冒頭部分で神影のステータス、残りは告白です。
上手く出来てたら良いなぁ…………
さてさて、念話石を大量に入手したついでに迷宮を攻略してきた俺とラリーは、Mig-31でかっ飛ばし、ルージュへと戻ってきた。
「やっぱり他の機体と比べると、
「そうだね。旋回性能は微妙だけど、直線のスピードなら、僕等が使える機体の中でも群を抜いているよ」
Mig-31を解除しながら呟くと、ラリーが答えた。
まあ、Mig-31ってエースコンバットでは"直線番長"と言う別名でお馴染みだからな。
因みに、F-2Aは"対艦番長"と言う別名を持っている。
「まあ、何はともあれ念魔石は手に入れたんだから、後は彼女等の気持ちに答えるだけだね」
そう言うラリーに、俺は頷いた。
「じゃあ、僕は先に宿に戻ってるけど…………相棒はどうする?」
「俺は待ち合わせ場所に行くよ。もう来てるかもしれんからな」
「そっか…………頑張れ、相棒」
そう言うと、ラリーは宿へと歩いていった。
「…………じゃ、俺も行こうかな」
段々と見えなくなっていくラリーを見送り、俺はソブリナ達に告白された、あの場所へと走り出した。
…………まあ、そんな訳で数分も掛からず着いたけど………
「誰も居ねぇじゃん…………」
そう、ソブリナ達が未だ来ていなかったのだ。
Mig-31で飛ばしすぎたかな…………
広場にある時計に目をやると、時刻は午後10時30分。矢鱈とキリの良い数字だった。
「そういや、待ち合わせ場所が此処とは言ってたけど、何時集まるかは言ってなかったんだよなぁ…………何やってんだよ俺は?時間ぐらい聞いとけよなぁ………」
広場のベンチに腰掛け、俺はそう呟いた。
まあ、今更どうこう言っても仕方無いし、宿に戻ってソブリナ達と入れ違いになるのも避けたい。
なら、此処でソブリナ達が来るのを待つしかないな。
「…………ステータスでも見るか」
そう呟き、俺はステータスを開いた。
名前:古代 神影
種族:ヒューマン族
年齢:18歳
性別:男
称号:異世界人、
天職:航空傭兵
レベル:250
体力:7800
筋力:7500
防御:7600
魔力:4800
魔耐:5000
俊敏性:8200
特殊能力:言語理解、僚機勧誘、空中戦闘技能、僚機念話、魅了・催淫無効化、錬成『アレスティング・ワイヤー』、錬成『カタパルト』、拡声、アルコール耐性、気配察知、馬鹿力、
「…………俺、もう18歳になってたのか」
標準ステータスを見終わった俺は、そう呟いた。
最近ステータスの確認をしてなかったし、カレンダーも殆んど見なかったから、自分の年齢が17なのか18なのかも忘れていた。
まあ、それは置いといて、次は
名前:古代 神影
種族:ヒューマン族
年齢:18歳
性別:男
称号:異世界人、
天職:航空傭兵
レベル:250
体力:40000
筋力:36000
防御:37000
魔力:20000
魔耐:25000
俊敏性:46000
特殊能力:言語理解、僚機勧誘、空中戦闘技能、僚機念話、魅了・催淫無効化、錬成『アレスティング・ワイヤー』、錬成『カタパルト』、拡声、アルコール耐性、気配察知、馬鹿力、
「うへぇ~………」
迷宮で魔物を倒しまくり、挙げ句フェンリルぶっ殺したらステータスが大変な事になってる件について。
つーかステータス値の上がり方おかしくね?
それに加えて、魔法なんて大して使ってないのに魔力が結構増えてるし………
そもそも、戦闘機あるのに、こんなにもステータス値が上がる意味はあるのだろうか?
いや、ステータス値は低いより高い方が良いけどさ。流石に上がりすぎではなかろうか?
コレも、"自重知らず"の影響なのだろうか…………?
「(………それもそうだが、航空兵器はどうなってるんだ?)」
一旦ステータス値について考えるのを止め、俺はそんな事を考える。
最近は決まった機体しか使ってないから、どうなっているのかは知らなかったりする。
試しに航空兵器のリストを開いてみる。
「ふむ、『戦闘機』に『攻撃機』、『多用途戦闘機』、『攻撃ヘリ』、『レシプロ機』…………おっ、『多用途ヘリ』、『ガンシップ』、『爆撃機』まで追加されてる………コレはつまり、エースコンバットシリーズに出てくる実機を、全部使えるようになったって事か…………」
俺はそう言いながら、新たに加えられた3つのリストを開く。
『多用途ヘリ』
UH-60 Black Hawk
『ガンシップ』
AC-130U Spooky
『爆撃機』
B-1B Lancer
B-2A Spirit
「(今思ったんだが、この4つの機体、展開したらどんな感じになるんだろうな…………てか、爆撃機だったらどうやって爆弾落とすんだよ)」
腕を組んで目を瞑り、そんな事を考えていた時だった。
「あら、ミカゲ。早かったのね」
不意に、ソブリナの声が聞こえてくる。
目を開けると、目の前に6人の美女が立っていた。
ソブリナ達だった。
「ああ、迷宮攻略してから大急ぎで来たからな」
そう答えると、6人はキョトンとした表情を浮かべた。
「貴方、迷宮行ってたの?」
「まあな。ちょっと、欲しいアイテムがあったんだよ」
そう言うと、俺は立ち上がる。
「さて、それじゃあ約束通り、あの日の返事をしないとな」
「ええ」
俺の言葉にソブリナが頷き、他の5人も、真面目な表情を浮かべる。
「………………」
俺は、そんな6人を一瞥し、ある質問を投げ掛ける。
「答える前に…………幾つか、聞きたい事があるんだ」
俺は、そう話を切り出す。
「先ず、コレはエスリアさんには未だ話してなかったが…………俺は、この世界の人間じゃない。異世界から連れてこられた、勇者の1人なんだ」
「ッ!?」
そう言うと、エスリアさんは驚きのあまりに目を見開き、口を両手で覆う。
「だから何時かは、俺は元の世界に帰る事になる。それを知っても、皆は俺を、好きで居てくれるか………?」
そう訊ねると、この場を暫しの沈黙が支配する。
長く続くかと思われたこの沈黙は、意外な人物によって破られる。
「勿論です」
そう言ったのは、エスリアさんだった。
「たとえ、ミカゲさんがこの世界の人間じゃなくても、そもそも人間ですらなかったとしても……………私は、ミカゲさんが大好きです。どんな形で出会っても、きっと最後には、ミカゲさんを好きになっていると思います」
胸の前で手を組み、エスリアさんはそう言った。
「エスリアの言う通りよ、ミカゲ」
今度は、エリスが口を開く。
「住んでる世界なんて関係無いわ。それに私達は、貴方が元の世界に帰る事になったら別れる、なんて事は考えないわよ?」
「………それって、つまり…………?」
そう聞き返すと、6人は互いに顔を見合わせて頷くと、再び俺に向き直った。
「私達も、ミカゲについていくわ」
「ッ!?」
今度は俺が驚く番だった。
日本に居た頃に読み漁ってたネット小説でも、異世界に召喚された主人公が元の世界に帰る時、異世界人のヒロインが主人公についていくと言う展開はあったが、まさか此処でもあるとは…………!
「私とアドリアだけが、ミカゲ様についていきたがっている訳ではありません。貴方を好いている、この6人全員は勿論ですが、ラリー様やお姉様、そしてリーアも、ずっとずっと、貴方と共に居たいのです。たとえ、もう此方の世界に戻れなくなるとしても…………」
「ゾーイ………」
ゾーイの言葉に、目頭が熱くなってくる。
俺に好意を持ってくれてるとは言っても、こんなにも好いてくれるとは、本気で嬉しい。
「じゃ、じゃあ次の質問だ」
俺はそう言って、話題を変えた。
「俺は………いや、俺達ガルム隊は、このルージュを出てから、クルゼレイ皇国の城で世話になってるんだ」
『『ッ!?』』
俺の言葉に、アルディアの3人とエスリアさんが目を見開いた。
まあ、城と言えば、つまり王が住んでる所だ。そんな所で世話になっていると言うのだから驚くのも無理無いが、取り敢えず話を進めさせてもらおう。
「それでな、このルージュに戻ってきたのは、一時的な里帰りみたいなものだから、何れ、クルゼレイ皇国に戻らなければならなくなる。その際には、ゾーイとアドリアは未だしも、残りの4人を連れていく事は出来なくなる」
『『……………』』
そう言うと、4人は顔を伏せる。
「そりゃ、出来れば連れていきたいよ。でも、駄目なんだ………」
「ええ、分かっているわ」
ソブリナが言った。
「勿論、それを解決するための手段も手に入れてる。今日、迷宮に行ってきたのも、そのためだからな」
そう言うと、俺は収納腕輪から念話石を取り出して4人に見せる。
「クルゼレイ皇国に戻っても、なるべくルージュに来られるようにする。でも、それまでは、コレでの通信だけで我慢してもらわなければならない…………それを、受け入れてくれるか?」
「当然よ」
またしてもソブリナが即答し、残りの3人も頷いた。
「ついでに言わせてもらうと、クルゼレイ皇国でミカゲを好きになる人が現れても、私達は構わないわ」
「ッ!?」
エリスの言葉に、今度は俺が驚いた。
「貴方は凄く鈍感だけど、今はこうして、私達の事を、凄く考えてくれてる。そんな貴方なら、たとえ女を何人囲おうと、皆平等に愛してくれると、信じているわ」
「…………ッ」
エリスにそう言われ、俺はまた、目頭が熱くなるのを感じた。
これ程までに信頼を寄せてくれているのと、1つ目の質問に対する彼女等の答えが、俺の心の中で響いている。
「さあ、ミカゲ様。今度は貴方の番なのですから、泣いている場合ではありませんよ?」
「……………んえ?」
アドリアの言葉に、俺は間の抜けた声を出してしまう。
目を軽く擦ってみると、触れた部分が濡れていた。
無意識の内に泣いていたようだ。
「あらあら、2回目の泣き顔ね」
ソブリナが、からかうようにそう言った。
「ああ、そうだな………」
そう言って涙を拭い、改めて6人を見据える。
冒険者に成り立ての頃から今まで、色々と世話を焼いてくれたエスリアさん。
接した時間こそ短かったが、何だかんだで仲良くしてくれた、アルディアの3人。
最初はスッゲー嫌われてたけど、今ではベッタリになっている、ゾーイとアドリア。
皆、俺の大切な人達だ。
たとえ此方の世界の生活を捨てる事になっても、俺を選ぶと言ってくれる人達だ。
そんな彼女等からの告白を、断る理由なんて…………無い。
「俺も、皆が好きだ」
俺は、短くそう言った。
「3日間、皆とデートして…………皆が、何れだけ俺の事を好いてくれているのかが分かったよ。デート中も、結構ドキドキしてた。それに……あの時、告白してくれたのも、戸惑いはしたけど、スゲー嬉しかった。そしたら、皆の事が…………凄く、愛しく思えてな……」
自分で言ってて、凄く恥ずかしくなるような台詞だが、それが俺の正直な気持ちなら、出し惜しみせず、全て彼女等に伝えなければならない。
「だから、こんな俺で良ければ…………」
そう言って、俺は深呼吸してから再び口を開く。
「俺の、恋人になってください」
右手を差し出し、腰を90度に曲げる。
後は、ソブリナ達の返事次第だ。
『『『『…………………』』』』
俺達7人だけの広場に、沈黙が流れる。
「ミカゲ様、頭を上げてください」
不意に、アドリアが沈黙を破った。
手を一旦引っ込めて頭を上げる。
「幾ら男性の手でも、私達6人全員が触れるには小さすぎます」
「……だから、私達も…………言葉で、返事する…………」
アドリアに続いて、ニコルも言った。
そして、6人は其々と顔を見合わせ、互いに頷き合ってから此方を向き、満面の笑みを浮かべた。
『『『喜んで!』』』
そう言って、一斉に駆け出した6人が俺に抱きつく。
それから誰かが言い出すまでもなく、俺は6人とキスを交わした。
唇が触れる程度のものではなく、恋人同士の、深くて、熱くて、甘く、蕩けてしまいそうなキスを…………
そんな俺達を、夜空で輝く月だけが見ていた。
こうして俺、古代神影に、18年の人生で、初の恋人が出来た。
…………いや、この場合は恋人"達"かな。
告白の返事の描写って、難しいなぁ…………