仮面ライダーエグゼイド~異質なる命の鼓動   作:カオスサイン

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EPⅡ「Im a KamenRider!!(本編)」

Side遊羽

「こ、これは!?…こんなにも早くもうバグスターが実体化しそうなまでに病状が悪化したっていうの!?

あの馬鹿は何をしたのよ!?」

私がゲーム企業である幻夢コーポレーション前社長であった人に託されたこのライダーシステムを唯一扱える筈の天才ゲーマー「落紳士」を探しに出たのはよかったが結局宛てすら見つける事が出来ずに病院に戻るとなんとゲーム病の進行が早まりバグスターが実体化しそうになっていたのだ。

恐らくは患者に真実を告げピークを振り切らせ進行を早めてしまったあの秦とかいう医者に私は心底腹を立てていた。

でも私じゃこの状況を打破出来る術は無い…。

 

Side秦

「陽向さん!やっと見つけた!…」

「君!アンタ、患者さんに何言ったのよ!?」

「すいません!健司君に真実を告げてしまいました…」

消えた(恐らく転移したと思った)異形、バグスターを追って外に出ると陽向さんに怒鳴られてしまった。

これは本当に俺の落ち度なので素直に謝罪した。

ふと俺は彼女が言った先程の話を思い出し言った。

「なあ、そのベルト、ゲーマドライバーがあれば健司君を…彼を救えるんだろう?!」

「そうだけど…だけどコレは…」

「だったら話は早い!」

「え、ちょっと!?…」

俺は陽向さんが持っていたゲームカセットの様な物、ライダーガシャットとゲーマドライバーを半ば強引に引き寄せた。

彼女は咄嗟な反応が出来ずそれ等は手元を離れる。

「攻略対象は素音原 健司君、同性だけど…やらせてもらうよ!

患者の命運は俺が切り開く!大変身!」

【ドッキトッキラブメモリーズⅡ!♪~】

俺がドットキラブメモⅡのガシャットを起動させた瞬間、周囲一辺がまるでゲームの世界に塗り替えられていった。

「げ、ゲームエリア!?そんな、なんで!?…」

陽向さんが背後で驚いている。

成程ゲームエリアか。

早速ガシャットをドライバーに差し込んでみる。

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイムアカメンライダー!』

その音声が鳴った瞬間俺の目の前にはゲームタイトルのパネルが出現する。

俺はドットキラブメモⅡのタイトルアイコンをタップする。

音声が鳴り終えると俺の姿がガラリと変わり、まるでどこぞのゆっるゆっるなキャラの姿、ギャルゲーマーLV1へと文字通り変身した。

「…なんだコレ?…まあいいぜ」

「駄目!そのゲームは素人がクリア出来る様なゲームじゃないの!」

俺がバグスターへ向かって走り出そうとすると陽向さんが何やら警告してくる。

だけど…

「陽向さん…健司君の事は俺に任せてくれ!」

「だけど!…」

「大丈夫だ!…ギャルゲーマー界の達人のこの俺、落紳士が君の心の闇(バッドエンドフラグ)…トゥルーエンドへと変えてやるぜ!」

「あ、貴方があの落紳士なの!?…」

高らかに宣言した俺に陽向さんはまた二度驚いていた。

俺はバグスターに向かって走り出す。

「そらっ!」

バグスターへとキックやパンチを繰り出す。

 

Side遊羽

「す、凄い!…」

私は持っていたゲーマドライバーを使って仮面ライダーへと変身を成功させた彼の実力を見て素直に感想を述べていた。

あれが落紳士…。

「ってあれ?…なんであんな只の女ったらしに私は顔を赤く!?…」

私は自分の中に芽生え始めていた感情に戸惑いを隠せないでいた。

 

Side秦

「シャー!」

「おおっと!?」

しかしこれ以上の攻撃は効かなかった様で激昂したバグスターが俺に向かって突撃してくる。

「こういう時は…コレだ!」

埒が明かないと悟った俺はゲームエリア周辺に設置されている【?or?】コンテナを叩いた。

するとコンテナの中からギャルゲーの攻略には必須ともいうべき二つの「選択肢」が出現した。

・【「俺も姫奈が大好きなんだ!だから!…」】

・【「自分をしつこく追いかけてくる男子生徒を殴り倒す」】

「やはり!だがまさかこんな所まで忠実に再現されているとはな。

通りで似ていると思っていたがあのバグスターは…発売されている物とは変化は無いみたいだな」

この選択肢は由河姫奈√に突入して一番初めに学園のアイドルと謳われた彼女と付き合い始めた主人公がモブ男子生徒に妬まれしつこく追いかけられるシーンの所だな。

しかも皆何故か武器を持ちながら…。

まあ、誰も二番目の選択肢を選ばないだろうと思われるであろうが男子生徒達のあまりのしつこさについこの選択肢を選んでしまった勇士?プレイヤーがこの後想像もつかないこの世の地獄を見たらしく心を折られかけたらしい。

あくまで噂に過ぎないが…。

どうやら選択肢が反映されるまでは大丈夫らしく俺も蹴り倒しておいてよかったと一人内心ホッとしていた。

という訳で勿論ここは一番目の選択肢を選びそれをモブバグスターに向けて飛ばした。

「!?…」

どこからともなく「GOOD!」の文字が出現し正解音が鳴る。

正解の選択肢を受けて本物のゲーム同様に沈黙したかと思うとバグスターは苦しみ出し飲み込んでいた健司君を吐き出した。

「健司君!」

「ぐっ!?うう…」

「まだゲームは終了していない!」

俺はすぐに駆け寄ったが未だ彼の様子が可笑しい事に疑問を感じたが陽向さんの指摘を受けすぐにバグスターを見た。

「姫奈ちゃんをお前なんかに渡さんぞ!」

「そうだそうだ!」

「という訳で氏ね…!」

「おいおいマジかよ…」

今度は先程よりも明確な形で武器を持った男子生徒モブバグスターがいきなり増え始め口々に姫奈への愛を語り出した。

これは不良モブバグスターだな。

「ああ、後は悪い子にはお仕置きをって訳だな。

よっとコレかな?最終攻略だ!大変身!チャート2!」

主人公の大胆な告白を聞いても尚妬みの激しい何名かは後日、彼女を校舎裏に呼び出し集団強姦を目論んだ連中がいたのだ。

ここでは流石に先程の様な選択肢は存在しなかったので大いに彼等をブチのめせる先程のシーンで地獄を見たプレイヤーへのある意味救済策ともいえようか。

俺はドライバーのレバーに手をかけ開く。

『ガッチャーン!レベルアップ!

ラブアクション!ラブピース!ドッキトッキラブメモリーズⅡ!♪~』

LV1のアーマーがパージされ俺はギャルゲーマーLV2へとLVUP、移行変身した。

『ガシャコンフラッグ』

「はっ!」

俺はガシャコンウェポンであるガシャコンフラッグを召喚してモブ不良バグスターへと攻撃する。

「今度はコイツだ!おりゃあ!」

『パッシーン!』

旗モードで薙ぎ払いながら俺はBボタンを押してハリセンモードに切り替えバグスター共をはたき倒していく。

そして今度はAボタンを連打しながら攻撃をし続ける。

気が付くとバグスターの数は少なくなっていた。

「よし!ようやくまとめてトドメだ!」

『ガッシューン』

俺はガシャットをドライバーから抜き左腰に着いている「キメワザスロットホルダー」に差してボタンを押し足を上げた。

『キメワザ!ドッキトッキラブメモリーズⅡ・クリティカルストライク!』

「はあっ!」

「そ、そんな!?ウッギャアアアー!?……」

キメワザのキック(バグスターはヒロインからの罵倒という地獄を見せられている)を受け残っていたバグスター達は纏めて残らず爆散した。

『会心の一発!』

「由河姫奈√初段階クリアだぜ!」

『√CLEAR!』

バグスターを倒した事でゲームエリアが解除され俺は急いで今度こそバグスターから解放された健司君に駆け寄った。

「うん?…せ、先生、俺は…」

「ちょっと悪い夢を見ていただけだ。

もう大丈夫だから!…」

「先生…本当にありがとう!」

健司君が目を覚まし俺はホッと一安心した。

「うん、ゲーム病の方は完全に治っているわ!」

「そうですか!」

陽向さんが診断結果を告げ今度こそ本当の意味で安心出来た。

数週間後、健司君は俺の賢明な治療により喘息を完治させ元気に退院していった。

「健司君、告白頑張れよ!」

「はい!本当にありがとうございました!」

そう彼の背中を見送る俺を見ている者がいた事に俺は気が付かなかった。

「へえー…これから面白くなりそうじゃないか!…」

 

 

 




次回、「お願い!貴宮君いや先生、仮面ライダーラヴァードとなって全てのゲームをクリアして欲しい!」
「『お願い!永夢、仮面ライダーエグゼイドとなって全てのゲームをクリアして!』」
「「え?」」
対面する二人のゲーマー。
「エグゼイドにラヴァードねえ…乗りが良いじゃないか!」
「私の知らないライダーガシャットだと!?…」
「お前達の存在はノーサンキューだ」
「秦、僕も一緒にバグスターと戦うよ!」
【タドルクエスト!】【デュエロ・モンスター!】
「これよりバグスター摘出手術を開始する」
「僕のプレイングを見るがいいさ!」

「ノーサンキューとモンスターロード」


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