航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第76話~グループデートその2《積極的な架空機編》 絶対終わるって!~

『際どい水着を着た巨乳美少女に抱きつかれた~い』とか考えてる男性諸君、その願いは叶わない方が良いぞ。

実現したら実現したで、スッゲー困るから。下手したら俺みたいに頭の中が混乱しまくった挙げ句、そのままブッ倒れる事になるから。

いや、マジで。

 

 

 

 

 

そんなこんなで段々と意識が戻り、今の俺は、目を開ける事は出来なくとも、考え事が出来る程度には回復していた。

 

「(それにしても、まさかブッ倒れるとは思わなかった………ゾーイ達、ぶっ倒れた俺を見た時はどんな反応してたのかなぁ………)」

 

真っ暗闇の中、俺は内心そう呟いた。

それにしても、さっきから後頭部に、何やら柔らかいものが当たってるんだが…………何だコレ?

 

 

そう思いながら、試しに横を向いてみる。

すると、頬にしっとり柔らかい何かを感じる。

 

「(…………何コレ?)」

目を瞑っているため、俺が何に触れているのか全く分からん。

だが、この柔らかい感触は、もう暫く味わっていたい。

 

さっきのゴタゴタで頭が混乱しまくった俺は、どんな形であれ、"癒し"を求めていたのだ。

 

らしくもなく、もっと味わっていたいと言う欲求に負け、俺はもう少し、この感触を味わう事にした。

 

きっと、コレは夢なんだ。

頬に触れているものが何なのかは分からんが、夢の中だからこそ存在する特殊な枕か何かに違いない。

どうせ夢の中だと言うのなら、この不思議な枕の感触を、存分に味わってやろうじゃないか。

 

そう思い、この枕に頬擦りする。

流石は夢の中の枕と言うべきか…………まるで、誰かに膝枕されているような心地好さだ。

日本では勿論、この世界に来てからも味わった事が無い、極上の感触だ。

病みつきになる程に触り心地が良く、柔らかさに加えて、もっちりしている。

 

そんなこんなで頬擦りしている内に、にへら~っと、頬がだらしなくニヤけるのを感じる。

そうしている内に、ただ頬擦りだけでは足らなくなり、俺は手で枕に触れる。

 

「(うわっ、何だコレ?めっちゃスベスベじゃん!)」

 

手を這わせてみると、一切の摩擦無く、手が枕の上をつうっと滑る。

「(夢の中とは言え、まさか、こんなにも気持ち良くなる枕があったとは…………やはり夢の中は最高と言う事だな!)」

 

内心そう呟きながら、俺は兎に角、その枕の感触を味わう。

頬擦りしたり、手を這わせたり、フニフニと揉んでみたり…………コレが現実だったら、周りからは変態を見るような目で見られるだろうが、コレは夢なのだから、気にする必要は無い。

 

「(もし、こんな枕が現実にあったら………言い値で買っても良いな。うん)」

 

そうして、枕をひたすら触りまくっていると…………

 

「ああ……っ!………んっ、くっ……あっ…………!」

「(…………ん?)」

 

何処からか、聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

 

その上、枕だと思っていたものが、何やらモゾモゾと動いている。

そうすると、必然的にそれが頬や手に擦り付けられる事となり、またしても色っぽい声が小さく上がる。

「んっ!………ミカゲ、様………」

 

意識が段々はっきりしてくるのと共に、周りの音や声も聞こえるようになってくる。

それによって、さっきから聞こえる声の主が、ゾーイだと分かった。

 

「ミカゲ様……ミカゲ様……!」

喘ぎ喘ぎに、ゾーイが俺の名を呼ぶ。

つーか、何か色々とヤバそうなんですけど…………!?

 

「ミカゲ様…………私、もう………!」

 

そう言って、ゾーイが俺の頬に両手を添える。

ヤバい……何かもう、色々ヤバい…………

 

「(…………起きよっか、もう十分起きれるし)」

 

内心そう呟いて、俺は目を開けて上を向く。

すると、俺の真っ正面に目を瞑ったゾーイの真っ赤な顔が現れた。

 

急に動いた俺を見て、アドリアが驚いて小さく声を上げているのが横から聞こえるが、一先ず無視させてもらう。

 

徐々に近づいてくるゾーイの顔を見る限り、どうやらキスしようとしていたらしい。

 

此処で抜け出してお預けと言うのも後味が悪いので、顔をゾーイの顔に近づけ、軽くキスをする。

 

「ッ!?」

 

あまりにも早いタイミングに驚いたのか、ゾーイが直ぐ様顔を離す。

そして俺の顔を視界に捉えた瞬間、ゾーイの顔はさっき以上に真っ赤に染まり、口が小さく、パクパクと動いている。

 

「よっ」

 

そんなゾーイに、向かい合う形でしゃがんだ俺は軽く声を掛けてやる。

 

「み、ミカゲ様……?い、何時から……起きて…………?」

「う~ん………ちょっと前から」

「~~~~ッ!?」

 

俺がそう言うと、ゾーイは声にならない悲鳴を上げた。

 

それにしても、学ランとズボン汚れちまったなぁ………

 

「……………ん?」

 

なんて考えていると、後ろから学ランの裾をクイクイと引っ張られる。

振り向くと、其所にはアドリアが居た。

まあ、このビーチには俺とゾーイとアドリアしか居ないので、当然なのだが。

 

「ミカゲ様、次は私の番です」

「…………はい?」

 

突拍子も無い言葉に、俺は思わず聞き返した。

一体何を言ってるんだ?

 

「え~っと………お前の番と言うのは………?」

 

そう訊ねると、アドリアは答えてくれた。

 

 

曰く、俺がブッ倒れた時に軽くパニクった2人だが、別に熱中症とかになった訳ではなかった上に、そのまま寝てしまった俺を見て、何故か俺を膝枕すると言う話になったらしい。

それで、取り敢えずゾーイが先に膝枕する事になり、アドリアに交代しようとしていた時に俺が目を覚ましてしまったと言うのだ。

 

…………タイミング悪い時に起きちまったな、俺……

 

「さあ、ミカゲ様。どうぞ此方へ」

 

そう言って正座し、自分の太股をポンポンと叩くアドリア。

もう起きたし、太股の柔らかさはゾーイで堪能したからコレ以上しなくても良いのだが、それは流石に不公平と言うものだろう。

 

「(従っといた方が良さそうだな)」

 

そう思ったら即実行。俺はアドリアの太股に後頭部を乗せる。

 

おぉ、スベスベだ………それに、ゾーイと並び立つ程の柔らかさ………コレは心地良いのだが……

 

「(もう完全に変態思考になっちまってんじゃねぇかよ俺………)」

 

ご機嫌なアドリアに頭を撫でられながら、俺はそんな事を考える。

 

膝枕ってアニメではよく見る展開だが、実際にやってもらうとなれば、色々感じ方が違うな。

上手く説明出来んけど。

 

 

「…………………」

「………?」

 

そんな訳で膝枕されている俺だが、何故かアドリアが不満そうな表情を浮かべている。

はて、何故だ?

 

「ミカゲ様、先程のように甘えてこないのですか?」

「…………はい?」

 

俺はポカンとした表情で聞き返す。

 

「ゾーイにはあれ程甘えていたのに、私にはしてくれないのですか?」

 

アドリアはそう言った。

何と言うか、相手から『甘えろ』と言われると、逆に戸惑ってしまうのは俺だけだろうか…………?

 

「まあ、お前が良いって言うなら甘えさせてもらうけど……良いのか?」

 

そう訊ねると、アドリアはコクコクと頷いた。

ドンだけ甘えられたいんだよ…………

 

 

 

なんて思いながら、俺はアドリアの太股に頬擦りする。

ゾーイと同じように、肌触りは抜群だ。

しっとりモチモチしていて、スッゲー柔らかく、温かい。

 

「んっ………くあっ……」

 

そうしていると、アドリアの口から艶かしい声が漏れ出す。

頬は赤く染まり、目は潤む。

 

普段は大人しく、落ち着き払った声色なだけあって、こうやって艶かしい声を出されると、余計にエロく聞こえてしまう。

 

「………………」

 

そんなアドリアを、ゾーイが羨ましそうに眺めている。

俺、さっき散々頬擦りしまくったのだが……………未だ足りないのだろうか?

と言うか、見られるのって結構恥ずかしいから止めてほしいんだけどなぁ…………

 

そうしていると、アドリアが俺を見下ろす。

 

「み……ミカゲ………様………」

 

真っ赤な顔で太股を擦り合わせ、艶かしい声で俺を呼ぶアドリアは、最早さっきのゾーイそのものだ。

それにしても、目の前で、今にも溢れそうな様子でユッサユッサ揺れている2つの大きな果実が目に毒過ぎて、俺の理性がマジでヤバいんですけど……………

 

「あんっ……くぅっ………ミカゲ様………」

「お、おう…………」

 

俺が返事を返すと、アドリアは目を瞑って顔を近づけてくる。

恐らく、キスをねだっているのだろう。

 

「(まあ、ゾーイにやった手前、アドリアだけお預けって訳にもいかんからな…………)」

 

内心そう呟き、俺は顔を近づけ、軽くキスをする。

小さくリップ音を鳴らして、唇を離す。

 

そして何と無く恥ずかしくなり、どちらともなく顔を逸らす。

ゾーイにやった時はならなかったのだが…………不思議なものだな。

 

それからは、何とも言えない雰囲気が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで夜になり、ゾーイとアドリアがデート服に着替えると、俺達はフュールの町へと戻っていた。

その理由は、夜景が見れると言う高台に行くためだ。

 

「「♪~………」」

 

フュールへ向かう道中、両サイドを飛ぶゾーイとアドリアは、俺に寄り添うようにして飛んでいた。

機体を纏っているために腕を組んだりは出来ないが、2人は幸せそうだ。

 

 

…………ん?『あの後、海に入ったりはしなかったのか?』だって?

あ~…………実を言うと、水着はあるのに体を拭くためのタオルは持っていないらしく、そもそも俺が水着を持っていなかったから、入ろうにも入れなかったんだよなぁ…………

まあ、海で泳ぐのは次の機会に回そう。

 

「………おっ、見えてきた」

 

前方に幾つもの明かりが見えてきた。フュールの町だ。

 

俺達はフュールの町の手前で着陸すると、F組の連中に出会(でくわ)さないよう注意しつつ、高台へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ~…………コレは中々」

 

高台に着くと、俺達はフュールの夜景を眺めていた。

今、この高台には俺達3人以外は誰も居らず、完全に水入らずの状態になっている。

町を見渡すと、水族館や他の建物のネオンサインがあちこちで輝いているのが見えた。

 

「まるで、クリスマスのイルミネーション見てるような気分だ…………」

 

小さく呟き、俺は芝生に腰を下ろす。

ゾーイとアドリアも、俺を両サイドから挟む形で腰を下ろし、俺に寄り掛かった。

服越しでも、2人の体の感触がダイレクトに伝わってくる。

やはりデートだからか、海に行った時の水着と言い、今こうして、俺に寄り掛かってる状態と言い…………2人共、何時にも増してアピールが激しいな。

まあ、別に悪い気はしないけど。

 

「(免疫の無い俺にとっては、劇薬になりかねないんだよなぁ………)」

 

この世界に召喚されるまでは、普通に戦闘機マニアやってた訳ですからね。

エースコンバットも飽きる程にプレイしまくって腕上げたお陰で、イベントのランキングでは、順位1桁なんて当たり前だったし。何度か1位取ってたし。

挙げ句の果てには、自分が気に入ってる機体なら、兵装の種類や、機体カラー、インフィニティではレベル毎の残弾数、機体通り名まで言えてしまうからな。

 

それを言った時、親に『その凄まじい記憶力を、勉強に回せないのか?』と苦笑混じりに言われたのを、今でも鮮明に覚えてる。

 

 

「(そんな俺が、この2人を含む6人の女の子に告白されて、今はデート中だってんだから、驚きだよな………)」

 

夜空を見上げ、俺は内心そう呟いた。

 

「…………あ、そう言えば」

 

すると、頭の中に、ある疑問が思い浮かび、俺は声を発した。

 

「…………?ミカゲ様、どうしました?」

 

此方を向いたゾーイが訊ね、アドリアも此方を向く。

 

「いや、今更ながら疑問に思った事があるんだけどさ………」

 

そう言って、俺は少しの間を空けてから言葉を続けた。

 

「お前等と初対面の頃の俺って、なんであんなに嫌われてたんだ?」

「「………………」」

 

俺がそう言うと、2人は先程までの幸せそうな表情から一転して、気まずそうな表情を浮かべて顔を伏せてしまった。

そう。覚えている方も多いだろうが、俺は2人と初めて会った頃は、2人からはかなり嫌われていた。

話し掛けても冷たくあしらわれてたし、嫌悪感全開で睨まれる事だって多々あった。

あまつさえ、ゾーイに『1番機を降りろ』とすら言われた程だからな。

 

「「………………」」

 

暫くの間黙り込んでいた2人だったが、やがて口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「…………と言う訳なのです」

「……………」

 

2人から話を聞いた俺は唖然とした。

2人の話を端的に言うと、先ず、2人は俺達が、冒険者登録を済ませた日に、エリージュ王国での悩みの種とされていた黒雲を殲滅したと言う噂を聞き、俺が凄い人だと勝手に思い込んでいた。

だが、実際に会ってみると、何処にでも居るような普通の男子だったから失望した。

なのに、2人の姉とも言えるエメルを3番機として従えているのが気に食わない。

………と言った理由だったのだ。

 

「何と言うか…………理不尽な理由だなぁ……」

 

俺が苦笑混じりにそう言うと、2人は、またしても気まずそうに顔を伏せた。

「ああ、別にそんな顔しなくても良いんだぜ?もう気にしてねぇから」

 

俺はそう言って、2人の頭を優しく撫でてやる。

 

「そりゃ、あの時のお前等の態度にはマジでショック受けたけど………何だかんだで今、こうやって仲良くやってるんだから、それで良いじゃねぇか」

「ミカゲ様………」

「………………」

 

俺が言うと、2人は顔を上げて俺を見る。

 

「………ミカゲ様は、優しすぎます」

 

不意に、アドリアがそう言った。

 

「あれだけ貴方を蔑み、思いを踏みにじったのに………愛想を尽かさず接してくれて………」

「私達を、受け入れてくれた……暖かな眼差しで………優しい、声音で……」

 

アドリアの言葉に、ゾーイが続く。

そして、2人は互いに顔を見合わせて頷き合うと、俺の方を向いた。

 

「「そんな貴方の事が……………大好きです」」

 

そう言うと、2人は俺にキスをした。

何と無く面映ゆさを感じた俺は、照れ隠しとばかりに、頬を指で軽く掻いた。

 

「ミカゲ様」

 

すると、今度はゾーイが話を切り出してきた。

 

「最後に1つだけ、私達からお願いがあるのですが……」

「"お願い"?」

 

そう聞き返すと、2人は頷く。

 

「「私達を…………抱き締めてくれませんか?」」

 

2人同時に、"お願い"の内容を口にする。

 

そう言えば2人共、ルージュの町を発つ時にエスリアさんに抱きつかれた俺を見て不満げにしてたな。

それからラリーに、『2人を抱き締めてやれ』って言われたっけ…………

 

「…………ああ、良いぜ」

 

そう言うと、俺は2人の腰に腕を回して2人を抱き締めた。

 

「……ずっと、こうしてほしいって………思っていました……」

 

不意に、ゾーイが言った。

 

「こうやって、貴方に抱かれたかった…………」

 

アドリアも言葉を続ける。

 

「………待たせて悪いな」

 

そう言うと、2人は首を横に振った。

 

その後、暫く抱き合っていた俺達だが、時間も時間なため、ルージュの宿へと戻り、ベッドに寝転がる。

3人部屋であるため、ベッドは3つあるのだが、ゾーイとアドリアは、相変わらず俺のベッドに入ってくる。

前までは戸惑っていたが、今ではそう思わない。

 

「………お休み、2人共」

「「はい。お休みなさい」」

 

そうして、俺達はキスを交わして眠りについた。

その際、俺はこんな言葉を聞いた気がした。

 

 

 

 

 

 

『愛しています』と…………




さて、ゾーイとアドリアとのデートが漸く終わりました。
エロく甘いデート(だと作者は思ってる)でしたが………皆さん、壁何枚壊しましたか?ブラックコーヒーを何杯お代わりしましたか?

ん?自分?それは皆さんのご想像にお任せします。
神影、取り敢えず爆発しやがれ。


まあ、それはさておき…………

次回は遂に、アルディアの3人とデートです。

はてさて、どうなるのやら…………?

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