航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第83話~やはり、恋人とは愛しいものである~

「さあ、どうぞ」

『『『お邪魔します』』』

 

さてさて、晴れて恋人となった俺達は、エスリアさんの家にお邪魔しようとしていた。

その理由を語るには、6人とキスを終えた時にまで遡らなければならない。

 

 

 

 

 

 

キスを終えた俺達は、夜遅いのもあり、解散する事になった。

この7人の中で、エスリアさんだけが宿に泊まっていないと言うのもあり、彼女を自宅まで送り届けてから宿に向かおうとしたのだが、寂しそうな表情を浮かべたエスリアさんに引き留められたのだ。

どうもエスリアさんは、自分だけが自宅に居ると言うので疎外感を感じてしまったらしい。

そのため、俺達はエスリアさんの家に泊まる事にしたのだ。

 

 

 

「何か、すみませんね。こんな大勢で」

「いえいえ。私が言い出したんですから」

 

俺が謝ると、エスリアさんはそう返してきた。

 

「それからミカゲさん、私の事は呼び捨てで……後、タメ口で話してくださいね?恋人なんですから………」

 

そう言い終えてから顔を真っ赤にして俯くエスリアさん…………もとい、エスリアはめっちゃ可愛いかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからエスリアの寝室(8畳ぐらいの広さ)に案内された俺達は、其所で雑魚寝する事になった。

その際、誰が俺の隣で寝るかで揉め事になったため、じゃんけんで決めてもらった結果、エスリアとニコルが、俺の隣で寝た。

 

「(一通り落ち着いたら、ルージュに家でも建てようかな)」

 

両サイドからエスリアとニコルに抱きつかれながら、俺はそんな事を考えていた。

 

 

…………え?『初めてはどうした』って?流石にいきなりは無理ですよ、うん。

こう言うのは、ちゃんとした手順を経てからだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………そうか、彼女等と恋人関係になったんだね」

「ああ」

 

翌朝、7人仲良く起きた俺達は、エスリアの家で朝食を済ませてギルドの前で解散し、エスリア以外の6人は宿に戻っていた。

それからラリーに会ったため、他の5人を先に部屋へと戻し、俺はラリーと話していた。

 

「まあ、コレは昨日も言ったけど…………改めておめでとう、相棒」

「おう、ありがとな」

 

祝福してくれる相棒に、俺は礼を言った。

すると、ラリーは昔を思い出している老人のような、穏やかな表情を浮かべた。

 

「それにしても、あの鈍感の中の鈍感だった相棒が、今では6人もの恋人を…………いやぁ、成長したねぇ…………ちょっと前までは、どうしようもない鈍感野郎だったのに…………」

「お前、俺の事そんな風に思ってたのか?」

 

"鈍感の中の鈍感"だの"どうしようもない鈍感野郎"だの…………酷ぇ言われようだな。

おまけに、両方とも意味同じだし。態々似たような事言わなくても良いだろうに…………

 

「そうは言うけど、事実だろ?ゾーイやアドリアにエッチなアピールされても気づかないし、他の4人からのアプローチを受けても気づいてなかったんだから」

「うぐっ………あまりにも正論過ぎて言い返せねぇ………」

 

ラリーに言われ、俺は返す言葉を失った。

…………認めるしかなさそうだな。

そんな俺を見て、ラリーがクスッと笑う。

 

「まあ、何はともあれ彼女等の恋人になったんだ。ちゃんと幸せにしてやるんだよ?」

「そりゃ、勿論そうするつもりさ」

 

ソブリナ達が俺を愛してくれているなら、それに最大限答えてやるのが彼氏の義務だ。

 

「何なら、この町に家でも建てて、彼女等と暮らしたらどうだい?勿論、ある程度落ち着いてから」

「それは良い考えだが、お前はどうすんだよ?」

「…………それは考えてなかったな」

「おいおい、それじゃ駄目じゃん………」

 

俺は苦笑混じりにツッコミを入れた。

 

「そ、それより!昨日迷宮を攻略した訳だけど、ステータスはどうだったの?」

 

話題を変えようとしているのか、ラリーがそんな事を聞いてきた。

 

「……ああ、それがだな…………」

 

取り敢えず空気を読んで、俺は昨日見たステータスを伝える。

 

「…………まあ、こんな感じかな」

「相変わらず、誰が見ても顔面蒼白になるようなチートステータスをお持ちのようで」

 

ラリーは苦笑混じりにそう言った。

それから俺は、ラリーにもステータスを見せてもらった。

 

 

 

 

 

 

名前:ラリー・トヴァルカイン

種族:ヒューマン族

年齢:19歳

性別:男

称号:追いやられし者、片羽の妖精(Solo Wing Pixy)伝説となりし魔術師(レジェンダリー・ウィザード)、人の域を破りし者、自重知らず、狼殺し、人型兵器、人間失格、人の皮を被った化物、魔術の鬼

天職:航空傭兵

レベル:250

体力:7700

筋力:7600

防御:7700

魔力:40000

魔耐:42000

俊敏性:7900

特殊能力:詠唱破棄、全属性適性、魔力感知、空中戦闘技能、僚機念話、魅了・催淫無効化、錬成『アレスティング・ワイヤー』、錬成『カタパルト』、拡声、アルコール耐性、気配察知、魔法威力増加(マジック・ブースト)制限解除(リミット・ブレイク)

 

 

 

 

ふむ、相変わらず魔法系ではチートだな。魔力なんて俺の8倍以上だ。

それじゃあ、今度は制限解除(リミット・ブレイク)した状態でのステータスだ。

 

 

 

 

名前:ラリー・トヴァルカイン

種族:ヒューマン族

年齢:19歳

性別:男

称号:追いやられし者、片羽の妖精(Solo Wing Pixy)伝説となりし魔術師(レジェンダリー・ウィザード)、人の域を破りし者、自重知らず、狼殺し、人型兵器、人間失格、人の皮を被った化物、魔術の鬼

天職:航空傭兵

レベル:250

体力:39500

筋力:36000

防御:36500

魔力:480000

魔耐:500000

俊敏性:45500

特殊能力:詠唱破棄、全属性適性、魔力感知、空中戦闘技能、僚機念話、魅了・催淫無効化、錬成『アレスティング・ワイヤー』、錬成『カタパルト』、拡声、アルコール耐性、気配察知、魔法威力増加(マジック・ブースト)制限解除(リミット・ブレイク)

 

 

 

 

 

 

「うわぁ~…………」

 

ラリーのステータスを見た俺は、何とも言えない表情を浮かべた。

 

前々から思ってたが、コイツその気になれば、魔法で国1つ滅ぼせるんじゃね?

制限解除(リミット・ブレイク)した時のステータス値もそうだが、平常時でも魔力の量はヒューマン族の比じゃないし、破滅の煉獄(ルイン・フレア)みたいな強力な魔法使えるし。

国の魔術師団は勿論だが、F組勇者共でもラリーに魔法で勝つのは無理だろう。

 

そう思いながらラリーの方を向くと、ラリーはひきつった表情で自分のステータスを見ていた。

 

「…………何このふざけたステータスは?」

「いやいや、お前のステータスだろ」

 

唖然とした表情で言うラリーに、俺はそう言った。

 

「………………」

 

それから暫く黙っていたラリーだが、不意に、自嘲するような表情で小さく笑った。

 

「相棒のみならず、僕も人間を辞めてしまったと言う事か……………」

「まあ、"人の域を破りし者"だの "人間失格"だの書かれてるしな。俺等の称号には」

 

ラリーの呟きに言葉を返すと、俺達は揃って遠い目をした。

 

「そういや気になったんだが、この世界では称号を複数持ってる奴って多いのか?」

 

今更ながらの疑問を投げ掛けると、ラリーは首を横に振った。

 

「まあ、居なくはないけど………大概は1つだね。稀に、2つ持ちの人が居るって噂を聞くけど」

「………………」

 

ラリーにそう言われた俺は、言葉を失った。

今までは称号が増えても、『あ、何か知らんけど称号増えてる』程度しか思ってなかったが、ラリーに言われてから改めて考えると…………

 

「…………俺等、トンでもねぇ事してるんじゃね?称号10個は取ってるし」

「それ、今更気づいたのかい?」

 

俺の呟きに、ラリーがそう言った。

 

「ねえ、相棒。この前君のクラスメイト達と会った時、誰かにステータスプレート見せてもらったりした?」

 

不意に、ラリーがそんな事を訊ねてくる。

 

「ああ、天野のヤツを見せてもらったけど………」

「その人の称号、幾つあったか覚えてる?」

 

そう聞かれた俺は、目を瞑って天野のステータスを思い出す。

そういや彼奴の称号って…………

 

「"勇者"の称号以外は何も無かったな。それに、全員そうだって言ってたし………」

「つまり、そう言う事さ」

 

ラリーがそう言った。

 

「勇者でさえ、称号は1つしか持ってない。なのに僕等は10個以上持っている。となれば…………」

「もう良い、皆まで言うな」

 

俺はそう言って、強制的に話を終わらせた。

 

「はぁ…………クルゼレイ皇国に戻るタイミング、早めた方が良いかもしれねぇな」

「何時戻るか決めてる訳じゃないけどね…………それで相棒、あの念魔石は渡したのかい?」

「…………ハッ!?」

 

ラリーにそう言われた俺は、収納腕輪から念話石を引っ張り出す。

 

「すっかり忘れてた…………」

「何やってんだよ相棒…………」

 

俺の言葉に、ラリーが盛大に溜め息をついた。

それから俺達は、グダグダと話して午前を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後になり、昼食を終えると、ラリーとエメル、リーアは用事があるとかで何処かへ行ってしまったため、俺は今、ゾーイやアドリアと共に自室へ戻ってベッドに寝転がっていた。

因みにアルディアの3人は、彼女等の部屋に戻っている。

 

「………………」

「何か、考え事ですか?」

 

右半身に抱きついているゾーイが聞いてくる。

反対側に抱きついているアドリアも、此方を向いている。

 

「ああ、実はな…………」

 

そうして俺は、今朝の事を話した。

俺とラリーのステータスがトンでもない数値になっていた事や、大抵の人が称号を1つか2つぐらいしか取れていないのに対して、俺とラリーは、10個以上の称号を獲得していると言う事を…………

 

「成る程、そんな事が…………」

 

ゾーイはそう言い、アドリアは目を丸くしている。

 

「今まで何の違和感も無く称号増やしてたから、結構驚いたよ」

 

俺は苦笑混じりにそう言った。

 

「それにしても、まさか称号に人外扱いされるとは…………」

「ああ、それは俺も思った」

 

アドリアの言葉に、俺はそう返す。

 

すると、突然ゾーイが抱きつく力を強めてきた。

「…………?どうした?」

 

いきなりキツく抱きつかれた俺は、ゾーイに訊ねる。

 

「………………」

 

暫く黙っていたゾーイは、やがて、ポツリポツリと口を開いた。

 

「たとえ、称号に人外扱いされていようと…………本当に化物になっても…………私達は、貴方を愛しています」

 

ゾーイはそう言った。

 

「私もです、ミカゲ様」

 

今度は、アドリアが抱きつく力を強めてきた事により、俺は両サイドからの柔らかな感触に挟まれた。

 

「…………ありがとな、2人共」

 

俺はそう言うと、2人の背中に手を回す。

くすぐったかったのか、一瞬身を捩らせた2人だが、やがて大人しくなり、頬擦りしてきた。

 

 

 

 

やはり、こうして俺を想ってくれる恋人達は、本当に愛しいものだ。




イチャイチャしてる様子って、書くの難しいな。
こう言うの書ける人をマジで尊敬しましたよ。

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