰め込んだギターケースを背負って食事の後片づけを始めた。
一方、微笑んだ雪菜を一瞬、可愛い、と思ってしまった古城。彼女の機嫌がどうして良くなったのかは古城には理解出来なかったが、あの笑顔が見れたから良しとするか、と自分に言い聞かせるのだった。
オイスタッハとアスタルテ登場回はカットします。